ウパダシチニブ、第III相試験において、併用療法により、アトピー性皮膚炎患者の皮膚症状とかゆみを改善
[20/08/11]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
2020年8月11日
アッヴィ合同会社
ウパダシチニブ、3つ目のピボタル第III相試験において、副腎皮質ステロイド外用薬との併用療法により、アトピー性皮膚炎患者さんの皮膚症状とかゆみを改善
●ウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg)/副腎皮質ステロイド外用薬(TCS)併用療法が、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の成人および青年患者さんにおいて、プラセボ/TSC併用療法を対照とした、主要評価項目およびすべての副次評価項目を満たすトップライン結果を示す1
●安全性の結果は、アトピー性皮膚炎を対象とした2つの第III相試験プログラムとの一貫性を示す1-3
●ウパダシチニブは、アッヴィが発見し開発した選択的かつ可逆的なJAK阻害薬で、中等症から重症の関節リウマチ患者さんの治療薬として承認され、その他複数の免疫免疫関連疾患に対する治療薬としても開発中1,4-11
イリノイ州ノースシカゴ、2020年7月28日(米国時間)?アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、ウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg、1日1回)/副腎皮質ステロイド外用薬(TCS)併用療法が、アトピー性皮膚炎を対象とした3番目のピボタル第III相試験であるAD Up試験において、複合主要評価項目およびすべての副次評価項目を達成したことを発表しました1。AD Up試験は、中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する成人および青年患者さんにおける、ウパダシチニブの両用量での有効性および安全性をプラセボと比較し、評価する試験で、プラセボ群を含むすべての投与群でTCSを併用しました1。主要評価項目は、16週時における湿疹面積・重症度指数のベースラインからの75%以上の改善(EASI 75)および治験責任医師によるアトピー性皮膚炎の全般的な重症度の総合評価(vIGA-AD)スコア0/1(「消失」または「ほぼ消失」)でした1。
両用量のウパダシチニブ/TCS併用療法において、16週時に、皮膚症状の改善を示した患者さんは、プラセボ/TCS併用と比較して有意に多く認められました1。本試験におけるEASI 75達成率は、プラセボ/TCS併用群の26%に対し、ウパダシチニブ15 mg/TCS併用群が65%、30 mg/TCS併用群が77%でした(p<0.001)1。vIGA-AD 0/1達成率は、プラセボ/TCS併用群の11%に対し、ウパダシチニブ15 mg/TCS併用群で40%、30 mg/TCS併用群では59%でした(p<0.001)1。
アッヴィのR&Dシニアバイスプレジデント兼最高科学責任者(CSO)であるトム・ハドソン医学博士、M.D.は次のように述べています。「今回のデータは、当社のこれまでのアトピー性皮膚炎に対する試験で得られた結果をさらに充実させるものであり、アトピー性皮膚炎とともに生きる患者さんにとって主要な治療薬である副腎皮質ステロイド外用薬とウパダシチニブ併用による有効性という新たな知見をもたらしました。重篤な皮膚疾患領域における当社の長年の実績を活かし、アトピー性皮膚炎による過酷なかゆみや皮疹の症状とともに生きる人々のアンメットニーズに対応し、治療の向上を図るという当社の最終目標の一環として、ウパダシチニブの研究を推進していきたいと思っています」
また、最悪のかゆみの数値評価スケールスコア(最悪のかゆみのNRSスコア)で4点以上の改善と定義した臨床的意義のあるかゆみの軽減の達成率については、プラセボ/TCS群と比較して、ウパダシチニブ/TCS群の患者さんにおいてより多く認められました1。16週時の達成率は、プラセボ併用群では15%、ウパダシチニブ15 mg併用群と30mg併用群ではそれぞれ52%と64%でした(p<0.001)1。
事前に定められた追加解析では、プラセボ併用群と比較して、いずれの用量のウパダシチニブ併用群においても、16週時までのTCSフリー平均日数がより高いことが示されました1。TCSフリー日数は、TCSを使用しない状態で、EASI 75以上が維持された日数と定義されています1。TCSを使用せずにEASI 75が維持された平均日数は、プラセボ併用群で8日、ウパダシチニブ15 mg併用群で34日、30 mg併用群では47日でした(名目上のp値<0.001)1。
