コロナ禍マスクや食料品の備蓄意識は高まるも救急箱は手薄ニューノーマル時代セルフケア能力を高める備えを
[20/08/26]
提供元:共同通信PRワイヤー
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〜知っておきたい災害に役立つ常備薬の選び方〜
2020年8月26日
第一三共ヘルスケア株式会社
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O6-9jXxp1pF】
<9月1日「防災の日」に向けた、家庭の薬の備えについて>
コロナ禍でマスクや食料品の備蓄意識は高まるも救急箱は手薄
ニューノーマル時代こそ、セルフケア能力を高める備えが重要に
〜知っておきたい災害に役立つ常備薬の選び方〜
第一三共ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区)は、「防災の日(9月1日)」を前に、20代〜50代男女を対象に、コロナ禍の影響による、災害に対する意識の変化について調査しました。
その結果、コロナ禍で備蓄意識が上昇している一方、怪我や病気のときに対応するための常備薬などの備蓄意識は低いままであることがわかりました。
調査結果を受けて、家庭での災害対策に詳しい専門家や薬剤師に話を伺いました。
(1) 「コロナ禍の防災意識と備蓄の実態」に関する調査結果(P.1)
● コロナ禍で、約5割が災害への不安増。しかし、対策の備えがわからない人は約7割に
● コロナ禍で、約5〜7割が「マスク」や「日用品」「食料品」の備蓄意識が上昇
しかし、約6割が薬を備蓄していない状態のまま、救急箱の用意は手薄に
調査概要 ■実施時期:2020年7月21日(火)〜 7月28日(火) ■調査手法:インターネット調査 ■調査対象:20代〜50代の男女 ■有効回答数:795名 ■調査地域:全国 ※構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しています。合計が100%にならない場合があります。
(2)ニューノーマル時代こそ、“セルフケア能力を高める備え”を(P.2)
● 日本は災害の百貨店、日ごろからセルフケアを意識して常備薬の準備を
● コロナ禍を受けて避難所が不足するケースも、自分のからだを守ることを第一優先に
(3)薬は、「常備・避難・携帯」で整理すると安心(P.3)
● 家庭の常備薬は、使いやすく、高めのところに置く 爪切りや綿棒などよく使うものを入れて、中身を点検する機会に
● 日ごろの外出でもセルフケアができるものをカバンに
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O39-Es2OgFIg】
(4)知っておきたい災害に役立つ 常備薬の選び方(P.4)
● 災害に備えて市販薬もしっかり備蓄しておくことが大事 災害発生3日間に起きやすい、怪我には要注意
●自宅でも、避難所でも役立つ、必ず常備してほしい薬(総合かぜ薬、解熱鎮痛薬、胃腸薬、皮膚用薬)
●季節を考えて用意しておくと安心な薬
●一緒に用意しておいた方がよい備蓄類や準備の心構え
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O38-9SA6B0KX】
(5)セルフケアパートナーを目指す第一三共ヘルスケア(P.8)
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(1)「コロナ禍の防災意識と備蓄の実態」に関する調査結果
第一三共ヘルスケアは、コロナ禍の影響による、災害に対する意識の変化について調査しました。その結果、約5割の人が災害への不安が増したと感じている一方で、災害対策について約7割がどういう備えが必要かわからないと回答しています。また、マスクや日用品、食料品の備蓄意識は高くなっているものの、怪我や病気、からだの不調に対応するための常備薬や救急セットの備蓄意識が高まった人は、わずか約3割にとどまることが明らかになりました。
■ コロナ禍で、約5割が災害への不安増。しかし、対策の備えがわからない人は約7割に
調査の結果、「災害への不安が新型コロナウイルス感染拡大前よりも増した」と回答した人は、約5割(53.2%)を占めます。さらに、「コロナ禍における災害対策として、どういう備えが必要かわからない」と回答した人は、約7割(68.0%)に上ります。これらの結果から、コロナ禍で、災害への不安が増しながらも、対策に戸惑う実態が浮き彫りになりました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O27-f65W98n0】
