赤ちゃん・子どものお肌はデリケート 気を付けたい子どもの皮膚トラブルと知っておきたい自宅でできるケア
[20/10/26]
提供元:共同通信PRワイヤー
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<11月19日「いい育児の日」に向けた、子どもの皮膚トラブルケアについて>
2020年10月26日
第一三共ヘルスケア株式会社
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202010216055-O1-D4Vcm37C】
<11月19日「いい育児の日」に向けた、子どもの皮膚トラブルケアについて>
赤ちゃん・子どものお肌はデリケート
気を付けたい子どもの皮膚トラブルと知っておきたい自宅でできるケア
子どもの肌は、大人よりもデリケートで外部刺激を受けやすい
一見潤いがあるように見える、子どもの肌。しかし、女医によるファミリークリニック 院長の竹中美恵子先生(小児科医)は、「子どもの皮膚の厚さは、大人よりも薄く乾燥した空気に敏感で、かゆみや湿疹が生じがち」と言います。
さらに、近年世界的に進む地球温暖化や新型コロナウイルスの影響が子どもの肌に悪影響を及ぼしている可能性があることも、竹中先生は指摘しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202010216055-O2-50zkMyDl】
「女医によるファミリークリニック」院長 竹中美恵子先生
小児科医、小児慢性特定疾患指定医、難病指定医。「女医によるファミリークリニック」院長。
2009年、金沢医科大学医学部医学科を卒業。広島市立広島市民病院小児科などで勤務した後、自らの子育て経験を生かし、「女医によるファミリークリニック」(広島市南区)を開業。産後の女医のみの、タイムシェアワーキングで運営する先進的な取り組みで注目を集める。 日本小児科学会、日本小児皮膚科学会、日本周産期新生児医学会、日本小児神経学会、日本リウマチ学会などに所属。
赤ちゃんの表皮の厚さは大人の半分、
だからバリア機能が低く、外部刺激にも敏感
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202010216055-O29-MGC4881R】
ぷるぷるとしている子どもの肌は、一見水分をたっぷりと含んだみずみずしい肌と思われがちです。しかし、子どもの肌は未完成なため、肌の一番外側で刺激から肌を守る表皮の厚みは、大人の約半分しかありません。
また、肌表面から水分が過剰に蒸発することを防ぎ、肌の潤いを保つ皮脂膜も、生後1カ月をピークに2〜3カ月で皮脂の分泌量が低下し、思春期まで低い状態が続きます。その結果、肌の水分量も大人と比較すると少なめです。
こうしたことから子どもの肌は、大人よりバリア機能が低く、外部刺激に敏感で、特に乾燥が激しいシーズンになると皮膚がかさついたり白く粉が吹いたりしがちです。そして、さらにひどくなると、かゆみや湿疹が生じるようになります。
■環境問題が子どもたちの皮膚トラブルにも影響?!
乳幼児の皮膚トラブルは増加傾向にあります。その背景の一つに、気候変動があると考えられます。
今年の夏は、連日猛暑が続き、あせもや日焼けなどで皮膚科を受診する子どもが多くなりました。また、秋冬は空気が乾燥しますが、全体的な傾向としても日本の相対湿度は低下傾向にあり、ヒートアイランド現象による乾燥化が進んでいるといわれています。
竹中先生は、「地球温暖化をはじめとする環境問題が、子どもたちの皮膚トラブルに影響していることも考え得る」と指摘しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202010216055-O28-o0Ppdf24】
■新型コロナウイルス感染対策で皮膚科を受診する子どもが増大!