治験責任医師であり、ドイツ ハンブルク市のハンブルク・エッペンドルフ大学医療センター 炎症性皮膚疾患領域 トランスレーショナルリサーチ学教授、同市Skinflammationセンターのクリスチャン・ライヒ医学博士、M.D.は次のように述べています。「今回の結果には大変期待がもてます。特に追加解析では、ウパダシチニブ両用量群において、一部の患者さんが副腎皮質ステロイド外用薬を使用せずに、皮膚症状をコントロールできていたことが示されました。既存治療の多くは、外用薬の複数使用など、患者さんによる症状の自己管理が必要です。患者さんは、生涯にわたるこの慢性疾患を緩和しようと懸命に努力しています。日常的な外用薬の併用を必要とすることなく、症状をコントロールできる治療選択肢が増えれば、患者さんに大きな意義をもたらすでしょう」
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102977/202008112990/_prw_PT1fl_50u04579.png】
* 主要評価項目は16週時のEASI 75およびvIGA 0/1。いずれの主要評価項目もp<0.001を達成。副次評価項目は、16週時の最悪のかゆみのNRSスコアで4点以上の改善とした。すべての副次評価項目でp<0.001を達成。表にはすべての副次評価項目は示していません。
a EASI 75は、湿疹面積・重症度指数の75%以上の低下と定義。
b vIGA-AD 0/1は、治験責任医師によるアトピー性皮膚炎の全般的な重症度の総合評価で「消失」または「ほぼ消失」(0/1)と判定され、
かつベースラインから2グレード以上減少した場合と定義。
c 最悪のかゆみのNRSスコア4点以上の改善は、最悪のかゆみのNRSスコアが4点以上改善(減少)した場合と定義。この評価項目について、ベースラインで最悪のかゆみのNRSスコアが4点以上であった患者を対象に解析を実施。
アトピー性皮膚炎は、慢性で再発を繰り返す炎症性疾患です。激しいかゆみの症状と掻破行動を繰り返すことにより、皮膚がひび割れ、鱗状となり、滲出液が出るのが特徴です12,13。成人の約10%および青年の約25%が、生涯のいずれかの時点でアトピー性皮膚炎に罹患すると推定されています13。アトピー性皮膚炎の成人患者さんのうち、20〜46%が中等症から重症です14。多様な症状が、患者さんに身体的、心理的および経済的な負担を与えます13,15。
安全性の結果は、これまでに報告されている2つのアトピー性皮膚炎に対する第III相試験の結果と一貫しており、16週間のプラセボ対照期間中に新たな安全性リスクは認められませんでした1-3。重篤な有害事象(SAE)が認められた割合は、プラセボ併用群で3.0%、ウパダシチニブ15 mg併用群で2.3%、30 mg併用群では1.3%でした1。ウパダシチニブ投与群で特に多く認められた有害事象(AE)は、鼻咽頭炎、ざ瘡および上気道感染でした1。ざ瘡はプラセボ併用群(2.0%)と比較して、ウパダシチニブ両用量群で多く認められました(15mg併用群で10.0%、30 mg併用群で13.8%)。すべての有害事象が軽症から中等症で、いずれも投与中止には至りませんでした1。疱疹状湿疹が、ウパダシチニブ15 mg併用群(1.0%)および30 mg併用群(1.3%)で認められ、プラセボ併用群では報告されませんでした1。重篤な感染症がまれに報告されました(ウパダシチニブ15 mg併用群で1.0%、30 mg併用群では報告なし、プラセボ併用群で1.0%)1。動脈血栓症については、プラセボ併用群で1例認められました1。死亡または主要有害心血管事象および静脈血栓塞栓関連事象は、いずれの投与群でも報告されませんでした1。
全般的なAD Up試験の結果については、今後の医学会で報告するとともに、査読誌に提出する予定です。ウパダシチニブのアトピー性皮膚炎に対する承認はされておらず、規制当局による本剤の安全性および有効性は評価されていません。
AD Up試験について1,11
AD Up試験は、Measure Up 1試験およびMeasure Up 2試験(トップライン結果は2020年6月と7月に発表)とともに、全身療法の対象となる中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する患者さん(12歳以上)におけるウパダシチニブを評価するアッヴィの第III相ピボタル試験プログラムを構成する試験です。
AD Up試験は、第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間、プラセボ対照試験で、ウパダシチニブ15 mg群、ウパダシチニブ30 mg群またはプラセボ群(いずれもTCSを併用)のいずれかに患者さんを無作為に割り付けました。プラセボ併用群の患者さんは、16週時にウパダシチニブ15 mg併用群またはウパダシチニブ30 mg併用群のいずれかに割り付けられました。
