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愛知県蟹江町、 「小酒井不木」原作のショートムービー第2弾 『安死術』を堤幸彦監督の協力により制作

2021年2月12日(金)
愛知県海部郡蟹江町

愛知県蟹江町、
「小酒井不木」原作のショートムービー第2弾 『安死術』を堤幸彦監督の協力により制作

 小酒井不木の出身地・愛知県蟹江町は、このたび日本探偵小説界勃興の立役者に今一度スポットを当てるべく、昨年よりその作品の映画化に取り組んでいる。今回も前作「死体蝋燭」(YouTubeで公開中)に引き続き、映画監督・堤幸彦氏の協力を受け、大正15年(1926年)作のミステリー作品「安死術」をショートムービーとして蘇らせた。
 出演者には「名古屋おもてなし武将隊」で二代目豊臣秀吉を務めた菅沼翔也を始めとした実力派俳優陣と、前作に続き堤監督とも親交が深く、日本舞踊・五大流派の一つ「西川流」家元で、「名古屋をどり」で有名な西川千雅氏が案内役として登場。また今回は特別に堤監督自身も役者として出演しているシーンも見どころだ。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202102010428-O6-8epn088k

 本作は、原作より約30年後の蟹江町に舞台を設定し、そこにある小さな医院で展開される緊迫したストーリーとなっている。「安楽死」という現代的なテーマはおよそ100年前に書かれたとは思えない内容。また、安楽死を中心に据えながらも、医師としての信念と、父としての思いの間で揺れ動く主人公の心の葛藤など、人間が持つ弱さや運命の皮肉さを描いた作品に仕上がっている。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202102010428-O4-d9M1r9Yb
 そんな今回の作品制作について蟹江町役場の担当者は「医学者でもあった不木は、その豊富な医学知識に基づいた作品を数多く残しました。また、ミステリー作品でありながら、人間の心理の本質を描く点も不木作品の特徴・魅力であり、今回はそれをいかに映像で表現できるかということにこだわりました。ミステリーのまち・蟹江町がお届けする渾身の一作をぜひともご覧いただきたいです。」と語っており、この作品に掛ける並々ならぬ思いが垣間見える。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202102010428-O8-Y7218L7E

 堤監督曰く「およそ官公庁が作ったとは思えない作品」である衝撃の本作は、同監督最新作「ファーストラブ」の公開に合わせ、町公式YouTubeにて令和3年2月11日(木)公開予定だ。

 
「安死術」(本編約14分・Youtube):https://youtu.be/FN1W1ZgHXNs

蟹江町HP: https://www.town.kanie.aichi.jp/soshiki/3/short-movie.html

小酒井不木についての詳細:
https://www.town.kanie.aichi.jp/img/pdf/koho_kanie_tokushu_2020_03.pdf

〇ショートムービー「安死術」のあらすじ
 昭和初期、大学病院の内科に勤務していた医師・寺田は、終末医療についてある考えを持っていた。郷里の蟹江町に帰郷し、小さな町医者として働きはじめた数年後、「名医」と評判になった彼を運命のいたずらが襲う...。

〇小酒井不木について
 大正後期から昭和初期という日本の探偵小説黎明期に活躍した、まさに探偵小説家の草分けと言っていい人物。江戸川乱歩が世に出るのを後押しし、その乱歩から執筆を勧められ、それまでの海外ミステリーの翻訳・紹介から創作にも進出した不木は大正13年(1924年)から昭和4年(1929年)、38歳で夭折するまでのわずか5年間に、日本初のSF小説と言われる「人工心臓」など140を超える小説作品を世に送り出した。しかしその数々の作品も現在、死後90年以上が経過してパブリックドメインとなっており、一部は青空文庫などで読めるものの、多くの作品は絶版・廃版となっている。
 不木は多くの作品を残しただけでなく、日本の探偵小説の黎明期において、その分野を定着させるべくさまざまな活動をし、親交が深かった江戸川乱歩や「金田一耕助」シリーズを生んだ横溝正史に対してミステリー作家としての道を示した人物である。彼らにも大きな影響を与え、推理探偵小説というジャンルを確立させた不木にスポットが当てられないのは、日本のミステリー界にとって大きな損失といっていいだろう。

 
○ショートムービー事業について
 小酒井不木が残した名作の数々は、およそ100年という長い年月を経た現代においても色褪せることはないが、現在彼の名を耳にすることは少なくなっている。
 不木という名前の由来ともなった「初めは頭角を現さずに、後から頭角を現すのが本当の人間だ」という漢文の言葉のように、今こそ彼の作品を映像というかたちで現代に蘇らせ、その魅力を世間にPRしていこうという取り組みがこのショートムービー事業である。
 蟹江町では、昨年度第1弾として制作した「死体蝋燭」と、今作「安死術」に加え、第3弾の制作も計画中である。「ミステリーの町・蟹江町」が手掛ける当事業に今後ともご注目いただきたい。

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