「目の花粉症対策」に関するレポート
[15/02/24]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
2015年2月24日
トレンド総研
ピークを迎える花粉症シーズン、その対策を徹底調査!
眼科医・清澤 源弘氏が解説する、目の花粉症対策
3人に1人が「1日6回以上点眼」… オススメは“人工涙液”
生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研(東京都渋谷区、URL:http://www.trendsoken.com/)は、これから迎える花粉症のピークのタイミングに合わせて、「目の花粉症対策」に関する調査結果を発表します。
今年2015年、スギ花粉の飛散量は例年並みとは言われているものの、飛散量が少なかった昨年に比べると2〜3倍にものぼると予想される地域もあります。すでに、鼻水や目のかゆみなど、辛い症状に悩まされている人も多いでしょう。そこで、トレンド総研では、今回、花粉症対策について調べました。
はじめに、花粉症のビジネスマン500名を対象に、花粉症の症状と対策についてアンケート調査を実施。この調査において、97%の人が訴えた症状が「目のかゆみ」です。そこで、“目の花粉症対策”については、よりフォーカスして調べました。具体的な対策方法として「点眼薬」と「洗眼液」を比較し、さらに、こうした“目の花粉症対策”について、東京都江東区の清澤眼科医院の院長・清澤 源弘氏にお話をうかがいました。
■ レポート内容
1. 花粉症のビジネスマンに、「目の花粉症対策」に関するアンケート調査を実施
20代〜40代の会社員500名に、アンケート調査「ビジネスマンの花粉症対策に関する意識・実態調査」を実施。
2. 眼科医・清澤 源弘氏に聞く、花粉症対策におけるポイント
花粉症対策において注意すべき点やポイントについて、眼科医の清澤氏に取材を実施。
■ Summary
<ビジネスマンの花粉症対策に関する意識・実態調査」の概要>
(1)「実際に感じている花粉症の症状」としては、97%が感じているとした「目のかゆみ」が最多となった
(2)会社員にとって、「目のかゆみ」の辛さは、仕事の効率に大きな影響を与えていることが分かった
(3)「目の花粉症対策」としては、「点眼薬」が最もポピュラーな方法
⇒ 1位「市販の点眼薬」(57%)、2位「処方薬の点眼薬」(33%)
⇒「洗眼液」(12%)、「花粉症対策用のメガネやゴーグル」(7%)なども対策として行われている
(4)花粉症対策において、点眼薬をさす回数は非常に多い
⇒ 3人に1人は「1日に6回以上」(29%)点眼薬をさしている
(5)「洗眼液」は様々なシーンで利用されているが、利用方法を注意しなければならない
⇒ 目の周りが汚れたままで利用している人も多い
<眼科医・清澤 源弘氏に聞く、花粉症対策におけるポイント>
・ 症状の前後で異なる花粉症対策、共通のポイントは「花粉に触れないようにすること」
・ 大切な涙の成分、利用頻度の高い花粉症対策の点眼薬には「人工涙液」がポイント
■ 1. 花粉症のビジネスマンに、「目の花粉症対策」に関するアンケート調査を実施
はじめに、事前調査において「花粉症である」と回答した会社員の方500名を対象に、アンケート調査「ビジネスマンの花粉症対策に関する意識・実態調査」を実施しました。
[調査概要]
調査名:ビジネスマンの花粉症対策に関する意識・実態調査
調査対象:20代〜40代の会社員500名
※性別・年代別に均等割り付け
調査期間:2015年1月27日(火)〜2015年1月30日(金)
調査方法:インターネット調査
調査実施機関:楽天リサーチ株式会社
◆ 花粉症の会社員の97%が感じている「目のかゆみ」… 仕事の効率にも悪影響あり!
