第26回「中堅企業経営者『景況感』意識調査」〜世界36カ国同時調査〜を発表
[15/12/18]
提供元:共同通信PRワイヤー
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2015年12月18日
太陽グラントソントン
・日本の景況感が大幅に悪化。四半期毎の調査開始以来、最大の下落幅を記録
・日本企業の自社見通しも、8項目すべてにおいて前期より悪化
・米国の景況感は前回調査に引き続き堅調に改善
・調査対象36カ国中、景況感DIがマイナスの国が前回調査に比べ2倍以上に増加
太陽グラントソントンは、2015年8月から9月に実施した非上場企業を中心とする中堅企業経営者の意識調査の結果を公表した(従業員数100人〜750人)。この調査は、グラントソントン加盟主要36カ国が実施する世界同時調査の一環である。
■日本の景況感、一転して大幅に悪化
世界36カ国の中堅企業経営者に対して行った、自国経済の今後一年の見通しに関する2015年第3四半期(調査実施期間2015年8月〜9月、以下今回)の調査において、日本の景況感DI*1が大幅に悪化していることが明らかになった。
日本の景況感は、 2014年第2四半期から2015年第1四半期まで4期連続で低下、その後前回(2015年第2四半期)は大きく改善しプラスに転じたが、今回は再び悪化してDI -28となった。前回のDI 8に比べて今回はDI -28と前期比で36ポイント減となり、2010年に四半期毎の調査を開始して以来、対前期比では最大の下落幅となった。
■米国の景況感の改善進む。英国、中国および世界平均は下降に転じる。
世界36カ国の平均の景況感DIは、前期比7ポイント減のDI 38となった。
主要国の景況感を見ると、米国は前期比20ポイント増となるDI 74となり2期連続で上昇した。一方、英国は前期比12ポイント減となるDI 67、中国も前期比20ポイント減となるDI 26となっており、ともに今回は下降に転じて景況感が悪化していることが明らかになった。
※1 DI: バランス統計手法Diffusion Index の略。景気判断DI「良い」との回答比率から「悪い」との回答比率を引いた景況感を示す指数。
■景況感DIがマイナスの国が2倍以上に。
ー前回最上位にあったドイツは一転して、対前期比で46ポイント低下。
ー前回最低位のギリシャは景況感がさらに悪化。
今回の調査で、調査対象国36カ国(左表)のうち景況感DIが高い国はアイルランド90、インド87、フィリピン86などとなった。
一方、景況感DIがマイナスを示した国は、アルゼンチン -2、ラトビア -4、ブラジル -5、タイ -8、エストニア -8、フィンランド -8、トルコ -14、シンガポール -14、ロシア -17、日本 -28、マレーシア -28、南アフリカ -40、ギリシャ -60となった。前回、経済危機の影響を受けDI -38ともっとも低いDIを示したギリシャは、今回はさらに22ポイント低下し、引き続き最低位にとどまった。また、前回DI値がマイナスを記録した国は6カ国であったのに対し、今回は13カ国と大幅に増加しており、景況感を悲観的に見ている国が大きく増えていることがわかった。
なお、DIが対前期比で大きく改善した国は、アルメニア(前期比28ポイント増)、米国(同20ポイント増)などとなった。また、景況感DIが前期比で大きく悪化した国を見ると、トルコが同62ポイント低下し、次いでシンガポールとドイツが同46ポイント低下した。
G7各国を見ると、米国が前期比で20ポイント増となった以外は、各国のDIが全て低下し、G7平均では同1ポイント減の47となった。
その他、EU加盟国平均はDI 38と前期比20ポイント減、アジア太平洋地域平均はDI 20と同22ポイント減、BRICs平均はDI 24と同13ポイント減となった。
<調査実施期間>(インターナショナル)
2015年第3四半期:2015年 8月(36カ国)
