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子どもの誤嚥や窒息事故のメカニズム解明に嚥下シミュレータSwallow Vision®を活用

2021年8月24日

株式会社 明治

子どもの誤嚥や窒息事故のメカニズム解明に嚥下シミュレータSwallow Vision®を活用
世界初 子どもが豆を口に入れて走った場合の誤嚥シミュレーションを実施
〜子どもの窒息事故予防に貢献〜

 株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)は、消費者庁消費者安全課からの委託に基づき武蔵野赤十字病院(院長:泉 並木)と共同実施した子どもの気道閉塞シミュレーション結果について、2021年8月19〜21日に開催された「第26・27回 合同学術大会 日本摂食嚥下リハビリテーション学会」にて発表しました。

【発表した内容の結果概要】
(1) 豆の一粒でも破片でも誤嚥や窒息事故が起こりうる(図1)。
(2) 気管内に侵入した豆は右の気管支を閉塞し、臨床的な所見※1と一致していた(図1)。
(3) 豆を口に含んで走る、転がるといった行動をした場合、気道閉塞を引き起こしやすくなる(図2)。


【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/202108249105-O2-t2491czH
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/202108249105-O3-V2pQQybt
図1.豆一粒(左)および破片(右)が気管内に侵入するシミュレーション結果
いずれも右気管支を閉塞した。


【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/202108249105-O6-p8b4OQ93
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/202108249105-O5-J840Zx02
図2.豆を口に入れて走る(左)、転がる(右)行動をした場合のシミュレーション
走ることによる加速度、転がることによる重力方向の変化によって気道閉塞が発生した。

 当社は2021年6月に“栄養”についての考え方や向き合い方を示した「明治 栄養ステートメント」を策定しました。この「明治 栄養ステートメント」では、“栄養”を、当社が提供する商品や情報、サービスの全てと捉え、さまざまな付加価値をのせた多様な“栄養”を提供することで、お客さま一人ひとりの健康と人生の充実への貢献を目指しています。Swallow Vision®に代表される食品を摂取するプロセスに関する研究もこの考えにもとづいた取り組みの一つです。
 今後もこのような研究に取り組むことで、お客さまに寄り添う情報・サービスを “栄養”の一つとして提供し、お客さま一人ひとりの健康と人生の充実に貢献してまいります。

<発表内容>
【演題名】
「子供の気道異物のメカニズムを解明するための嚥下シミュレータSwallow Vision®の活用」
 
【背景】
 Swallow Vision®は、当社と武蔵野赤十字病院が共同開発した世界初の4次元嚥下コンピューターシミュレーションシステムです※2 ※3。通常見ることができない飲み込む時の身体の動きと食品の流れを、コンピューター上でリアリティのある画像として見ることと、仮想の実験(コンピューターシミュレーション)ができます。
 昨年、当社と武蔵野赤十字病院は消費者庁消費者安全課から「嚥下シミュレータを使用した子どもの気道閉塞シミュレーションおよびイメージ動画の制作業務」を共同受託し、今年の節分に向けて食品による気道異物がどうして起きるのかを保護者や教育・保育従事者にわかりやすく伝えるための気道閉塞シミュレーションを実施しました。

【方法】
 シミュレーションは、4歳児の口腔から気管支までの形状と運動をコンピューター上で再現した「生体モデル」と、節分豆の形状と物性をコンピューター上で再現した「食品モデル」を組み合わせることで実施しました。加えて、食品を口に入れた状態で他の行動を起こした場合のシミュレーションを行うために、モーションキャプチャを用いた動作の計測を行い、走ることによる加速度、および床を転がることによる重力方向の変化をシミュレーションに導入しました。

【結果】
 シミュレーションから以下の結果が得られました。
(1) 豆の一粒でも破片でも誤嚥や窒息事故が起こりうる。(図1)。
(2) 気管内に侵入した豆は右の気管支を閉塞し、臨床的な所見※1と一致していた(図1)。
(3) 豆を口に含んで走る、転がるといった行動をすると気道閉塞を引き起こしやすい(図2)。


当社はこれらの研究を商品の開発に生かすとともに、重篤な窒息事故低減に向けた取り組みを継続してまいります。

※1 金子省三, et al. 小児気管支異物の介在側について. 日本気管食道科学会会報, 1982, 33.1: 31-36.
※2 Tetsu Kamiya, Yoshio Toyama, Keigo Hanyu, et al.: Numerical visualisation of physical values during human swallowing using a three-dimensional swallowing simulator ‘Swallow Vision®’ based on the moving particle simulation method. Computer Methods in Biomechanics and Biomedical Engineering: Imaging & Visualization. doi.org/10.1080/21681163.2018.1502689, 2018
※3 Yukihiro Michiwaki, Takahiro Kikuchi, Tetsu Kamiya, et al.: Computational modeling of child’s swallowing to simulate choking on toys. Computer Methods in Biomechanics and Biomedical Engineering: Imaging & Visualization, doi.org/10.1080/21681163.2019.1647458, 2019

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