ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン、乾癬性関節炎に対するウパダシチニブの相試験結果掲載
[21/04/21]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
2021年4月21日
アッヴィ合同会社
ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine: NEJM)、乾癬性関節炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験の24週時の結果を掲載
●SELECT-PsA 1試験において、ウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg)は、24週までに付着部炎を含む主な関節および皮膚症状を改善1
●ウパダシチニブ両用量群で、プラセボ群と比較して、12週時における倦怠感を改善1
●安全性データは、既報の24週までのトップライン結果に基づいており、関節リウマチに見られたウパダシチニブの安全性プロファイルと同等1,2
イリノイ州ノースシカゴ、2021年4月1日(米国時間)−アッヴィ(NYSE: ABBV)は、1種類以上の非生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)で効果不十分または不耐容であった活動性乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の成人患者さんを対象にウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg)を評価した第III相SELECT-PsA 1試験の24週時の結果が、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine: NEJM)に掲載されたことを発表しました1。このデータは、過去に発表された第III相試験において、ウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg)が、プラセボとの比較で、主要評価項目である12週時のACR 20および重要な副次評価項目を達成したことを示したトップライン結果に基づいています1。
アッヴィのR&Dシニア・バイスプレジデント兼最高科学責任者(CSO)であるトーマス・ハドソン医学博士、M.D.は次のように述べています。「これらのデータは、ウパダシチニブが、進行性の自己免疫性疾患である乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の患者さんの臨床的およびX線画像的転帰を改善する可能性を示しています。最終的には、より多くの患者さんが疾患をコントロールし、日常生活に影響を及ぼし得る関節や皮膚の症状から解放されることを目指しています」
ウパダシチニブ(15mg)は、活動性乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の成人患者さんに対する治療薬として欧州委員会(EC)の承認を受けました。米国において、ウパダシチニブの乾癬性関節炎(関節症性乾癬)に対する承認はされておらず、規制当局による本剤の安全性および有効性の評価が行われています。
順位付けされた副次評価項目の有効性の結果で、これまで報告されていない結果は以下のとおりです1*。
・プラセボ群の32%に対し、ウパダシチニブを投与された患者さんでは、15mg群で54%、30mg群で58%が24週時における腱付着部炎の消失(リーズ腱付着炎指標(LEI)=0)を達成(両用量群もp<0.001)。アダリムマブ群では47%の患者さんで腱付着部炎が消失。
・慢性疾患治療-疲労の機能評価(FACIT-F)スコアにおける平均変化量は、ウパダシチニブ15 mg群と30mg群でそれぞれ6.3と7.1で、プラセボ群の2.8と比較して、12週時の倦怠感が改善し、24週時まで継続(両用量ともp<0.001)。アダリムマブ群は12週時に改善(5.7)を認めた。
・ウパダシチニブ15 mg群および30 mg群(それぞれ42%および54%)で、プラセボ群(11%)と比較してより多くの患者さんが16週時に医師による乾癬の静的全般評価(sIGA)が0または1、かつ2ポイント以上の改善を達成(両用量ともp<0.001)。アダリムマブ群では39%が達成。
・24週時において、プラセボ群(0.25の増加)と比較して、ウパダシチニブの両用量群で(15 mg群で-0.04、p<0.001および30 mg群で0.03、p=0.007)、modified Sharp-van der Heijdeスコア(mTSS)で評価したX線画像上の進行の抑制が認められた。アダリムマブ群は0.01であった。
・24週時に、プラセボ群の40%に対し、ウパダシチニブ15 mg群および30 mg群でそれぞれ77%と80%の患者さんが指炎の消失(リーズ指炎指標(LDI)=0)を達成(名目p値<0.001、多重性の調整は行われていない)。アダリムマブ群では74%の患者さんで指炎の消失を達成。
* 上記評価項目におけるアダリムマブ群との比較については、多重性の調整は行われていません。
