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タバタ・トレーニングが大腸がんを抑制

2017年12月18日

立命館大学

タバタ・トレーニングが大腸がんを抑制
前がん細胞を減少させ、将来の大腸がんの発症を予防する仕組みを解明

 田畑泉(スポーツ健康科学部・教授)らの研究グループは、タバタ・トレーニングとして知られる、高強度・短時間・間欠的運動(High-intensity interval training)が大腸がん発症の最初の段階である前がん細胞を減少させ、将来の大腸がんの発症を予防する仕組みを明らかにし、このほどアメリカスポーツ医学会発行のMedicine and Science in Sports and Exercise(49(9):1805-16, 2017)にて発表いたしました。

【研究成果のポイント】
・発がん物質を与えたラットに、水泳を用いたタバタ・トレーニングを実施したところ、大腸“前がん細胞”である大腸内皮細胞のACF数が、非トレーニング群の半分以下になることを明らかにしました。
・骨格筋から分泌されるマイオカインの1つであるSPARC(Secreted Protein Acidic and Rich in Cysteine)は、ACFのアポトーシス(細胞死)を誘導することが知られていますが、本研究では、ヒトを対象とした実験により、タバタ・トレーニングで用いられる運動が、血中SPARC濃度を有意に上昇させることを明らかにしました。
・健常な若年男性11名を対象としたタバタ・トレーニング実験で、ヒト骨格筋のSPARC mRNAが増加することを明らかにしました。
・タバタ・トレーニングや、高強度の運動は、骨格筋のSPARC量や血中のSPARC濃度が増加することを明らかにし、そのような運動が大腸がんの一次予防に有効である可能性を示唆しました。

【掲載論文】
題 名:A mechanism underlying preventive effect of high intensity training on colon cancer.
著者名:K Matsuo, K Sato, K Suemoto, E Miyamoto-Mikami, N Fuku, K Higashida,
    K Tsuji, Y Xu, X Liu, M Iemitsu, T Hamaoka, I Tabata.
掲載誌:Medicine and Science in Sports and Exercise(49(9):1805-16, 2017)

【用語解説】
タバタ・トレーニング:
田畑教授が科学的にメカニズムを証明したトレーニング方法で、高強度(続けて行えば50秒程度で疲労困憊に至るような強度)の運動20秒−休息10秒を1セットとして合計6〜7セット(計4分間)行う、インターバルトレーニングの一種で、短時間で極めて高い運動効果が得られます。

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