2015年第2四半期:2015年 5月(35カ国)
2015年第1四半期:2015年 2月(36カ国)
■今後一年間の自社の見通し:
ー日本は8項目のすべてでDIが悪化
日本の中堅企業の今後1 年の自社の見通しについては、前回調査では全8項目中、「新築建物」以外のすべての見通しでDI値が改善していたが、今回の調査では全8項目が悪化するという対照的な結果となった。
■日本における動向:
今後一年間の日本経済の見通しを「楽観的」と考える理由として、 「現政権の政策」「株価の上昇」「賃金の上昇」「訪日客のインバウンド消費」が多くの人から挙げられた。一方「悲観的」と考える理由としては、「内需縮小」 「少子高齢化」が最も多くの人から挙げられた。
ー今後一年間の日本経済の見通し
日本の調査対象者に、今後一年間の日本経済の見通しについて尋ねたところ、 「たいへん楽観的だ」は1.3%と前期から1.4ポイント減少し、 「少し楽観的だ」と回答した人は13.3%と前期から20.5ポイント減少した。
一方、「たいへん悲観的だ」は6.7%と前期から2.6ポイント増加、「少し悲観的だ」は34.7%で前期から10.4ポイント増加した。
「たいへん楽観的だ」「少し楽観的だ」と回答した人に「楽観的だ」と考える理由(複数回答)を尋ねたところ、「現政権の政策」「株価の上昇」「賃金の上昇」「訪日客のインバウンド消費」の4項目が54.5%と同ポイントで並び、「円安の進行」(45.5%)などが続いた。
同様に「たいへん悲観的だ」「少し悲観的だ」と回答した人に、その理由(複数回答)を尋ねた。「内需縮小」 「少子高齢化」(63.3%)が多くの回答者から挙げられ、これに「消費税の増税」(50.0%)が続いた。
また、 40.0%の回答者が「世界経済の影響」を理由として挙げ、 前期の23.8%から大きく上昇した。
ー経営課題
自社の事業で過去一年間において達成された事項(複数回答)について尋ねたところ、最も多く挙げられたのは「5%以上の増収」(57.4%)であったが、前年同期(2014年8月〜9月)比で7.6ポイント減少した。次いで多かったのが「職員(人員)水準が5%以上増加した」 と「市場における新製品・新サービスの開発」(共に31.5%) 、次いで「M&A、吸収合併を行った(された)」「国外における新規市場参入」(共に14.8%)が続いた。
今後一年間の主な経営課題について尋ねたところ、「5%以上の増収」が最も多く65.3%で、前年同期比で6.4ポイント増加した。次いで「市場における新製品・新サービスの開発」(43.1%)で、同比で0.6ポイントの増加となった。
理想の為替相場水準に関する質問では、「1ドル=120円以上125円未満」との回答が24.3%で最も多く、 これに 「1ドル=110円以上115円未満」(17.6%)、「1ドル=105円以上110円未満」(10.8%)が続いた。また加重平均では前期比で3.9円の円安方向に推移しており、前年同期の加重平均値からは12.2円の円安方向の推移を示した。
TPP交渉で貿易の自由化が進むことによる収益への影響について尋ねたところ、「収益力が高まる」「どちらかといえば収益力が高まる」の合計31.1%が、「収益力が低下する」「どちらかといえば収益力が低下する」の合計8.2%を22.9ポイント上回る結果となり、収益力に好影響を及ぼすと考える人の割合が増えていることが明らかになった。
回答が最も多かったのは、従来と同様「わからない」(60.8%)であったが、その比率は前期(70.7%)より9.9ポイント減少した。
また、政府に実施してもらいたい経済活性化の推進施策について質問したところ、前期と同様「法人税の引き下げ」(64.0%)や「少子高齢化対策」 (42.7%) 、「設備投資減税」(38.7%)などが多く挙げられた。
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第26回「中堅企業経営者の意識調査」コメント
太陽グラントソントン広報担当パートナー 田中 秀治
