富士通、医薬品開発や治験に電子カルテ診療データなどのリアルワールドデータを活用
[21/03/18]
TOKYO, Mar 18, 2021 - (JCN Newswire) - 当社は、電子カルテシステムの診療情報をはじめとするリアルワールドデータ(注1)を製薬企業における医薬品開発や治験、予防医療などに利活用するため、国立研究開発法人国立がん研究センター(注2)(以下、国立がん研究センター)と包括的な共同研究契約を2021年3月16日に締結し、共同研究を開始しました。
本共同研究では、国立研究開発法人国立がん研究センター東病院(注3)(以下、国立がん研究センター東病院)が有する電子カルテシステムの診療情報に加え、症例研究の情報や、同病院に通院される患者の健康情報をはじめとするPersonal Health Record(注4)(以下、PHR)を匿名化したうえで、医薬品開発や予防医療などに利活用可能なデータとして製薬企業などに提供するプラットフォームを構築し、広範囲な情報と解析サービスによる新しい価値の創出を目指します。また、治験においても電子カルテシステムの診療情報を安全性の高い統計データに加工して医療機関や製薬企業の治験業務を効率化する新たなモデルを確立するとともに、日本における治験データの世界標準への適応を推進し、国際共同治験(注5)への積極的な参画を支援していきます。
当社は今後、生活者のウェルビーイング(注6)の実現に向けて、生活者の健康促進につながる医薬品などの開発スピードや品質向上、治験に要する期間やコストなどの課題を解決し、がんの個別化医療や予防医療などに寄与する様々なサービスを創出し、2021年度中の社会実装を目指します。
背景
近年、ヘルスケア領域においてリアルワールドデータへの注目が高まっており、海外では医薬品の承認申請から、医療機器の開発、予防医療にいたるまで幅広く活用され始めています。例えば、患者の電子カルテ情報や健診情報から、日常的に収集される体重計や体組成計(注7)などの測定データ、スマートデバイスから取得可能な体温や血圧などのバイタル情報まで、様々なデータの活用が進んでいます。
日本国内でも同様の機運は高まり、2018年に次世代医療基盤法(注8)が施行されたほか、医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施基準に関する省令(注9)改正など、リアルワールドデータ活用に向けた施策も進みつつある一方で、医療機関における電子カルテシステムの情報は患者の症状や医師の所見などを文章で記載しているため、データベースと異なり、データ活用が行いやすい構造ではなく、利活用が十分に進んでいないのが実態です。その解決に向けて、新しいデータ抽出技術の開発や医療情報を安全・安心に活用できるプラットフォームの構築が求められています。
当社は、上記課題を解決し、生活者の健康促進につながる製薬企業の医薬品開発や治験のスピード向上などに貢献するため、本分野における包括契約を国立がん研究センターと締結し、共同研究を開始しました。
共同研究について
1. 概要
当社は、国立がん研究センターと共同で、リアルワールドデータ活用に向けた3つのプロジェクトを、国立がん研究センター東病院において実施します。
1) リアルワールドデータの利活用を検証(リアルワールドデータシェア)
- 今まで利活用が難しかった電子カルテシステムの診療情報に加え、症例研究の情報や、地域患者の健康情報にかかわる情報(PHR)を、製薬企業が取り扱いやすい形式に加工し、安全性および質の高いデータとして提供することで、医薬品などの開発スピードアップや品質向上の可能性を検証。また、診断や治療を支援する新たなAI技術の開発において、リアルワールドデータ活用の有効性を検証。
2) 新たな治験サービスモデルの確立および検証(治験業務のDX)
- 現在、電子カルテシステムの診療情報を参照し人手でマッチングしている治験適合患者の抽出業務(治験患者リクルーティング)において、圧倒的な速度と精度で適切な治験患者を自動抽出可能にする新たな治験サービスモデルを確立するため、電子カルテシステムの診療情報の解析に自然言語解析技術を適用。これにより、治験に伴う院内業務の効率化を含めて治験のコストや期間の大幅な削減への有効性を検証。
- また、日本における治験データを世界標準へ適応させる取り組みを推進し、国際共同治験への積極的な参画を支援。
3) 医療データを安全・安心に利活用するためのプラットフォーム構築(共通基盤)
- 上記2つの検証を実施するため、電子カルテシステムにテキストデータで記録されている診療情報をデータ活用可能な形式に変換し、安全・安心に医療データを活用できるプラットフォームを構築。本プラットフォームには、株式会社富士通研究所(注10)の技術や、今回新たに開発するデータ抽出技術を活用。
2. 当社および国立がん研究センターの役割
当社
- リアルワールドデータの活用に必要な技術開発、プラットフォームの構築
- 患者リクルーティング機能による治験業務効率化の検証
- PHRの利活用における国の政策(注11)との整合性の調整
国立がん研究センター
- 国立がん研究センター東病院における診療データの提供
- 診療および臨床研究、治験業務のノウハウ提供
- 共同研究内容の検証
3. 共同研究期間
2021年3月16日(火曜日)〜2023年3月31日(金曜日)
4. 共同研究場所
国立がん研究センター東病院、および先端医療開発センター(住所:千葉県柏市柏の葉6-5-1)
今後について
当社は今後、製薬企業だけでなく、国内外の生活者へウェルビーイングに関連する製品やサービスを提供する様々な企業との連携を検討していきます。また、本共同研究の成果をもとに、リアルワールドデータを安全・安心に利活用でき、生活者にウェルビーイングを届けるプラットフォームおよびサービスを2021年度中に開発し、製薬企業などへの提供を通じて、医薬品開発、治験業務の効率化などに貢献していきます。(当社の決算期は3月末日です。)
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2021/03/18.html
