全国13労働金庫の2010年度決算概況について
[11/08/12]
提供元:共同通信PRワイヤー
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2011年8月12日
全国労働金庫協会
全国13労働金庫の2010年度決算概況について
全国13労働金庫の2010年度(平成22年度)決算概況をとりまとめましたので、下記のとおりお知らせいたします(以下の計数は、特に断りのない限り全国13労働金庫の合計値・平均値です)。
記
特徴点(要旨)
2010年度の当期純利益は、対前年度比17億円増加し(4.55%増)、13労働金庫合計で399億円を計上いたしました(以下、増減は前年度との比較)。
業容は、預金(譲渡性預金を含む。)が6,608億円(4.03%)増の17兆232億円と3月末残高で初の17兆円台となり、貸出金が1,541億円(1.37%)増の11兆3,725億円となりました。
自己資本比率は、内部留保の積み増し等による自己資本の充実により0.06ポイント上昇し、11.21%(加重平均)となりました。
(注1)会計年度:2010年4月1日〜2011年3月31日、計数は単体ベースのものです。
(注2)本文内の各表については添付資料をご参照ください。
(1)損益の状況 (表1)
業務純益は、貸出金利息等の業務収益の減少幅を業務費用のそれが上回ったことにより、対前年度比50億円(9.17%)増加し、596億円となりました。
業務収益は、預け金利息が22億円、国債等債券売却益が3億円、国債等償還益が6億円、それぞれ増加したものの、貸出金利息が53億円、有価証券利息配当金が7億円、それぞれ減少したことから16億円(0.50%)減少し、3,321億円となりました。
業務費用は、預金利息が80億円(譲渡性預金利息を含む。)、一般貸倒引当金繰入額が6億円、それぞれ減少したことから67億円(2.40%)減少し、2,725億円となりました。
なお、国債等債券償却や同売却損益等を含めないコア業務純益は37億円(6.84%)増加し、580億円となりました。
臨時収益は6億円減少して18億円に、臨時費用は株式等償却が増加したものの株式等売却損等の減少により13億円減少して39億円となり、この結果、経常利益は56億円(11.00%)増加して574億円となりました。
特別利益は、貸倒引当金の戻入益等により21億円、特別損失は、東日本大震災に係る災害損失や固定資産の減損損失等により33億円を計上しました。
これらの結果、当期純利益は2期連続の増益となる399億円を計上いたしました(13金庫が全て当期純利益を計上)。
(2)リスク管理債権等 (表2) (表3)
(ア)リスク管理債権
2010年度末における全国労金のリスク管理債権の総額(注)は、140億円(11.20%)減少し1,116億円となり、4期ぶりの減少となりました。
貸出金に占める割合(リスク管理債権比率)は、0.14ポイント低下して0.98%となりました。
内訳では、延滞債権(96億円減少)をはじめ、破綻先債権(27億円減少)等、全ての区分で減少しました。
(注)破綻先債権額、延滞債権額、3カ月以上延滞債権額および貸出条件緩和債権額の合計額
(イ)金融再生法に基づく開示債権額
2010年度末における金融再生法に基づく開示債権額(貸出金以外の与信も対象)は、156億円(11.66%)減少して1,184億円となりました。
与信総額に占める割合は、0.15ポイント低下して1.04%となりました。
内訳では、破産更生債権額(これらに準ずる債権を含む)が82億円の減少と最も減少額が多く、危険債権、要管理債権もそれぞれ57億円、16億円の減少となりました。
(3)主要利回等 (表4)
資金運用利回は、貸出金利回及び預け金利回等が低下したことにより、0.10ポイント低下し、1.77%となりました。
一方、資金調達利回は、預金利回の低下により0.06ポイント低下し、0.27%となりました。
経費率(分子:経費、分母:預金平残(譲渡性預金を含む))は、預金平残が増加したことにより0.04ポイント低下して1.12%となりました。
貸出金利回から預金原価率(預金利回+経費率)を差し引いた「預金貸出金利鞘」は、0.01ポイント縮小して0.81%となりました。これらにより、総資金利鞘(資金運用利回1.77%と資金調達原価率1.39%との差)は、3期連続で0.38%となりました。
(4)預金の状況 (表5)
2010年度末の全国労働金庫の預金(譲渡性預金を含む)残高は17兆232億円となり、金額にして6,608億円(前年度6,136億円)、率では4.03%(同3.89%)の増加となりました(平残ベースでは16兆9,147億円(7,417億円、4.58%の増加))。
流動性預金は、主に普通預金の増加により2,051億円(前年度1,098億円)、率では5.07%(同2.78%)増加しました。定期性預金(譲渡性預金を含む)は、4,556億円(前年度5,038億円)、率では3.69%(同4.26%)増加しており、退職金の獲得等が増加の要因となりました。
