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2020年度 東京ビジネスデザインアワード 最優秀賞・優秀賞を発表

−最優秀賞は、「オンデマンド印刷の新しいカタチ−視覚と触覚で楽しむプロダクト」−

2021年2月10日
公益財団法人日本デザイン振興会

東京都が主催し、公益財団法人日本デザイン振興会(会長:川上元美 所在地:東京都港区)が企画・運営を行う東京ビジネスデザインアワードは、東京都内の中小企業の技術や素材等をテーマに、新規用途開発とビジネス全体のデザイン提案を募るコンペティションです。2012年に開始し9回目となる本年度は、企業から示されたテーマに対し、コロナ禍にもかかわらず初年度以来2番目に多い170件の提案が全国のデザイナーから寄せられました。これらの提案から審査委員会による審査を経て、7件の提案がテーマ賞として選出されました。
去る2月9日(火)に提案最終審査会をオンライン開催し、テーマ賞を獲得した7組のデザイナーによるプレゼンテーションと審査を実施しました。最優秀賞には井下恭介・増谷誠志郎(デザイナー/SANAGI design studio)の「オンデマンド印刷の新しいカタチ−視覚と触覚で楽しむプロダクト」、優秀賞には:清水覚(プランナー/オクノテ)の「東屋(azumaya)ビジネスデザインプロジェクト」、井下恭介・増谷誠志郎(デザイナー/SANAGI design studio) の「特殊ラベル印刷技術を用いた新しい遊び体験の提案」がそれぞれ選ばれました。

今回、コロナ禍におけるライフスタイルの変化やサスティナブルな企業活動など、時代のニーズに対応した提案内容も多くみられました。各テーマ賞のデザイン提案については、テーマ企業とデザイナーの間で提案の事業化・製品化に向けた検討が始まっています。今後の展開にご注目ください。

「2020年度 東京ビジネスデザインアワード 最終審査結果」
●最優秀賞(1件)  [賞金 50 万円]
提案名:オンデマンド印刷の新しいカタチ−視覚と触覚で楽しむプロダクト
提案者:井下恭介・増谷誠志郎(デザイナー/SANAGI design studio)
テーマ:42億色を鮮やかに表現する「オンデマンド印刷技術」
内 容:メタリック印刷によりきらめきを表現したさかなかるた
企 業:株式会社千葉印刷(渋谷区)

●優秀賞(2件)  [賞金 各 10 万円]
提案名:東屋(azumaya)ビジネスデザインプロジェクト
提案者:清水覚(プランナー/オクノテ)
テーマ:精密な柄合わせと職人芸が光る「革製品製造技術」
内 容:マーケティング・ブランド観点の課題解決と、既存商品のリブランディング
企 業:有限会社東屋(墨田区)

提案名:特殊ラベル印刷技術を用いた新しい遊び体験の提案
提案者:井下恭介・増谷誠志郎(デザイナー/SANAGI design studio)
テーマ:確かな課題解決力で培われた「シール・ラベル印刷加工技術」
内 容:家の中で考古学者気分を味わえる化石発見シール
企 業:株式会社日本ラベル(板橋区)

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202102100889-O19-8Y6zVAE8

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※東京ビジネスデザインアワードのウェブサイトにて詳細情報を掲載しております。 
https://www.tokyo-design.ne.jp/award.html