竹中先生のクリニックでは、新型コロナウイルス感染予防対策の影響を受け、「マスクかぶれ」や手指の消毒で肌荒れを起こした子どもの受診が増えたといいます。
皮膚のバリア機能が弱い子どもは、マスクのこすれで肌荒れが起こりやすく、アルコール・手洗いなどが重なると肌が乾燥しやすくなります。
竹中先生は、「手洗いのときには、石けんの洗い残しがないようにすること。秋冬は特に空気が乾燥するので、肌の保湿をしっかりすること」とアドバイスしています。
こんなところに盲点が! 子どもの皮膚トラブルあるある事例
新型コロナウイルスで増えた子どもの「マスクかぶれ」は、マスクと皮膚が触れることで起こる接触皮膚炎の一つです。 何らかの刺激物質や抗原が皮膚に接触することで発症する接触皮膚炎は、外部刺激に敏感な子どもの肌によく起こる症状で、かつ気づかないうちに肌を刺激していることも多くあります。
竹中先生に、起こりがちな接触皮膚炎の例を紹介してもらいました。
■秋冬のかぶれ・あせも 見えない汗が敏感な肌を刺激している
秋冬は、子どもが汗をかいているか分かりにくくなります。しかし、小さな体ながら大人と同じ数の汗腺を持っているため、とても汗っかき。目に見えるところでは汗をかいていないのに、服の中は汗で湿っていることがよくあります。特に最近では、フリース素材など風を通さない冬の衣類も多く、保温効果の高い衣類を着せていると、脱いだら体が汗でびっしょりというケースもあります。
また、寒くなると尿の量も多くなるため、長時間おむつを替えないでいると「おむつかぶれ」になることもあるので注意が必要です。
■我が子をかわいくと思ったら 写真映え狙いで皮膚炎に
ハロウィーン、七五三、クリスマスと、秋冬はイベントも多く、子どもをかわいい姿にして写真に収めたくなる機会が多くなります。
ただし、肌に触れたり塗ったりするものには注意が必要です。クリニックでよくある受診が、子どものメイクをした後の肌荒れ。目や口の周りは皮膚が特に薄いため、アイシャドウやリップで肌荒れを起こすことがあります。
最近では、顔に絵や文字を転写するタトゥーシールや、絵を描くフェースペイントでかぶれる子どもも多くなっています。我が子かわいさでしたことが、思わぬ皮膚トラブルにもつながるので、注意してください。
■フリマで買った衣類などをそのまま使うと肌荒れが起こるかも
フリマアプリの普及により、子育て世代で子どもの服やアイテムをフリマで購入する人が増えています。
ただし、身に着けるものを購入したときは、使用前に注意が必要です。前に使っていた人が使用している洗剤や柔軟剤が肌に合わず、子どもがかぶれや肌荒れを起こす可能性があります。使用前に、普段使用している洗剤で一度洗濯しましょう。
■オーガニックコスメなら大丈夫? 肌に合う・合わないは人それぞれ
敏感肌を気にしてボタニカルやオーガニックのスキンケアを使用している女性が増えています。
しかし、自然由来だから子どもにも安心と思うのは禁物です。香料が含まれているものもあるほか、植物成分には、アレルギーの抗原となり得るタンパク質が含まれています。
オーガニックコスメを含め、肌に合ったものを選びましょう。
トラブルが起こりにくい肌をつくるために、スキンケアが大切
子どもの皮膚トラブルを防ぐには、皮膚トラブルが起こりにくい肌をつくるための日頃のスキンケアが大切です。竹中先生に子どものスキンケアにおいて基本となるポイントについて伺いました。
スキンケアの基本は、「洗う・補う・守る」
触れ合うことで互いのハッピーホルモンも分泌される
日常的なスキンケアは、大人も子どもも同じ、「洗う・補う・守る」です。皮膚に付いた汗やほこりなどの汚れをしっかりと洗い流し、低刺激のローションなどで保湿することも忘れずに。また、空気が乾燥している季節は、外部刺激にも敏感になりがちです。赤ちゃんでも使えるワセリンなどで、しっかり肌をガードしてあげましょう。
また、スキンケアは皮膚トラブルを防ぐだけではありません。子どもにスキンケアをしてあげることでスキンシップが生まれます。親子のスキンシップは、子どもの健やかな成長にもつながる上、触れ合うことによりお互いにハッピーホルモンといわれる 「オキシトシン」が分泌されることが科学的にも明らかになっています。
子どものスキンケアは、ママやパパの1日の疲れを癒やすチャンスでもあり、親子の愛情を深めるチャンスでもあるので、大切にしていただきたいと思います。
■洗う「洗浄料はできるだけ成分がシンプルなもので、手を使って優しく洗う」