主要評価項目は、投与開始後16週時にEASI 75を達成した患者さんの割合およびvIGAスコア0/1を達成した患者さんの割合でした。主な副次評価項目は、16週時の最悪のかゆみのNRSスコアが4点以上改善、EASI 90、最悪のかゆみのNRSスコアの変化率、EASIの変化率でした。本試験は進行中であり、プラセボ対照期間を完了した患者さんを対象に、ウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg、1日1回投与)/TCS併用療法の長期的な安全性、忍容性および有効性を評価するために、長期継続投与期間においても治験責任医師および患者さんの盲検が維持されています。本試験の詳細についてはwww.clinicaltrials.gov(http://www.clinicaltrials.gov)(NCT03568318)をご覧ください。
ウパダシチニブについて
アッヴィの科学者が発見し、開発したウパダシチニブは選択的かつ可逆的なJAK阻害薬で、1日1回経口投与の治療薬として複数の免疫炎症性疾患を対象に研究が進められています1,4-11。本剤はJAK2、JAK3およびTYK2に比べて、JAK1に対して強力な阻害活性を示すように設計されています16。2019年8月に、ウパダシチニブは、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として米国食品医薬品局の承認を受けました。2019年12月には、1種類以上の疾患修飾性抗リウマチ薬で効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として欧州委員会の承認を得ました。関節リウマチに対して承認されているウパダシチニブの用量は15 mgです。アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です5-11。ウパダシチニブのアトピー性皮膚炎に対する規制当局の承認はされておらず、その安全性および有効性は評価されていません。
ウパダシチニブに関する重要な安全性情報
米国におけるウパダシチニブの使用および重要な安全性情報
ウパダシチニブは、中等症から重症の関節リウマチを有し、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった成人患者さんの治療を適応とする処方薬です。18歳未満の小児に対するウパダシチニブの安全性および有効性は確立されていません。
ウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報はどのようなものでしょうか?
ウパダシチニブは免疫系が感染症と戦う能力を低下させる可能性がある薬剤です。何らかの感染症が認められる場合は、担当の医療従事者が認めない限り、ウパダシチニブの服用を開始しないでください。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、結核および細菌、真菌またはウイルスが原因となり全身に広がる感染症を含む重篤な感染症が発生しています。これらの感染症による死亡例もあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが結核に感染しているか検査し、ウパダシチニブ投与中に結核の徴候や症状があるか慎重に確認しなければなりません。帯状疱疹を発現するリスクが増加する可能性があります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんで、リンパ腫や皮膚がんを含むその他のがんが発生することがあります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、脚または肺の静脈や動脈に血栓が生じる可能性があります。これにより、生命を脅かす、または死に至る可能性があります。
・胃または腸に裂傷が生じることがあります。また、一部の臨床検査結果に変化が生じることがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与前および投与中に、血液検査を行う必要があります。血液検査の結果に変化が認められた場合、必要に応じて一定期間、ウパダシチニブの投与を中断する可能性があります。
ウパダシチニブの服用開始前にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合、担当の医療従事者に伝えてください。
・感染症の治療を受けている、治らない感染症がある、再発する感染症がある、または次のような感染症の症状がある場合。
○熱、発汗または悪寒
○息切れ
○皮膚の熱感、発赤もしくは疼痛、または身体部位の痛み
○筋肉痛
○疲労感
○血液の混じった痰
○下痢または胃痛
○咳嗽
○体重減少