筆頭著者である英国グラスゴー大学、リウマチ学の医学・関節炎学イアン・マッキネス教授は次のように述べています。「乾癬性関節炎(関節症性乾癬)は痛みを伴う慢性の自己免疫疾患です。ウパダシチニブが、関節や皮膚の症状による影響に加えて、疲労など体の衰弱を招く可能性がある乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の患者さんの転帰を改善できることを示した今回の結果を大変喜ばしく思います」
ウパダシチニブの安全性プロファイルは、過去に報告された関節リウマチを対象とした試験で認められたものと同等でした1,2。24週までに発現した有害事象(AE)および重篤なAEの発現率は、ウパダシチニブ15 mg群とアダリムマブ40 mg群で同程度でしたが、ウパダシチニブ30 mg群ではより高い結果でした。主な有害事象は上気道感染でした。重篤な感染症の発現率は、プラセボ群で0.9%、アダリムマブ群で0.7%、ウパダシチニブ15 mg群で1.2%、ウパダシチニブ30 mg群で2.6%でした。帯状疱疹は、プラセボ群で3例(0.7%)、アダリムマブ群で0例、ウパダシチニブ15 mg群で4例(0.9%)、30 mg群で5例(1.2%)報告されました。すべての投与群において悪性腫瘍が報告され、プラセボ群およびウパダシチニブ15 mg群で1例(0.2%)、アダリムマブ群およびウパダシチニブ30 mg群で3例(0.7%)でした。
静脈血栓症と判定された事象として、プラセボ群で深部静脈血栓症が1件(0.2%)、アダリムマブ群で深部静脈血栓症が2件(0.5%)、ウパダシチニブ30 mg群で肺塞栓症が1件(0.2%)認められ、ウパダシチニブ15 mg群では血栓症は報告されませんでした。ウパダシチニブ投与群では、主要な心血管系イベント(MACE)および死亡例は認められませんでした1。
SELECT-PsA 1試験について1,3
SELECT-PsA 1試験は、1種類以上の非生物学的DMARDsで効果不十分であった活動性乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の成人患者さんを対象に、プラセボおよびアダリムマブと比較し、ウパダシチニブの安全性および有効性を評価するためにデザインされた第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、実薬・プラセボ対照試験です。患者さんは、ウパダシチニブ15 mg群、ウパダシチニブ30 mg群、アダリムマブ40 mg群(隔週)またはプラセボ群に無作為に割り付けられ、24週時にプラセボ群は、ウパダシチニブ15 mgまたはウパダシチニブ30 mgに切り替えられました。
主要評価項目は、投与12週時にACR 20を達成したウパダシチニブ15 mgまたは30 mg投与患者さんの割合とし、プラセボ投与患者さんと比較しました。順位付けされた副次評価項目は、16週時に治験責任医師による乾癬の静的全般的評価(sIGA)が0または1かつベースラインから2ポイント以上の改善を達成した患者さんの割合、16週時にPASI 75を達成した患者さんの割合、24週時のmodified Sharp-van der Heijdeスコアに基づくX線画像上の進行抑制、24週時に最小疾患活動性(MDA)を達成した患者さんの割合、24週時に腱付着部炎の消失が認められた患者さんの割合、12週時の慢性疾患患者の疲労評価スコア(FACIT-Fatigue)の変化量、プラセボとの比較で24週時に指炎の消失が認められた患者さんの割合などとしました。本試験は、長期継続投与期間が継続中です。本試験の詳細はwww.clinicaltrials.gov(NCT03104400)で閲覧可能です。
ウパダシチニブについて
アッヴィの科学者が発見し開発したJAK阻害薬ウパダシチニブは、複数の免疫関連炎症性疾患を対象に研究が進められています2-12。2019年8月に、ウパダシチニブは、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として米国食品医薬品局(FDA)の承認を得ました。また、1種類以上の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)で効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さん、1種類以上のDMARDsで効果不十分または不耐容であった活動性乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の成人患者さんおよび既存治療で効果不十分な活動性強直性脊椎炎(AS)の成人患者さんの治療薬として欧州委員会から承認を得ました。関節リウマチに対して承認されているウパダシチニブの用量は15 mgです。関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です2-5,7-12。乾癬性関節炎(関節症性乾癬)に対するウパダシチニブの使用は承認されておらず、規制当局による本剤の安全性および有効性の評価が行われています。
米国におけるウパダシチニブの使用および重要な安全性情報13
ウパダシチニブは、中等症から重症の関節リウマチを有し、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった成人患者さんの治療を適応とする治療薬です。18歳未満の小児に対するウパダシチニブの安全性および有効性は確立されていません。
ウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報はどのようなものでしょうか?
