ゴム材料開発における解析時間を100分の1以下に短縮 〜トヨタ自動車の材料解析クラウドサービスを活用〜
[22/04/12]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
No.2022-32
発行:2022年4月12日
ゴム材料開発における解析時間を100分の1以下に短縮 〜トヨタ自動車の材料解析クラウドサービスを活用〜
住友ゴム工業(株)(社長:山本悟)は、トヨタ自動車株式会社(社長:豊田章男)が事業化に向けて実証実験を進めているクラウド材料解析プラットフォームサービス「WAVEBASE (ウエイブベイス)」を活用し、データサイエンスを駆使することで、ゴム材料開発に重要な先端研究施設から得られるデータの解析プロセスを効率化し、解析時間を100分の1以下に短縮することに成功しました。「WAVEBASE」の活用にあたっては、当社で培ってきたゴムの材料解析における知見をトヨタ自動車と共有し、ゴムの材料解析に最適なプラットフォームのカスタマイズを進めました。
当社は同サービスの継続利用を通し、AIやビッグデータをより効果的に活用することで創造的かつ生産性の高い研究開発環境を整え、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献する安全・安心な高性能タイヤ開発に繋げてまいります。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202204129863-O1-4a2KWGs2】
当社では、かねてより大型放射光施設「SPring-8※1」、大強度陽子加速器施設「J-PARC※2」、スーパーコンピュータなど、世界水準の最先端研究施設を活用した材料開発を行ってきました。計測技術の進化※3や装置の高度化によって、短時間で大量のデータの取得が可能となる中、重要な情報になり得る材料中のわずかな変化に至るまで余すことなく解析することが求められるようになってきました。
一方トヨタ自動車では、同社が持つ自動車に使われる材料開発のために培ってきたデータ処理技術を応用した、様々な材料解析サービスの展開を検討していました。
そこで当社はMI(マテリアルズ・インフォマティクス)による解析力のさらなる向上と、研究開発のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を目的とし、2020年6月よりトヨタ自動車と共同で実証実験を開始し、ゴム材料開発に重要な先端研究施設から得られるデータの解析プロセスを効率化することで、このたび解析時間を100分の1以下に短縮することに成功しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202204129863-O3-0TVEZF0R】 ビッグデータ化に伴う課題
今後当社では「WAVEBASE」を活用し、最先端実験施設での現場でリアルタイム解析を行うほか、さまざまな実験室系分析装置で得られるデータを統合し、ビッグデータとして解析することで、研究開発の効率化・高速化・省力化に繋げます。また従来は気づくことができなかった新たな着眼点を得ることで、独自の材料開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN(アドバンスド フォーディー ナノ デザイン)」を進化させ、さらに安全性能と環境性能を備えたタイヤの開発を目指します。
<住友ゴム工業 研究開発本部 分析センター センター長 岸本浩通コメント>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202204129863-O6-4iMOCbZ1】
住友ゴムでは、量子ビーム施設と大型スーパーコンピュータを活用したタイヤ用新材料の研究開発を通して、環境に配慮した低燃費タイヤの開発を行ってきました。今後、取り組むべきカーボンニュートラルやグリーンイノベーションを達成するためには、これら先端研究施設から得られる大量の実験データと市場情報を結び付けた情報科学との融合による新たな知識獲得を行う必要があります。当社では、2019年にタイヤの使用前後の物性や材料変化を捉える「Tyre Leap AI Analysis」技術を既に開発しています。さらにゴム材料研究を加速させるために、豊富な経験と技術を持つトヨタ自動車と連携することで材料開発のスピードアップが可能と判断し、「WAVEBASE」活用を進めました。今後ますます連携を深め、Society 5.0の実現による持続可能な社会に向けて貢献していきます。
<トヨタ自動車 先進技術開発カンパニー プロジェクト領域 ADPT WAVEBASEプロジェクト
