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DeFiプロジェクト「KeeperDAO」【フィスコ・暗号資産コラム】

暗号資産コラム
KeeperDAOは、DeFiにおけるアービトラージャーのマイニングプールのようなものである。KeeperDAOは2020年7月頃に始動したプロジェクトであり、暗号資産投資企業AmberとRenの創業者が手がける暗号資産調査会社Taloの合弁企業である。コードは監査済みである。

キーパー(Keeper)とは、清算やリバランス、アービトラージなどを通して、レンディングやDEXなどのDeFiプロトコルに貢献するオンチェーン上の第三アクターのことである。キーパーは決して目立つことはないが、DeFiプロトコルが正常に発達していくには欠かせないパーツである。KeeperDAOにおけるキーパーは、ユーザーによって預けられた流動性を用いて、清算やアービトラージなどで利益をあげる。一方でユーザーはキーパーが得た利益の一部を享受する。
KeeperDAOの3つの利点は、(1)キーパーは流動性プールから即時に巨大な流動性にアクセスできること、(2)KeeperDAOのプールに参加することで、ガス代競争を回避し、より高い利益を得られること、(3)キーパー・ボットを開発するスキルがなくても参加することができること、である。

KeeperDAOのTVL(供給された流動性の量)は1億ドル(約100億円)である。KeeperDAOの流動性提供者数は約1,300アドレスである一方、運用を行う過去1ヶ月のアクティブキーパーは18アドレスである。流動性プールに預けられる5つのアセット (ETH、WETH、USDC、renBTC、DAI)のうち、(WETHを含めた)ETHが最大のシェアを占める。また、KeeperDAOからフラッシュローンで借りられるアセットもETHが最大シェアを占める。
ガバナンストークンはROOKである。流動性マイニングでは、流動性提供者とキーパーがそれぞれ報酬を受け取ることができる。現在、KeeperDAOはサービス手数料を課していない。将来的には変わる可能性はあるが、当分はROOKの発行益、上昇益を原資としてサービスを開発していく予定だと見受けられる。

KeeperDAOの競合には、Yearn Financeの創業者が新たに始めた「Keep3R Network」などがある。Keep3Rは、DeFiプロトコルにとって必要なタスクを、KPRトークンを報酬に外部の第三者に委託できるプラットフォームである。直接的な競合関係にあるわけではないが、キーパー分野では非常に先進的な事例である。

出所:Coin Market Cap



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