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待機児童を持つ「保活」ママの実態調査

2012年3月30日

待機児童0を実現する会

待機児童を持つ「保活」ママの実態調査
〜こんなに頑張っても入れない。ママを悩ませる「保活」の実態〜

待機児童0を実現する会(代表:川合善大)は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県の0〜5歳児を持ち、子どもを保育園に通わせている、または通わせたいと思っているママ1,000人を対象に調査を実施しました。
全国の待機児童は25,556人(2011年4月現在)にのぼるといわれ、多くのママが子どもの保育園入園のためにさまざまな努力を行い、また保育園に入園できないことで、ママの就業や生活に深刻な影響を及ぼしています。

本調査は、そのママの保育園入園活動(略して「保活」、以下同)、保育園入園に対する考え方、保育料に対する意識、保育園入園による生活への影響、保育園への要望などをさぐり、厳しいと言われる「保活」の実態を把握するために実施したものです。
調査結果の主なトピックは以下の通りです。

■認可保育園への入園を希望しているが、現在求職中の専業主婦であるため「待機児童」にはカウントされない“隠れ待機児童”が約4割。

■保育園に子どもを通わせている、または通わせたいママの9割が何らかの「保活」を実施。3割が「役所に行って入園を嘆願」していることが判明。

■「保活」を始めた時の子供の月齢をみると、4人に1人が「妊娠中」または「子どもが2ヶ月になる前」に」「保活」を開始。

■保育園入園のために育児休暇の短縮や引っ越しなどの努力をする一方、入園できなかったママは、職場に子どもを連れて行ったり、仕事を辞めたりする事態に。また、妊娠を機会に仕事を辞めたママは、「仕事が決まらないと保育園に入れない、保育園に入れないと仕事が決まらない」、というジレンマを抱えていることが明らかに。

■ママの3人に1人は、保育料よりも「認可保育園に確実に入園できること」を優先。

■「保活」や「保育園入園」によって生活に何らかの影響が出た人は8割以上。正社員ママでは、4割が「時短勤務に変えた」、4人に1人が「育児休暇を早めに切り上げた」など、ママの就業にも深刻な影響。

■保育園への要望は、「病児(病後児)保育もしてほしい」(53.9%)、「英語や音楽など保育以外の『教育』もしてほしい」(40.6%)、「保育時間の延長に電話一本で対応してほしい」(31.8%)の順。

 【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査対象:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県の0〜5歳児を持ち、
子どもを保育園に通わせている、または通わせたいと思っているママ1,000人
調査期間:2011年10月11日〜13日


「保活」の実態と、その解決への提言/社会福祉法人七施 理事長 川合善大

若い人達にとっては、「就活」と「婚活」が大きな話題となっていますが、その次に来る「保活」についても、迫り来る現実としてもっと正しく理解し、女性だけ、母親だけ、家庭だけの問題とせず、大きな社会的課題として真剣に捉えなければいけないと思います。

『待機児童0を実現する会』が行ったヒアリングからも解るとおり、お母さん方にとって仕事と育児の両立は極めて深刻な課題です。時短勤務にしたり雇用形態を変えた人が1,000人中400人(40%)もいました。育児休暇を早めに切り上げたり復職や再就職を諦めたりした人が26%。第2子・第3子を諦めた人は実に7%、保育園に入れるために引越までした人も4%いました。
下記のような切実な声もありました。
−『保育園に入れず、会社に子どもを連れていったが仕事にならず、子供を寝かしつけてから夜中に会社に戻った』
−『入りやすい自治体に引っ越すために買ったばかりのマンションを売却した』
−『実際は求職中なのに内定しているという証明書を自営業の知り合いに書いてもらって提出した』
−『就職していないと保育園に入れない、保育園に入ってないと就職も決まらないという悪循環に苦しめられた』
女性が働きに出るニーズは生活に困っているからだけではありません。女性の能力活用とかマイホームのローンとか・・・社会で活躍している女性のいる世帯こそ、実は待機児童になっていケースが多いのです。「働けないから産みたくても産めない」、この少子化問題を放置して、労働力が縮小すれば、日本の国力を弱体化することになります。働きに出たい女性たちにとって、子どもを預けられる環境確保は極めて深刻な課題です。

今日、認可保育所というのは『保育に欠ける』ことが必須条件で、福祉理念一点張りです。この固定概念だけでは時代の変化に対応しきれないのではないでしょうか。
先ずは、 「保育」を、困った人に限定した「福祉」から、より広く「社会サービス」へと、発想の転換が強く求められます。
次に、多くの事業者が参入しやすいよう規制の見直しをすると共に、英語、柔道、茶道などの教育的オプションや、電話一本での延長・休日保育など、サービスの充実や多様化で保育園間の「自由競争」を促すべきです。
私の保育園ではこれだけのサービスをしても剰余金が出ます。正しく経営すれば、サービスを向上して尚且つ剰余金を生み出せ、それをまた更なる設備投資やサービス向上に繋げられます。
「自由競争」を活発化させることが新規参入インセンティブになり、保育園が増えることにつながり、結果として、より多くの児童を受け入れられる保育環境が充実していくと考えます。
「保育」を、困った人に限定した「福祉」から、一般向けの「社会サービス」に展開させていくこと、さらにそこで「自由競争」を活発化させてゆくこと、この2点が問題を解決して行く鍵になると考えます。

川合善大(かわい よしお) プロフィール

・社会福祉法人七施 理事長として、認可保育所である育正保育園(東京都墨田区)を運営。
・同時に、?にちほシンクタンク、?日本電気保安協会、にちほエコ?などグループ企業を傘下にもつ、 にちほHD(Nichiho Holdings) CEOとしてビジネスの第一線で活躍
・待機児童0を実現する会代表

大阪府東大阪市生まれ。
1974年:?にちほシンクタンク設立、経営支援・コンサルティングサービスを展開。
1978年:日本電気保安協会設立(2004年に株式会社に改組)
1987年:会員企業間のビジネス交流を目的とした「取引チャネル交流プラザ」を創設。約150社の企業交流を促進。
1990年:「国際花と緑の博覧会」に、代表出展者としてパビリオン「100年先の の〜んびり村」を出展。
2006年:にちほ・でんりょく(現:にちほ エコ?)設立。
2007年:社会福祉法人七施を設立、「育正保育園」を開設。
2011年:「待機児童0を実現する会」設立。

著書:
『利益を生み出す逆転発想』かんき出版
『儲ける社長の「頭の中」』かんき出版
『ランチはお客様におごって もらえ!3%の経営発想力』カナリア書房
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