プロジェクト長 庄司哲也氏コメント>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202204129863-O5-Y1xHSq7y】
トヨタ自動車では、日本の産業界の発展に貢献したいという思いから、先端材料技術部と先進プロジェクト推進部とでこれまでに培ってきたMI材料分析データ解析技術の事業化を目指してきました。この度、住友ゴムの量子ビームを活用した最先端研究施設での開発実績に着目し、実証実験パートナーとして声をかけさせていただきました。実証実験では、材料開発の経験やノウハウも踏まえて、階層構造を持つ材料を過不足なく解析するために、計測法の原理に立ち戻り、一つひとつ情報をひも解いていきました。当社は今後、「WAVEBASE」を通して、ご利用者様が普段材料を開発される中で培われた知識と、トヨタ自動車がインフォマティクスを材料開発に適用する中で得られた実践知を融合させ、MIや研究開発DXをフルに活用できるようにお手伝いをさせていただきます。さらに、素材開発を通じて、環境問題をはじめとする社会課題の解決にも繋げてきたいと考えています。
※1 世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設(兵庫県佐用郡佐用町)
※2 最先端研究を行うための陽子加速器群と実験施設群(茨城県那珂郡東海村)
※3 住友ゴムと東北大学がゴム破壊のX線CT撮影の約1,000倍速化に成功〜住友ゴムの新材料開発技術『ADVANCED 4D NANO DESIGN』がさらに進化〜(2021年3月8日発行リリース): https://www.srigroup.co.jp/newsrelease/2021/sri/2021_022.html
■「WAVEBASE」概要
トヨタ自動車が実証実験中のクラウドサービスであり、材料研究・開発における課題、すなわち取得された実験・計測データにおいて、”解析に多大な労力がかかる”、”解析技術が属人的である”、そして”データが点在している”、などの解決を支援します。「WAVEBASE」では、データ活用コンサルティングの提供を通じて、実験・計測データの自動前処理・特徴量抽出とデータ管理基盤を利用者ごとにカスタマイズすることで、開発プロセスに溶け込んだストレスの無いデータ活用を実現し、技術者のクリエイティビティの最大化、さらには組織を超えたデータ活用の実践を後押しします。あらゆる製品の礎である素材の開発サイクルの加速・効率化と、その産業界全体への波及を支援するとともに、カーボンニュートラルを始めとした持続可能な社会の実現に貢献します。
発行:2022年4月12日
ゴム材料開発における解析時間を100分の1以下に短縮 〜トヨタ自動車の材料解析クラウドサービスを活用〜
住友ゴム工業(株)(社長:山本悟)は、トヨタ自動車株式会社(社長:豊田章男)が事業化に向けて実証実験を進めているクラウド材料解析プラットフォームサービス「WAVEBASE (ウエイブベイス)」を活用し、データサイエンスを駆使することで、ゴム材料開発に重要な先端研究施設から得られるデータの解析プロセスを効率化し、解析時間を100分の1以下に短縮することに成功しました。「WAVEBASE」の活用にあたっては、当社で培ってきたゴムの材料解析における知見をトヨタ自動車と共有し、ゴムの材料解析に最適なプラットフォームのカスタマイズを進めました。
当社は同サービスの継続利用を通し、AIやビッグデータをより効果的に活用することで創造的かつ生産性の高い研究開発環境を整え、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献する安全・安心な高性能タイヤ開発に繋げてまいります。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202204129863-O1-4a2KWGs2】
当社では、かねてより大型放射光施設「SPring-8※1」、大強度陽子加速器施設「J-PARC※2」、スーパーコンピュータなど、世界水準の最先端研究施設を活用した材料開発を行ってきました。計測技術の進化※3や装置の高度化によって、短時間で大量のデータの取得が可能となる中、重要な情報になり得る材料中のわずかな変化に至るまで余すことなく解析することが求められるようになってきました。
一方トヨタ自動車では、同社が持つ自動車に使われる材料開発のために培ってきたデータ処理技術を応用した、様々な材料解析サービスの展開を検討していました。
そこで当社はMI(マテリアルズ・インフォマティクス)による解析力のさらなる向上と、研究開発のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を目的とし、2020年6月よりトヨタ自動車と共同で実証実験を開始し、ゴム材料開発に重要な先端研究施設から得られるデータの解析プロセスを効率化することで、このたび解析時間を100分の1以下に短縮することに成功しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202204129863-O3-0TVEZF0R】 ビッグデータ化に伴う課題