ウパダシチニブは免疫系が感染症と戦う能力を低下させる可能性がある薬剤です。何らかの感染症が認められる場合は、担当の医療従事者が認めない限り、ウパダシチニブの服用を開始しないでください。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、結核や細菌、真菌またはウイルスが原因となり全身に広がる感染症を含む重篤な感染症が発生しています。これらの感染症による死亡例もあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが結核に感染しているか検査し、ウパダシチニブ投与中に結核の徴候や症状があるか慎重に確認しなければなりません。帯状疱疹を発現するリスクが増加する可能性があります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんで、リンパ腫や皮膚がんを含むその他のがんが発生することがあります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、脚または肺の静脈や動脈に血栓が生じる可能性があります。これにより、生命を脅かす、または死に至る可能性があります。
・胃または腸に裂傷が生じることがあります。また、一部の臨床検査結果に変化が生じることがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与前および投与中に、血液検査を行う必要があります。血液検査の結果に変化が認められた場合、必要に応じて一定期間、ウパダシチニブの投与を中断する可能性があります。
ウパダシチニブの服用開始前にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合、担当の医療従事者に伝えてください。
・感染症の治療を受けている、治らない感染症がある、再発する感染症がある、または次のような感染症の症状がある場合。
○熱、発汗または悪寒
○息切れ
○皮膚の熱感、発赤もしくは疼痛、または身体部位の痛み
○筋肉痛
○疲労感
○血液の混じった痰
○ 下痢または胃痛
○ 咳嗽
○ 体重減少
○ 排尿時の灼熱感または通常より頻繁な排尿
・結核に感染している、または結核患者さんと緊密に接触している場合。
・何らかのがん、B型もしくはC型肝炎、帯状疱疹、脚や肺の静脈血栓、憩室炎(大腸の一部の炎症)、または胃潰瘍もしくは腸の潰瘍の既往歴がある場合。
・肝疾患、血球数低値、糖尿病、慢性肺疾患、HIV、免疫系が弱いなどの他の医学的病態がある場合。
・特定の真菌感染にかかるリスクを増加させる地域、例えばオハイオ川流域、ミシシッピ川流域、南西部に在住、もしくは在住していた、または旅行したことがある場合。これらの地域に行ったことがあるか不確かな場合は、担当の医療従事者にお尋ねください。
・最近ワクチンを接種した、またはワクチン接種を予定している場合。ウパダシチニブを服用する患者さんは、生ワクチンを接種してはいけません。
・妊娠している、または妊娠を計画している場合。動物を用いた試験に基づくと、ウパダシチニブは胎児に害を及ぼすおそれがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが妊娠しているかどうか検査します。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも4週間は、妊娠を避けるため効果的な避妊を行ってください。
・授乳中である、または授乳を予定している場合。ウパダシチニブは母乳に移行する可能性があります。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも6日間は授乳しないでください。
処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントを含む、服用中の薬剤すべてを医療従事者に伝えてください。ウパダシチニブと他剤が互いに影響し合い、副作用を引き起こすおそれがあります。
特に、次の薬剤を服用している場合は、担当の医療従事者に伝えてください。
・真菌感染または細菌感染に対する薬剤
・リファンピシンまたはフェニトイン
・免疫系に影響を及ぼす薬剤
これらの薬剤を服用しているか不確かな場合は、担当の医療従事者または薬剤師にお尋ねください。
ウパダシチニブの服用開始後にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合は、直ちに担当の医療従事者に伝えてください。
・何らかの感染症の症状が認められた場合。ウパダシチニブにより、感染症にかかりやすくなることがあります。また、感染症を悪化させることがあります。
・ウパダシチニブ投与期間中に次のような血栓の徴候または症状を認めた場合。
○腫脹
○原因不明の突然の胸痛
○脚の痛みまたは圧痛
○息切れ
・引かない発熱または治らない腹部の痛みがあった場合、および排便習慣の変化があった場合。
ウパダシチニブの主な副作用は、どのようなものですか?