赤ちゃんの体を洗うときには、洗浄料をよく泡立てて包み込むように洗いましょう。洗い過ぎやこすり過ぎは乾燥肌の原因になるので、手を使って優しく洗ってあげてください。洗浄料は、肌に刺激を与えないできるだけ成分がシンプルなものがよいでしょう。
■補う「保湿剤は、のびの良いタイプで」
入浴後には必ず保湿剤を塗って肌を守りましょう。選ぶときには、赤ちゃんでも使える肌に優しい処方で、塗りこまなくても肌にすっとなじむ、のびの良いタイプがよいでしょう。
■守る「敏感な肌もしっかり守る」
秋冬は空気も乾燥している上、皮膚の水分量も少なくなるので、衣類の摩擦などの刺激も感じがちです。
手だけでなく顔や目元、唇を含む全身に使用でき、添加物などを加えていないワセリンは、赤ちゃんにも使えます。
皮膚トラブルには、「かゆみの悪循環」を防ぐ初期対応を
子どもはかゆみを我慢することができず、皮膚をかき壊してしまうことが多く、「かゆみの悪循環」に陥りがちです。子どもが皮膚をかき壊さないように、かゆみが出たときは早めに対処することが肝要です。竹中先生に、「かゆみの悪循環」と自宅でできる初期対処の基本について伺いました。
かゆみの多くは乾燥肌が原因、子どもたちに起こりがちな「かゆみの悪循環」
かゆみの多くは、乾燥肌による皮膚のバリア機能の低下から引き起こされます。未完成な子どもの肌はバリア機能が低く、少しの刺激でかゆみを感じたり、湿疹ができたりします。アトピー性皮膚炎のかゆみも一部は乾燥肌に由来するといわれています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202010216055-O26-fq18PTBD】
子どもが「かゆみの悪循環」に陥らないように、まずは保湿で対処します。それでもかゆがり、すぐに皮膚科に行けないときは、市販のかゆみ止めや、化膿(かのう)を伴っている場合には抗生物質を配合した皮膚薬で対処するとよいでしょう。
■保湿「子どもがかゆみを訴えたら、まずは保湿で対処
子どもがかゆみを訴えたら、焦らずまずは保湿剤を使ってあげましょう。保湿をして乾燥を防ぐだけでかゆみが収まることも多くあります。特に、肌がかさついている、白く粉を吹いている場合は、乾燥によるかゆみであることがほとんどです。
汗をかいていても、引いた後の肌は乾燥しています。一度、肌を清潔にしてあげて、保湿剤を優しく塗りましょう。
■かゆみを抑える「抗ヒスタミン成分を配合した薬でかゆみを抑える」
炎症による痛みや化膿がなく、かゆみだけなら、かゆみを抑える抗ヒスタミン成分を配合したノンステロイドタイプのかゆみ止め(鎮痒消炎薬)がよいでしょう。抗ヒスタミン成分は、かゆみを引き起こすヒスタミンのはたらきをやわらげる効果があります。
かき壊し防止にパッチ剤のかゆみ止めもよいでしょう。パッチによるかぶれ防止に、日頃からワセリンを塗って肌を整えておくとより安心です。
かゆみのある部位に傷がある場合は、刺激を避けるために液剤ではなく、アルコールを含まないクリームタイプがよいでしょう。
■菌を抑える「「抗生物質」で細菌の増殖を抑える」
かゆいところをかき壊し、傷口が汚れていたりすると細菌が入り込み、炎症を起こし、赤く腫れて痛む、ジュクジュクした膿(うみ)が出るなど、化膿の症状が見られることがあります。
こうした場合は、細菌の増殖を止める役割を持つ抗生物質が配合された薬で対処します。化膿した部位にステロイドを塗るとかえって悪化することがあるので、ノンステロイドのものを使いましょう。
炎症を抑えるステロイド剤は、薬剤師にきちんと相談
かゆみを伴う赤い湿疹があれば、皮膚が炎症(皮膚炎)を起こしています。皮膚炎の多くは、ステロイド外用薬を使用することが適していますが、乳幼児への使用においては、炎症を起こしている部位によっては副作用が起こることもあります。竹中先生に、子どもに市販のステロイド外用薬を使うときの注意点について伺いました。
クリニックが子どもに処方するステロイド外用薬は、市販薬にもある
皮膚の炎症を抑える外用薬には、ステロイド成分を配合したものとノンステロイド成分のものがあります。市販薬で最も安心して使えるのは、ノンステロイドタイプですが、ノンステロイドで炎症が収まらない場合は、ステロイド外用薬が必要になります。