今後当社では「WAVEBASE」を活用し、最先端実験施設での現場でリアルタイム解析を行うほか、さまざまな実験室系分析装置で得られるデータを統合し、ビッグデータとして解析することで、研究開発の効率化・高速化・省力化に繋げます。また従来は気づくことができなかった新たな着眼点を得ることで、独自の材料開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN(アドバンスド フォーディー ナノ デザイン)」を進化させ、さらに安全性能と環境性能を備えたタイヤの開発を目指します。
<住友ゴム工業 研究開発本部 分析センター センター長 岸本浩通コメント>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202204129863-O6-4iMOCbZ1】
住友ゴムでは、量子ビーム施設と大型スーパーコンピュータを活用したタイヤ用新材料の研究開発を通して、環境に配慮した低燃費タイヤの開発を行ってきました。今後、取り組むべきカーボンニュートラルやグリーンイノベーションを達成するためには、これら先端研究施設から得られる大量の実験データと市場情報を結び付けた情報科学との融合による新たな知識獲得を行う必要があります。当社では、2019年にタイヤの使用前後の物性や材料変化を捉える「Tyre Leap AI Analysis」技術を既に開発しています。さらにゴム材料研究を加速させるために、豊富な経験と技術を持つトヨタ自動車と連携することで材料開発のスピードアップが可能と判断し、「WAVEBASE」活用を進めました。今後ますます連携を深め、Society 5.0の実現による持続可能な社会に向けて貢献していきます。
<トヨタ自動車 先進技術開発カンパニー プロジェクト領域 ADPT WAVEBASEプロジェクト
プロジェクト長 庄司哲也氏コメント>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202204129863-O5-Y1xHSq7y】
トヨタ自動車では、日本の産業界の発展に貢献したいという思いから、先端材料技術部と先進プロジェクト推進部とでこれまでに培ってきたMI材料分析データ解析技術の事業化を目指してきました。この度、住友ゴムの量子ビームを活用した最先端研究施設での開発実績に着目し、実証実験パートナーとして声をかけさせていただきました。実証実験では、材料開発の経験やノウハウも踏まえて、階層構造を持つ材料を過不足なく解析するために、計測法の原理に立ち戻り、一つひとつ情報をひも解いていきました。当社は今後、「WAVEBASE」を通して、ご利用者様が普段材料を開発される中で培われた知識と、トヨタ自動車がインフォマティクスを材料開発に適用する中で得られた実践知を融合させ、MIや研究開発DXをフルに活用できるようにお手伝いをさせていただきます。さらに、素材開発を通じて、環境問題をはじめとする社会課題の解決にも繋げてきたいと考えています。
※1 世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設(兵庫県佐用郡佐用町)
※2 最先端研究を行うための陽子加速器群と実験施設群(茨城県那珂郡東海村)
※3 住友ゴムと東北大学がゴム破壊のX線CT撮影の約1,000倍速化に成功〜住友ゴムの新材料開発技術『ADVANCED 4D NANO DESIGN』がさらに進化〜(2021年3月8日発行リリース): https://www.srigroup.co.jp/newsrelease/2021/sri/2021_022.html
■「WAVEBASE」概要
トヨタ自動車が実証実験中のクラウドサービスであり、材料研究・開発における課題、すなわち取得された実験・計測データにおいて、”解析に多大な労力がかかる”、”解析技術が属人的である”、そして”データが点在している”、などの解決を支援します。「WAVEBASE」では、データ活用コンサルティングの提供を通じて、実験・計測データの自動前処理・特徴量抽出とデータ管理基盤を利用者ごとにカスタマイズすることで、開発プロセスに溶け込んだストレスの無いデータ活用を実現し、技術者のクリエイティビティの最大化、さらには組織を超えたデータ活用の実践を後押しします。あらゆる製品の礎である素材の開発サイクルの加速・効率化と、その産業界全体への波及を支援するとともに、カーボンニュートラルを始めとした持続可能な社会の実現に貢献します。