主な副作用としては、上気道感染(感冒、副鼻腔感染)、悪心、咳嗽、発熱などがあります。この他にもウパダシチニブの副作用が発生する可能性があります。
ウパダシチニブは、1日1回の服用です。食前食後は問いません。錠剤を分割したり、潰したり、砕いたり、噛み砕いたりしないでください。担当の医療従事者の指示通りにウパダシチニブを服用してください。
以上がウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報です。詳しい情報については、担当の医療従事者にご相談ください。処方薬の副作用をFDAに報告することが奨励されています。http://www.fda.gov/medwatch をご覧いただくか、1-800-FDA-1088にお電話ください。
薬剤の支払いが難しい場合は、アッヴィがお手伝いできるかもしれません。詳細については、AbbVie.com/myAbbVieAssist をご参照ください。
詳細な処方情報についてはこちらを、服薬ガイドについてはこちらをクリックしてください。
世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。
米国におけるヒュミラ(アダリムマブ)について
使用14
ヒュミラは処方薬です。本剤の適応は以下のとおりです。
・以下の徴候および症状の軽減:
○成人の中等症から重症の関節リウマチ(RA)。ヒュミラは単剤投与、メトトレキサートとの併用または特定の他の薬剤との併用投与が可能です。ヒュミラは骨および関節への損傷の進行を抑制し、日常生活を送る能力を高める可能性があります。
○2歳以上の小児の中等症から重症の多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎(JIA)。ヒュミラは単剤投与、メトトレキサートとの併用または特定の他の薬剤との併用投与が可能です。
○成人の乾癬性関節炎(関節症性乾癬)。ヒュミラは単剤投与または特定の他の薬剤との併用投与が可能です。ヒュミラは骨および関節への損傷の進行を抑制し、日常生活を送る能力を高める可能性があります。
○成人の強直性脊椎炎(AS)。
○他の特定の薬剤で効果不十分であった成人の中等症から重症のクローン病(CD)における臨床的寛解への到達および維持を目的としたヒュミラの投与は、インフリキシマブに反応しなくなった、または忍容性がない成人における徴候および症状の軽減、ならびに臨床的寛解への到達も目的として使用されます。
○特定の他の治療で効果不十分である6歳以上の小児の中等症から重症のクローン病(CD)における臨床的寛解への到達および維持。
○12歳以上の中等症から重症の化膿性汗腺炎(HS)患者さん。
・成人における、特定の他の治療で効果不十分である中等症から重症の潰瘍性大腸炎(UC)のコントロール(寛解導入)およびコントロールの維持(寛解維持)。抗TNF製剤に反応しなくなった患者さんまたは忍容性がない患者さんに対してヒュミラが有効であるかは不明です。
・全身療法または光線療法の実施が可能で、他の全身療法が適切か否かを判断する担当医師による成人の中等症から重症の慢性尋常性乾癬(Ps)の治療。
・成人および2歳以上の小児の非感染性の中間部(目の中間部)、後部(目の後方部)および汎ぶどう膜炎(目全体)の治療。
アッヴィ合同会社
ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine: NEJM)、乾癬性関節炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験の24週時の結果を掲載
●SELECT-PsA 1試験において、ウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg)は、24週までに付着部炎を含む主な関節および皮膚症状を改善1
●ウパダシチニブ両用量群で、プラセボ群と比較して、12週時における倦怠感を改善1
●安全性データは、既報の24週までのトップライン結果に基づいており、関節リウマチに見られたウパダシチニブの安全性プロファイルと同等1,2
