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身近な食品ながら産業廃棄物とされる「卵殻膜」摂取により、 国の難病に指定されている潰瘍性大腸炎の炎症を抑制

国立大学法人東京大学(本部:東京都文京区、総長:濱田 純一、以下 東京大学)と、株式会社アルマード(本社:東京都中野区、代表取締役社長:鈴江 由美、以下 アルマード)では、2007 年より産学連携によって、卵殻膜摂食による消化吸収に関する研究を行ってきましたが、このたび本研究成果を、さる2014 年6 月1 日(日)に開催された「第68 回 日本栄養・食糧学会」において発表いたしましたので、下記の通りお知らせいたします。
今回の発表は、DSS 誘導潰瘍性大腸炎モデルマウスにおいて、微粉砕された卵の薄皮である「卵殻膜」の摂取により、大腸および腸管膜リンパ節における免疫担当細胞を中心とした炎症誘導免疫反応が抑制されていること、さらに肝臓において腸内細菌由来LPS を介した炎症の発症が抑制されていることが見られた、という成果に関するものです。なお、潰瘍性大腸炎は厚生労働省により、国の難病(特定疾患)として指定されており(疾患番号:12、1975 年10 月1 日指定)、現在のところ根本的な治療法が見つかっておらず、対策が求められています。

■発表概要
東京大学総括プロジェクト機構「食と生命」総括寄付講座・加藤 久典特任教授の研究グループは、四塩化炭素誘導肝障害モデルラットを用いた実験から、微粉砕された卵殻膜(注1 参照、卵の薄皮部分)の摂取により肝障害の症状が改善され、さらに遺伝子レベルでの解析により炎症や肝繊維化形成が抑制される方向の変化が誘導されることをすでに検証しています。今回、厚生労働省により国の難病にも指定されている潰瘍性大腸炎(注2 参照)のDSS 誘導によるモデルマウスを用いて、同じく微粉砕された卵殻膜摂取により、大腸炎が抑制されることを明らかにしました。本研究の成果から、従来、産業廃棄物とされていた卵殻膜の機能性を明らかにすることで、新たな機能性食品の創出や産業への貢献が期待できます。
■研究内容
<1>研究の背景・目的
卵殻膜は卵殻の内側の薄い膜で、天然に存在する食品素材であり、鶏卵の加工工程で生じる副産物かつ産業廃棄物です。卵殻膜加水分解物が末梢血単核球におけるTNFα 産生を抑制するという報告があるほか、本研究グループではすでに、卵殻膜粉末の四塩化炭素誘導肝硬変モデルラットにおける肝障害抑制作用を明らかにしてきました。今回、本研究では1.5%DSS(デキストラン硫酸ナトリウム)誘導潰瘍性大腸炎モデルマウスを用いて、卵殻膜摂取による大腸炎の抑制作用を検証しました。
<2>研究方法
7 週齢雄C57BL/6J マウスを、通常食・通常水摂取群(CON)、通常食・1.5%DSS 水摂取群(DSS)、8%ESM食・1.5%DSS 水摂取群(DSSESM)の3 群に分け、各飼料を7 日間給餌した後、CON群を除くその他2 群対してDSS 水投与を開始し、以後9 日間、大腸炎の指標である「DAI(Disease Activity Index、注3 参照)」を評価しました。また、解剖時に採取した大腸および肝臓を用いてDNA マイクロアレイ解析(注4 参照)を、腸間膜リンパ節を用いてフローサイトメトリ解析(注5 参照)をそれぞれ行いました。
<3>研究結果
摂食量およびDSS 水摂取量に群間で差がないことを確認した上で、卵殻膜摂取マウスにおいては、潰瘍性大腸炎の発症に伴うDAI 上昇および腸管の短縮は有意に抑制され、血中IL-6(Interleukin 6、注6 参照)濃度も顕著に減少しました。また、大腸のDNA マイクロアレイ解析の結果、Cxcl9、Cxcl13、Ccl9、Ccl11 等ケモカインや炎症マーカーSaa3(注7 参照)の発現が、DSS 群ではCON 群に比べて増加し、DSSESM群では減少していることが明らかとなりました。
さらに、肝臓のDNA マイクロアレイ解析では、LPS(注8 参照)関連遺伝子であるLbp(LPS binding protein、注9 参照)やCd14(CD14 antigen、注10 参照)の発現がDSS 群においてCON 群に比べて増加し、DSSESM群では有意に減少していることが示されました。
また、フローサイトメトリ解析の結果、DSSESM 群では、腸間膜リンパ節において自己免疫疾患の病態形成への関与が知られるTh17(17 型ヘルパーT 細胞、注11 参照)が有意に減少しており、腸間膜リンパ節培養上清中IL-6 の分泌量には減少傾向がありました。
以上の結果から、卵殻膜摂取により大腸および腸管膜リンパ節における免疫担当細胞を中心とした炎症誘導免疫反応が抑制されていること、肝臓において腸内細菌由来LPS を介した炎症の発症が抑制されていることが示唆されました。

