富士通、大規模IoTシステム向けテストベッドの無償提供を開始
[17/02/06]
TOKYO, Feb 6, 2017 - (JCN Newswire) - 当社は、IoTシステム向けアプリケーション開発を行う企業や研究機関などを対象に、大規模IoTシステム向けテストベッド(実証環境)の無償提供を2017年2月6日より開始し、今後1年間利用者を募集します。本テストベッドは、2016年11月14日に国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の「IoTテストベッド事業及び地域データセンター事業に係る助成交付対象事業」に採択されたものです。
提供するテストベッドは、センサーから収集された大量のデータの処理を、最も効率的に行えるよう自動的にクラウドとエッジコンピュータ(注1)に振り分ける「ダイナミックリソースコントローラー」(以下、DRC)機能を搭載した、クラウド型のIoTデータ活用基盤サービス「FUJITSU Cloud Service K5 IoT Platform」(以下、K5 IoT Platform)をベースにしています。さらに、センサーから収集され、クラウドとエッジコンピュータに分散して蓄積されるデータの一元管理を可能にする株式会社富士通研究所(以下、富士通研究所)(注2)の新技術を「DRC」に組み込んで提供します。
本テストベッドを利用することで、利用者はデータの所在管理や効率的な分散処理を行う仕組みの作り込みが不要となり、大規模IoTシステム向けアプリケーションの開発を迅速に行うことが可能になります。
当社は本テストベッドの提供を通じて、製造や流通、公共分野をはじめとした様々な分野において、大規模IoTシステムを活用した新たなサービスの創出に貢献するとともに、本テストベッドの提供から得られる知見を生かし、「K5 IoT Platform」の競争力強化を図っていきます。
背景
IoT活用の本格化によって、IoTシステムに接続される各種のセンサーや監視カメラなどの映像機器、それらを通じて収集されるデータ量が急激に増加しています。
従来のIoTシステムでは、センサーから収集されたデータはクラウドに蓄積され、アプリケーションはクラウド上で必要なデータ処理を行っていました。しかし、センサーからクラウドに送信されるデータが増大すると、ネットワークの帯域が不足し、安定的なリアルタイム処理が困難になる課題がありました。
そのような課題を解決するため、近年では、アプリケーションのデータ処理の一部または全部を、センサーとクラウドの間に配置したエッジコンピュータに割り当てることで、エッジコンピュータからクラウドへと送信されるデータ量の抑制を実現するエッジコンピューティングと呼ばれる手法が用いられています。しかしこの手法では、エッジコンピュータでの処理内容があらかじめ固定されるため、データ量が増大するとエッジコンピュータの計算能力不足によって処理が遅延するという課題と、センサーから収集され、各エッジコンピュータに分散して蓄積されるデータの一元的な所在管理ができないため、データを別の目的で再利用できないという課題が新たに生じています。
当社はこのたび、これらの課題を克服し、データの安定したリアルタイム処理と効率的な活用の両立が可能となるIoTシステムのテストベッドを提供します。
提供するテストベッドの特長
当社は「K5 IoT Platform」に、「DRC」を拡充する富士通研究所の新技術「広域分散データアクセス技術」を組み込んだ大規模IoTシステム向けテストベッドを提供します。
「DRC」は、ネットワークトラフィックやデータ処理の負荷状況に応じて、センサーから収集された大量のデータの処理を、最も効率的に分散できるようクラウドとエッジコンピュータに振り分けることで、安定したリアルタイム処理を実現する機能です。
今回のテストベッドに「広域分散データアクセス技術」を組み込むことで、処理の振り分け先であるクラウドや各エッジコンピュータ上に分散して蓄積される全てのデータの種類や所在情報のみをクラウドに集約し、一元管理を可能にします。これにより、他のアプリケーションでのデータの再利用といった効率的なデータ活用が実現できます。
安定した分散処理と、データの効率活用を可能にする一元的な所在管理を両立した本テストベッドを利用することで、利用者はアプリケーション開発の際にそれらの仕組みの作り込みが不要になるため、迅速にIoTシステムを実現することが可能になります。
今後の展開
当社は2017年2月6日より1年間、本テストベッドの利用者を募集し、10件程度の企業・団体の利用を見込みます。利用者は、本テストベッドの活用状況に関する報告書を提出することで無償利用することが可能です。
当社は本テストベッドの提供を通じて、様々な企業や研究機関などによる大規模IoTシステムの開発を支援し、IoTを活用した新たなサービスの創出に貢献していくとともに、「K5 IoT Platform」の競争力強化を図っていきます。
なお、東京大学と北海道大学は本テストベッドを活用し、大規模IoTシステムの基盤技術開発や実証を行う予定です。
東京大学大学院 情報学環 教授 中尾 彰宏氏のコメント
第五世代モバイルネットワークでは、エッジにおける低遅延通信が実現され、あらゆるモノが繋がるIoT時代において、大量データを迅速に処理することが可能になります。富士通が開発する技術を駆使したIoTプラットフォームのテストベッドは、このような新世代で、エッジコンピューティングを活用する革新的なアプリケーション・サービスの創出の苗床となると考えられます。
北海道大学 情報基盤センター 副センター長・教授 棟朝 雅晴氏のコメント
北海道大学棟朝研究室においては、アプリケーションの広域分散時の配置最適化アルゴリズムの研究を実施しており、その成果の展開、発展として、本テストベッドの活用を計画しています。また、北海道大学情報基盤センターにおいて推進している学術インタークラウドに関わる研究の連携による成果も期待されます。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/02/6-1.html
注釈
注1 エッジコンピュータ:クラウドとセンサーなどの間に配置されるコンピュータ。