イリノイ州ノースシカゴ、2021年4月1日(米国時間)−アッヴィ(NYSE: ABBV)は、1種類以上の非生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)で効果不十分または不耐容であった活動性乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の成人患者さんを対象にウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg)を評価した第III相SELECT-PsA 1試験の24週時の結果が、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine: NEJM)に掲載されたことを発表しました1。このデータは、過去に発表された第III相試験において、ウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg)が、プラセボとの比較で、主要評価項目である12週時のACR 20および重要な副次評価項目を達成したことを示したトップライン結果に基づいています1。
アッヴィのR&Dシニア・バイスプレジデント兼最高科学責任者(CSO)であるトーマス・ハドソン医学博士、M.D.は次のように述べています。「これらのデータは、ウパダシチニブが、進行性の自己免疫性疾患である乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の患者さんの臨床的およびX線画像的転帰を改善する可能性を示しています。最終的には、より多くの患者さんが疾患をコントロールし、日常生活に影響を及ぼし得る関節や皮膚の症状から解放されることを目指しています」
ウパダシチニブ(15mg)は、活動性乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の成人患者さんに対する治療薬として欧州委員会(EC)の承認を受けました。米国において、ウパダシチニブの乾癬性関節炎(関節症性乾癬)に対する承認はされておらず、規制当局による本剤の安全性および有効性の評価が行われています。
順位付けされた副次評価項目の有効性の結果で、これまで報告されていない結果は以下のとおりです1*。
・プラセボ群の32%に対し、ウパダシチニブを投与された患者さんでは、15mg群で54%、30mg群で58%が24週時における腱付着部炎の消失(リーズ腱付着炎指標(LEI)=0)を達成(両用量群もp<0.001)。アダリムマブ群では47%の患者さんで腱付着部炎が消失。
・慢性疾患治療-疲労の機能評価(FACIT-F)スコアにおける平均変化量は、ウパダシチニブ15 mg群と30mg群でそれぞれ6.3と7.1で、プラセボ群の2.8と比較して、12週時の倦怠感が改善し、24週時まで継続(両用量ともp<0.001)。アダリムマブ群は12週時に改善(5.7)を認めた。
・ウパダシチニブ15 mg群および30 mg群(それぞれ42%および54%)で、プラセボ群(11%)と比較してより多くの患者さんが16週時に医師による乾癬の静的全般評価(sIGA)が0または1、かつ2ポイント以上の改善を達成(両用量ともp<0.001)。アダリムマブ群では39%が達成。
・24週時において、プラセボ群(0.25の増加)と比較して、ウパダシチニブの両用量群で(15 mg群で-0.04、p<0.001および30 mg群で0.03、p=0.007)、modified Sharp-van der Heijdeスコア(mTSS)で評価したX線画像上の進行の抑制が認められた。アダリムマブ群は0.01であった。
・24週時に、プラセボ群の40%に対し、ウパダシチニブ15 mg群および30 mg群でそれぞれ77%と80%の患者さんが指炎の消失(リーズ指炎指標(LDI)=0)を達成(名目p値<0.001、多重性の調整は行われていない)。アダリムマブ群では74%の患者さんで指炎の消失を達成。
* 上記評価項目におけるアダリムマブ群との比較については、多重性の調整は行われていません。
筆頭著者である英国グラスゴー大学、リウマチ学の医学・関節炎学イアン・マッキネス教授は次のように述べています。「乾癬性関節炎(関節症性乾癬)は痛みを伴う慢性の自己免疫疾患です。ウパダシチニブが、関節や皮膚の症状による影響に加えて、疲労など体の衰弱を招く可能性がある乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の患者さんの転帰を改善できることを示した今回の結果を大変喜ばしく思います」
ウパダシチニブの安全性プロファイルは、過去に報告された関節リウマチを対象とした試験で認められたものと同等でした1,2。24週までに発現した有害事象(AE)および重篤なAEの発現率は、ウパダシチニブ15 mg群とアダリムマブ40 mg群で同程度でしたが、ウパダシチニブ30 mg群ではより高い結果でした。主な有害事象は上気道感染でした。重篤な感染症の発現率は、プラセボ群で0.9%、アダリムマブ群で0.7%、ウパダシチニブ15 mg群で1.2%、ウパダシチニブ30 mg群で2.6%でした。帯状疱疹は、プラセボ群で3例(0.7%)、アダリムマブ群で0例、ウパダシチニブ15 mg群で4例(0.9%)、30 mg群で5例(1.2%)報告されました。すべての投与群において悪性腫瘍が報告され、プラセボ群およびウパダシチニブ15 mg群で1例(0.2%)、アダリムマブ群およびウパダシチニブ30 mg群で3例(0.7%)でした。
