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人間による顧客対応へのニーズが高まる中、米国企業は顧客を失う恐れがあることが判明

2016年4月27日

アクセンチュア株式会社

アクセンチュア最新調査――人間による顧客対応へのニーズが高まる中、
米国企業は顧客を失う恐れがあることが判明

デジタルテクノロジーへの適切な投資によって、
人間味の無い対応による顧客離れの回避が可能

【ニューヨーク発:2016年3月23日】
アクセンチュア(NYSE:ACN)の調査によると、米国の消費者の83%は顧客窓口での対応を受ける際、デジタルではなく人間による人間味のある対応を求めていることが明らかになりました。また、52%は「過去1年間で顧客サービスの品質の低さが理由で利用するサービスを変えたことがある」と回答しており、こうした消費者の反応は銀行や小売、ケーブルテレビ・衛星テレビの業界で頻発していることも分かりました。米国において、顧客サービス品質の低さが原因となった顧客離反による損失は、1.6兆ドルにも達すると予測されています。

アクセンチュア・ストラテジーが作成したレポート「Digital Disconnect in Customer Engagement」は、今回で11回目となるアクセンチュアの年次調査「Global Consumer Pulse Research」をもとに作成されました。今回は、世界24,489人の消費者(うち米国人は2,003人)を対象に、企業のマーケティングやセールス、顧客サービスの取り組みに対する意識を調査しました。

アクセンチュア・ストラテジーでアドバンスト・カスタマー・ストラテジーのシニア・マネジング・ディレクターを務めるロバート・ウォーラン(Robert Wollan)は次のように述べています。「企業が消費者との対面による人間味のある対応の重要性を見失ったことで、消費者が必要とする適切なサポートやサービスを提供することが難しくなるケースが多くなっています。こうした企業は、デジタルチャネルだけを利用する顧客が最も利益率が高いと誤解し、顧客サービスをコストとして認識しています。結果的に、デジタルテクノロジーやデジタルチャネルに対して過剰に投資してしまい、本来最も収益性の高い、デジタルと従来のチャネル双方の購買体験を求めている顧客を失うことにつながっているのです。」

■顧客サービスにおいて人間が接客することの重要性
人間による人間味のある接客は、デジタル化が進む現在においても顧客満足を得るための重要な要素です。米国では、83%の消費者が「顧客サービスにおける問題解決はデジタルによる対応よりも人間に対応してもらいたい」と望んでおり、77%は「人間からアドバイスを受けたい」と思っています。また、半数近くの消費者(45%)は「より良いサービスを受けられるなら、商品やサービスの料金が高くなっても構わない」と回答しています。消費者は、実際に商品に触れることや実店舗での体験も非常に重視しています。米国の消費者の65%は「実店舗でのサービスが、自分のニーズに合った顧客体験を得るための最適なチャネルである」と考えており、46%は「オンラインよりも対面での接客の方が、新商品や高級品の購買意欲を喚起される」と回答しています。

アクセンチュア・ストラテジーのマネジング・ディレクターで北米におけるアドバンスト・カスタマー・ストラテジーを統括するケヴィン・クウィリング(Kevin Quiring)は次のように述べています。「米国企業はデジタルによる顧客サービスにおいて転換期を迎えています。顧客満足度を向上させ、他社と差別化して成長を加速させるためには、デジタルテクノロジーを使った顧客サービスと従来型の顧客サービスに対する投資配分を再検討する必要があります。企業は自らの判断で人間による接客に対する投資を控えたものの、消費者一人ひとりが求めるニーズに合わせた対応を提供していくためには、人間による顧客接点を再度充実させる必要性に直面しています。」