■ コロナ禍で、約5〜7割が「マスク」や「日用品」「食料品」の備蓄意識が上昇
しかし、常備薬や救急セットの備蓄は手薄に、約6割が備蓄していない状態のまま
新型コロナウイルス感染症拡大による、家庭の備蓄の変化について聞いたところ、「マスク」を備蓄するようになった/備蓄する量が増えたと回答した人の割合が最も多く、約7割(68.3%)でした。また、「トイレットペーパー・ティッシュなどの紙製品」(56.0%)や「保存の利く食料品」(50.9%)など、日用品や食料品の備蓄意識は、全般的に高く、約5割〜7割となっています。
しかし、災害時に起こりがちな怪我や病気、からだの不調に対応するための「常備薬」の備蓄意識が高まった割合は、わずか31.3%、「絆創膏(ばんそうこう)、包帯などの救急セット」も27.0%にとどまりました。一方、「そもそも備蓄していない状態のまま」と回答した人の方が多く、その割合は約6割に 上りました 。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O24-qMA30tl9】
(2)ニューノーマル時代こそ、“セルフケア能力を高める備え”を
今年7月に起きた豪雨災害は、九州を中心に大きな被害をもたらしました。近年日本では、毎年のように大規模な自然災害が発生し、「観測史上初」と呼ばれる自然現象が発生しています。
新型コロナウイルス感染症拡大により、感染症予防と防災の両方を意識したセルフケアが求められる中、 災害への向き合い方について、危機管理教育研究所の代表を務める国崎信江先生にお話を伺いました。
■ 日本は災害の百貨店、日ごろからセルフケアを意識して常備薬の準備を
日本の自然災害の発生件数は、変動を伴いながら増加傾向にあります。大陸プレートの活動の活発化による地震や津波、火山噴火、そして地球温暖化による水害、「令和2年7月豪雨」を引き起こした「線状降水帯(強雨をもたらす線状に延びる降水帯)」も地球温暖化による影響といわれています。
自然災害が増えているのは、世界的な傾向ではありますが、特に日本は国土が狭いにもかかわらず、あらゆる自然災害が発生し、「災害の百貨店」ともいわれています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O4-Fa9zjy68】
資料:ルーバン・カトリック大学疫学研究所災害データベース(EM-DAT)より中小企業庁作成
(注) 1. 2018年12月時点でのデータを用いて集計している。2 .EM-DATでは「死者が10人以上」、「被災者が100人以上」、「緊急事態宣言の発令」、「国際救援の要請」の いずれかに該当する事象を「災害」として登録している。出典:中小企業庁ウェブサイト「2019年版 中小企業白書」(https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2019/PDF/chusho/05Hakusyo_part3_chap2_web.pdf)
そんな環境に置かれながら、日本人の防災意識は決して高いとはいえません。こうした要因は、今の大人の世代で災害教育が十分に行われていなかったこと、そして行政依存にあるのではないかと私は考えています。
自分で自分を守る“自助”は防災の起点です。さらにいうなら、健康面では、災害のときだけでなく、人は突然体調不良になるものです。そうしたとき、週末でかかりつけ医が休診のケースも少なくありません。災害時においては、医療機関も命に関わる状態の方を優先したり、医師が救護に向かったりしていることもあるため、治療を受けられるとは決して限りません。いかなるときでも、自分で自分のからだを守れるように、防災に限らず常に最悪の事態を想定し、常備薬をきちんと用意し、管理することが重要です。
■ コロナ禍を受けて避難所が不足するケースも、自分のからだを守ることを第一優先に
災害というと、避難所を思い浮かべる方も多いとは思いますが、実際は自宅待機のケースが多いです。避難所への移動は、自宅が倒壊あるいはその危険があるときや、ライフラインが断たれ孤立状態になるときなどです。さらにコロナ禍を背景に、現在は感染を防ぐためにも避難所は最低限の人数にとどめる必要があるため、避難所に入れないケースも起こり得るのです。