静脈血栓症と判定された事象として、プラセボ群で深部静脈血栓症が1件(0.2%)、アダリムマブ群で深部静脈血栓症が2件(0.5%)、ウパダシチニブ30 mg群で肺塞栓症が1件(0.2%)認められ、ウパダシチニブ15 mg群では血栓症は報告されませんでした。ウパダシチニブ投与群では、主要な心血管系イベント(MACE)および死亡例は認められませんでした1。
SELECT-PsA 1試験について1,3
SELECT-PsA 1試験は、1種類以上の非生物学的DMARDsで効果不十分であった活動性乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の成人患者さんを対象に、プラセボおよびアダリムマブと比較し、ウパダシチニブの安全性および有効性を評価するためにデザインされた第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、実薬・プラセボ対照試験です。患者さんは、ウパダシチニブ15 mg群、ウパダシチニブ30 mg群、アダリムマブ40 mg群(隔週)またはプラセボ群に無作為に割り付けられ、24週時にプラセボ群は、ウパダシチニブ15 mgまたはウパダシチニブ30 mgに切り替えられました。
主要評価項目は、投与12週時にACR 20を達成したウパダシチニブ15 mgまたは30 mg投与患者さんの割合とし、プラセボ投与患者さんと比較しました。順位付けされた副次評価項目は、16週時に治験責任医師による乾癬の静的全般的評価(sIGA)が0または1かつベースラインから2ポイント以上の改善を達成した患者さんの割合、16週時にPASI 75を達成した患者さんの割合、24週時のmodified Sharp-van der Heijdeスコアに基づくX線画像上の進行抑制、24週時に最小疾患活動性(MDA)を達成した患者さんの割合、24週時に腱付着部炎の消失が認められた患者さんの割合、12週時の慢性疾患患者の疲労評価スコア(FACIT-Fatigue)の変化量、プラセボとの比較で24週時に指炎の消失が認められた患者さんの割合などとしました。本試験は、長期継続投与期間が継続中です。本試験の詳細はwww.clinicaltrials.gov(NCT03104400)で閲覧可能です。
ウパダシチニブについて
アッヴィの科学者が発見し開発したJAK阻害薬ウパダシチニブは、複数の免疫関連炎症性疾患を対象に研究が進められています2-12。2019年8月に、ウパダシチニブは、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として米国食品医薬品局(FDA)の承認を得ました。また、1種類以上の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)で効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さん、1種類以上のDMARDsで効果不十分または不耐容であった活動性乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の成人患者さんおよび既存治療で効果不十分な活動性強直性脊椎炎(AS)の成人患者さんの治療薬として欧州委員会から承認を得ました。関節リウマチに対して承認されているウパダシチニブの用量は15 mgです。関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です2-5,7-12。乾癬性関節炎(関節症性乾癬)に対するウパダシチニブの使用は承認されておらず、規制当局による本剤の安全性および有効性の評価が行われています。
米国におけるウパダシチニブの使用および重要な安全性情報13
ウパダシチニブは、中等症から重症の関節リウマチを有し、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった成人患者さんの治療を適応とする治療薬です。18歳未満の小児に対するウパダシチニブの安全性および有効性は確立されていません。
ウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報はどのようなものでしょうか?