はじめに、「実際に感じている花粉症の症状」を複数回答形式で答えてもらいました。すると、「鼻水」(83%)、「くしゃみ」(77%)、「鼻づまり」(75%)といった花粉症の代表的な症状を上回り、最も多かった回答が「目のかゆみ」(97%)。ほぼ全員が、その症状を感じていることが分かりました。
そこで、「目のかゆみ」について、具体的に辛かった時のエピソードを聞いたところ、「打ち合せ中に目のかゆみに気を取られ、ろくな打ち合せにならなかった。(富山県・男性25歳)」、「パソコンを使った作業が多いが、目のかゆみがおさまらず、モニターを見ることさえできなかった時がある。(静岡県・男性37歳)」といったように、花粉症による「目のかゆみ」の辛さは、仕事の効率にも影響を及ぼしているように見受けられます。中には、「かゆい目に針を刺したいと思った。(東京都・女性42歳)」という人もいるほどです。花粉症の会社員にとって共通の悩みとも言える「目のかゆみ」。その辛さの一端を垣間見ることができました。
仕事中に目をつぶっている訳にはいきません。会社員にとって、花粉症による目の症状は非常に辛いものだと言えるでしょう。
◆ “点眼薬 VS 洗眼液”、花粉症対策における利用実態を探る
次に、こうした目の花粉症への対策について聞きました。
「目の花粉症対策として利用したことがあるもの」をたずねると、最も多かったのが「市販の点眼薬」(57%)で、次点には「処方薬の点眼薬」(33%)と「マスク」(33%)で並びました。目の花粉症には、やはり点眼薬が最もポピュラーな対策のようです。その他の対策としては、「マスク」と同様に、「飲み薬」(28%)、「空気清浄機」(20%)と花粉症全般の対策となるアイテムが続いた後、12%の人が利用したことがあると回答した「洗眼液」が続きます。目ならではの花粉症対策のアイテムとしては、「花粉症対策用のメガネやゴーグル」(7%)もあげられましたが、「洗眼液」には一歩及びませんでした。
そこで、目の花粉症対策としての「点眼薬」と「洗眼液」について、詳しく調べました。
まず、点眼薬について「選ぶ時の基準」を聞いたところ、「アレルギー対策のもの」(44%)が最多の回答で、「医師に奨められたもの」(26%)、「スッキリするもの」、「コンタクトレンズ用のもの」(24%)が続きます。それぞれ目的に合わせて選ばれる点眼薬ですが、その中でも医師のアドバイスというのはやはり重要視されているようです。
また、「花粉症の季節に点眼薬をさす頻度」を答えてもらったところ、多かったのは、「1日に2〜3回程度」(34%)、「1日に4〜5回程度」(31%)というように、1日に複数回さすという人がほとんどです。およそ3人に1人、29%の人は「1日に6回以上」と回答しており、中には1日の使用回数が数十回に及ぶ人もいました。点眼液を何度もさしながら、なんとか花粉症の症状を抑えようとする会社員の人たちの様子を垣間見ることができました。
一方、洗眼液については、「洗眼液を利用するタイミング」を聞いたところ、「帰宅して自宅で」(75%)、「朝、起床して自宅で」(38%)といった回答が多かった一方で、「会社の業務時間中」(37%)、「会社の休憩時間中」(33%)といった回答が続き、会社で洗眼液を使っている人も少なくありません。しかし、こうした人たちは注意が必要です。「洗眼液」を利用する際は、目の周りの汚れをしっかり洗い流してから使わなければ、目の周りの花粉やごみが目に入ってしまいます。しかし、こうした情報を伝えた上で、「洗眼液の使用時に十分に注意していましたか?」とたずねると、「注意できていなかった」という人は45%を占めます。
■ 2. 眼科医・清澤 源弘氏に聞く、花粉症対策におけるポイント
このように、ビジネスマンたちを悩ませる花粉症と、その目の症状。今回の調査では、苦労しながらも対策を講じているビジネスマンたちの様子も見受けられました。そこで、東京都江東区の清澤眼科医院の院長を務める、眼科医・清澤 源弘氏に取材を依頼し、目の花粉症対策において大切なポイントや注意すべき点について、お話をうかがいました。
◆ 症状の前後で異なる花粉症対策、共通のポイントは「花粉に触れないようにすること」
Q. 目の花粉症対策において「大切な点」や「注意すべき点」について、お教え下さい。