ステロイドにはたくさんの種類があり、効果の強弱によって5つのランクに分類され、市販のステロイド外用薬は、弱い方から3ランク(「弱い(Weak)」「普通(Medium)」「強い(Strong)」)のみが配合されています。私のクリニックでも、よほど炎症がひどい場合を除いて、子どもにはこの3ランクの中から処方を行っています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202010216055-O19-PgVBgFT4】
ステロイド外用薬は塗る部位で使い分けが必要。
事前に薬剤師に相談を
皮膚は部位によって薬への感受性や吸収率が異なるので、ステロイド外用薬を処方する際は、塗る部位によって使い分けが必要です。例えば、赤ちゃんの顔や胸、性器に近いところは皮膚が非常に薄いので、クリニックでも最も弱い薬を処方します。かかとやひじなどは、皮膚が厚いので少し強めのものを処方します。
このようにステロイド外用薬は、見極めが必要なので、使い方を間違うと、ただれることもあります。市販のステロイド外用薬を購入する際には、薬剤師などの専門家に相談するようにしてください。
使用するときは、漫然と使用するのではなく、症状の改善が見られた場合は使用をやめるようにしましょう。市販のステロイド外用薬は2週間を目安に使用してください。5〜6日間使用して改善が見られない場合は使用を中止し、医療機関を受診するようにしましょう。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202010216055-O27-SUXDN6w2】
赤ちゃんや乳幼児に起こりやすい皮膚トラブル
知っておきたい、子どもの皮膚トラブルに関する基礎知識
皮膚科学に基づく製品開発を追求する第一三共ヘルスケア
※上記3項目は下記「プレスリリース原文(PDF)」をご確認ください。
2020年10月26日
第一三共ヘルスケア株式会社
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202010216055-O1-D4Vcm37C】
<11月19日「いい育児の日」に向けた、子どもの皮膚トラブルケアについて>
赤ちゃん・子どものお肌はデリケート
気を付けたい子どもの皮膚トラブルと知っておきたい自宅でできるケア
子どもの肌は、大人よりもデリケートで外部刺激を受けやすい
一見潤いがあるように見える、子どもの肌。しかし、女医によるファミリークリニック 院長の竹中美恵子先生(小児科医)は、「子どもの皮膚の厚さは、大人よりも薄く乾燥した空気に敏感で、かゆみや湿疹が生じがち」と言います。
さらに、近年世界的に進む地球温暖化や新型コロナウイルスの影響が子どもの肌に悪影響を及ぼしている可能性があることも、竹中先生は指摘しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202010216055-O2-50zkMyDl】
「女医によるファミリークリニック」院長 竹中美恵子先生
小児科医、小児慢性特定疾患指定医、難病指定医。「女医によるファミリークリニック」院長。
2009年、金沢医科大学医学部医学科を卒業。広島市立広島市民病院小児科などで勤務した後、自らの子育て経験を生かし、「女医によるファミリークリニック」(広島市南区)を開業。産後の女医のみの、タイムシェアワーキングで運営する先進的な取り組みで注目を集める。 日本小児科学会、日本小児皮膚科学会、日本周産期新生児医学会、日本小児神経学会、日本リウマチ学会などに所属。
赤ちゃんの表皮の厚さは大人の半分、
だからバリア機能が低く、外部刺激にも敏感
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202010216055-O29-MGC4881R】
ぷるぷるとしている子どもの肌は、一見水分をたっぷりと含んだみずみずしい肌と思われがちです。しかし、子どもの肌は未完成なため、肌の一番外側で刺激から肌を守る表皮の厚みは、大人の約半分しかありません。
また、肌表面から水分が過剰に蒸発することを防ぎ、肌の潤いを保つ皮脂膜も、生後1カ月をピークに2〜3カ月で皮脂の分泌量が低下し、思春期まで低い状態が続きます。その結果、肌の水分量も大人と比較すると少なめです。
こうしたことから子どもの肌は、大人よりバリア機能が低く、外部刺激に敏感で、特に乾燥が激しいシーズンになると皮膚がかさついたり白く粉が吹いたりしがちです。そして、さらにひどくなると、かゆみや湿疹が生じるようになります。
■環境問題が子どもたちの皮膚トラブルにも影響?!
