富士通とAtmonia、カーボンフリーな物質であるアンモニアの触媒探索をHPCとAIで加速する共同研究を開始し、ゼロエミッションに貢献
[22/04/13]
TOKYO, Apr 13, 2022 - (JCN Newswire) - 富士通株式会社(注1、以下 富士通)とアンモニア合成方法の開発を行うアイスランドのベンチャー企業Atmonia ehf.(注2、アトモニア、以下 Atmonia社)は、ゼロエミッションへの貢献に向けて、燃焼してもCO2を排出しないカーボンフリーの物質で次世代エネルギーとして注目されるアンモニアをクリーンに合成するための触媒探索を、ハイパフォーマンス・コンピューティング(以下、HPC)とAI技術により加速させる共同研究を2022年4月13日から開始します。
本共同研究では、富士通が開発した材料探索を効率化するHPCおよびAI技術と、Atmonia社が所有するアンモニア合成におけるシミュレーションデータを用いて、高速に量子化学シミュレーションを実行し、窒素や水素と触媒との反応エネルギー量や反応速度の計算を通じて物質間の吸着などの反応メカニズムを効率的に発見することで、触媒材料の選定や表面構造の最適化などの探索時間を短縮可能とする新材料探索技術を研究開発します。
今後、両社は、本共同研究の成果をもとに、発電や水素エネルギーの原料としてクリーンなアンモニア合成手法の確立を目指すとともに、ゼロエミッションに向けた新材料探索の効率化と普及に貢献していきます。
背景と課題
ゼロエミッションに向けた次世代エネルギーとして注目されるアンモニアは、燃焼によるCO2の排出が無く、水素に比べて輸送が容易なため、石炭火力発電所における燃料や水素エネルギーの原料として今後急激な需要拡大が見込まれています。しかし、現在主流のアンモニア合成手法であるハーバーボッシュ法(注3)では、メタンを主成分とする天然ガスや石油などの化石燃料から原料の水素を作るため、CO2が大量に排出されてしまう課題があります。
この課題解決のためAtmonia社は、水と空気(窒素)と電気のみでアンモニアを合成する革新的な手法を研究しており、水中の水素原子と空気中の窒素原子の結合でより多くのアンモニアを取り出せる新触媒の開発に向けて、量子化学シミュレーションで様々な検証を繰り返し行い、触媒探索の効率を向上したいと考えていました。
富士通は、2021年度に開始した国立研究開発法人物質・材料研究機構(以下、NIMS)との共同研究において、酸化物や窒化物などを含む広範な触媒探索における高精度な量子化学シミュレーションをスーパーコンピュータ上で高速化するHPC技術と、シミュレーションデータおよび実験データから触媒原子の種類や位置関係および反応エネルギー量などの項目間の因果を発見し新触媒候補を見つけ出す「発見するAI」を開発してきました。
共同研究の概要
富士通とAtmonia社は、富士通がNIMSとの共同研究において開発した材料探索を効率化するHPC技術および「発見するAI」と、Atmonia社がこれまでに蓄積したアンモニア合成におけるシミュレーションデータを組み合わせ、量子化学シミュレーションを高速に実行し、様々な触媒での物質間の分離や吸着といった反応メカニズムを発見し把握することで、アンモニアの触媒材料の選定や表面構造の最適化などの探索時間を短縮する新材料探索技術を研究開発します。これにより、アンモニア合成のCO2排出を削減する電気化学的窒素還元反応(注4)のための触媒の開発を実現し、カーボンフリーの次世代エネルギーによるゼロエミッションを目指します。
1. 期間:
2022年4月13日から2023年3月31日まで
2. 両社の役割:
富士通
- 量子化学シミュレーションでのHPC技術を応用した触媒探索シミュレーションの高速化技術の開発。
- シミュレーションデータと実験データから、触媒原子の種類や位置関係、反応エネルギー量などの項目間の因果を発見し、新たな触媒の候補を見つけ出すAI技術をベースとした材料探索技術の開発。
Atmonia社
- アンモニア合成における電気化学的窒素還元反応のための触媒候補物質や反応環境などのシミュレーションおよび実験データの提供。
- 触媒探索に関する検討方法、解釈方法、シミュレーション手法選択ノウハウの提供。
- 開発した材料探索技術の検証および評価。
今後について
両社は、本共同研究の成果をもとに、発電や水素エネルギーの原料としてクリーンなアンモニア合成手法の確立を目指すとともに、ゼロエミッションに向けた新材料探索のさらなる効率化と普及に貢献していきます。
また、富士通は、共同研究で得られたシミュレーション高速化技術およびAI技術と、データを基に新材料を探索するマテリアルズ・インフォマティクス(注5)との連携によって、新材料を開発する企業の材料探索効率化の支援を目指します。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2022/04/13.html