花粉症対策は、大きく2段階に分けることができます。すなわち、「症状が出る前の対策」と「症状が出た後の対策」です。
その内、まず大切なのは、「症状が出る前の対策」だと言えるでしょう。花粉が飛散する4〜6週間くらい前から、しっかりと対策を練ることで、花粉症の症状を抑えることが可能です。毎年、花粉症の症状に悩んでいるという人であれば、それくらいの時期に眼科医での診療を受けることをお奨めします。
花粉症というのは、抗原である花粉が目や鼻、喉の粘膜に付着し、細胞の間をケミカルメディエーターという化学成分が橋渡しをしてヒスタミンが分泌されることで様々な症状が出ることを指します。このケミカルメディエーターの橋渡しを阻害することにより花粉症の症状を抑えるのが、ケミカルメディエーター遊離抑制剤と呼ばれる「抗アレルギー薬」です。しかし、これらの薬は症状が出始める4〜6週間前から継続的に利用しなければなりません。「かゆくなったから、病院に来た」というのでは、もう遅いのです。
そうした人には、「症状が出た後の対策」が必要になります。即効性のある「抗ヒスタミン薬」を利用すれば、花粉症の症状を直接ブロックすることができます。特に症状のひどい方には、目に塗ることができる軟膏とステロイドを配合した点眼薬を処方することが多いです。しかし、ステロイドの副作用には注意しなければなりません。緑内障を誘発してしまう恐れがあります。ですので、眼科医の指示のもと、必ず適量を守って利用して下さい。
しかし、大前提として、花粉症対策では花粉に触れないようにすることが大切です。まず、家に花粉を持ち込まないこと。毛糸のような素材を身につけず、家へはいる前にホコリを落として花粉を入れないようにしましょう。
◆ 大切な涙の成分、利用頻度の高い花粉症対策の点眼薬には「人工涙液」がポイント
Q. 点眼薬と洗眼液について、利用時の注意点をお教え下さい。
前述の通り、「“花粉症”=“アレルギー”」の症状を抑える点眼薬には、症状が出始める前から利用し始める必要がある抗アレルギー薬と、症状を直接抑えるための抗ヒスタミン薬があります。それぞれ役割を正しく理解、医師の指示を守って利用するようにしましょう。
一方で、花粉を目に触れさせないという意味でも目薬を利用することができます。花粉を洗い流すために目薬を利用するのであれば、お奨めしたいのが「人工涙液」です。
アンケート調査でも1日に何度も点眼薬を使うという人がいたそうですが、そうした際には、「人工涙液」がお奨めです。「人工涙液」は涙の成分に近づけた目薬です。そのため、使用回数を気にする必要がありません。花粉が目についたと思った時に、しっかり目薬で洗い流すと良いでしょう。また、利用回数を考えると、“防腐剤”などの成分についても気を付けたいところです。“防腐剤”に対してアレルギーを持っている人もいるので、防腐剤の入っていない人工涙液を選ぶと良いでしょう。
一方で、「洗眼液」については、眼科医としてお奨めはできません。
涙は、油層、水層、ムチン層という3つの層により構成されます。まばたきをすると、それぞれ異なる役割を持つ3つの層が均等に目に塗りつけられます。この涙にしっかりと覆われていることで、目は健康な状態を保つことができます。洗眼液は、目の汚れとして、表面のたんぱく質を洗い流します。それに必要な強力な洗浄薬や界面活性剤も含んでいます。そのため、洗眼液で目の表面を洗い流すと、眼球の表面はきれいにはなりますが、ムチン層など、大切な涙の成分も一緒に流してしまいます。
こうした涙の成分を守りながら花粉を洗い流せるという点も、人工涙液のメリットだと言えるでしょう。
◆清澤 源弘 (きよさわ もとひろ)
−眼科医−
1953年生まれ。1978年に東北大学を卒業し、1984年に東北大学大学院を修了。
フランス、アメリカでの留学を経て、1988年に東北大学眼科の講師に就任。
1992年に東京医科歯科大学眼科の助教授に就任。
2005年には、東京都江東区に清澤眼科医院を開設。
院長として、“すべては患者さんのために”をモットーに治療に取り組む。
眼科治療や眼病への正しい理解を築くため、ブログを通じた情報発信にも力を入れている。
清澤眼科医院 HP URL:http://www.kiyosawa.or.jp/
トレンド総研
ピークを迎える花粉症シーズン、その対策を徹底調査!