乳幼児の皮膚トラブルは増加傾向にあります。その背景の一つに、気候変動があると考えられます。
今年の夏は、連日猛暑が続き、あせもや日焼けなどで皮膚科を受診する子どもが多くなりました。また、秋冬は空気が乾燥しますが、全体的な傾向としても日本の相対湿度は低下傾向にあり、ヒートアイランド現象による乾燥化が進んでいるといわれています。
竹中先生は、「地球温暖化をはじめとする環境問題が、子どもたちの皮膚トラブルに影響していることも考え得る」と指摘しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202010216055-O28-o0Ppdf24】
■新型コロナウイルス感染対策で皮膚科を受診する子どもが増大!
竹中先生のクリニックでは、新型コロナウイルス感染予防対策の影響を受け、「マスクかぶれ」や手指の消毒で肌荒れを起こした子どもの受診が増えたといいます。
皮膚のバリア機能が弱い子どもは、マスクのこすれで肌荒れが起こりやすく、アルコール・手洗いなどが重なると肌が乾燥しやすくなります。
竹中先生は、「手洗いのときには、石けんの洗い残しがないようにすること。秋冬は特に空気が乾燥するので、肌の保湿をしっかりすること」とアドバイスしています。
こんなところに盲点が! 子どもの皮膚トラブルあるある事例
新型コロナウイルスで増えた子どもの「マスクかぶれ」は、マスクと皮膚が触れることで起こる接触皮膚炎の一つです。 何らかの刺激物質や抗原が皮膚に接触することで発症する接触皮膚炎は、外部刺激に敏感な子どもの肌によく起こる症状で、かつ気づかないうちに肌を刺激していることも多くあります。
竹中先生に、起こりがちな接触皮膚炎の例を紹介してもらいました。
■秋冬のかぶれ・あせも 見えない汗が敏感な肌を刺激している
秋冬は、子どもが汗をかいているか分かりにくくなります。しかし、小さな体ながら大人と同じ数の汗腺を持っているため、とても汗っかき。目に見えるところでは汗をかいていないのに、服の中は汗で湿っていることがよくあります。特に最近では、フリース素材など風を通さない冬の衣類も多く、保温効果の高い衣類を着せていると、脱いだら体が汗でびっしょりというケースもあります。
また、寒くなると尿の量も多くなるため、長時間おむつを替えないでいると「おむつかぶれ」になることもあるので注意が必要です。
■我が子をかわいくと思ったら 写真映え狙いで皮膚炎に
ハロウィーン、七五三、クリスマスと、秋冬はイベントも多く、子どもをかわいい姿にして写真に収めたくなる機会が多くなります。
ただし、肌に触れたり塗ったりするものには注意が必要です。クリニックでよくある受診が、子どものメイクをした後の肌荒れ。目や口の周りは皮膚が特に薄いため、アイシャドウやリップで肌荒れを起こすことがあります。
最近では、顔に絵や文字を転写するタトゥーシールや、絵を描くフェースペイントでかぶれる子どもも多くなっています。我が子かわいさでしたことが、思わぬ皮膚トラブルにもつながるので、注意してください。
■フリマで買った衣類などをそのまま使うと肌荒れが起こるかも
フリマアプリの普及により、子育て世代で子どもの服やアイテムをフリマで購入する人が増えています。
ただし、身に着けるものを購入したときは、使用前に注意が必要です。前に使っていた人が使用している洗剤や柔軟剤が肌に合わず、子どもがかぶれや肌荒れを起こす可能性があります。使用前に、普段使用している洗剤で一度洗濯しましょう。
■オーガニックコスメなら大丈夫? 肌に合う・合わないは人それぞれ
敏感肌を気にしてボタニカルやオーガニックのスキンケアを使用している女性が増えています。
しかし、自然由来だから子どもにも安心と思うのは禁物です。香料が含まれているものもあるほか、植物成分には、アレルギーの抗原となり得るタンパク質が含まれています。