○排尿時の灼熱感または通常より頻繁な排尿
・結核に感染している、または結核患者さんと緊密に接触している場合。
・何らかのがん、B型もしくはC型肝炎、帯状疱疹、脚や肺の静脈血栓、憩室炎(大腸の一部の炎症)、または胃潰瘍もしくは腸の潰瘍の既往歴がある場合。
・肝疾患、血球数低値、糖尿病、慢性肺疾患、HIV、免疫系が弱いなどの他の医学的病態がある場合。
・特定の真菌感染にかかるリスクを増加させる地域、例えばオハイオ川流域、ミシシッピ川流域、南西部に在住、もしくは在住していた、または旅行したことがある場合。これらの地域に行ったことがあるか不確かな場合は、担当の医療従事者にお尋ねください。
・最近ワクチンを接種した、またはワクチン接種を予定している場合。ウパダシチニブを服用する患者さんは、生ワクチンを接種してはいけません。
・妊娠している、または妊娠を計画している場合。動物を用いた試験に基づくと、ウパダシチニブは胎児に害を及ぼすおそれがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが妊娠しているかどうか検査します。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも4週間は、妊娠を避けるため効果的な避妊を行ってください。
・授乳中である、または授乳を予定している場合。ウパダシチニブは母乳に移行する可能性があります。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも6日間は授乳しないでください。
処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントを含む、服用中の薬剤すべてを医療従事者に伝えてください。ウパダシチニブと他剤が互いに影響し合い、副作用を引き起こすおそれがあります。
特に、次の薬剤を服用している場合は、担当の医療従事者に伝えてください。
・真菌感染または細菌感染に対する薬剤
・リファンピシンまたはフェニトイン
・免疫系に影響を及ぼす薬剤
これらの薬剤を服用しているか不確かな場合は、担当の医療従事者または薬剤師にお尋ねください。
ウパダシチニブの服用開始後にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合は、直ちに担当の医療従事者に伝えてください。
・何らかの感染症の症状が認められた場合。ウパダシチニブにより、感染症にかかりやすくなることがあります。また、感染症を悪化させることがあります。
・ウパダシチニブ投与期間中に次のような血栓の徴候または症状を認めた場合。
○腫脹
○原因不明の突然の胸痛
○脚の痛みまたは圧痛
○息切れ
・引かない発熱または治らない腹部の痛みがあった場合、および排便習慣の変化があった場合。
ウパダシチニブの主な副作用は、どのようなものですか?
主な副作用としては、上気道感染(感冒、副鼻腔感染)、悪心、咳嗽、発熱などがあります。この他にもウパダシチニブの副作用が発生する可能性があります。
ウパダシチニブは、1日1回の服用です。食前食後は問いません。錠剤を分割したり、潰したり、砕いたり、噛み砕いたりしないでください。担当の医療従事者の指示通りにウパダシチニブを服用してください。
以上がウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報です。詳しい情報については、担当の医療従事者にご相談ください。処方薬の副作用をFDAに報告することが奨励されています。
www.fda.gov/medwatchをご覧いただくか、1-800-FDA-1088にお電話ください。
薬剤の支払いが難しい場合は、アッヴィがお手伝いできるかもしれません。詳細については、AbbVie.com/myAbbVieAssistをご参照ください。
詳細な処方情報についてはこちらを、服薬ガイドについてはこちらをクリックしてください。
世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。
皮膚科領域におけるアッヴィについて
アッヴィは、10年以上にわたり、乾癬、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)、化膿性汗腺炎、アトピー性皮膚炎などの重篤な皮膚疾患に悩む患者さんに向けた、新たな治療の開発や既存治療の改善に取り組んできました。このような患者さんが治療目的を達成し、皮膚疾患を乗り越えた生活にたどり着けるよう、幅広い臨床試験プログラムを実施し、皮膚科領域で進化する様々なニーズに合わせた研究を積極的に行い、当社のパイプラインを継続的に拡充しています。アッヴィの皮膚科領域での取り組みについての詳細はhttps://www.abbvie.com/our-science/therapeutic-focus-areas/immunology/immunology-focus-areas/dermatology.htmlをご覧ください。