眼科医・清澤 源弘氏が解説する、目の花粉症対策
3人に1人が「1日6回以上点眼」… オススメは“人工涙液”
生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研(東京都渋谷区、URL:http://www.trendsoken.com/)は、これから迎える花粉症のピークのタイミングに合わせて、「目の花粉症対策」に関する調査結果を発表します。
今年2015年、スギ花粉の飛散量は例年並みとは言われているものの、飛散量が少なかった昨年に比べると2〜3倍にものぼると予想される地域もあります。すでに、鼻水や目のかゆみなど、辛い症状に悩まされている人も多いでしょう。そこで、トレンド総研では、今回、花粉症対策について調べました。
はじめに、花粉症のビジネスマン500名を対象に、花粉症の症状と対策についてアンケート調査を実施。この調査において、97%の人が訴えた症状が「目のかゆみ」です。そこで、“目の花粉症対策”については、よりフォーカスして調べました。具体的な対策方法として「点眼薬」と「洗眼液」を比較し、さらに、こうした“目の花粉症対策”について、東京都江東区の清澤眼科医院の院長・清澤 源弘氏にお話をうかがいました。
■ レポート内容
1. 花粉症のビジネスマンに、「目の花粉症対策」に関するアンケート調査を実施
20代〜40代の会社員500名に、アンケート調査「ビジネスマンの花粉症対策に関する意識・実態調査」を実施。
2. 眼科医・清澤 源弘氏に聞く、花粉症対策におけるポイント
花粉症対策において注意すべき点やポイントについて、眼科医の清澤氏に取材を実施。
■ Summary
<ビジネスマンの花粉症対策に関する意識・実態調査」の概要>
(1)「実際に感じている花粉症の症状」としては、97%が感じているとした「目のかゆみ」が最多となった
(2)会社員にとって、「目のかゆみ」の辛さは、仕事の効率に大きな影響を与えていることが分かった
(3)「目の花粉症対策」としては、「点眼薬」が最もポピュラーな方法
⇒ 1位「市販の点眼薬」(57%)、2位「処方薬の点眼薬」(33%)
⇒「洗眼液」(12%)、「花粉症対策用のメガネやゴーグル」(7%)なども対策として行われている
(4)花粉症対策において、点眼薬をさす回数は非常に多い
⇒ 3人に1人は「1日に6回以上」(29%)点眼薬をさしている
(5)「洗眼液」は様々なシーンで利用されているが、利用方法を注意しなければならない
⇒ 目の周りが汚れたままで利用している人も多い
<眼科医・清澤 源弘氏に聞く、花粉症対策におけるポイント>
・ 症状の前後で異なる花粉症対策、共通のポイントは「花粉に触れないようにすること」
・ 大切な涙の成分、利用頻度の高い花粉症対策の点眼薬には「人工涙液」がポイント
■ 1. 花粉症のビジネスマンに、「目の花粉症対策」に関するアンケート調査を実施
はじめに、事前調査において「花粉症である」と回答した会社員の方500名を対象に、アンケート調査「ビジネスマンの花粉症対策に関する意識・実態調査」を実施しました。
[調査概要]
調査名:ビジネスマンの花粉症対策に関する意識・実態調査
調査対象:20代〜40代の会社員500名
※性別・年代別に均等割り付け
調査期間:2015年1月27日(火)〜2015年1月30日(金)
調査方法:インターネット調査
調査実施機関:楽天リサーチ株式会社
◆ 花粉症の会社員の97%が感じている「目のかゆみ」… 仕事の効率にも悪影響あり!