今回の2015年第3四半期調査(2015年8月)では、対象36カ国の今後一年の景況感見通しはDI38となり、前回2015年第2四半期調査(2015年5月、調査開始以来2番目に高いDI45 )から7ポイント低下し、景況感DIがマイナスの国が前回調査にくらべ2倍以上増加した。
本調査の実施期間となった8月は、中国の人民元切り下げから始まる中国経済への懸念、世界同時株安、世界的な原油の需要予測が引き下げられたことによる原油価格の続落等、世界経済の先行きの懸念材料や、それにまつわる報道が多かった。
米国は前期比20ポイント増となるDI71となり2期連続で上昇した。堅調な雇用環境と個人消費の回復を背景に米国の景況感は改善してきている。一方、アジア太平洋地域は前期比22ポイント減となるDI20、EU加盟国平均も20ポイント減のDI38となった。ドイツや中国近隣諸国を始め、中国が主要な貿易相手国である多くの国で景況感が悪化した。
日本は今回の調査で景況感が大幅に悪化し、四半期毎の調査開始以来最大の下落幅となった。今後1年間の日本の経済の見通しについて「悲観的だ」と考える理由をたずねたところ40%の回答者が「世界経済の影響」を理由としてあげた。日本の中堅企業経営者の意識もいわゆるシステミック・リスクに敏感になり、悲観的に傾いているのではないかと思われる。
8月中旬に調査された『法人企業景気予測調査』(内閣府・財務省)の調査結果「貴社の景況判断」を全産業で見ると、大企業は「上昇」超、中小企業は「下降」超となっている。「先行き」についても大企業は「上昇」超で推移する見通し、中小企業は「下降」超で推移する見通しという結果だった。大手企業の業績は回復しているものの、経済の好循環は中堅・中小企業にまで達していない状況が伺える。
景気の本格回復に必要なのは企業の設備投資と賃上げだろう。TPPは中堅・中小企業にとっても大きなチャンスと考えられる。一方で中国経済の減速に加えて、直近では米FRBによる利上げ、大手企業による相次ぐ不正問題、パリでのテロ等が新たな懸念を生んでいる。外部環境が極めて不透明な中で企業は積極的な意思決定ができずにいる状況がしばらく続くものと思われる。
太陽グラントソントン
・日本の景況感が大幅に悪化。四半期毎の調査開始以来、最大の下落幅を記録
・日本企業の自社見通しも、8項目すべてにおいて前期より悪化
・米国の景況感は前回調査に引き続き堅調に改善
・調査対象36カ国中、景況感DIがマイナスの国が前回調査に比べ2倍以上に増加
太陽グラントソントンは、2015年8月から9月に実施した非上場企業を中心とする中堅企業経営者の意識調査の結果を公表した(従業員数100人〜750人)。この調査は、グラントソントン加盟主要36カ国が実施する世界同時調査の一環である。
■日本の景況感、一転して大幅に悪化
世界36カ国の中堅企業経営者に対して行った、自国経済の今後一年の見通しに関する2015年第3四半期(調査実施期間2015年8月〜9月、以下今回)の調査において、日本の景況感DI*1が大幅に悪化していることが明らかになった。
日本の景況感は、 2014年第2四半期から2015年第1四半期まで4期連続で低下、その後前回(2015年第2四半期)は大きく改善しプラスに転じたが、今回は再び悪化してDI -28となった。前回のDI 8に比べて今回はDI -28と前期比で36ポイント減となり、2010年に四半期毎の調査を開始して以来、対前期比では最大の下落幅となった。
■米国の景況感の改善進む。英国、中国および世界平均は下降に転じる。
世界36カ国の平均の景況感DIは、前期比7ポイント減のDI 38となった。
主要国の景況感を見ると、米国は前期比20ポイント増となるDI 74となり2期連続で上昇した。一方、英国は前期比12ポイント減となるDI 67、中国も前期比20ポイント減となるDI 26となっており、ともに今回は下降に転じて景況感が悪化していることが明らかになった。