ウパダシチニブは免疫系が感染症と戦う能力を低下させる可能性がある薬剤です。何らかの感染症が認められる場合は、担当の医療従事者が認めない限り、ウパダシチニブの服用を開始しないでください。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、結核や細菌、真菌またはウイルスが原因となり全身に広がる感染症を含む重篤な感染症が発生しています。これらの感染症による死亡例もあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが結核に感染しているか検査し、ウパダシチニブ投与中に結核の徴候や症状があるか慎重に確認しなければなりません。帯状疱疹を発現するリスクが増加する可能性があります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんで、リンパ腫や皮膚がんを含むその他のがんが発生することがあります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、脚または肺の静脈や動脈に血栓が生じる可能性があります。これにより、生命を脅かす、または死に至る可能性があります。
・胃または腸に裂傷が生じることがあります。また、一部の臨床検査結果に変化が生じることがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与前および投与中に、血液検査を行う必要があります。血液検査の結果に変化が認められた場合、必要に応じて一定期間、ウパダシチニブの投与を中断する可能性があります。
ウパダシチニブの服用開始前にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合、担当の医療従事者に伝えてください。
・感染症の治療を受けている、治らない感染症がある、再発する感染症がある、または次のような感染症の症状がある場合。
○熱、発汗または悪寒
○息切れ
○皮膚の熱感、発赤もしくは疼痛、または身体部位の痛み
○筋肉痛
○疲労感
○血液の混じった痰
○ 下痢または胃痛
○ 咳嗽
○ 体重減少
○ 排尿時の灼熱感または通常より頻繁な排尿
・結核に感染している、または結核患者さんと緊密に接触している場合。
・何らかのがん、B型もしくはC型肝炎、帯状疱疹、脚や肺の静脈血栓、憩室炎(大腸の一部の炎症)、または胃潰瘍もしくは腸の潰瘍の既往歴がある場合。
・肝疾患、血球数低値、糖尿病、慢性肺疾患、HIV、免疫系が弱いなどの他の医学的病態がある場合。
・特定の真菌感染にかかるリスクを増加させる地域、例えばオハイオ川流域、ミシシッピ川流域、南西部に在住、もしくは在住していた、または旅行したことがある場合。これらの地域に行ったことがあるか不確かな場合は、担当の医療従事者にお尋ねください。
・最近ワクチンを接種した、またはワクチン接種を予定している場合。ウパダシチニブを服用する患者さんは、生ワクチンを接種してはいけません。
・妊娠している、または妊娠を計画している場合。動物を用いた試験に基づくと、ウパダシチニブは胎児に害を及ぼすおそれがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが妊娠しているかどうか検査します。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも4週間は、妊娠を避けるため効果的な避妊を行ってください。
・授乳中である、または授乳を予定している場合。ウパダシチニブは母乳に移行する可能性があります。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも6日間は授乳しないでください。
処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントを含む、服用中の薬剤すべてを医療従事者に伝えてください。ウパダシチニブと他剤が互いに影響し合い、副作用を引き起こすおそれがあります。
特に、次の薬剤を服用している場合は、担当の医療従事者に伝えてください。
・真菌感染または細菌感染に対する薬剤
・リファンピシンまたはフェニトイン
・免疫系に影響を及ぼす薬剤
これらの薬剤を服用しているか不確かな場合は、担当の医療従事者または薬剤師にお尋ねください。
ウパダシチニブの服用開始後にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合は、直ちに担当の医療従事者に伝えてください。
・何らかの感染症の症状が認められた場合。ウパダシチニブにより、感染症にかかりやすくなることがあります。また、感染症を悪化させることがあります。
・ウパダシチニブ投与期間中に次のような血栓の徴候または症状を認めた場合。
○腫脹
○原因不明の突然の胸痛
○脚の痛みまたは圧痛
○息切れ
・引かない発熱または治らない腹部の痛みがあった場合、および排便習慣の変化があった場合。
ウパダシチニブの主な副作用は、どのようなものですか?