概要: 富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
Copyright 2022 JCN Newswire. All rights reserved. www.jcnnewswire.com
本共同研究では、富士通が開発した材料探索を効率化するHPCおよびAI技術と、Atmonia社が所有するアンモニア合成におけるシミュレーションデータを用いて、高速に量子化学シミュレーションを実行し、窒素や水素と触媒との反応エネルギー量や反応速度の計算を通じて物質間の吸着などの反応メカニズムを効率的に発見することで、触媒材料の選定や表面構造の最適化などの探索時間を短縮可能とする新材料探索技術を研究開発します。
今後、両社は、本共同研究の成果をもとに、発電や水素エネルギーの原料としてクリーンなアンモニア合成手法の確立を目指すとともに、ゼロエミッションに向けた新材料探索の効率化と普及に貢献していきます。
背景と課題
ゼロエミッションに向けた次世代エネルギーとして注目されるアンモニアは、燃焼によるCO2の排出が無く、水素に比べて輸送が容易なため、石炭火力発電所における燃料や水素エネルギーの原料として今後急激な需要拡大が見込まれています。しかし、現在主流のアンモニア合成手法であるハーバーボッシュ法(注3)では、メタンを主成分とする天然ガスや石油などの化石燃料から原料の水素を作るため、CO2が大量に排出されてしまう課題があります。
この課題解決のためAtmonia社は、水と空気(窒素)と電気のみでアンモニアを合成する革新的な手法を研究しており、水中の水素原子と空気中の窒素原子の結合でより多くのアンモニアを取り出せる新触媒の開発に向けて、量子化学シミュレーションで様々な検証を繰り返し行い、触媒探索の効率を向上したいと考えていました。
富士通は、2021年度に開始した国立研究開発法人物質・材料研究機構(以下、NIMS)との共同研究において、酸化物や窒化物などを含む広範な触媒探索における高精度な量子化学シミュレーションをスーパーコンピュータ上で高速化するHPC技術と、シミュレーションデータおよび実験データから触媒原子の種類や位置関係および反応エネルギー量などの項目間の因果を発見し新触媒候補を見つけ出す「発見するAI」を開発してきました。
共同研究の概要
富士通とAtmonia社は、富士通がNIMSとの共同研究において開発した材料探索を効率化するHPC技術および「発見するAI」と、Atmonia社がこれまでに蓄積したアンモニア合成におけるシミュレーションデータを組み合わせ、量子化学シミュレーションを高速に実行し、様々な触媒での物質間の分離や吸着といった反応メカニズムを発見し把握することで、アンモニアの触媒材料の選定や表面構造の最適化などの探索時間を短縮する新材料探索技術を研究開発します。これにより、アンモニア合成のCO2排出を削減する電気化学的窒素還元反応(注4)のための触媒の開発を実現し、カーボンフリーの次世代エネルギーによるゼロエミッションを目指します。
1. 期間:
2022年4月13日から2023年3月31日まで
2. 両社の役割:
富士通
- 量子化学シミュレーションでのHPC技術を応用した触媒探索シミュレーションの高速化技術の開発。
- シミュレーションデータと実験データから、触媒原子の種類や位置関係、反応エネルギー量などの項目間の因果を発見し、新たな触媒の候補を見つけ出すAI技術をベースとした材料探索技術の開発。
Atmonia社
- アンモニア合成における電気化学的窒素還元反応のための触媒候補物質や反応環境などのシミュレーションおよび実験データの提供。
- 触媒探索に関する検討方法、解釈方法、シミュレーション手法選択ノウハウの提供。
- 開発した材料探索技術の検証および評価。
今後について
両社は、本共同研究の成果をもとに、発電や水素エネルギーの原料としてクリーンなアンモニア合成手法の確立を目指すとともに、ゼロエミッションに向けた新材料探索のさらなる効率化と普及に貢献していきます。
また、富士通は、共同研究で得られたシミュレーション高速化技術およびAI技術と、データを基に新材料を探索するマテリアルズ・インフォマティクス(注5)との連携によって、新材料を開発する企業の材料探索効率化の支援を目指します。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2022/04/13.html
概要: 富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
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