※1 DI: バランス統計手法Diffusion Index の略。景気判断DI「良い」との回答比率から「悪い」との回答比率を引いた景況感を示す指数。
■景況感DIがマイナスの国が2倍以上に。
ー前回最上位にあったドイツは一転して、対前期比で46ポイント低下。
ー前回最低位のギリシャは景況感がさらに悪化。
今回の調査で、調査対象国36カ国(左表)のうち景況感DIが高い国はアイルランド90、インド87、フィリピン86などとなった。
一方、景況感DIがマイナスを示した国は、アルゼンチン -2、ラトビア -4、ブラジル -5、タイ -8、エストニア -8、フィンランド -8、トルコ -14、シンガポール -14、ロシア -17、日本 -28、マレーシア -28、南アフリカ -40、ギリシャ -60となった。前回、経済危機の影響を受けDI -38ともっとも低いDIを示したギリシャは、今回はさらに22ポイント低下し、引き続き最低位にとどまった。また、前回DI値がマイナスを記録した国は6カ国であったのに対し、今回は13カ国と大幅に増加しており、景況感を悲観的に見ている国が大きく増えていることがわかった。
なお、DIが対前期比で大きく改善した国は、アルメニア(前期比28ポイント増)、米国(同20ポイント増)などとなった。また、景況感DIが前期比で大きく悪化した国を見ると、トルコが同62ポイント低下し、次いでシンガポールとドイツが同46ポイント低下した。
G7各国を見ると、米国が前期比で20ポイント増となった以外は、各国のDIが全て低下し、G7平均では同1ポイント減の47となった。
その他、EU加盟国平均はDI 38と前期比20ポイント減、アジア太平洋地域平均はDI 20と同22ポイント減、BRICs平均はDI 24と同13ポイント減となった。
<調査実施期間>(インターナショナル)
2015年第3四半期:2015年 8月(36カ国)
2015年第2四半期:2015年 5月(35カ国)
2015年第1四半期:2015年 2月(36カ国)
■今後一年間の自社の見通し:
ー日本は8項目のすべてでDIが悪化
日本の中堅企業の今後1 年の自社の見通しについては、前回調査では全8項目中、「新築建物」以外のすべての見通しでDI値が改善していたが、今回の調査では全8項目が悪化するという対照的な結果となった。
■日本における動向:
今後一年間の日本経済の見通しを「楽観的」と考える理由として、 「現政権の政策」「株価の上昇」「賃金の上昇」「訪日客のインバウンド消費」が多くの人から挙げられた。一方「悲観的」と考える理由としては、「内需縮小」 「少子高齢化」が最も多くの人から挙げられた。
ー今後一年間の日本経済の見通し
日本の調査対象者に、今後一年間の日本経済の見通しについて尋ねたところ、 「たいへん楽観的だ」は1.3%と前期から1.4ポイント減少し、 「少し楽観的だ」と回答した人は13.3%と前期から20.5ポイント減少した。
一方、「たいへん悲観的だ」は6.7%と前期から2.6ポイント増加、「少し悲観的だ」は34.7%で前期から10.4ポイント増加した。
「たいへん楽観的だ」「少し楽観的だ」と回答した人に「楽観的だ」と考える理由(複数回答)を尋ねたところ、「現政権の政策」「株価の上昇」「賃金の上昇」「訪日客のインバウンド消費」の4項目が54.5%と同ポイントで並び、「円安の進行」(45.5%)などが続いた。
同様に「たいへん悲観的だ」「少し悲観的だ」と回答した人に、その理由(複数回答)を尋ねた。「内需縮小」 「少子高齢化」(63.3%)が多くの回答者から挙げられ、これに「消費税の増税」(50.0%)が続いた。
また、 40.0%の回答者が「世界経済の影響」を理由として挙げ、 前期の23.8%から大きく上昇した。
ー経営課題
自社の事業で過去一年間において達成された事項(複数回答)について尋ねたところ、最も多く挙げられたのは「5%以上の増収」(57.4%)であったが、前年同期(2014年8月〜9月)比で7.6ポイント減少した。次いで多かったのが「職員(人員)水準が5%以上増加した」 と「市場における新製品・新サービスの開発」(共に31.5%) 、次いで「M&A、吸収合併を行った(された)」「国外における新規市場参入」(共に14.8%)が続いた。
