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コロナ禍においてもBJTビジネス日本語能力テスト 志願者は微増(前年比108.6%)

2021年9月15日
公益財団法人 日本漢字能力検定協会

 BJTビジネス日本語能力テスト(以下、BJT)を主催する公益財団法人 日本漢字能力検定協会(本部:京都市東山区/代表理事 理事長:山崎 信夫/以下、漢検協会)は、2020年度のBJT受験状況について発表いたします。2020年度のBJT志願者数は、5,477人となり、前年より435人(8.6%)増加しました。

全体概況[表1][表2]
 2020年度は新型コロナウイルスの感染が国内外で急拡大した春から初夏にかけて、多くの検定試験と同様に、BJTも一部のテストセンターが閉鎖する事態となりました。一時は安定した試験運営が困難な状況下にありましたが、最終的にBJT志願者数は5,477人(前年比108.6%)と昨年度より微増しました。
 国内と海外それぞれの受験状況としては、国内は3,489人(前年比104.9%)、海外は1,988人(同115.9%)と共に増加しました。なお、志願者数全体に占める国内・海外の志願者数割合は国内63.7%、海外36.3%と、前年の状況(国内66.0%、海外34.0%)よりやや海外の割合が増えました。
 これらのことから、コロナ禍にあってもビジネス日本語の習得に励む外国人の規模には、大きな変化が見られないと言えそうです。

[表1]BJTビジネス日本語能力テスト 2018年度〜2020年度 志願者数(日本国内・海外) ※1 
※1:受験したテストセンター所在地から算出
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202109140012-O1-V7MeUst2

[表2]BJTビジネス日本語能力テスト 国内志願者・海外志願者の割合
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202109140012-O2-zeJh2OHa
コロナ禍でも志願者数が微増した背景
 2020年度志願者を年代別に見ると、[表3]のように23〜30才の年代が59.5%と全体の約6割を占めていることがわかります。続いて多いのは31〜40才の年代(20.5%)で、23才から40才だけで全体の約8割を占めています。このことから、BJTは若手〜中堅のビジネスパーソンに多く受験されていると想像されます。

[表3]BJTビジネス日本語能力テスト 年代別志願者数推移・割合
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202109140012-O3-1oZ22Lz1
 さらに、年代別に過去3年の増減を見てみると23〜30才はおよそ250人ずつ増加、31〜40才はおよそ100人ずつ増加しており、BJT志願者数を押し上げていることがわかりました[表4]。

[表4]BJTビジネス日本語能力テスト 年代別志願者増減数・増減率
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202109140012-O4-c9a0awtr
 受験者の判定レベルを見てみると、全体の30.2%がJ3(限られたビジネス場面で日本語によるコミュニケーション能力がある)と判定され、45.3%がJ2(限られたビジネス場面で日本語による適切なコミュニケ―ション能力がある)と判定されています[表5]。企業においてBJTのスコアやレベルを昇格要件や手当の支給要件に定めているケースもあり[参考]、このような目的での受験はコロナ禍の影響をあまり受けなかったのではないかと考えられます。

[表5]BJTビジネス日本語能力テスト レベル別受験者数・割合
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202109140012-O5-DMTazAt7
[参考]企業での資格活用事例
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202109140012-O6-uDwic5lC

漢検協会担当者コメント
 労働人口の減少が避けられない日本企業において、中長期戦略として外国人採用に取り組まれる企業が
増えてきたと感じます。そのような企業のほとんどは外国人材を特別枠とはせず、日本人と同様に総合職
として受け入れています。外国人材に将来の幹部候補として活躍を期待しているからこそ、社内外で通用
するビジネス日本語能力は採用時の重要な選考基準となるだけでなく、入社後の社員に対しても更なる向
上を期待するとのお話しを伺います。
                  公益財団法人 日本漢字能力検定協会 普及第二部部長 山田乃理子

BJT とは
 BJT は、ビジネス場面で必要とされる日本語コミュニケーション能力を測定するテストです。1996 年
に独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)が開始し、2009 年に漢検協会が日本語能力育成活動の一環と
して継承しました。
 言葉によるコミュニケーションだけでなく、文章や図表、写真による場面など、与えられたすべての情
報を用いて、日本語を理解、運用し、ビジネス上の課題に対して適切に対応する力を測定します。出題は
合計で80 問あり、「聴解」「聴読解」「読解」の3 つのセクションで構成されています。
 BJT のテスト結果はIRT(項目応答理論)に基づいた統計処理により0〜800 点で採点され、J5〜J1+の
6 段階のレベルで評価されます。
 2017 年4 月に現在のCBT(Computer Based Testing)方式に移行。2021 年9 月現在、国内34 都市・海
外18 カ国・1 地域にて実施しています。PBT(Paper Based Testing)方式で実施していた頃は年2 回し
か受験機会がありませんでしたが、現在は受験者の都合に合わせて受験日時と会場を自由に選ぶことが
できます(受験可能日時はテストセンターの営業日時に準じます)。
 また、BJT は在留資格認定の要件(※2)となっている数少ない試験です。就職活動を行う本邦大学卒
業者を対象とする「在留資格(特定活動)」や「在留資格(留学)」等で日本語能力指標に採用されています。

在留資格認定の要件(※2)
●「在留資格認定証明書交付申請」に日本語能力の証明としてBJT スコアを明記できます
(300 点以上でJLPT のN5 以上)
●「留学生の就職支援に係る『特定活動』の要件(本邦大学卒業者)」に認定されています
(480 点以上でJLPT のN1 と同等)
●「高度人材ポイント制」において、BJT スコア480 点以上で15 ポイント(JLPT のN1 と同等)、
400 点以上で10 ポイント(JLPT のN2 と同等)が付与されます
その他、大学における単位認定や留学支援の要件としても活用されています。

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