注2 富士通研究所:本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:佐々木 繁。
概要:富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
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提供するテストベッドは、センサーから収集された大量のデータの処理を、最も効率的に行えるよう自動的にクラウドとエッジコンピュータ(注1)に振り分ける「ダイナミックリソースコントローラー」(以下、DRC)機能を搭載した、クラウド型のIoTデータ活用基盤サービス「FUJITSU Cloud Service K5 IoT Platform」(以下、K5 IoT Platform)をベースにしています。さらに、センサーから収集され、クラウドとエッジコンピュータに分散して蓄積されるデータの一元管理を可能にする株式会社富士通研究所(以下、富士通研究所)(注2)の新技術を「DRC」に組み込んで提供します。
本テストベッドを利用することで、利用者はデータの所在管理や効率的な分散処理を行う仕組みの作り込みが不要となり、大規模IoTシステム向けアプリケーションの開発を迅速に行うことが可能になります。
当社は本テストベッドの提供を通じて、製造や流通、公共分野をはじめとした様々な分野において、大規模IoTシステムを活用した新たなサービスの創出に貢献するとともに、本テストベッドの提供から得られる知見を生かし、「K5 IoT Platform」の競争力強化を図っていきます。
背景
IoT活用の本格化によって、IoTシステムに接続される各種のセンサーや監視カメラなどの映像機器、それらを通じて収集されるデータ量が急激に増加しています。
従来のIoTシステムでは、センサーから収集されたデータはクラウドに蓄積され、アプリケーションはクラウド上で必要なデータ処理を行っていました。しかし、センサーからクラウドに送信されるデータが増大すると、ネットワークの帯域が不足し、安定的なリアルタイム処理が困難になる課題がありました。
そのような課題を解決するため、近年では、アプリケーションのデータ処理の一部または全部を、センサーとクラウドの間に配置したエッジコンピュータに割り当てることで、エッジコンピュータからクラウドへと送信されるデータ量の抑制を実現するエッジコンピューティングと呼ばれる手法が用いられています。しかしこの手法では、エッジコンピュータでの処理内容があらかじめ固定されるため、データ量が増大するとエッジコンピュータの計算能力不足によって処理が遅延するという課題と、センサーから収集され、各エッジコンピュータに分散して蓄積されるデータの一元的な所在管理ができないため、データを別の目的で再利用できないという課題が新たに生じています。
当社はこのたび、これらの課題を克服し、データの安定したリアルタイム処理と効率的な活用の両立が可能となるIoTシステムのテストベッドを提供します。
提供するテストベッドの特長
当社は「K5 IoT Platform」に、「DRC」を拡充する富士通研究所の新技術「広域分散データアクセス技術」を組み込んだ大規模IoTシステム向けテストベッドを提供します。
「DRC」は、ネットワークトラフィックやデータ処理の負荷状況に応じて、センサーから収集された大量のデータの処理を、最も効率的に分散できるようクラウドとエッジコンピュータに振り分けることで、安定したリアルタイム処理を実現する機能です。
今回のテストベッドに「広域分散データアクセス技術」を組み込むことで、処理の振り分け先であるクラウドや各エッジコンピュータ上に分散して蓄積される全てのデータの種類や所在情報のみをクラウドに集約し、一元管理を可能にします。これにより、他のアプリケーションでのデータの再利用といった効率的なデータ活用が実現できます。
安定した分散処理と、データの効率活用を可能にする一元的な所在管理を両立した本テストベッドを利用することで、利用者はアプリケーション開発の際にそれらの仕組みの作り込みが不要になるため、迅速にIoTシステムを実現することが可能になります。
今後の展開
当社は2017年2月6日より1年間、本テストベッドの利用者を募集し、10件程度の企業・団体の利用を見込みます。利用者は、本テストベッドの活用状況に関する報告書を提出することで無償利用することが可能です。
当社は本テストベッドの提供を通じて、様々な企業や研究機関などによる大規模IoTシステムの開発を支援し、IoTを活用した新たなサービスの創出に貢献していくとともに、「K5 IoT Platform」の競争力強化を図っていきます。
なお、東京大学と北海道大学は本テストベッドを活用し、大規模IoTシステムの基盤技術開発や実証を行う予定です。
東京大学大学院 情報学環 教授 中尾 彰宏氏のコメント
第五世代モバイルネットワークでは、エッジにおける低遅延通信が実現され、あらゆるモノが繋がるIoT時代において、大量データを迅速に処理することが可能になります。富士通が開発する技術を駆使したIoTプラットフォームのテストベッドは、このような新世代で、エッジコンピューティングを活用する革新的なアプリケーション・サービスの創出の苗床となると考えられます。
北海道大学 情報基盤センター 副センター長・教授 棟朝 雅晴氏のコメント
北海道大学棟朝研究室においては、アプリケーションの広域分散時の配置最適化アルゴリズムの研究を実施しており、その成果の展開、発展として、本テストベッドの活用を計画しています。また、北海道大学情報基盤センターにおいて推進している学術インタークラウドに関わる研究の連携による成果も期待されます。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/02/6-1.html
注釈
注1 エッジコンピュータ:クラウドとセンサーなどの間に配置されるコンピュータ。
注2 富士通研究所:本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:佐々木 繁。
概要:富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
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