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ミラーサイクルをスクデリ・ スプリット サイクル・ エンジンに適用

2012年4月3日

スクデリ グループ

ミラー サイクルの特許出願と技術論文の公開を発表
ミラーサイクルをSCUDERI・ スプリット サイクル・ エンジンに適用
新たな効果を実現



 エンジン開発企業の スクデリ グループ(米国マサチューセッツ州)は、2012年4月2日(米国時間)、ミラーサイクル作用をスプリットサイクル・エンジンに適用した技術「スプリットサイクル・エンジン用のターボチャージ搭載小型圧縮シリンダー」についての一次特許出願が、米国特許商標局 (USPTO) と世界知的所有権機関 (WIPO) の両機関によって同時公開されたことを発表致します。特許出願には、USPTO 公開番号 _US-2012-007351 と WIPO 公開番号 _WO-2012 / 040431_ が割り当てられました。
 また、この特許に関する2つの技術論文「スクデリ・ スプリットサイクル・ エンジンへのミラー サイクルの応用 (コンプレッサー シリンダーの小型化による)」及び「スクデリ・スプリットサイクル・ エンジン: エア ハイブリッド車両のパワートレインのシミュレーション研究」を2012年4 月 24 日から 26 日(米国時間)にかけてデトロイトで開催される自動車技術者協会 (SAE)の 2012年世界会議で発表する予定です。
 今回の特許出願は、従来のオットー サイクル エンジンで使用されている 4 行程を 2 組のシリンダーに分割する、ターボチャージ搭載スプリットサイクル・エンジンに関連するものです。「コンプレッサー」と呼ばれる一方のシリンダーが吸気と圧縮を行い、「エキスパンダー」と呼ばれるもう一方のシリンダーが膨張 (燃焼) と排気行程を行います。コンプレッサーとエキスパンダーは、圧縮されたガスを送れるよう特別に設計されたクロスオーバー ポートで繋がれています。従来のエンジンは、4 つの行程に 2 回の回転が必要であるのに対し、スプリットサイクル・エンジンでは、クランクシャフトの 1 回転で 4 つの行程がそれぞれ完了します。スプリットサイクル・エンジンは、従来のエンジンと同数のシリンダーを必要としますが、同型のシリンダーをコンプレッサー、エキスパンダーとして組み合わせて使用しなければなりません。
 内燃エンジンのミラー サイクル動作では、エンジンがスプリットサイクル方式か従来方式かを問わず、ガスが圧縮工程で圧縮されるよりも高い効率で燃焼(膨張)されるようにエンジンを設計する必要があります。したがって、ガスは膨張行程でより膨張され、その結果効率が著しく高まります。従来のエンジンでは通常、ミラーサイクル動作は吸気バルブを早めたり遅らせたりして行われますが、これには、すべての吸気バルブを通じて容量効率を著しく低下させ、吸排気損失を増加させるという弊害があります。スクデリ・ スプリット サイクル・ エンジンのミラーサイクル動作は、エキスパンダーの排気量を基準に、コンプレッサーの排気量を物理的に減らすことにより達成するので、この弊害は解消されます。
 スクデリ グループ 副社長兼特許弁護士の スティーブン スクデリ は以下のように語っています。「ミラー サイクルをスクデリ・スプリットサイクル・エンジンに応用させることの意義は、従来型エンジンよりもスプリットサイクル・エンジンに著しい優位性を与えることにあります。この構成において、圧縮シリンダーを膨張シリンダーに比べてどれほど小型化しても、圧縮シリンダーを常にほぼ最大の容量効率で作動させることができます。そして容量効率を極大化することにより、いずれの吸気バルブでも、吸気損失が最小限に抑えられることになります」

■特許出願内容をScuderi Group の Web サイトにて公開
・「スプリットサイクル・エンジン用のターボチャージ搭載小型圧縮シリンダー」
(原題:Turbocharged Downsized Compression Cylinder For A Split-Cycle Engine )
世界知的所有権機関 (WIPO) の公開内容は、4月2日(米国時間)よりスクデリ グループの Web サイト (http://www.scuderiengine.com/assets/Uploads/WO2012040431-A1.pdf ) の 【国際特許公報】 セクションで全文を参照することができます。
[このニュースに関するポッドキャストは、http://www.ScuderiEngine.com/millerpatent でも聞くことができます。]
Twitter URL
【短縮URL】http://goo.gl/0YpJz


■技術論文を公開
・「スクデリ・ スプリットサイクル・エンジンへのミラー サイクルの応用 (コンプレッサー シリンダーの小型化による)」
(原題:Miller Cycle Application to the Scuderi Split Cycle Engine <by Downsizing the Compressor Cylinder>) (SAE 論文番号 2012-01-0419)
この論文は、http://papers.sae.org/2012-01-0419 でダウンロードが可能です。

・「スクデリ・スプリットサイクル・ エンジン: エア ハイブリッド車両のパワートレインのシミュレーション研究」
(原題:Scuderi Split Cycle Engine:Air Hybrid Vehicle Powertrain Simulation Study) (SAE 論文番号 2012-01-1013)
この論文は、http://papers.sae.org/2012-01-1013 でダウンロードが可能です。この論文は、コンピュータモデル化したスクデリエンジン搭載車の性能を予測する、広範囲にわたるコンピュータ・シュミレーション研究について、スクデリ グループが最近公表した、その成果と方法論全般を紹介するものです。

■研究機関シュミレーションで65MPG(約27.6km/リッター)の燃費を達成
スクデリ エンジン搭載車両は、ミラーサイクルを応用したターボチャージ搭載のエア ハイブリッドスクデリ・スプリットサイクル・エンジンで駆動する、典型的なヨーロッパ流「ハイ エコノミーカー」といえます。予測データによると、スクデリ エンジン搭載車両が 1 米ガロンあたり 65 マイル (77 英 mpg または 100 km あたり 3.7 L) を達成できる可能性が示されました。さらに、スクデリ エンジン搭載車両は CO2 排出量がわずか 81.6 g/km であると予測されました。これは、欧州連合が現在設定している CO2 排出量目標の 120 g/km を大幅に下回ります。
またこの研究では、スクデリ エンジン搭載車両の予測された性能を、ヨーロッパで最もよく売れている「ハイ エコノミーカー」の代表的なグループと比較しました。その結果、スクデリ エンジン搭載車両はヨーロッパの車両グループの平均よりも 25% 燃料効率がよく、グループのトップクラスよりも 13 % 燃料効率がよいことが明らかになりました。
スクデリ グループでは、2012 年 4 月 24 日から 26 日(米国時間)にかけてミシガン州デトロイトで開催される SAE 世界会議エキスポで、技術論文に加えてエンジンのエネルギー蓄積能力についても説明する予定です。詳細については、http://www.ScuderiEngine.com/how-the-scuderi-engine-can-store-energy をご参照ください。

■スクデリ・グループについて
 スクデリ・グループLLCは、既存のエンジンでは成し得ない低燃費化、低排気ガス化を可能にする新しい技術で設計を進化させる、エンジン開発会社です。スクデリ エンジンは新しい燃焼術をベースに生産性、二酸化炭素削減、効率化など世界的なエンジン開発メーカーのニーズにも応えています。
 スクデリ・グループは米国マサチューセッツ州ウエスト・スプリングフィールドを本拠地とし、ドイツ・フランクフルト、日本・名古屋にも拠点を構えています。同社の特許出願件数は500件を超え、世界中で200件を超える特許を取得しております。
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