主力の財形預金は、307億円(0.81%)増加して3兆8,179億円となりました。財形貯蓄取扱い金融機関中のシェアでは、件数・金額とも引き続き第1位となりました。
なお、預金に国債及び投資信託を加えた預り資産の取扱残高は、6,670億円(率では4.02%)増加して17兆2,448億円となりました。
(5)貸出金の状況 (表5)
2010年度末の全国労働金庫の貸出金残高は、11兆3,725億円となり、金額にして1,541億円(前年度4,983億円)、率では1.37%(同4.64%)の増加となりました(住宅ローン債権の証券化分2,330億円を除く。平残ベースでは11兆2,835億円(3,261億円、2.97%増加))。
内訳では、引き続き増加の中心である個人向け住宅ローンは、2010年度末では737,430件(10,649件、1.46%増)、9兆8,138億円(2,149億円、2.23%増)の残高となりました(貸出金全体に占める住宅ローンの割合は、全国平均で86.29%)。カードローン等の生活資金融資は、334億円減少して1兆2,687億円となりました。
労働金庫のCSR、社会貢献商品の一つである育児支援ローン(2006年7月より取扱開始)は、2010年度末では3,854件、18億円の残高となりました。
2008年12月に取扱いを開始した就職安定資金融資(2011年3月末で新規受付終了)、2009年8月に取扱いを開始した訓練・生活支援資金融資は、2010年度末までの期間では、それぞれ118億円(14,620件)、68億円(27,818件)の取扱実績となっております。
預金と貸出金(除く証券化分)の割合を示す預貸率(期末)は、66.80%と前年度を1.76ポイント下回りました。
(6)自己資本比率
2010年度末の全国労働金庫の自己資本比率(単体)は、内部留保の積増し等による自己資本(分子)の増加と、分母であるリスク・アセットが比較的緩やかな増加にあったことにより、加重平均で前年度を0.06ポイント上回る11.21%(前年度11.15%)となりました。
金庫別には、最も高い金庫で19.32%、10%を上回る金庫は9金庫となりました。10%を下回る金庫についても、最も低い金庫で8.85%であり、全ての金庫が国内基準で求められる4%の水準を大きく上回っております。
(注) 2007年3月期から適用された、新しい自己資本比率規制告示に示された基準(バーゼル?)により計算を行っており、労働金庫は全金庫が標準的手法を採用しております。なお、2010年度については、2009年度に続き自己資本比率規制を一部弾力化する特例(平成20年金融庁・厚生労働省告示第7号)に基づき、計算しております。
以上
全国労働金庫協会
全国13労働金庫の2010年度決算概況について
全国13労働金庫の2010年度(平成22年度)決算概況をとりまとめましたので、下記のとおりお知らせいたします(以下の計数は、特に断りのない限り全国13労働金庫の合計値・平均値です)。
記
特徴点(要旨)
2010年度の当期純利益は、対前年度比17億円増加し(4.55%増)、13労働金庫合計で399億円を計上いたしました(以下、増減は前年度との比較)。
業容は、預金(譲渡性預金を含む。)が6,608億円(4.03%)増の17兆232億円と3月末残高で初の17兆円台となり、貸出金が1,541億円(1.37%)増の11兆3,725億円となりました。
自己資本比率は、内部留保の積み増し等による自己資本の充実により0.06ポイント上昇し、11.21%(加重平均)となりました。
(注1)会計年度:2010年4月1日〜2011年3月31日、計数は単体ベースのものです。
(注2)本文内の各表については添付資料をご参照ください。
(1)損益の状況 (表1)
業務純益は、貸出金利息等の業務収益の減少幅を業務費用のそれが上回ったことにより、対前年度比50億円(9.17%)増加し、596億円となりました。
業務収益は、預け金利息が22億円、国債等債券売却益が3億円、国債等償還益が6億円、それぞれ増加したものの、貸出金利息が53億円、有価証券利息配当金が7億円、それぞれ減少したことから16億円(0.50%)減少し、3,321億円となりました。
業務費用は、預金利息が80億円(譲渡性預金利息を含む。)、一般貸倒引当金繰入額が6億円、それぞれ減少したことから67億円(2.40%)減少し、2,725億円となりました。
なお、国債等債券償却や同売却損益等を含めないコア業務純益は37億円(6.84%)増加し、580億円となりました。
臨時収益は6億円減少して18億円に、臨時費用は株式等償却が増加したものの株式等売却損等の減少により13億円減少して39億円となり、この結果、経常利益は56億円(11.00%)増加して574億円となりました。
特別利益は、貸倒引当金の戻入益等により21億円、特別損失は、東日本大震災に係る災害損失や固定資産の減損損失等により33億円を計上しました。
これらの結果、当期純利益は2期連続の増益となる399億円を計上いたしました(13金庫が全て当期純利益を計上)。
(2)リスク管理債権等 (表2) (表3)