アッヴィ合同会社
ウパダシチニブ、3つ目のピボタル第III相試験において、副腎皮質ステロイド外用薬との併用療法により、アトピー性皮膚炎患者さんの皮膚症状とかゆみを改善
●ウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg)/副腎皮質ステロイド外用薬(TCS)併用療法が、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の成人および青年患者さんにおいて、プラセボ/TSC併用療法を対照とした、主要評価項目およびすべての副次評価項目を満たすトップライン結果を示す1
●安全性の結果は、アトピー性皮膚炎を対象とした2つの第III相試験プログラムとの一貫性を示す1-3
●ウパダシチニブは、アッヴィが発見し開発した選択的かつ可逆的なJAK阻害薬で、中等症から重症の関節リウマチ患者さんの治療薬として承認され、その他複数の免疫免疫関連疾患に対する治療薬としても開発中1,4-11
イリノイ州ノースシカゴ、2020年7月28日(米国時間)?アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、ウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg、1日1回)/副腎皮質ステロイド外用薬(TCS)併用療法が、アトピー性皮膚炎を対象とした3番目のピボタル第III相試験であるAD Up試験において、複合主要評価項目およびすべての副次評価項目を達成したことを発表しました1。AD Up試験は、中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する成人および青年患者さんにおける、ウパダシチニブの両用量での有効性および安全性をプラセボと比較し、評価する試験で、プラセボ群を含むすべての投与群でTCSを併用しました1。主要評価項目は、16週時における湿疹面積・重症度指数のベースラインからの75%以上の改善(EASI 75)および治験責任医師によるアトピー性皮膚炎の全般的な重症度の総合評価(vIGA-AD)スコア0/1(「消失」または「ほぼ消失」)でした1。
両用量のウパダシチニブ/TCS併用療法において、16週時に、皮膚症状の改善を示した患者さんは、プラセボ/TCS併用と比較して有意に多く認められました1。本試験におけるEASI 75達成率は、プラセボ/TCS併用群の26%に対し、ウパダシチニブ15 mg/TCS併用群が65%、30 mg/TCS併用群が77%でした(p<0.001)1。vIGA-AD 0/1達成率は、プラセボ/TCS併用群の11%に対し、ウパダシチニブ15 mg/TCS併用群で40%、30 mg/TCS併用群では59%でした(p<0.001)1。
アッヴィのR&Dシニアバイスプレジデント兼最高科学責任者(CSO)であるトム・ハドソン医学博士、M.D.は次のように述べています。「今回のデータは、当社のこれまでのアトピー性皮膚炎に対する試験で得られた結果をさらに充実させるものであり、アトピー性皮膚炎とともに生きる患者さんにとって主要な治療薬である副腎皮質ステロイド外用薬とウパダシチニブ併用による有効性という新たな知見をもたらしました。重篤な皮膚疾患領域における当社の長年の実績を活かし、アトピー性皮膚炎による過酷なかゆみや皮疹の症状とともに生きる人々のアンメットニーズに対応し、治療の向上を図るという当社の最終目標の一環として、ウパダシチニブの研究を推進していきたいと思っています」
また、最悪のかゆみの数値評価スケールスコア(最悪のかゆみのNRSスコア)で4点以上の改善と定義した臨床的意義のあるかゆみの軽減の達成率については、プラセボ/TCS群と比較して、ウパダシチニブ/TCS群の患者さんにおいてより多く認められました1。16週時の達成率は、プラセボ併用群では15%、ウパダシチニブ15 mg併用群と30mg併用群ではそれぞれ52%と64%でした(p<0.001)1。
事前に定められた追加解析では、プラセボ併用群と比較して、いずれの用量のウパダシチニブ併用群においても、16週時までのTCSフリー平均日数がより高いことが示されました1。TCSフリー日数は、TCSを使用しない状態で、EASI 75以上が維持された日数と定義されています1。TCSを使用せずにEASI 75が維持された平均日数は、プラセボ併用群で8日、ウパダシチニブ15 mg併用群で34日、30 mg併用群では47日でした(名目上のp値<0.001)1。