オーガニックコスメを含め、肌に合ったものを選びましょう。
トラブルが起こりにくい肌をつくるために、スキンケアが大切
子どもの皮膚トラブルを防ぐには、皮膚トラブルが起こりにくい肌をつくるための日頃のスキンケアが大切です。竹中先生に子どものスキンケアにおいて基本となるポイントについて伺いました。
スキンケアの基本は、「洗う・補う・守る」
触れ合うことで互いのハッピーホルモンも分泌される
日常的なスキンケアは、大人も子どもも同じ、「洗う・補う・守る」です。皮膚に付いた汗やほこりなどの汚れをしっかりと洗い流し、低刺激のローションなどで保湿することも忘れずに。また、空気が乾燥している季節は、外部刺激にも敏感になりがちです。赤ちゃんでも使えるワセリンなどで、しっかり肌をガードしてあげましょう。
また、スキンケアは皮膚トラブルを防ぐだけではありません。子どもにスキンケアをしてあげることでスキンシップが生まれます。親子のスキンシップは、子どもの健やかな成長にもつながる上、触れ合うことによりお互いにハッピーホルモンといわれる 「オキシトシン」が分泌されることが科学的にも明らかになっています。
子どものスキンケアは、ママやパパの1日の疲れを癒やすチャンスでもあり、親子の愛情を深めるチャンスでもあるので、大切にしていただきたいと思います。
■洗う「洗浄料はできるだけ成分がシンプルなもので、手を使って優しく洗う」
赤ちゃんの体を洗うときには、洗浄料をよく泡立てて包み込むように洗いましょう。洗い過ぎやこすり過ぎは乾燥肌の原因になるので、手を使って優しく洗ってあげてください。洗浄料は、肌に刺激を与えないできるだけ成分がシンプルなものがよいでしょう。
■補う「保湿剤は、のびの良いタイプで」
入浴後には必ず保湿剤を塗って肌を守りましょう。選ぶときには、赤ちゃんでも使える肌に優しい処方で、塗りこまなくても肌にすっとなじむ、のびの良いタイプがよいでしょう。
■守る「敏感な肌もしっかり守る」
秋冬は空気も乾燥している上、皮膚の水分量も少なくなるので、衣類の摩擦などの刺激も感じがちです。
手だけでなく顔や目元、唇を含む全身に使用でき、添加物などを加えていないワセリンは、赤ちゃんにも使えます。
皮膚トラブルには、「かゆみの悪循環」を防ぐ初期対応を
子どもはかゆみを我慢することができず、皮膚をかき壊してしまうことが多く、「かゆみの悪循環」に陥りがちです。子どもが皮膚をかき壊さないように、かゆみが出たときは早めに対処することが肝要です。竹中先生に、「かゆみの悪循環」と自宅でできる初期対処の基本について伺いました。
かゆみの多くは乾燥肌が原因、子どもたちに起こりがちな「かゆみの悪循環」
かゆみの多くは、乾燥肌による皮膚のバリア機能の低下から引き起こされます。未完成な子どもの肌はバリア機能が低く、少しの刺激でかゆみを感じたり、湿疹ができたりします。アトピー性皮膚炎のかゆみも一部は乾燥肌に由来するといわれています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202010216055-O26-fq18PTBD】
子どもが「かゆみの悪循環」に陥らないように、まずは保湿で対処します。それでもかゆがり、すぐに皮膚科に行けないときは、市販のかゆみ止めや、化膿(かのう)を伴っている場合には抗生物質を配合した皮膚薬で対処するとよいでしょう。
■保湿「子どもがかゆみを訴えたら、まずは保湿で対処
子どもがかゆみを訴えたら、焦らずまずは保湿剤を使ってあげましょう。保湿をして乾燥を防ぐだけでかゆみが収まることも多くあります。特に、肌がかさついている、白く粉を吹いている場合は、乾燥によるかゆみであることがほとんどです。
汗をかいていても、引いた後の肌は乾燥しています。一度、肌を清潔にしてあげて、保湿剤を優しく塗りましょう。
