平成の酒の十大ニュース発表【酒飲みのミカタ】
[18/09/28]
提供元:共同通信PRワイヤー
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2018.9.28
株式会社酒文化研究所
平成の酒の十大ニュース発表
1位は日本酒の級別廃止(H5)、2位は第3のビール発売ラッシュ(H16)、3位は角ハイボール人気でウイスキー増勢へ(H20)
平成酒の十大ニュース発表【酒飲みのミカタ】
バブル崩壊やリーマンショックなど平成は長く不況が続きましたが、日本の経済構造そのものが大きく変わる時代でした。インターネットやスマホの普及もあり、ライフスタイルも様変わりし、飲酒環境も大きく変わった時代です。そんな平成の30年間を振り返り酒の十大ニュースを選定しました(回答者は酒文化研究所のモニターなど酒の愛好家で「ほとんど毎日酒を飲む」という方が7割)。
第1位 酒税改正で日本酒の級別が廃止に(平成5年)
日本酒には戦前の品不足の時代から品質審査を受けて一級などの認定を受ける級別制度が存在し、高級品には高い酒税が課せられていた。しかし昭和50年代に入り地方酒を中心に吟醸酒や高品質酒でも級別審査を受けずに税額の低い二級で発売するという動きが顕著になった。その結果、級別制度が形骸化し廃止されることになった。以後は純米酒・大吟醸酒など製法品質表示が中心になっていく。
第2位 第3のビールが発売ラッシュ、急拡大(平成16年頃)
平成6年に麦芽の使用比率を抑えることでビールよりも酒税の安い発泡酒規格の商品が誕生した。その後の数年間で発泡酒の規格見直しや税額アップが進み、節税商品として人気のあった発泡酒よりもさらに酒税の安い第3のビールと呼ばれる新ジャンル商品に主役が移る。昨年の国産ビール類では全体の半分を発泡酒・新ジャンル商品が占めた。(第9位参照)
第3位 「角ハイボール」が料飲店で人気に。ウイスキー増勢へ(平成20年頃)
平成元年の酒税大改正以降は需要低迷していたウイスキー。料飲店を中心にハイボールをおいしく飲むための専用サーバーやおいしい作り方の啓蒙が進み若い世代や女性にも好まれる飲み物としてリバイバルした。これ以降は、家庭でのハイボール、缶入り製品の登場などでハイボールがウイスキー需要全体をけん引していく。(第6位参照)
第4位 ポリフェノール効果で赤ワインが大ブームに(平成7年頃)
肉やバターなどコレステロールを多く摂取するのに、フランス人は心臓病による死亡率が欧米諸国で最低であったことが医学的に説明できないのでフレンチパラドックッスと呼ばれていた。フランス人がよく飲む赤ワインに多く含まれるポリフェノールが動脈硬化を予防するということが医学的に立証されて、日本でも赤ワインが一気に普及した。
第5位 ジャパニーズ・ウイスキーが国際コンクールを席巻、評価が高まる(平成15年頃)
サントリーやニッカが世界的なウイスキーコンクールで繰り返し高い評価を得たことで、世界中でジャパニーズ・ウイスキーの評価が高まり海外でも人気が出てきた。しかし、あまりの過熱人気で「山崎」「響」「余市」などの熟成年数の長い商品の多くが販売中断や数量制限がかかる状態になっている。
第6位 ウイスキー酒税改正で特級が大幅値下げ、二級が大幅値上げ(平成元年)
平成元年にウイスキーの酒税級別制度が一本化された。代表的な商品でみると特級のサントリーオールドが3170円から2370円に値下げ、二級のサントリーレッドが900円から1450円に値上げとなった。その結果、ウイスキーは裾野であった低価格分野の市場を失い、需要が縮小し長く低迷していく。
第7位 いも焼酎ブームが拡大。東日本でもいも焼酎が定着(平成15年頃)
九州で生産、消費されてきた本格焼酎。昭和後期にまず麦焼酎が全国に普及したが、より個性の強いいも焼酎は鹿児島を中心に九州が市場の中心であった。黒麹の使用や技術開発が進んだこの時期から東日本にも市場が広がり、飲み方もお湯割り一辺倒から水割りやロックへと多様化が進んでいく。
第8位 ノンアルコールビールの定着進む(平成23年頃)
過去に何回か短期間にブーム的に売れては消えていったノンアルコールビールがついに市場に定着した。飲めない場所、飲めないときなどの代替マーケットではなく新しいニーズや飲用シーンが開発され、積極的に選ばれる飲み物に成長した。
第9位 サントリーが発泡酒『ホップス』を発売。その後、発泡酒が急増(平成6年)
先進諸国に比べて日本はビールの酒税が高く、他の酒類に比較して割高感が強かった。麦芽比率を下げて酒税が節税できる発泡酒規格の商品を開発することがバブル崩壊後の日本の市況の中では求められていたのである。以後ビール類の節税型商品へのシフトは年々加速しさらに割安な新ジャンル商品の開発へと続いていく。
第10位 日本酒では『獺祭』が大人気に(平成26年頃)
純米大吟醸酒だけをつくる山口県の旭酒造は、需要が高まるとそれに対応するべく、酒米の調達・製造設備への投資を進め増産進めるという日本酒業界にはそれまでなかった政策を推進していった。後に酒造好適米が米の減反政策の適用外になるなど社会的な動きにもつながり、『獺祭』は日本酒愛好家以外にも幅広く好まれる大吟醸酒として市場に浸透していく。
■調査概要
