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2011年8月24日

国境なき医師団

南スーダン:ジョングレイ州で襲撃により数百人死亡。
MSFは住民と医療施設への襲撃を非難

南スーダン共和国（以下「南スーダン」）東部ジョングレイ州内のピエリと周辺の村12ヵ所で、8月18目に大規模な襲撃が発生した。これを受けて国境なき医師団(MSF)はピエリで100人を超える患者を治療し、57人をレールとナーシルの病院に搬送した。搬送された患者の大半は銃創を負った女性と子どもであった。

8月18日夜明け前の襲撃によって女性と子どもを含む数百人が殺害され、数百人が負傷したと見られているが、死傷者数の確認は困難である。しかし村人の報告では、ピエリだけでも400人以上が殺害され、町内にある家の約半数が破壊されたという。

今回の襲撃により、少なくとも南スーダンで活動していたMSFの現地スタッフ1人が、家族全員とともに殺害されたことが確認されている。またMSFの別のスタッフは、家族16人を埋葬したと報告している。さらに、MSFの現地スタッフ17人の安否も不明である。MSFの宿舎と診療所も今回の襲撃を受け、医療機材や医薬品、他の備品が略奪されたほか、医療施設の一部も焼き払われた。

MSFの南スーダンにおける活動責任者、ジョセ・フルセンベックは語る。
「私たちは、MSFの医療施設とスタッフの殺害を非難します。これは全く許容し難いものです。医療施設はいかなる時も患者と医療スタッフが襲撃を恐れずにすむ中立な場所として尊重されなければなりません。今回の襲撃の規模を推測するのは困難です。極めて大規模だったため、私たちは死傷者数、負傷者数と被害の全容を調査している最中です」

フルセンベックによると、襲撃が発生した村では給水地点が破壊され、村人のほとんどは新たな襲撃を恐れて、やぶの中で夜を過ごしている。MSFはこれまでに100人以上の患者を治療し、57人の負傷者をジョングレイ州内にある他の医療施設に搬送した。

「南スーダン当局、国際社会と他の援助団体は、早急に今回の襲撃の被害者に向けた支援に乗り出すべきです」とフルセンベックは語る。MSFが既に提供している援助に加えて、避難所用の物資、食糧援助や飲料水が緊急に必要とされている。MSFはへき地や、季節的な降雨によって、まだたどり着くことができていない複数の地域の状況を憂慮している。南スーダン当局は住民の安全確保に向けた対応を強化すべきである。

MSFはこの地域における援助を拡大するため、引き続き、救援物資や機材の輸送、追加の医療チームの派遣を行っていく。