●東京ビジネスデザインアワード審査委員長 廣田尚子 提案最終審査総評
本アワードは今回9回目を迎えました。各提案は例年の中でも非常にレベルが高く、ビジネスデザインの成熟を感じさせる審査会となりました。企業の持つ技術を形にするという点においては、高いレベルで表現されており、最終審査では主にビジネスデザイン部分について議論が費やされました。コロナ禍により、企業とデザイナーの協議もオンラインが中心となりましたが、その状況下でも両者協力しながら準備を行ったことが伺え、支障を感じさせない完成度の高い内容でした。
産業構造の変化やコロナ禍におけるライフスタイルの変化など、時代が転換期を迎える中、デザインの役割も見直されてきています。今回はビジネスデザインにおける二つの方向性が明示されました。一つは「企業の持つ技術を応用し新しいビジネスをつくる」というもので、新規ビジネスにより新たな市場をつくり発展させていくというベクトル、もう一つは「企業の在り方、価値をデザインする」というもので、企業の持つリソースを組み立て直し、事業をサスティナブルに継承していくという方向性です。最優秀賞の「オンデマンド印刷の新しいカタチ」 、優秀賞の「特殊ラベル印刷技術を用いた新しい遊び体験の提案」は、前者の役割において高く評価されましたが、ビジネスの継続や価値の維持に課題があり、それらを補うために製品のファンづくりや、彼らを魅了しつつ継続的なビジネスを行う仕組みづくりにアイデアを投じてほしいと思います。一方、優秀賞の「東屋ビジネスデザインプロジェクト」は後者の役割において評価が高く、マッチングから短期間で企業が抱える問題点を緻密に分析して、提案性の高いビジネスメーキングが行われました。
前者の役割は例えるならビジネスの外側をつくる建築家のイメージで世の中の注目を集めインパクトを与えていきます。後者は内部をケアする内科医のイメージで、経営や収益体制を整え健康な企業体を維持することで、ビジネスを長く継続していくことができます。中小企業においてはどちらも大切な役割であり、ビジネスデザインの領域においては双方にアプローチできる価値あるデザインが多く生まれているという点を伝えていきたいと思います。

●2020年度東京ビジネスデザインアワード審査委員会
廣田尚子 審査委員長/有限会社ヒロタデザインスタジオ代表
川田誠一 東京都立産業技術大学院大学学長 工学博士 
日?一樹 デザイン・知的財産権戦略コンサルタント 日高国際特許事務所 所長 弁理士
石川俊祐 デザインイノベーション KESIKI INC. 共同創設者
山田遊  バイヤー/キュレーター 株式会社メソッド 代表取締役

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【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202102100889-O4-4UhCK12x

●最優秀賞「オンデマンド印刷の新しいカタチ−視覚と触覚で楽しむプロダクト」
株式会社千葉印刷 代表取締役 柳川満生氏 受賞コメント
弊社の印刷技術は、メタリック表現や特殊色の印刷が可能なオンデマンド印刷機「イリデッセ」を使用し、42億色を鮮やかに表現でき、従来より幅広く印刷対応することが可能となりました。この技術を生かしてどんな製品を作ればいいか悩んでいたところ、デザイナーからリアルな魚のきらめきを表現する「さかなかるた」の提案を聞いて絶対に形にできるという確信があり、提案に取り組みました。作成したモデルでは、自分自身が欲しいと思う作品が出来て感動しています。
商品化に向けてスピード感をもって動いていきたいです。

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デザイナー 井下恭介氏、増谷誠志郎氏 [SANAGI design studio] 受賞コメント
提案では最初から一貫して、プロダクトを通じて「千葉印刷といえば特殊色が可能なオンデマンド印刷」という技術を伝えていくためにはどうしたらいいかを起点に考えてきました。プロダクトのアイデアは(井下が)元々釣りが好きで、同じ魚でも種類によって見た目が異なるので、魚という皆が当たり前に知っているものでありながら、改めて見ると発見があり面白い、というところから導き出しました。大人も子どもも楽しめるコミュニケーションツールを意識して作りました。印刷技術の訴求はもちろんのこと、手に取った人が年を取ったときに、あの時使ったなと思い出に残るような、人の心に訴求する商品にできたらいいなと考えています。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202102100889-O13-7fGkurdW
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●優秀賞「東屋(azumaya)ビジネスデザインプロジェクト」
有限会社東屋 代表取締役 木戸麻貴氏 受賞コメント
弊社は厳選した革を使い熟練の職人の手によって丁寧に製作する革製品の製造技術を有しています。応募のきっかけは、新商品開発だけではなく、悩んでいた販売方法やマーケティングについてもデザイナーと協働したいという希望があったことです。デザイナーの視点で、HPやオンラインストアを整え既存のアイテムの見せ方や販売の方法を変えることで、新しいお客様へアプローチや売り上げがアップできる大きな可能性があることを実感しています。