主な副作用としては、上気道感染(感冒、副鼻腔感染)、悪心、咳嗽、発熱などがあります。この他にもウパダシチニブの副作用が発生する可能性があります。
ウパダシチニブは、1日1回の服用です。食前食後は問いません。錠剤を分割したり、潰したり、砕いたり、噛み砕いたりしないでください。担当の医療従事者の指示通りにウパダシチニブを服用してください。
以上がウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報です。詳しい情報については、担当の医療従事者にご相談ください。処方薬の副作用をFDAに報告することが奨励されています。http://www.fda.gov/medwatch をご覧いただくか、1-800-FDA-1088にお電話ください。
薬剤の支払いが難しい場合は、アッヴィがお手伝いできるかもしれません。詳細については、AbbVie.com/myAbbVieAssist をご参照ください。
詳細な処方情報についてはこちらを、服薬ガイドについてはこちらをクリックしてください。
世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。
米国におけるヒュミラ(アダリムマブ)について
使用14
ヒュミラは処方薬です。本剤の適応は以下のとおりです。
・以下の徴候および症状の軽減:
○成人の中等症から重症の関節リウマチ(RA)。ヒュミラは単剤投与、メトトレキサートとの併用または特定の他の薬剤との併用投与が可能です。ヒュミラは骨および関節への損傷の進行を抑制し、日常生活を送る能力を高める可能性があります。
○2歳以上の小児の中等症から重症の多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎(JIA)。ヒュミラは単剤投与、メトトレキサートとの併用または特定の他の薬剤との併用投与が可能です。
○成人の乾癬性関節炎(関節症性乾癬)。ヒュミラは単剤投与または特定の他の薬剤との併用投与が可能です。ヒュミラは骨および関節への損傷の進行を抑制し、日常生活を送る能力を高める可能性があります。
○成人の強直性脊椎炎(AS)。
○他の特定の薬剤で効果不十分であった成人の中等症から重症のクローン病(CD)における臨床的寛解への到達および維持を目的としたヒュミラの投与は、インフリキシマブに反応しなくなった、または忍容性がない成人における徴候および症状の軽減、ならびに臨床的寛解への到達も目的として使用されます。
○特定の他の治療で効果不十分である6歳以上の小児の中等症から重症のクローン病(CD)における臨床的寛解への到達および維持。
○12歳以上の中等症から重症の化膿性汗腺炎(HS)患者さん。
・成人における、特定の他の治療で効果不十分である中等症から重症の潰瘍性大腸炎(UC)のコントロール(寛解導入)およびコントロールの維持(寛解維持)。抗TNF製剤に反応しなくなった患者さんまたは忍容性がない患者さんに対してヒュミラが有効であるかは不明です。
・全身療法または光線療法の実施が可能で、他の全身療法が適切か否かを判断する担当医師による成人の中等症から重症の慢性尋常性乾癬(Ps)の治療。
・成人および2歳以上の小児の非感染性の中間部(目の中間部)、後部(目の後方部)および汎ぶどう膜炎(目全体)の治療。