治験責任医師であり、ドイツ ハンブルク市のハンブルク・エッペンドルフ大学医療センター 炎症性皮膚疾患領域 トランスレーショナルリサーチ学教授、同市Skinflammationセンターのクリスチャン・ライヒ医学博士、M.D.は次のように述べています。「今回の結果には大変期待がもてます。特に追加解析では、ウパダシチニブ両用量群において、一部の患者さんが副腎皮質ステロイド外用薬を使用せずに、皮膚症状をコントロールできていたことが示されました。既存治療の多くは、外用薬の複数使用など、患者さんによる症状の自己管理が必要です。患者さんは、生涯にわたるこの慢性疾患を緩和しようと懸命に努力しています。日常的な外用薬の併用を必要とすることなく、症状をコントロールできる治療選択肢が増えれば、患者さんに大きな意義をもたらすでしょう」
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102977/202008112990/_prw_PT1fl_50u04579.png】
* 主要評価項目は16週時のEASI 75およびvIGA 0/1。いずれの主要評価項目もp<0.001を達成。副次評価項目は、16週時の最悪のかゆみのNRSスコアで4点以上の改善とした。すべての副次評価項目でp<0.001を達成。表にはすべての副次評価項目は示していません。
a EASI 75は、湿疹面積・重症度指数の75%以上の低下と定義。
b vIGA-AD 0/1は、治験責任医師によるアトピー性皮膚炎の全般的な重症度の総合評価で「消失」または「ほぼ消失」(0/1)と判定され、
かつベースラインから2グレード以上減少した場合と定義。
c 最悪のかゆみのNRSスコア4点以上の改善は、最悪のかゆみのNRSスコアが4点以上改善(減少)した場合と定義。この評価項目について、ベースラインで最悪のかゆみのNRSスコアが4点以上であった患者を対象に解析を実施。
アトピー性皮膚炎は、慢性で再発を繰り返す炎症性疾患です。激しいかゆみの症状と掻破行動を繰り返すことにより、皮膚がひび割れ、鱗状となり、滲出液が出るのが特徴です12,13。成人の約10%および青年の約25%が、生涯のいずれかの時点でアトピー性皮膚炎に罹患すると推定されています13。アトピー性皮膚炎の成人患者さんのうち、20〜46%が中等症から重症です14。多様な症状が、患者さんに身体的、心理的および経済的な負担を与えます13,15。
安全性の結果は、これまでに報告されている2つのアトピー性皮膚炎に対する第III相試験の結果と一貫しており、16週間のプラセボ対照期間中に新たな安全性リスクは認められませんでした1-3。重篤な有害事象(SAE)が認められた割合は、プラセボ併用群で3.0%、ウパダシチニブ15 mg併用群で2.3%、30 mg併用群では1.3%でした1。ウパダシチニブ投与群で特に多く認められた有害事象(AE)は、鼻咽頭炎、ざ瘡および上気道感染でした1。ざ瘡はプラセボ併用群(2.0%)と比較して、ウパダシチニブ両用量群で多く認められました(15mg併用群で10.0%、30 mg併用群で13.8%)。すべての有害事象が軽症から中等症で、いずれも投与中止には至りませんでした1。疱疹状湿疹が、ウパダシチニブ15 mg併用群(1.0%)および30 mg併用群(1.3%)で認められ、プラセボ併用群では報告されませんでした1。重篤な感染症がまれに報告されました(ウパダシチニブ15 mg併用群で1.0%、30 mg併用群では報告なし、プラセボ併用群で1.0%)1。動脈血栓症については、プラセボ併用群で1例認められました1。死亡または主要有害心血管事象および静脈血栓塞栓関連事象は、いずれの投与群でも報告されませんでした1。
全般的なAD Up試験の結果については、今後の医学会で報告するとともに、査読誌に提出する予定です。ウパダシチニブのアトピー性皮膚炎に対する承認はされておらず、規制当局による本剤の安全性および有効性は評価されていません。
AD Up試験について1,11
AD Up試験は、Measure Up 1試験およびMeasure Up 2試験(トップライン結果は2020年6月と7月に発表)とともに、全身療法の対象となる中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する患者さん(12歳以上)におけるウパダシチニブを評価するアッヴィの第III相ピボタル試験プログラムを構成する試験です。
AD Up試験は、第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間、プラセボ対照試験で、ウパダシチニブ15 mg群、ウパダシチニブ30 mg群またはプラセボ群(いずれもTCSを併用)のいずれかに患者さんを無作為に割り付けました。プラセボ併用群の患者さんは、16週時にウパダシチニブ15 mg併用群またはウパダシチニブ30 mg併用群のいずれかに割り付けられました。
