バイデン大統領の台湾防衛発言は失言か?(2)【中国問題グローバル研究所】
[22/05/25]
提供元:株式会社フィスコ
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GRICI
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「バイデン大統領の台湾防衛発言は失言か?(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。
◆中国が武力攻撃するのは「台湾政府が独立を宣言した時」のみ
では、中国大陸が武力的手段で台湾統一を行なおうとするのは、どういう時かというと、「台湾政府が独立を宣言した時」である。それをすれば、2005年に制定された「反国家分裂法」が作動する。
それを知り尽くしているバイデン大統領は、武力攻撃をしそうにない中国大陸(北京政府)を怒らせるために、アメリカ政府ウェブサイトの台湾関連事項から「台湾は中国の一部」という言葉と「アメリカは台湾の独立を支持しない」という言葉を、ひっそりと削除した(詳細は5月12日のコラム<ウクライナの次に「餌食」になるのは台湾と日本か??米政府HPから「台湾独立を支持しない」が消えた!>(※2)。また、なぜ習近平は台湾政府が独立宣言でもしない限り台湾を武力攻撃しないかに関しては、拙著『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』で詳述した)。
こうして、中国を刺激して、何としてでも戦争を起こさせ、戦争ビジネスを通してアメリカが世界一である座を永続させようというのが、ジョー・バイデンが練り続けてきた世界制覇の戦略なのだとしか、言いようがない。
◆中国の反応は?
肝心の中国は、台湾に関するバイデン発言に、どう反応しているかを少しだけご紹介したい。
冒頭に書いたように、中国外交部は激しいバイデン批判を発表し、また中国共産党および中国政府系メディアも強い批判を展開はしているものの、基本的に「中国はアメリカの、その手には乗らない」といった、割合に冷めた論評も多く、中国全土が激怒しているというような状況にはない。
むしろ「台湾が政府として独立を宣言」したら、それこそが「最も大きな現状変更」で、中国にとっては「宣戦布告」に相当すると位置付けている。
だから台湾関係法にあるように「平和的手段」ではなく「武力的手段」で中国が台湾統一を成し遂げる方向に中国を持っていくには、「台湾の独立を煽る」のが最も早い近道であるとバイデンが考えていると、中国はバイデンの言動を判断しているのである。
つまり、「どうすれば中国を最も怒らせることができるか」、「どうすれば中国に武力行使を先にさせるか」と、バイデンは考えているということだ。
だから中国の主張には、「バイデンの手には乗るな。中国はロシアではない」というのが数多く見られる。
と同時に、バイデンの言動と、アメリカ政府のウェブサイトから「台湾の独立を支持しない」を削除するといった一連の行動を危険視し、「台湾を独立させようとしているのはアメリカだ」と激しく批難している。
しかし、そもそも中国(=中華人民共和国)を国連に加盟させ、「中華人民共和国」を「唯一の中国」として認め、「中華民国」(台湾)を国連から追い出したのはアメリカではないか。
ニクソンの大統領再選のために、キッシンジャーを遣って忍者外交をさせ、ソ連を追い落とそうとした。今度はバイデンの大統領再選のためにロシアを追い落とし、全世界に災禍を与えている。
まんまとバイデンの罠に嵌ったプーチンは、「愚か」であり「敗北者でしかない」のだが、「バイデンの仕掛けた罠」を正視してはならない同調圧力が日本にはある。犠牲になるのはやがて日本だということに気が付いてほしいと切に望むばかりだ。
写真: 代表撮影/ロイター/アフロ
(※1)https://grici.or.jp/
(※2)https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220512-00295668
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◆中国が武力攻撃するのは「台湾政府が独立を宣言した時」のみ
では、中国大陸が武力的手段で台湾統一を行なおうとするのは、どういう時かというと、「台湾政府が独立を宣言した時」である。それをすれば、2005年に制定された「反国家分裂法」が作動する。
それを知り尽くしているバイデン大統領は、武力攻撃をしそうにない中国大陸(北京政府)を怒らせるために、アメリカ政府ウェブサイトの台湾関連事項から「台湾は中国の一部」という言葉と「アメリカは台湾の独立を支持しない」という言葉を、ひっそりと削除した(詳細は5月12日のコラム<ウクライナの次に「餌食」になるのは台湾と日本か??米政府HPから「台湾独立を支持しない」が消えた!>(※2)。また、なぜ習近平は台湾政府が独立宣言でもしない限り台湾を武力攻撃しないかに関しては、拙著『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』で詳述した)。
こうして、中国を刺激して、何としてでも戦争を起こさせ、戦争ビジネスを通してアメリカが世界一である座を永続させようというのが、ジョー・バイデンが練り続けてきた世界制覇の戦略なのだとしか、言いようがない。
◆中国の反応は?
肝心の中国は、台湾に関するバイデン発言に、どう反応しているかを少しだけご紹介したい。
冒頭に書いたように、中国外交部は激しいバイデン批判を発表し、また中国共産党および中国政府系メディアも強い批判を展開はしているものの、基本的に「中国はアメリカの、その手には乗らない」といった、割合に冷めた論評も多く、中国全土が激怒しているというような状況にはない。
むしろ「台湾が政府として独立を宣言」したら、それこそが「最も大きな現状変更」で、中国にとっては「宣戦布告」に相当すると位置付けている。
だから台湾関係法にあるように「平和的手段」ではなく「武力的手段」で中国が台湾統一を成し遂げる方向に中国を持っていくには、「台湾の独立を煽る」のが最も早い近道であるとバイデンが考えていると、中国はバイデンの言動を判断しているのである。
つまり、「どうすれば中国を最も怒らせることができるか」、「どうすれば中国に武力行使を先にさせるか」と、バイデンは考えているということだ。
だから中国の主張には、「バイデンの手には乗るな。中国はロシアではない」というのが数多く見られる。
と同時に、バイデンの言動と、アメリカ政府のウェブサイトから「台湾の独立を支持しない」を削除するといった一連の行動を危険視し、「台湾を独立させようとしているのはアメリカだ」と激しく批難している。
しかし、そもそも中国(=中華人民共和国)を国連に加盟させ、「中華人民共和国」を「唯一の中国」として認め、「中華民国」(台湾)を国連から追い出したのはアメリカではないか。
ニクソンの大統領再選のために、キッシンジャーを遣って忍者外交をさせ、ソ連を追い落とそうとした。今度はバイデンの大統領再選のためにロシアを追い落とし、全世界に災禍を与えている。
まんまとバイデンの罠に嵌ったプーチンは、「愚か」であり「敗北者でしかない」のだが、「バイデンの仕掛けた罠」を正視してはならない同調圧力が日本にはある。犠牲になるのはやがて日本だということに気が付いてほしいと切に望むばかりだ。
写真: 代表撮影/ロイター/アフロ
(※1)https://grici.or.jp/
(※2)https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220512-00295668
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