■社会的意義・今後の予定
卵殻膜は通常可食部とされないので、食品産業においてその大部分が産業廃棄物とされており、あまり利用されていないのが現状です。年間7,000 トンあまりの廃棄が試算され、食品産業界では、その利用・開発は環境問題などを含めて大きな課題となっています。一方で、卵殻膜は古くから炎症抑制作用を有するということが知られており、本研究ではこの卵殻膜を潰瘍性大腸炎モデルマウスに給餌し、大腸炎を抑制できることを明らかにしました。ヒトでも同様の効果があるかについては今後の検討課題ですが、現在、ヒトを対象とした試験も準備を進めています。
また、腸炎自然発症モデルIL-10-/-マウスを用いた腸疾患発症における卵殻膜摂取の効果や、粘膜免疫応答を直接誘導する腸内細菌叢の変化などを調べて、卵殻膜摂取による炎症性腸疾患の抑制効果のメカニズムを総合的に検討する予定です。このように、今後も卵殻膜の有用性についての研究を進めることによって、新たな機能性食品の創出や産業への貢献が期待できます。

<用語解説>
注1…卵殻膜(Eggshell Membrane)
卵殻と卵白の間にある不溶性の二重膜。内膜(厚さ約0.05-0.07 mm)と外膜(厚さ約0.02 mm)の2 層から成る。どちらも線維が入り組んだメッシュのような構造だが、内膜の方が密。卵殻膜はニワトリ胎内での卵形成途中、バイオミネラリゼーション(生体内鉱質形成)によって殻が作られ、その後産卵される前に輸卵管で作られる。卵殻膜は線維構造を有しているが、それは構成成分であるI 型、V型、X 型コラーゲン、グルコサミン、デスモシン、ヒアルロン酸などがリシルオキシダーゼの働きにより互いに結合してできる。卵殻膜は発生中の胚を保護するために抗菌活性を有するとともに、卵殻形成のための足場としての役目を果たしている。
注2…潰瘍性…大腸炎
厚生労働省により、国の難病(特定疾患)として1975 年に認定。大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患のこと。特徴的な症状は、下血を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛。病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がる。現在、日本での患者数は133,543 人(平成23 年度特定疾患医療受給者証交付件数より)で、年々増加している。今のところ根本的な治療方法は見つかっていない。
注3…DAI(Disease Activity Index)
大腸炎の重症度の指標。大腸炎の症状である「体重減少、血便、下痢」の3 項目を0〜4 で評価し、その平均値をDAI とした。
注4…DNAマイクロアレイ解析
組織内のそれぞれの遺伝子の発現量を網羅的に解析する手法。
注5…フローサイトメトリ解析
個々の細胞の状態を解析する手法。今回は、細胞の表面抗原であるCD4 および細胞内IL-17A を発現している細胞(Th17)を測定した。
注6…IL-6(Interleukin 6)
体内で炎症が起こると、白血球などの細胞が様々な生理活性物質を出す。放出される物質をサイトカインと呼ぶが、IL-6 は炎症反応を誘導する働きを有するサイトカインのひとつである。
注7…Saa3
炎症刺激により産生されるタンパク質。血中Saa3 濃度は炎症のマーカーとされている。
注8…LPS、注9…Lbp(LPS binding protein)、注10…Cd14(CD14 antigen)
LPS は腸内細菌等の構成成分で、ヒトや動物の細胞に作用する。LPS はLBP と結合しCD14 へ輸送される。こうしてできたLPS-LBP-CD14 複合体はTLR4 によって認識される。
注11…Th17(17 型ヘルパーT 細胞)
白血球の1 種であるヘルパーT 細胞のうちの1つ。潰瘍性大腸炎をはじめとする自己免疫疾患の病態形成に関与していると考えられている。

■発表概要
-発表学会: 第68 回 日本栄養・食糧学会大会
(The 68th Annual meeting of the Japan Society of Nutrition and Food Science)
-発表日/場所: 2014 年6 月1 日(日)/ 北海道江別市・酪農学園大学
-発表タイトル: 卵殻膜摂取はDSS 誘導潰瘍性大腸炎モデルマウスにおいて炎症を抑制する
Egg shell membrane suppresses dextran sulfate sodium-induced colitis in mice
-研究者: 花手 愛夏 1)、賈 慧娟 1)、アウ ワンピン 1、2)、斉藤 憲司 1)、
長谷部由紀夫 3)、加藤 久典 1)
1)東京大学大学院農学生命科学研究科 総括寄付講座「食と生命」 東大院・農生科・応生化
2)東京医科歯科大学大学院 生命情報科学教育部 東医歯大院・生情科
3)株式会社アルマード アルマード(株)

■研究プロジェクト概要
【研究責任者】
東京大学 総括プロジェクト機構「食と生命」総括寄付講座 特任教授 加藤 久典
【産学連携企業・株式会社アルマード 会社概要】
-商号 株式会社アルマード
-本店 東京都中野区本町2-46-2
-代表者 代表取締役社長 鈴江 由美
-設立 2000 年10 月18 日
-資本金 60 百万円
-事業内容 卵殻膜を主要素材とした化粧品、サプリメント等の企画・開発・販売
-株主 株式会社ディノス・セシール 
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