調査時期:2017年9月21日〜9月26日
調査方法:インターネット自記入式アンケート調査
有効回答:111
株式会社酒文化研究所
平成の酒の十大ニュース発表
1位は日本酒の級別廃止(H5)、2位は第3のビール発売ラッシュ(H16)、3位は角ハイボール人気でウイスキー増勢へ(H20)
平成酒の十大ニュース発表【酒飲みのミカタ】
バブル崩壊やリーマンショックなど平成は長く不況が続きましたが、日本の経済構造そのものが大きく変わる時代でした。インターネットやスマホの普及もあり、ライフスタイルも様変わりし、飲酒環境も大きく変わった時代です。そんな平成の30年間を振り返り酒の十大ニュースを選定しました(回答者は酒文化研究所のモニターなど酒の愛好家で「ほとんど毎日酒を飲む」という方が7割)。
第1位 酒税改正で日本酒の級別が廃止に(平成5年)
日本酒には戦前の品不足の時代から品質審査を受けて一級などの認定を受ける級別制度が存在し、高級品には高い酒税が課せられていた。しかし昭和50年代に入り地方酒を中心に吟醸酒や高品質酒でも級別審査を受けずに税額の低い二級で発売するという動きが顕著になった。その結果、級別制度が形骸化し廃止されることになった。以後は純米酒・大吟醸酒など製法品質表示が中心になっていく。
第2位 第3のビールが発売ラッシュ、急拡大(平成16年頃)
平成6年に麦芽の使用比率を抑えることでビールよりも酒税の安い発泡酒規格の商品が誕生した。その後の数年間で発泡酒の規格見直しや税額アップが進み、節税商品として人気のあった発泡酒よりもさらに酒税の安い第3のビールと呼ばれる新ジャンル商品に主役が移る。昨年の国産ビール類では全体の半分を発泡酒・新ジャンル商品が占めた。(第9位参照)
第3位 「角ハイボール」が料飲店で人気に。ウイスキー増勢へ(平成20年頃)
平成元年の酒税大改正以降は需要低迷していたウイスキー。料飲店を中心にハイボールをおいしく飲むための専用サーバーやおいしい作り方の啓蒙が進み若い世代や女性にも好まれる飲み物としてリバイバルした。これ以降は、家庭でのハイボール、缶入り製品の登場などでハイボールがウイスキー需要全体をけん引していく。(第6位参照)
第4位 ポリフェノール効果で赤ワインが大ブームに(平成7年頃)
肉やバターなどコレステロールを多く摂取するのに、フランス人は心臓病による死亡率が欧米諸国で最低であったことが医学的に説明できないのでフレンチパラドックッスと呼ばれていた。フランス人がよく飲む赤ワインに多く含まれるポリフェノールが動脈硬化を予防するということが医学的に立証されて、日本でも赤ワインが一気に普及した。
第5位 ジャパニーズ・ウイスキーが国際コンクールを席巻、評価が高まる(平成15年頃)
サントリーやニッカが世界的なウイスキーコンクールで繰り返し高い評価を得たことで、世界中でジャパニーズ・ウイスキーの評価が高まり海外でも人気が出てきた。しかし、あまりの過熱人気で「山崎」「響」「余市」などの熟成年数の長い商品の多くが販売中断や数量制限がかかる状態になっている。
第6位 ウイスキー酒税改正で特級が大幅値下げ、二級が大幅値上げ(平成元年)
平成元年にウイスキーの酒税級別制度が一本化された。代表的な商品でみると特級のサントリーオールドが3170円から2370円に値下げ、二級のサントリーレッドが900円から1450円に値上げとなった。その結果、ウイスキーは裾野であった低価格分野の市場を失い、需要が縮小し長く低迷していく。
第7位 いも焼酎ブームが拡大。東日本でもいも焼酎が定着(平成15年頃)
九州で生産、消費されてきた本格焼酎。昭和後期にまず麦焼酎が全国に普及したが、より個性の強いいも焼酎は鹿児島を中心に九州が市場の中心であった。黒麹の使用や技術開発が進んだこの時期から東日本にも市場が広がり、飲み方もお湯割り一辺倒から水割りやロックへと多様化が進んでいく。
第8位 ノンアルコールビールの定着進む(平成23年頃)
過去に何回か短期間にブーム的に売れては消えていったノンアルコールビールがついに市場に定着した。飲めない場所、飲めないときなどの代替マーケットではなく新しいニーズや飲用シーンが開発され、積極的に選ばれる飲み物に成長した。
第9位 サントリーが発泡酒『ホップス』を発売。その後、発泡酒が急増(平成6年)
先進諸国に比べて日本はビールの酒税が高く、他の酒類に比較して割高感が強かった。麦芽比率を下げて酒税が節税できる発泡酒規格の商品を開発することがバブル崩壊後の日本の市況の中では求められていたのである。以後ビール類の節税型商品へのシフトは年々加速しさらに割安な新ジャンル商品の開発へと続いていく。
第10位 日本酒では『獺祭』が大人気に(平成26年頃)
純米大吟醸酒だけをつくる山口県の旭酒造は、需要が高まるとそれに対応するべく、酒米の調達・製造設備への投資を進め増産進めるという日本酒業界にはそれまでなかった政策を推進していった。後に酒造好適米が米の減反政策の適用外になるなど社会的な動きにもつながり、『獺祭』は日本酒愛好家以外にも幅広く好まれる大吟醸酒として市場に浸透していく。
■調査概要
調査時期:2017年9月21日〜9月26日
調査方法:インターネット自記入式アンケート調査
有効回答:111