■かゆみを抑える「抗ヒスタミン成分を配合した薬でかゆみを抑える」
炎症による痛みや化膿がなく、かゆみだけなら、かゆみを抑える抗ヒスタミン成分を配合したノンステロイドタイプのかゆみ止め(鎮痒消炎薬)がよいでしょう。抗ヒスタミン成分は、かゆみを引き起こすヒスタミンのはたらきをやわらげる効果があります。
かき壊し防止にパッチ剤のかゆみ止めもよいでしょう。パッチによるかぶれ防止に、日頃からワセリンを塗って肌を整えておくとより安心です。
かゆみのある部位に傷がある場合は、刺激を避けるために液剤ではなく、アルコールを含まないクリームタイプがよいでしょう。
■菌を抑える「「抗生物質」で細菌の増殖を抑える」
かゆいところをかき壊し、傷口が汚れていたりすると細菌が入り込み、炎症を起こし、赤く腫れて痛む、ジュクジュクした膿(うみ)が出るなど、化膿の症状が見られることがあります。
こうした場合は、細菌の増殖を止める役割を持つ抗生物質が配合された薬で対処します。化膿した部位にステロイドを塗るとかえって悪化することがあるので、ノンステロイドのものを使いましょう。
炎症を抑えるステロイド剤は、薬剤師にきちんと相談
かゆみを伴う赤い湿疹があれば、皮膚が炎症(皮膚炎)を起こしています。皮膚炎の多くは、ステロイド外用薬を使用することが適していますが、乳幼児への使用においては、炎症を起こしている部位によっては副作用が起こることもあります。竹中先生に、子どもに市販のステロイド外用薬を使うときの注意点について伺いました。
クリニックが子どもに処方するステロイド外用薬は、市販薬にもある
皮膚の炎症を抑える外用薬には、ステロイド成分を配合したものとノンステロイド成分のものがあります。市販薬で最も安心して使えるのは、ノンステロイドタイプですが、ノンステロイドで炎症が収まらない場合は、ステロイド外用薬が必要になります。
ステロイドにはたくさんの種類があり、効果の強弱によって5つのランクに分類され、市販のステロイド外用薬は、弱い方から3ランク(「弱い(Weak)」「普通(Medium)」「強い(Strong)」)のみが配合されています。私のクリニックでも、よほど炎症がひどい場合を除いて、子どもにはこの3ランクの中から処方を行っています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202010216055-O19-PgVBgFT4】
ステロイド外用薬は塗る部位で使い分けが必要。
事前に薬剤師に相談を
皮膚は部位によって薬への感受性や吸収率が異なるので、ステロイド外用薬を処方する際は、塗る部位によって使い分けが必要です。例えば、赤ちゃんの顔や胸、性器に近いところは皮膚が非常に薄いので、クリニックでも最も弱い薬を処方します。かかとやひじなどは、皮膚が厚いので少し強めのものを処方します。
このようにステロイド外用薬は、見極めが必要なので、使い方を間違うと、ただれることもあります。市販のステロイド外用薬を購入する際には、薬剤師などの専門家に相談するようにしてください。
使用するときは、漫然と使用するのではなく、症状の改善が見られた場合は使用をやめるようにしましょう。市販のステロイド外用薬は2週間を目安に使用してください。5〜6日間使用して改善が見られない場合は使用を中止し、医療機関を受診するようにしましょう。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202010216055-O27-SUXDN6w2】
赤ちゃんや乳幼児に起こりやすい皮膚トラブル
知っておきたい、子どもの皮膚トラブルに関する基礎知識
皮膚科学に基づく製品開発を追求する第一三共ヘルスケア
※上記3項目は下記「プレスリリース原文(PDF)」をご確認ください。