概要: 富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
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本共同研究では、国立研究開発法人国立がん研究センター東病院(注3)(以下、国立がん研究センター東病院)が有する電子カルテシステムの診療情報に加え、症例研究の情報や、同病院に通院される患者の健康情報をはじめとするPersonal Health Record(注4)(以下、PHR)を匿名化したうえで、医薬品開発や予防医療などに利活用可能なデータとして製薬企業などに提供するプラットフォームを構築し、広範囲な情報と解析サービスによる新しい価値の創出を目指します。また、治験においても電子カルテシステムの診療情報を安全性の高い統計データに加工して医療機関や製薬企業の治験業務を効率化する新たなモデルを確立するとともに、日本における治験データの世界標準への適応を推進し、国際共同治験(注5)への積極的な参画を支援していきます。
当社は今後、生活者のウェルビーイング(注6)の実現に向けて、生活者の健康促進につながる医薬品などの開発スピードや品質向上、治験に要する期間やコストなどの課題を解決し、がんの個別化医療や予防医療などに寄与する様々なサービスを創出し、2021年度中の社会実装を目指します。
背景
近年、ヘルスケア領域においてリアルワールドデータへの注目が高まっており、海外では医薬品の承認申請から、医療機器の開発、予防医療にいたるまで幅広く活用され始めています。例えば、患者の電子カルテ情報や健診情報から、日常的に収集される体重計や体組成計(注7)などの測定データ、スマートデバイスから取得可能な体温や血圧などのバイタル情報まで、様々なデータの活用が進んでいます。
日本国内でも同様の機運は高まり、2018年に次世代医療基盤法(注8)が施行されたほか、医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施基準に関する省令(注9)改正など、リアルワールドデータ活用に向けた施策も進みつつある一方で、医療機関における電子カルテシステムの情報は患者の症状や医師の所見などを文章で記載しているため、データベースと異なり、データ活用が行いやすい構造ではなく、利活用が十分に進んでいないのが実態です。その解決に向けて、新しいデータ抽出技術の開発や医療情報を安全・安心に活用できるプラットフォームの構築が求められています。
当社は、上記課題を解決し、生活者の健康促進につながる製薬企業の医薬品開発や治験のスピード向上などに貢献するため、本分野における包括契約を国立がん研究センターと締結し、共同研究を開始しました。
共同研究について
1. 概要
当社は、国立がん研究センターと共同で、リアルワールドデータ活用に向けた3つのプロジェクトを、国立がん研究センター東病院において実施します。
1) リアルワールドデータの利活用を検証(リアルワールドデータシェア)
- 今まで利活用が難しかった電子カルテシステムの診療情報に加え、症例研究の情報や、地域患者の健康情報にかかわる情報(PHR)を、製薬企業が取り扱いやすい形式に加工し、安全性および質の高いデータとして提供することで、医薬品などの開発スピードアップや品質向上の可能性を検証。また、診断や治療を支援する新たなAI技術の開発において、リアルワールドデータ活用の有効性を検証。
2) 新たな治験サービスモデルの確立および検証(治験業務のDX)
- 現在、電子カルテシステムの診療情報を参照し人手でマッチングしている治験適合患者の抽出業務(治験患者リクルーティング)において、圧倒的な速度と精度で適切な治験患者を自動抽出可能にする新たな治験サービスモデルを確立するため、電子カルテシステムの診療情報の解析に自然言語解析技術を適用。これにより、治験に伴う院内業務の効率化を含めて治験のコストや期間の大幅な削減への有効性を検証。
- また、日本における治験データを世界標準へ適応させる取り組みを推進し、国際共同治験への積極的な参画を支援。
3) 医療データを安全・安心に利活用するためのプラットフォーム構築(共通基盤)
- 上記2つの検証を実施するため、電子カルテシステムにテキストデータで記録されている診療情報をデータ活用可能な形式に変換し、安全・安心に医療データを活用できるプラットフォームを構築。本プラットフォームには、株式会社富士通研究所(注10)の技術や、今回新たに開発するデータ抽出技術を活用。
2. 当社および国立がん研究センターの役割
当社
- リアルワールドデータの活用に必要な技術開発、プラットフォームの構築
- 患者リクルーティング機能による治験業務効率化の検証
- PHRの利活用における国の政策(注11)との整合性の調整
国立がん研究センター
- 国立がん研究センター東病院における診療データの提供
- 診療および臨床研究、治験業務のノウハウ提供
- 共同研究内容の検証
3. 共同研究期間
2021年3月16日(火曜日)〜2023年3月31日(金曜日)
4. 共同研究場所
国立がん研究センター東病院、および先端医療開発センター(住所:千葉県柏市柏の葉6-5-1)
今後について
当社は今後、製薬企業だけでなく、国内外の生活者へウェルビーイングに関連する製品やサービスを提供する様々な企業との連携を検討していきます。また、本共同研究の成果をもとに、リアルワールドデータを安全・安心に利活用でき、生活者にウェルビーイングを届けるプラットフォームおよびサービスを2021年度中に開発し、製薬企業などへの提供を通じて、医薬品開発、治験業務の効率化などに貢献していきます。(当社の決算期は3月末日です。)
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2021/03/18.html
概要: 富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
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