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大石哲之:米SECがリップル社を提訴【フィスコ・暗号資産コラム】

暗号資産コラム
以下は、フィスコ客員アナリストの大石哲之(「ビットコイン研究所)」代表、ツイッター@bigstonebtc)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2020年12月25日に執筆

今週の市場はXRPの問題で大荒れになった。SECがリップル社と創業者2名を相手取り、違法証券を販売し利得を得たとして訴訟に踏み切った。訴状の中には、日本の取引所が上げられており、XRPを市場価格より1〜3割引で調達していた事実が書かれている。そのXRPの総額は800百万ドルに上る。

また、リップル社はXRPの価格を操作しており、価格対策本部が社内にもうけられていた。世界中で多くの金融機関が使っているとしていたが、XRPを利用した送金サービスであるODPは、他の国際送金サービスよりコストが高くつき、使い物にならなかった。しかしリップル社が報奨金を出すことによってODPの利用を続けていたという。つまり、金融機関が送金利用しているというXRPの最大のウリ文句が自作自演であったというわけだ。このよう消費者を食い物にして利得をあげるという手法の全貌が明らかになった。

これらは、3、4年前からSNSのビットコイナーを中心に状況証拠から指摘されていた事柄であるが、誰も当時耳を傾けなかったばかりか、筆者に対しても警告に対して脅迫で返すような人物が多かったのは残念である。さて、これらはSECが訴状に記載した事実であるが、当然裁判であるので、裁判で認定されるかどうかは別の話であることは脅迫めいたツッコミをされないためにも念の為書いておくことにしよう。

さて本件の余波であるが、いくつかの取引所ではXRPの上場を廃止する動きがでてきた。米コインベース社も、自社のIPO申請を控えて、XRPの取り扱いを中止するという内部情報のリークまで出ている。

注目されるのは日本での取り扱いがどうなるかである。違法証券かどうかは米国内での話であり、日本では関係ない話であるのは確かである。日本国内でのXRPの販売は合法であるが、しかしながら、SECの訴状が正しければリップル社の行っていたことは価格操作や虚偽の情報の流布、消費者を食い物にする割引販売など、総体として悪質であることは間違いない。このようなコインが、日本の厳しい消費者保護の上場基準に合致するとは筆者は個人的には思えない。日本の取引所はXRP販売によって多額の利益を得ていた共犯であるので、自ら上場を廃止するということはしにくいのだろうが、ここは金融庁が適切な判断をすべきであると考える。

XRPの価格であるが、一時50%ほど価格が下がっている。反発を狙うトレードも考えられるが、リップル社のビジネスモデルの根幹がこれなのであるから、一切の手出し無用である。つまり、アメリカ主体、法人主体の今回の相場においては、小型銘柄で博打を打つというより、スマートなお金が長期的な資産形成を目指して、すでに評価の固まったコインに向かっているということである。つまり、それはビットコイン1択ということになっている、というのが結果である。



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