このことからも、ニューノーマル時代は、ますます自己防衛、自分自身で健康を守り対処するセルフケア能力を高める備えが必要とされるでしょう。避難でいえば、親族や知人の家に“疎開”をする、ホテルなどの宿泊施設を探すのも一つの方法です。私は、長野でよくお世話になるペンションがありますが、「首都圏で何か起きたらお世話になります」と伝えてあります。こうした、常日頃からお世話になると思われる方と連絡を取り合いながら、いざというときに備えておくことも大切です。
備蓄という点では、皆さんコロナ禍でマスクや日用品などが入手しづらくなり、備蓄意識は高まったと思いますが、災害になれば、ますます物が調達しづらくなります。防災というと、食料品や懐中電灯などの防災用品に目がいきがちですが、大切なことは、怪我をしないこと、体調を維持することですから、ぜひ常備薬についての気配りを忘れないでいただきたいと思います。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O5-4N5aE419】
出典: 内閣府「防災情報のページ」より 「新型コロナウイルス感染症が収束しない中における 災害時の避難について」(2020年5月15日付)http://www.bousai.go.jp/pdf/colonapoint.pdf
(3)薬は、「常備・避難・携帯」で整理すると安心
日ごろから家庭でも使うための常備薬、避難時に必要となる薬をどのように整理しておけばよいのでしょうか。国崎信江先生に、ご自身が行っている対策を伺いました。
■ 家庭の常備薬は、使いやすく、高めのところに置く 爪切りや綿棒などよく使うものを入れて、中身を点検する機会に
我が家の救急箱に欠かせないのは、かぜ薬など、定番の薬と消毒薬です。
入れておく薬も重要ですが、災害を考慮すると実は置く場所や保管の仕方も重要です。特に水害が起きたときには、低い位置に置いていると水没してしまう危険があることから、家族の手が届きやすい、でも乳幼児の手が届かない高めの位置に置くことを心がけてください。我が家では、さらに防水袋に入れて薬を守っています。
また、常備薬を置いているつもりでも、よく見たら使用期限が切れているという方も多いのではないでしょうか。我が家では、救急箱に爪切りや綿棒、耳かきなど、日ごろからよく使うものを入れておくことで、救急箱を開く機会を増やし、薬の使用期限を意識的に管理できるようにしています。ちょっとした工夫なので、ぜひ試していただきたいと思います。
■ 避難するときは、からだ一つでも移動できるように「防災ベスト」があると安心
災害に備えて非常持ち出し袋を用意しているという話を耳にしますが、実は私が支援活動で入った避難所で、非常持ち出し袋を持ってきた被災者の方に出会ったことは一回もありません。非常持ち出し袋は、それなりに場所も取りますし。普段使わないのでつい、押し入れの奥にしまい、突然の避難に持ってくるのを忘れてしまうのではないかと推測されます。
そこで、私は「防災ベスト」を考案しました。防災ベストは着ることで一体感があり、重さを感じない、からだを守る防護服になるなど、たくさんのメリットがあります。 背負うよりもからだへの負担がないので、子どもや高齢者の方にとっても便利です。
我が家では、一人1着「防災ベスト」を用意していますが、全員に共通している薬類は、消毒薬、鎮痛薬、皮膚の保湿剤です。あとは、個人個人が絶対に手放したくないもの、必要と思うものを考えて入れるようにしています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O28-Pf5p3hpr】
■ 日ごろの外出でもセルフケアができるものをカバンに
セルフケアが必要になるのは災害時とは限りません。外出先でも応急手当てができるものをカバンに常時入れておくことで、いざ外出先から避難というときにも役に立ちます。私は、バッグの中に、常に止血パッド、保湿剤、鎮痛薬、消毒薬を入れるようにしています。
【 いざというときに慌てないようにするために防災マニュアルを 】
災害は突然やってきます。いざというときに慌てないようにするためにも「防災マニュアル」を用意しましょう。我が家の防災マニュアルには、家族との連絡手段を詳細に記入し、待ち合わせ場所も単に〇〇小学校だけでなく、校内のどこと記入しています。また、避難場所へのルートや災害時に取るべき行動などを記しています。家族構成、立地条件などにより、災害時に必要な情報は家庭ごとに異なりますから、それぞれのご家庭に合ったオリジナルの防災マニュアルを作ってみていただきたいと思います。