■顧客体験を改善するために
本レポートによって、現在の顧客サービスには改善の余地が多いことが分かりました。米国の消費者の81%は「やり取りが面倒な企業にはストレスを感じる」と回答しています。また、73%は「より手軽で便利な顧客サービス」を期待しており、61%は「より迅速な顧客サービス」を求めています。44%は「顧客体験に不満を持った場合は通常、ソーシャルメディアにクレームを投稿する」と答えており、ソーシャルメディアが不満のはけ口であることを認めています。米国では、一度消費者を失うと、68%の消費者は顧客として戻ってこないことが分かりました。しかし、企業が取るべき対策はあります。離反した米国の消費者のうち80%は、「企業は自分を引き留めるために何かできたはずだった」と感じています。83%は「企業がリアルタイムな顧客サービスや担当者を介した顧客サービスを提供していれば、他の企業に切り替えるという判断に影響を与えただろう」と回答しています。

■顧客サービスにおける先進企業はいかにして成功を収めるのか
企業が、デジタルチャネルと従来のチャネルにおける顧客サービスのバランスを見直す際の留意点は下記の通りです。
1. 顧客サービスに人間味のある要素や物理的な要素を再び取り入れる:投資配分を見直す必要があります。接客方法ではなく、顧客が満足する体験を提供することに焦点を当て、統一感のある体験を提供できるように統合的にチャネルを管理することが重要です。
2. 顧客が望む体験に合せたチャネル変更を容易にする:顧客が求める対応を提供するため、人間による接客とデジタルによる対応を顧客が柔軟に選べる仕組みを構築することが重要です。
3. 抜本的に問題を解決する:全チャネルを通して、顧客の不満に繋がる体験を特定し改善する必要があります。こうした体験は、利益に直接影響を及ぼす可能性があります。顧客体験に悪影響を及ぼす恐れのある最大の要因を特定し、そこで得た知見を基に投資再配分を検討することが重要です。
4. 個人データのセキュリティ対策に万全を期す:米国の消費者の92%は「企業が個人情報を保護することは極めて重要だ」と回答しています。企業が万全なセキュリティ対策を施すことによって、消費者は安心して個人情報を提供し、結果的に企業はより良い顧客体験を創出できるようになるのです。

本調査レポートの全文は、www.accenture.com/GlobalConsumerPulseResearch (英語のみ)をご覧ください。

【調査について】
「Global Consumer Pulse Research」は、企業のマーケティング、セールス、顧客サービスに対する顧客の意識と、それらの企業活動に対する消費者の反応を評価する年次のオンライン調査です。2015年の調査では、世界33カ国から24,489名の回答結果をまとめました。調査対象国は、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、アラブ首長国連邦、タイ、韓国、シンガポール、ノルウェー、メキシコ、マレーシア、アイルランド、南アフリカ共和国、ロシア、アルゼンチン、トルコ、ポーランド、フィリピン、オランダ、ベルギー、チェコ、インド、インドネシア、フランス、ドイツ、日本、中国、ブラジル、スペイン、カナダ、オーストラリア、イタリア、英国、米国です。回答者は、11の業種から最大で4つの業界に対する顧客体験を評価しました。11の業種とは、リテールバンキング・金融サービス、ワイヤレスサービス、消費財、ガス・電気、家電、損害保険、固定回線(ケーブルテレビ・衛星テレビを除く)、ヘルスケア、ホテル・宿泊、生命保険、ケーブルテレビ・衛星テレビです。調査は2015年8月から9月にかけて実施されました。

【アクセンチュアについて】
アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供するおよそ37万3,000人の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。
アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、
アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jpをご覧ください。

【アクセンチュア 戦略コンサルティング本部(Accenture Strategy)について】
アクセンチュア 戦略コンサルティング本部は、ビジネスとテクノロジーを高度に融合させることでビジネス価値を創造する戦略パートナーです。ビジネス、テクノロジー、オペレーション、ファンクションの各戦略における高い専門性を組み合わせ、各業界に特化した戦略の立案と実行を通してお客様の変革を支援します。デジタル化時代における創造的破壊への対応や競争力強化、グローバル・オペレーティング・モデル構築、人材力強化、リーダーシップ育成などの経営課題に注力し、効率性向上だけではなく、成長の実現に貢献します。アクセンチュア 戦略コンサルティング本部については、Twitter @AccentureStrat(英文)、またはwww.accenture.com/jp/strategyをご覧ください。
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