はじめに、「実際に感じている花粉症の症状」を複数回答形式で答えてもらいました。すると、「鼻水」(83%)、「くしゃみ」(77%)、「鼻づまり」(75%)といった花粉症の代表的な症状を上回り、最も多かった回答が「目のかゆみ」(97%)。ほぼ全員が、その症状を感じていることが分かりました。
そこで、「目のかゆみ」について、具体的に辛かった時のエピソードを聞いたところ、「打ち合せ中に目のかゆみに気を取られ、ろくな打ち合せにならなかった。(富山県・男性25歳)」、「パソコンを使った作業が多いが、目のかゆみがおさまらず、モニターを見ることさえできなかった時がある。(静岡県・男性37歳)」といったように、花粉症による「目のかゆみ」の辛さは、仕事の効率にも影響を及ぼしているように見受けられます。中には、「かゆい目に針を刺したいと思った。(東京都・女性42歳)」という人もいるほどです。花粉症の会社員にとって共通の悩みとも言える「目のかゆみ」。その辛さの一端を垣間見ることができました。
仕事中に目をつぶっている訳にはいきません。会社員にとって、花粉症による目の症状は非常に辛いものだと言えるでしょう。
◆ “点眼薬 VS 洗眼液”、花粉症対策における利用実態を探る
次に、こうした目の花粉症への対策について聞きました。
「目の花粉症対策として利用したことがあるもの」をたずねると、最も多かったのが「市販の点眼薬」(57%)で、次点には「処方薬の点眼薬」(33%)と「マスク」(33%)で並びました。目の花粉症には、やはり点眼薬が最もポピュラーな対策のようです。その他の対策としては、「マスク」と同様に、「飲み薬」(28%)、「空気清浄機」(20%)と花粉症全般の対策となるアイテムが続いた後、12%の人が利用したことがあると回答した「洗眼液」が続きます。目ならではの花粉症対策のアイテムとしては、「花粉症対策用のメガネやゴーグル」(7%)もあげられましたが、「洗眼液」には一歩及びませんでした。
そこで、目の花粉症対策としての「点眼薬」と「洗眼液」について、詳しく調べました。
まず、点眼薬について「選ぶ時の基準」を聞いたところ、「アレルギー対策のもの」(44%)が最多の回答で、「医師に奨められたもの」(26%)、「スッキリするもの」、「コンタクトレンズ用のもの」(24%)が続きます。それぞれ目的に合わせて選ばれる点眼薬ですが、その中でも医師のアドバイスというのはやはり重要視されているようです。
また、「花粉症の季節に点眼薬をさす頻度」を答えてもらったところ、多かったのは、「1日に2〜3回程度」(34%)、「1日に4〜5回程度」(31%)というように、1日に複数回さすという人がほとんどです。およそ3人に1人、29%の人は「1日に6回以上」と回答しており、中には1日の使用回数が数十回に及ぶ人もいました。点眼液を何度もさしながら、なんとか花粉症の症状を抑えようとする会社員の人たちの様子を垣間見ることができました。
一方、洗眼液については、「洗眼液を利用するタイミング」を聞いたところ、「帰宅して自宅で」(75%)、「朝、起床して自宅で」(38%)といった回答が多かった一方で、「会社の業務時間中」(37%)、「会社の休憩時間中」(33%)といった回答が続き、会社で洗眼液を使っている人も少なくありません。しかし、こうした人たちは注意が必要です。「洗眼液」を利用する際は、目の周りの汚れをしっかり洗い流してから使わなければ、目の周りの花粉やごみが目に入ってしまいます。しかし、こうした情報を伝えた上で、「洗眼液の使用時に十分に注意していましたか?」とたずねると、「注意できていなかった」という人は45%を占めます。
■ 2. 眼科医・清澤 源弘氏に聞く、花粉症対策におけるポイント
このように、ビジネスマンたちを悩ませる花粉症と、その目の症状。今回の調査では、苦労しながらも対策を講じているビジネスマンたちの様子も見受けられました。そこで、東京都江東区の清澤眼科医院の院長を務める、眼科医・清澤 源弘氏に取材を依頼し、目の花粉症対策において大切なポイントや注意すべき点について、お話をうかがいました。
◆ 症状の前後で異なる花粉症対策、共通のポイントは「花粉に触れないようにすること」
Q. 目の花粉症対策において「大切な点」や「注意すべき点」について、お教え下さい。