2020年8月26日
第一三共ヘルスケア株式会社
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O6-9jXxp1pF】
<9月1日「防災の日」に向けた、家庭の薬の備えについて>
コロナ禍でマスクや食料品の備蓄意識は高まるも救急箱は手薄
ニューノーマル時代こそ、セルフケア能力を高める備えが重要に
〜知っておきたい災害に役立つ常備薬の選び方〜
第一三共ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区)は、「防災の日(9月1日)」を前に、20代〜50代男女を対象に、コロナ禍の影響による、災害に対する意識の変化について調査しました。
その結果、コロナ禍で備蓄意識が上昇している一方、怪我や病気のときに対応するための常備薬などの備蓄意識は低いままであることがわかりました。
調査結果を受けて、家庭での災害対策に詳しい専門家や薬剤師に話を伺いました。
(1) 「コロナ禍の防災意識と備蓄の実態」に関する調査結果(P.1)
● コロナ禍で、約5割が災害への不安増。しかし、対策の備えがわからない人は約7割に
● コロナ禍で、約5〜7割が「マスク」や「日用品」「食料品」の備蓄意識が上昇
しかし、約6割が薬を備蓄していない状態のまま、救急箱の用意は手薄に
調査概要 ■実施時期:2020年7月21日(火)〜 7月28日(火) ■調査手法:インターネット調査 ■調査対象:20代〜50代の男女 ■有効回答数:795名 ■調査地域:全国 ※構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しています。合計が100%にならない場合があります。
(2)ニューノーマル時代こそ、“セルフケア能力を高める備え”を(P.2)
● 日本は災害の百貨店、日ごろからセルフケアを意識して常備薬の準備を
● コロナ禍を受けて避難所が不足するケースも、自分のからだを守ることを第一優先に
(3)薬は、「常備・避難・携帯」で整理すると安心(P.3)
● 家庭の常備薬は、使いやすく、高めのところに置く 爪切りや綿棒などよく使うものを入れて、中身を点検する機会に
● 日ごろの外出でもセルフケアができるものをカバンに
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O39-Es2OgFIg】
(4)知っておきたい災害に役立つ 常備薬の選び方(P.4)
● 災害に備えて市販薬もしっかり備蓄しておくことが大事 災害発生3日間に起きやすい、怪我には要注意
●自宅でも、避難所でも役立つ、必ず常備してほしい薬(総合かぜ薬、解熱鎮痛薬、胃腸薬、皮膚用薬)
●季節を考えて用意しておくと安心な薬
●一緒に用意しておいた方がよい備蓄類や準備の心構え
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O38-9SA6B0KX】
(5)セルフケアパートナーを目指す第一三共ヘルスケア(P.8)
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(1)「コロナ禍の防災意識と備蓄の実態」に関する調査結果
第一三共ヘルスケアは、コロナ禍の影響による、災害に対する意識の変化について調査しました。その結果、約5割の人が災害への不安が増したと感じている一方で、災害対策について約7割がどういう備えが必要かわからないと回答しています。また、マスクや日用品、食料品の備蓄意識は高くなっているものの、怪我や病気、からだの不調に対応するための常備薬や救急セットの備蓄意識が高まった人は、わずか約3割にとどまることが明らかになりました。
■ コロナ禍で、約5割が災害への不安増。しかし、対策の備えがわからない人は約7割に
調査の結果、「災害への不安が新型コロナウイルス感染拡大前よりも増した」と回答した人は、約5割(53.2%)を占めます。さらに、「コロナ禍における災害対策として、どういう備えが必要かわからない」と回答した人は、約7割(68.0%)に上ります。これらの結果から、コロナ禍で、災害への不安が増しながらも、対策に戸惑う実態が浮き彫りになりました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O27-f65W98n0】