主要評価項目は、投与開始後16週時にEASI 75を達成した患者さんの割合およびvIGAスコア0/1を達成した患者さんの割合でした。主な副次評価項目は、16週時の最悪のかゆみのNRSスコアが4点以上改善、EASI 90、最悪のかゆみのNRSスコアの変化率、EASIの変化率でした。本試験は進行中であり、プラセボ対照期間を完了した患者さんを対象に、ウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg、1日1回投与)/TCS併用療法の長期的な安全性、忍容性および有効性を評価するために、長期継続投与期間においても治験責任医師および患者さんの盲検が維持されています。本試験の詳細についてはwww.clinicaltrials.gov(http://www.clinicaltrials.gov)(NCT03568318)をご覧ください。
ウパダシチニブについて
アッヴィの科学者が発見し、開発したウパダシチニブは選択的かつ可逆的なJAK阻害薬で、1日1回経口投与の治療薬として複数の免疫炎症性疾患を対象に研究が進められています1,4-11。本剤はJAK2、JAK3およびTYK2に比べて、JAK1に対して強力な阻害活性を示すように設計されています16。2019年8月に、ウパダシチニブは、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として米国食品医薬品局の承認を受けました。2019年12月には、1種類以上の疾患修飾性抗リウマチ薬で効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として欧州委員会の承認を得ました。関節リウマチに対して承認されているウパダシチニブの用量は15 mgです。アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です5-11。ウパダシチニブのアトピー性皮膚炎に対する規制当局の承認はされておらず、その安全性および有効性は評価されていません。
ウパダシチニブに関する重要な安全性情報
米国におけるウパダシチニブの使用および重要な安全性情報
ウパダシチニブは、中等症から重症の関節リウマチを有し、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった成人患者さんの治療を適応とする処方薬です。18歳未満の小児に対するウパダシチニブの安全性および有効性は確立されていません。
ウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報はどのようなものでしょうか?
ウパダシチニブは免疫系が感染症と戦う能力を低下させる可能性がある薬剤です。何らかの感染症が認められる場合は、担当の医療従事者が認めない限り、ウパダシチニブの服用を開始しないでください。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、結核および細菌、真菌またはウイルスが原因となり全身に広がる感染症を含む重篤な感染症が発生しています。これらの感染症による死亡例もあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが結核に感染しているか検査し、ウパダシチニブ投与中に結核の徴候や症状があるか慎重に確認しなければなりません。帯状疱疹を発現するリスクが増加する可能性があります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんで、リンパ腫や皮膚がんを含むその他のがんが発生することがあります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、脚または肺の静脈や動脈に血栓が生じる可能性があります。これにより、生命を脅かす、または死に至る可能性があります。
・胃または腸に裂傷が生じることがあります。また、一部の臨床検査結果に変化が生じることがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与前および投与中に、血液検査を行う必要があります。血液検査の結果に変化が認められた場合、必要に応じて一定期間、ウパダシチニブの投与を中断する可能性があります。
ウパダシチニブの服用開始前にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合、担当の医療従事者に伝えてください。
・感染症の治療を受けている、治らない感染症がある、再発する感染症がある、または次のような感染症の症状がある場合。
○熱、発汗または悪寒
○息切れ
○皮膚の熱感、発赤もしくは疼痛、または身体部位の痛み
○筋肉痛
○疲労感
○血液の混じった痰
○下痢または胃痛
○咳嗽
○体重減少
○排尿時の灼熱感または通常より頻繁な排尿
・結核に感染している、または結核患者さんと緊密に接触している場合。