(ア)リスク管理債権
2010年度末における全国労金のリスク管理債権の総額(注)は、140億円(11.20%)減少し1,116億円となり、4期ぶりの減少となりました。
貸出金に占める割合(リスク管理債権比率)は、0.14ポイント低下して0.98%となりました。
内訳では、延滞債権(96億円減少)をはじめ、破綻先債権(27億円減少)等、全ての区分で減少しました。
(注)破綻先債権額、延滞債権額、3カ月以上延滞債権額および貸出条件緩和債権額の合計額
(イ)金融再生法に基づく開示債権額
2010年度末における金融再生法に基づく開示債権額(貸出金以外の与信も対象)は、156億円(11.66%)減少して1,184億円となりました。
与信総額に占める割合は、0.15ポイント低下して1.04%となりました。
内訳では、破産更生債権額(これらに準ずる債権を含む)が82億円の減少と最も減少額が多く、危険債権、要管理債権もそれぞれ57億円、16億円の減少となりました。
(3)主要利回等 (表4)
資金運用利回は、貸出金利回及び預け金利回等が低下したことにより、0.10ポイント低下し、1.77%となりました。
一方、資金調達利回は、預金利回の低下により0.06ポイント低下し、0.27%となりました。
経費率(分子:経費、分母:預金平残(譲渡性預金を含む))は、預金平残が増加したことにより0.04ポイント低下して1.12%となりました。
貸出金利回から預金原価率(預金利回+経費率)を差し引いた「預金貸出金利鞘」は、0.01ポイント縮小して0.81%となりました。これらにより、総資金利鞘(資金運用利回1.77%と資金調達原価率1.39%との差)は、3期連続で0.38%となりました。
(4)預金の状況 (表5)
2010年度末の全国労働金庫の預金(譲渡性預金を含む)残高は17兆232億円となり、金額にして6,608億円(前年度6,136億円)、率では4.03%(同3.89%)の増加となりました(平残ベースでは16兆9,147億円(7,417億円、4.58%の増加))。
流動性預金は、主に普通預金の増加により2,051億円(前年度1,098億円)、率では5.07%(同2.78%)増加しました。定期性預金(譲渡性預金を含む)は、4,556億円(前年度5,038億円)、率では3.69%(同4.26%)増加しており、退職金の獲得等が増加の要因となりました。
主力の財形預金は、307億円(0.81%)増加して3兆8,179億円となりました。財形貯蓄取扱い金融機関中のシェアでは、件数・金額とも引き続き第1位となりました。
なお、預金に国債及び投資信託を加えた預り資産の取扱残高は、6,670億円(率では4.02%)増加して17兆2,448億円となりました。
(5)貸出金の状況 (表5)
2010年度末の全国労働金庫の貸出金残高は、11兆3,725億円となり、金額にして1,541億円(前年度4,983億円)、率では1.37%(同4.64%)の増加となりました(住宅ローン債権の証券化分2,330億円を除く。平残ベースでは11兆2,835億円(3,261億円、2.97%増加))。
内訳では、引き続き増加の中心である個人向け住宅ローンは、2010年度末では737,430件(10,649件、1.46%増)、9兆8,138億円(2,149億円、2.23%増)の残高となりました(貸出金全体に占める住宅ローンの割合は、全国平均で86.29%)。カードローン等の生活資金融資は、334億円減少して1兆2,687億円となりました。
労働金庫のCSR、社会貢献商品の一つである育児支援ローン(2006年7月より取扱開始)は、2010年度末では3,854件、18億円の残高となりました。
2008年12月に取扱いを開始した就職安定資金融資(2011年3月末で新規受付終了)、2009年8月に取扱いを開始した訓練・生活支援資金融資は、2010年度末までの期間では、それぞれ118億円(14,620件)、68億円(27,818件)の取扱実績となっております。
預金と貸出金(除く証券化分)の割合を示す預貸率(期末)は、66.80%と前年度を1.76ポイント下回りました。
(6)自己資本比率
2010年度末の全国労働金庫の自己資本比率(単体)は、内部留保の積増し等による自己資本(分子)の増加と、分母であるリスク・アセットが比較的緩やかな増加にあったことにより、加重平均で前年度を0.06ポイント上回る11.21%(前年度11.15%)となりました。
金庫別には、最も高い金庫で19.32%、10%を上回る金庫は9金庫となりました。10%を下回る金庫についても、最も低い金庫で8.85%であり、全ての金庫が国内基準で求められる4%の水準を大きく上回っております。
(注) 2007年3月期から適用された、新しい自己資本比率規制告示に示された基準(バーゼル?)により計算を行っており、労働金庫は全金庫が標準的手法を採用しております。なお、2010年度については、2009年度に続き自己資本比率規制を一部弾力化する特例(平成20年金融庁・厚生労働省告示第7号)に基づき、計算しております。
以上