■ コロナ禍で、約5〜7割が「マスク」や「日用品」「食料品」の備蓄意識が上昇
しかし、常備薬や救急セットの備蓄は手薄に、約6割が備蓄していない状態のまま
新型コロナウイルス感染症拡大による、家庭の備蓄の変化について聞いたところ、「マスク」を備蓄するようになった/備蓄する量が増えたと回答した人の割合が最も多く、約7割(68.3%)でした。また、「トイレットペーパー・ティッシュなどの紙製品」(56.0%)や「保存の利く食料品」(50.9%)など、日用品や食料品の備蓄意識は、全般的に高く、約5割〜7割となっています。
しかし、災害時に起こりがちな怪我や病気、からだの不調に対応するための「常備薬」の備蓄意識が高まった割合は、わずか31.3%、「絆創膏(ばんそうこう)、包帯などの救急セット」も27.0%にとどまりました。一方、「そもそも備蓄していない状態のまま」と回答した人の方が多く、その割合は約6割に 上りました 。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O24-qMA30tl9】
(2)ニューノーマル時代こそ、“セルフケア能力を高める備え”を
今年7月に起きた豪雨災害は、九州を中心に大きな被害をもたらしました。近年日本では、毎年のように大規模な自然災害が発生し、「観測史上初」と呼ばれる自然現象が発生しています。
新型コロナウイルス感染症拡大により、感染症予防と防災の両方を意識したセルフケアが求められる中、 災害への向き合い方について、危機管理教育研究所の代表を務める国崎信江先生にお話を伺いました。
■ 日本は災害の百貨店、日ごろからセルフケアを意識して常備薬の準備を
日本の自然災害の発生件数は、変動を伴いながら増加傾向にあります。大陸プレートの活動の活発化による地震や津波、火山噴火、そして地球温暖化による水害、「令和2年7月豪雨」を引き起こした「線状降水帯(強雨をもたらす線状に延びる降水帯)」も地球温暖化による影響といわれています。
自然災害が増えているのは、世界的な傾向ではありますが、特に日本は国土が狭いにもかかわらず、あらゆる自然災害が発生し、「災害の百貨店」ともいわれています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O4-Fa9zjy68】
資料:ルーバン・カトリック大学疫学研究所災害データベース(EM-DAT)より中小企業庁作成
(注) 1. 2018年12月時点でのデータを用いて集計している。2 .EM-DATでは「死者が10人以上」、「被災者が100人以上」、「緊急事態宣言の発令」、「国際救援の要請」の いずれかに該当する事象を「災害」として登録している。出典:中小企業庁ウェブサイト「2019年版 中小企業白書」(https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2019/PDF/chusho/05Hakusyo_part3_chap2_web.pdf)
そんな環境に置かれながら、日本人の防災意識は決して高いとはいえません。こうした要因は、今の大人の世代で災害教育が十分に行われていなかったこと、そして行政依存にあるのではないかと私は考えています。
自分で自分を守る“自助”は防災の起点です。さらにいうなら、健康面では、災害のときだけでなく、人は突然体調不良になるものです。そうしたとき、週末でかかりつけ医が休診のケースも少なくありません。災害時においては、医療機関も命に関わる状態の方を優先したり、医師が救護に向かったりしていることもあるため、治療を受けられるとは決して限りません。いかなるときでも、自分で自分のからだを守れるように、防災に限らず常に最悪の事態を想定し、常備薬をきちんと用意し、管理することが重要です。
■ コロナ禍を受けて避難所が不足するケースも、自分のからだを守ることを第一優先に
災害というと、避難所を思い浮かべる方も多いとは思いますが、実際は自宅待機のケースが多いです。避難所への移動は、自宅が倒壊あるいはその危険があるときや、ライフラインが断たれ孤立状態になるときなどです。さらにコロナ禍を背景に、現在は感染を防ぐためにも避難所は最低限の人数にとどめる必要があるため、避難所に入れないケースも起こり得るのです。