今後一年間の主な経営課題について尋ねたところ、「5%以上の増収」が最も多く65.3%で、前年同期比で6.4ポイント増加した。次いで「市場における新製品・新サービスの開発」(43.1%)で、同比で0.6ポイントの増加となった。
理想の為替相場水準に関する質問では、「1ドル=120円以上125円未満」との回答が24.3%で最も多く、 これに 「1ドル=110円以上115円未満」(17.6%)、「1ドル=105円以上110円未満」(10.8%)が続いた。また加重平均では前期比で3.9円の円安方向に推移しており、前年同期の加重平均値からは12.2円の円安方向の推移を示した。
TPP交渉で貿易の自由化が進むことによる収益への影響について尋ねたところ、「収益力が高まる」「どちらかといえば収益力が高まる」の合計31.1%が、「収益力が低下する」「どちらかといえば収益力が低下する」の合計8.2%を22.9ポイント上回る結果となり、収益力に好影響を及ぼすと考える人の割合が増えていることが明らかになった。
回答が最も多かったのは、従来と同様「わからない」(60.8%)であったが、その比率は前期(70.7%)より9.9ポイント減少した。
また、政府に実施してもらいたい経済活性化の推進施策について質問したところ、前期と同様「法人税の引き下げ」(64.0%)や「少子高齢化対策」 (42.7%) 、「設備投資減税」(38.7%)などが多く挙げられた。
======================
第26回「中堅企業経営者の意識調査」コメント
太陽グラントソントン広報担当パートナー 田中 秀治
今回の2015年第3四半期調査(2015年8月)では、対象36カ国の今後一年の景況感見通しはDI38となり、前回2015年第2四半期調査(2015年5月、調査開始以来2番目に高いDI45 )から7ポイント低下し、景況感DIがマイナスの国が前回調査にくらべ2倍以上増加した。
本調査の実施期間となった8月は、中国の人民元切り下げから始まる中国経済への懸念、世界同時株安、世界的な原油の需要予測が引き下げられたことによる原油価格の続落等、世界経済の先行きの懸念材料や、それにまつわる報道が多かった。
米国は前期比20ポイント増となるDI71となり2期連続で上昇した。堅調な雇用環境と個人消費の回復を背景に米国の景況感は改善してきている。一方、アジア太平洋地域は前期比22ポイント減となるDI20、EU加盟国平均も20ポイント減のDI38となった。ドイツや中国近隣諸国を始め、中国が主要な貿易相手国である多くの国で景況感が悪化した。
日本は今回の調査で景況感が大幅に悪化し、四半期毎の調査開始以来最大の下落幅となった。今後1年間の日本の経済の見通しについて「悲観的だ」と考える理由をたずねたところ40%の回答者が「世界経済の影響」を理由としてあげた。日本の中堅企業経営者の意識もいわゆるシステミック・リスクに敏感になり、悲観的に傾いているのではないかと思われる。
8月中旬に調査された『法人企業景気予測調査』(内閣府・財務省)の調査結果「貴社の景況判断」を全産業で見ると、大企業は「上昇」超、中小企業は「下降」超となっている。「先行き」についても大企業は「上昇」超で推移する見通し、中小企業は「下降」超で推移する見通しという結果だった。大手企業の業績は回復しているものの、経済の好循環は中堅・中小企業にまで達していない状況が伺える。
景気の本格回復に必要なのは企業の設備投資と賃上げだろう。TPPは中堅・中小企業にとっても大きなチャンスと考えられる。一方で中国経済の減速に加えて、直近では米FRBによる利上げ、大手企業による相次ぐ不正問題、パリでのテロ等が新たな懸念を生んでいる。外部環境が極めて不透明な中で企業は積極的な意思決定ができずにいる状況がしばらく続くものと思われる。