・何らかのがん、B型もしくはC型肝炎、帯状疱疹、脚や肺の静脈血栓、憩室炎(大腸の一部の炎症)、または胃潰瘍もしくは腸の潰瘍の既往歴がある場合。
・肝疾患、血球数低値、糖尿病、慢性肺疾患、HIV、免疫系が弱いなどの他の医学的病態がある場合。
・特定の真菌感染にかかるリスクを増加させる地域、例えばオハイオ川流域、ミシシッピ川流域、南西部に在住、もしくは在住していた、または旅行したことがある場合。これらの地域に行ったことがあるか不確かな場合は、担当の医療従事者にお尋ねください。
・最近ワクチンを接種した、またはワクチン接種を予定している場合。ウパダシチニブを服用する患者さんは、生ワクチンを接種してはいけません。
・妊娠している、または妊娠を計画している場合。動物を用いた試験に基づくと、ウパダシチニブは胎児に害を及ぼすおそれがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが妊娠しているかどうか検査します。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも4週間は、妊娠を避けるため効果的な避妊を行ってください。
・授乳中である、または授乳を予定している場合。ウパダシチニブは母乳に移行する可能性があります。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも6日間は授乳しないでください。
処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントを含む、服用中の薬剤すべてを医療従事者に伝えてください。ウパダシチニブと他剤が互いに影響し合い、副作用を引き起こすおそれがあります。
特に、次の薬剤を服用している場合は、担当の医療従事者に伝えてください。
・真菌感染または細菌感染に対する薬剤
・リファンピシンまたはフェニトイン
・免疫系に影響を及ぼす薬剤
これらの薬剤を服用しているか不確かな場合は、担当の医療従事者または薬剤師にお尋ねください。
ウパダシチニブの服用開始後にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合は、直ちに担当の医療従事者に伝えてください。
・何らかの感染症の症状が認められた場合。ウパダシチニブにより、感染症にかかりやすくなることがあります。また、感染症を悪化させることがあります。
・ウパダシチニブ投与期間中に次のような血栓の徴候または症状を認めた場合。
○腫脹
○原因不明の突然の胸痛
○脚の痛みまたは圧痛
○息切れ
・引かない発熱または治らない腹部の痛みがあった場合、および排便習慣の変化があった場合。
ウパダシチニブの主な副作用は、どのようなものですか?
主な副作用としては、上気道感染(感冒、副鼻腔感染)、悪心、咳嗽、発熱などがあります。この他にもウパダシチニブの副作用が発生する可能性があります。
ウパダシチニブは、1日1回の服用です。食前食後は問いません。錠剤を分割したり、潰したり、砕いたり、噛み砕いたりしないでください。担当の医療従事者の指示通りにウパダシチニブを服用してください。
以上がウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報です。詳しい情報については、担当の医療従事者にご相談ください。処方薬の副作用をFDAに報告することが奨励されています。
www.fda.gov/medwatchをご覧いただくか、1-800-FDA-1088にお電話ください。
薬剤の支払いが難しい場合は、アッヴィがお手伝いできるかもしれません。詳細については、AbbVie.com/myAbbVieAssistをご参照ください。
詳細な処方情報についてはこちらを、服薬ガイドについてはこちらをクリックしてください。
世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。
皮膚科領域におけるアッヴィについて
アッヴィは、10年以上にわたり、乾癬、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)、化膿性汗腺炎、アトピー性皮膚炎などの重篤な皮膚疾患に悩む患者さんに向けた、新たな治療の開発や既存治療の改善に取り組んできました。このような患者さんが治療目的を達成し、皮膚疾患を乗り越えた生活にたどり着けるよう、幅広い臨床試験プログラムを実施し、皮膚科領域で進化する様々なニーズに合わせた研究を積極的に行い、当社のパイプラインを継続的に拡充しています。アッヴィの皮膚科領域での取り組みについての詳細はhttps://www.abbvie.com/our-science/therapeutic-focus-areas/immunology/immunology-focus-areas/dermatology.htmlをご覧ください。