このことからも、ニューノーマル時代は、ますます自己防衛、自分自身で健康を守り対処するセルフケア能力を高める備えが必要とされるでしょう。避難でいえば、親族や知人の家に“疎開”をする、ホテルなどの宿泊施設を探すのも一つの方法です。私は、長野でよくお世話になるペンションがありますが、「首都圏で何か起きたらお世話になります」と伝えてあります。こうした、常日頃からお世話になると思われる方と連絡を取り合いながら、いざというときに備えておくことも大切です。
備蓄という点では、皆さんコロナ禍でマスクや日用品などが入手しづらくなり、備蓄意識は高まったと思いますが、災害になれば、ますます物が調達しづらくなります。防災というと、食料品や懐中電灯などの防災用品に目がいきがちですが、大切なことは、怪我をしないこと、体調を維持することですから、ぜひ常備薬についての気配りを忘れないでいただきたいと思います。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O5-4N5aE419】
出典: 内閣府「防災情報のページ」より 「新型コロナウイルス感染症が収束しない中における 災害時の避難について」(2020年5月15日付)http://www.bousai.go.jp/pdf/colonapoint.pdf
(3)薬は、「常備・避難・携帯」で整理すると安心
日ごろから家庭でも使うための常備薬、避難時に必要となる薬をどのように整理しておけばよいのでしょうか。国崎信江先生に、ご自身が行っている対策を伺いました。
■ 家庭の常備薬は、使いやすく、高めのところに置く 爪切りや綿棒などよく使うものを入れて、中身を点検する機会に
我が家の救急箱に欠かせないのは、かぜ薬など、定番の薬と消毒薬です。
入れておく薬も重要ですが、災害を考慮すると実は置く場所や保管の仕方も重要です。特に水害が起きたときには、低い位置に置いていると水没してしまう危険があることから、家族の手が届きやすい、でも乳幼児の手が届かない高めの位置に置くことを心がけてください。我が家では、さらに防水袋に入れて薬を守っています。
また、常備薬を置いているつもりでも、よく見たら使用期限が切れているという方も多いのではないでしょうか。我が家では、救急箱に爪切りや綿棒、耳かきなど、日ごろからよく使うものを入れておくことで、救急箱を開く機会を増やし、薬の使用期限を意識的に管理できるようにしています。ちょっとした工夫なので、ぜひ試していただきたいと思います。
■ 避難するときは、からだ一つでも移動できるように「防災ベスト」があると安心
災害に備えて非常持ち出し袋を用意しているという話を耳にしますが、実は私が支援活動で入った避難所で、非常持ち出し袋を持ってきた被災者の方に出会ったことは一回もありません。非常持ち出し袋は、それなりに場所も取りますし。普段使わないのでつい、押し入れの奥にしまい、突然の避難に持ってくるのを忘れてしまうのではないかと推測されます。
そこで、私は「防災ベスト」を考案しました。防災ベストは着ることで一体感があり、重さを感じない、からだを守る防護服になるなど、たくさんのメリットがあります。 背負うよりもからだへの負担がないので、子どもや高齢者の方にとっても便利です。
我が家では、一人1着「防災ベスト」を用意していますが、全員に共通している薬類は、消毒薬、鎮痛薬、皮膚の保湿剤です。あとは、個人個人が絶対に手放したくないもの、必要と思うものを考えて入れるようにしています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202008253440-O28-Pf5p3hpr】
■ 日ごろの外出でもセルフケアができるものをカバンに
セルフケアが必要になるのは災害時とは限りません。外出先でも応急手当てができるものをカバンに常時入れておくことで、いざ外出先から避難というときにも役に立ちます。私は、バッグの中に、常に止血パッド、保湿剤、鎮痛薬、消毒薬を入れるようにしています。
【 いざというときに慌てないようにするために防災マニュアルを 】
災害は突然やってきます。いざというときに慌てないようにするためにも「防災マニュアル」を用意しましょう。我が家の防災マニュアルには、家族との連絡手段を詳細に記入し、待ち合わせ場所も単に〇〇小学校だけでなく、校内のどこと記入しています。また、避難場所へのルートや災害時に取るべき行動などを記しています。家族構成、立地条件などにより、災害時に必要な情報は家庭ごとに異なりますから、それぞれのご家庭に合ったオリジナルの防災マニュアルを作ってみていただきたいと思います。