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プランナー 清水覚氏 [オクノテ] 受賞コメント 
東京ビジネスデザインアワードでは新しいサービス提案がほとんどの中、既存の課題解決に重きを置いた地道な提案で受賞できたことはとてもうれしいです。プロダクトのデザイン提案だけではなく、マーケティングやブランディング、ウェブなどのテコ入れに力を入れましたが、これはビジネスのベースをつくるものであり、これからのビジネスデザインにますます求められていく活動だと思います。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202102100889-O10-YVGkAm9v

●優秀賞「特殊ラベル印刷技術を用いた新しい遊び体験の提案」
株式会社日本ラベル 代表取締役社長 平山良一氏、営業一課 平山雄太氏 受賞コメント
弊社は、多種多様な機能性を持ったシール・ラベル素材に対して、印刷・加工のノウハウを有しております。今まではBtoB中心に事業を展開していましたが、BtoCにチャレンジしたいと考えたとき、デザイナーとつながり価値ある商品を作りたいと考えたことが応募のきっかけでした。デザイナーと組むことでマーケティング視点からのモノづくりに取り組めることが素晴らしいと感じています。

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デザイナー 井下恭介氏、増谷誠志郎氏 [SANAGI design studio] 受賞コメント
今回のブラックライトを当てて楽しめる化石発見シールの提案では、BtoC製品として製作し、しっかりと売りたいという企業の強い希望があり、マーケティング分析から競合がおらず、新しい価値をつくれるものを考えていきました。本プロダクトだけではなく、技術を軸に、さまざまな角度からのBtoC展開、コラボ展開など行っていきたいと考えています。

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2月9日に開催した最終審査会(オンライン開催)の様子

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202102100889-O2-5RZgZmTf

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2020年度 東京ビジネスデザインアワード テーマ・デザイナー 一覧
企業テーマ1:機能性と高強度を兼ね備えた「フッ素樹脂ファブリック」 
中興化成工業株式会社(港区)
フッ素樹脂ファブリックを用いたプロダクト提案
小尾野香織(プロデューサー・マーケター)、若崎祥子(デザイナー)[SOBIブランディング]

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202102100889-O18-PWQ18UWn

企業テーマ2:環境にやさしい素材に特化した「パッケージ印刷加工技術」 
株式会社一九堂印刷所(中央区)
環境にやさしい素材を使った気持ちを贈る種まきカレンダー
前田耕平(アートディレクター)、黒木渉(デザイナー)[凸版印刷株式会社]

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202102100889-O20-NDDC4FBL

企業テーマ4:多様な風合いを表現する高度な「特殊塗装技術」 
有限会社大成塗装電機製作所(瑞穂町)
特殊塗装事業を拡張するブランディングとフラッグシップ提案
八嶋正実(デザイナー)[cyclecafe design]

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202102100889-O15-k33IYM2a

<優秀賞>
企業テーマ5:精密な柄合わせと職人芸が光る「革製品製造技術」 
有限会社東屋(墨田区)
東屋(azumaya) ビジネスデザインプロジェクト
清水覚(プランナー)[オクノテ]

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202102100889-O14-1xCDTqm1

<最優秀賞>
企業テーマ6: 42億色を鮮やかに表現する「オンデマンド印刷技術」 
株式会社千葉印刷(渋谷区)
オンデマンド印刷の新しいカタチ-視覚と触覚で楽しむプロダクト
井下恭介(デザイナー)、増谷誠志郎(デザイナー)[SANAGI design studio]

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202102100889-O19-8Y6zVAE8

<優秀賞>
企業テーマ8:確かな課題解決力で培われた「シール・ラベル印刷加工技術」 
株式会社日本ラベル(板橋区)
特殊ラベル印刷技術を用いた新しい遊び体験の提案
井下恭介(デザイナー)、増谷誠志郎(デザイナー)[SANAGI design studio]

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202102100889-O17-Yj6G8u8H

企業テーマ9:オーダー意匠器具製作で培った「アクリル樹脂の精密切削加工技術」 
株式会社島田電機製作所(八王子市)
アクリルの特性を活かしたプロダクトのブランド展開
寺尾功司(デザイナー)、平野北斗(プランナー)、足利蓮(プランナー)

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202102100889-O16-RRQ461M0
                                                                                                                                       

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