耐高電圧性・高容量化に優れたリチウムイオン電池用バインダーを開発
[14/04/16]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
2014年4月16日
耐高電圧性・高容量化に優れたリチウムイオン電池用バインダーを開発
〜スマートフォンから電気自動車(EV)にわたる高容量電池分野でのニーズに対応〜
ダイキン工業株式会社は、耐高電圧性・高容量化に優れたリチウムイオン電池用のフッ素系正極用変性PVdFバインダー『VW700シリーズ』を開発しました。2014年7月より順次出荷、販売を開始します。
フッ素系バインダーは、リチウムイオン電池の正極活物質の接着剤として『PVdF』が使用されています。今回開発した商品を使用することで、これまで実現できなかったリチウムイオン電池の高容量化(4.4V以上の高電圧時での使用)を可能にし、電池の寿命も従来より10%改善しました※1。
リチウムイオン電池の高容量化を行うには、電極の高密度化、NMC(ニッケルマンガンコバルト酸化物)などのニッケル系正極材の使用による高電圧化が必要です。通常のバインダー材料では、4.4V以上の環境で高容量化を図る場合、電極が固くなり割れが生じたり劣化することがあります。また、ニッケル系正極材を使えば電極作製用の塗料がゲル化を起こす※2ことで電極作成が困難になってしまう等の課題がありました。
このたび開発した『VW700シリーズ』は、分子構造に耐酸化性の優れたユニットを導入するなど、当社の得意とするポリマー変性技術を応用することで下記の特長を有しており、従来品の課題を解決することが可能になりました。
(1)高電圧でもバインダーが劣化しにくく、電池が長寿命化
(2)バインダーの柔軟性が高く、高密度化しても固化、割れが発生しにくい
(3)ニッケル系正極材使用時にもゲル化せず、生産性が向上
スマートフォンやタブレットPCの需要拡大に加え、EV(電気自動車)、ハイブリッド車両(バス、フォークリフトなど)の普及が見込まれており、フッ素の特徴を生かした電池材料のニーズが高まっています。当社は、フッ素系バインダー『VW700シリーズ』以外にも、リチウムイオン電池も含めた蓄電デバイス分野での商品開発を進め、2020年度までには売上高100億円をめざします。
【補足説明】
※1 4.4Vでの充放電を200回繰り返した時の充電容量の保持率が約80%から約90%に改善
※2 ゲル化した塗料
耐高電圧性・高容量化に優れたリチウムイオン電池用バインダーを開発
〜スマートフォンから電気自動車(EV)にわたる高容量電池分野でのニーズに対応〜
ダイキン工業株式会社は、耐高電圧性・高容量化に優れたリチウムイオン電池用のフッ素系正極用変性PVdFバインダー『VW700シリーズ』を開発しました。2014年7月より順次出荷、販売を開始します。
フッ素系バインダーは、リチウムイオン電池の正極活物質の接着剤として『PVdF』が使用されています。今回開発した商品を使用することで、これまで実現できなかったリチウムイオン電池の高容量化(4.4V以上の高電圧時での使用)を可能にし、電池の寿命も従来より10%改善しました※1。
リチウムイオン電池の高容量化を行うには、電極の高密度化、NMC(ニッケルマンガンコバルト酸化物)などのニッケル系正極材の使用による高電圧化が必要です。通常のバインダー材料では、4.4V以上の環境で高容量化を図る場合、電極が固くなり割れが生じたり劣化することがあります。また、ニッケル系正極材を使えば電極作製用の塗料がゲル化を起こす※2ことで電極作成が困難になってしまう等の課題がありました。
このたび開発した『VW700シリーズ』は、分子構造に耐酸化性の優れたユニットを導入するなど、当社の得意とするポリマー変性技術を応用することで下記の特長を有しており、従来品の課題を解決することが可能になりました。
(1)高電圧でもバインダーが劣化しにくく、電池が長寿命化
(2)バインダーの柔軟性が高く、高密度化しても固化、割れが発生しにくい
(3)ニッケル系正極材使用時にもゲル化せず、生産性が向上
スマートフォンやタブレットPCの需要拡大に加え、EV(電気自動車)、ハイブリッド車両(バス、フォークリフトなど)の普及が見込まれており、フッ素の特徴を生かした電池材料のニーズが高まっています。当社は、フッ素系バインダー『VW700シリーズ』以外にも、リチウムイオン電池も含めた蓄電デバイス分野での商品開発を進め、2020年度までには売上高100億円をめざします。
【補足説明】
※1 4.4Vでの充放電を200回繰り返した時の充電容量の保持率が約80%から約90%に改善
※2 ゲル化した塗料