花粉症対策は、大きく2段階に分けることができます。すなわち、「症状が出る前の対策」と「症状が出た後の対策」です。
その内、まず大切なのは、「症状が出る前の対策」だと言えるでしょう。花粉が飛散する4〜6週間くらい前から、しっかりと対策を練ることで、花粉症の症状を抑えることが可能です。毎年、花粉症の症状に悩んでいるという人であれば、それくらいの時期に眼科医での診療を受けることをお奨めします。
花粉症というのは、抗原である花粉が目や鼻、喉の粘膜に付着し、細胞の間をケミカルメディエーターという化学成分が橋渡しをしてヒスタミンが分泌されることで様々な症状が出ることを指します。このケミカルメディエーターの橋渡しを阻害することにより花粉症の症状を抑えるのが、ケミカルメディエーター遊離抑制剤と呼ばれる「抗アレルギー薬」です。しかし、これらの薬は症状が出始める4〜6週間前から継続的に利用しなければなりません。「かゆくなったから、病院に来た」というのでは、もう遅いのです。
そうした人には、「症状が出た後の対策」が必要になります。即効性のある「抗ヒスタミン薬」を利用すれば、花粉症の症状を直接ブロックすることができます。特に症状のひどい方には、目に塗ることができる軟膏とステロイドを配合した点眼薬を処方することが多いです。しかし、ステロイドの副作用には注意しなければなりません。緑内障を誘発してしまう恐れがあります。ですので、眼科医の指示のもと、必ず適量を守って利用して下さい。
しかし、大前提として、花粉症対策では花粉に触れないようにすることが大切です。まず、家に花粉を持ち込まないこと。毛糸のような素材を身につけず、家へはいる前にホコリを落として花粉を入れないようにしましょう。
◆ 大切な涙の成分、利用頻度の高い花粉症対策の点眼薬には「人工涙液」がポイント
Q. 点眼薬と洗眼液について、利用時の注意点をお教え下さい。
前述の通り、「“花粉症”=“アレルギー”」の症状を抑える点眼薬には、症状が出始める前から利用し始める必要がある抗アレルギー薬と、症状を直接抑えるための抗ヒスタミン薬があります。それぞれ役割を正しく理解、医師の指示を守って利用するようにしましょう。
一方で、花粉を目に触れさせないという意味でも目薬を利用することができます。花粉を洗い流すために目薬を利用するのであれば、お奨めしたいのが「人工涙液」です。
アンケート調査でも1日に何度も点眼薬を使うという人がいたそうですが、そうした際には、「人工涙液」がお奨めです。「人工涙液」は涙の成分に近づけた目薬です。そのため、使用回数を気にする必要がありません。花粉が目についたと思った時に、しっかり目薬で洗い流すと良いでしょう。また、利用回数を考えると、“防腐剤”などの成分についても気を付けたいところです。“防腐剤”に対してアレルギーを持っている人もいるので、防腐剤の入っていない人工涙液を選ぶと良いでしょう。
一方で、「洗眼液」については、眼科医としてお奨めはできません。
涙は、油層、水層、ムチン層という3つの層により構成されます。まばたきをすると、それぞれ異なる役割を持つ3つの層が均等に目に塗りつけられます。この涙にしっかりと覆われていることで、目は健康な状態を保つことができます。洗眼液は、目の汚れとして、表面のたんぱく質を洗い流します。それに必要な強力な洗浄薬や界面活性剤も含んでいます。そのため、洗眼液で目の表面を洗い流すと、眼球の表面はきれいにはなりますが、ムチン層など、大切な涙の成分も一緒に流してしまいます。
こうした涙の成分を守りながら花粉を洗い流せるという点も、人工涙液のメリットだと言えるでしょう。
◆清澤 源弘 (きよさわ もとひろ)
−眼科医−
1953年生まれ。1978年に東北大学を卒業し、1984年に東北大学大学院を修了。
フランス、アメリカでの留学を経て、1988年に東北大学眼科の講師に就任。
1992年に東京医科歯科大学眼科の助教授に就任。
2005年には、東京都江東区に清澤眼科医院を開設。
院長として、“すべては患者さんのために”をモットーに治療に取り組む。
眼科治療や眼病への正しい理解を築くため、ブログを通じた情報発信にも力を入れている。
清澤眼科医院 HP URL:http://www.kiyosawa.or.jp/