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C&W、「アジア・日本における物流不動産の新たな役割〜グローバルサプライチェーンからの考察〜」 を発表

物流レポート日本語版発行

グローバル不動産総合サービス会社のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町、C&W)は、アジア太平洋地域の物流レポート 「アジア・日本における物流不動産の新たな役割〜グローバルサプライチェーンからの考察〜」 を発表しました。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202204210255-O4-X58psK2o
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今後のサプライチェーン構築においては、高まる不確実要因に対応できる強靭性と柔軟性に重点を置く必要があります。不動産の観点からは、産業用不動産への影響が大きいものの、不動産需要はサプライチェーン最適化の副産物であることを忘れてはいけません。まずは最適なサプライチェーンネットワークを設計し、次に不動産要件を実行することが鍵となります。短期的かつ長期的な変革を乗り切るためにも、こうした要因を首尾一貫した枠組みでまとめていくことが最善のアプローチでしょう。

ティム・フォスター (C&W アジア太平洋地域 サプライチェーン&ロジスティクス・アドバイザリー部門統括) は、以下のように述べています。
「世界経済が回復し、テナント企業がサプライチェーンの不安定化を予防するための効果的な施策を模索する中、顧客の需要に応える為にも、より強靭で柔軟で効率的な物流施設を地域内でネットワーク化していくことに重点が置かれはじめています。『アジア対アジア』のアプローチの台頭は、特に東南アジアとインドにおけるサプライチェーン構築を後押しする原動力となっているだけではなく、こうしたネットワーク機能を最適化していくために重要な要因は何かを浮き彫りにしはじめています。」
テクノロジーの破壊的創造、顧客の購買行動、そしてその背景にあるメガトレンドがサプライチェーンや将来的な物流施設の配送網設計に与える影響を考察している本レポートでは、アジア太平洋地域の力強い経済成長及び人口増加の見通しに後押しされ、域内の「地産地消」が増えると予測しています。過去20年間に域内貿易量は3倍以上に増加しました。2030年までに、アジアは世界経済の産出量ベースで40%以上、人口の54%、中流階級の約65%を占めると予想されています。必然的ともいえる域内貿易量の増加は、アジア太平洋地域のサプライチェーンのネットワーク化に大きな影響を与えるとしています。

高塚弘樹 (C&W ロジスティクス&インダストリアルサービス日本責任者) は、次のようにコメントしています。
「当面の国内におけるサプライチェーンに影響を与える要因として、(1)近年頻発している台風や地震による自然災害リスク、(2)新型コロナに代表される感染症リスク、(3)「2024年問題」と言われる時間外規制によるドライバー不足(労働力不足)に代表される供給リスク、などが挙げられます。中長期的にサプライチェーンを最適化するには、輸送手段を多様化しておくこと、在庫を消費地に近くしておくこと(在庫分散化)を実現する拠点再配置などが有効な対策になるでしょう。またこれらの影響として、投資家においても、投資対象となる資産タイプ・エリアも拡大していく可能性があります。」

熊谷真理(C&W リサーチ&コンサルティング日本責任者) は、次のようにコメントしています。
物流コストインフレ下では、物流に対する意識や物流の能力が高い企業、優れた製品を「作る」ことや「売る」ことだけではなく、「運ぶ」ことも、今後の競争力の要諦となっていきます。日本における物流コスト比率はGDP対比9%超と国土の広大な米国(同7.4%)に比べても高いことには留意が必要です。このため、フィジカル・インターネットに代表される物流データの可視化、リアルタイムにデータ共有することで、迅速に需給ギャップを解消するすべとなるサプライ・チェーン・マネジメント構築は急務であり、先進的大型物流施設の立地の重要性はさらに高まっていくでしょう。立地プレミアムが拡大し、中長期的に「売れないものは作らない、運ばない」ことを前提とすれば、全体の賃料動向においても二極化をみこんでおります。

図:フィジカル・インターネットのロードマップ概念図

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202204210255-O1-chK6Nf9K】 
出典:ALICE、経済産業省、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド
注:フィジカルインターネットとは「物流(モノ)データのオンライン共有により結びつけられた社会基盤システムの構築」

近年の電子商取引市場(EC)の急成長は、主要大都市近郊でラストワンマイル向け都市型物流施設の需要を牽引してきました。今後の開発案件では、先端的な技術、自動化、人工知能活用による予測分析などを積極的に採用し、仕入元から消費者までの一貫した在庫管理を滞りなく行い、迅速な注文処理や稼働床面積の生産効率を向上させていくことが不可欠です。情報の透明性やプロセスの持続可能性はますます重要になります。なぜなら、社会全体で環境・社会・ガバナンス(ESG)にかかる目標が掲げられる中、仕入れ先に対しても、健康・安全・労働・環境活動に関する自らの情報開示が求められているからです。

産業用不動産を利用するためのコストが高騰していること、サプライチェーンのネットワーク構築に伴う付加価値およびコストの約80%は設計段階で固まってしまうことなどを踏まえ、C&Wが本レポートで示唆するサプライチェーン成功への重要な検討要素は以下の3点となります。

ネットワークをいかに構築するか
原材料・製品の製造、配送、貯蔵の工程に必要とされる床面積を見積もるだけでなく、複合的な視点が必要とされてきていることに注意が必要です。コロナ前では「ジャスト・イン・タイム」を標榜した配送拠点数の集約・削減が進められてきましたが、コロナ後においては規模の拡大と施設間をつなぐ機敏なネットワーク設計が見込まれます。

物流施設の立地条件
商品の発注から納品に至るまでの時間を正しく理解することにより、求められる立地の条件を明確に定めていくことができます。このためにも、卸売業者向けだけではなく、消費者向け在庫水準をどれだけ維持すべきかを正しく理解することが重要です。

施設の仕様
技術革新のペースが加速していることからも、先端的物流施設の機能も、足並みを合わせてさらに進展し続けなければなりません。施設の設計が先立つのではなく、顧客の需要、ビジネスから求められる要件、求められる工程、フロー、レイアウト、自動化などに従う格好で、将来的な施設は設計されるべきでしょう。

 
新型コロナウイルスの影響から、多くのテナント企業はサプライチェーンにおける予期せぬ変動を数多く経験することとなりましたが、2022年末にかけては、状況の改善も予想されています。今後10年間においても引き続き、半導体などに代表されるテクノロジー製品の製造は拡大し、東南アジアやインドの高い成長に牽引されたサプライチェーンのネットワーク化が進展していく見通しです。

 
「アジア・日本における物流施設の新たな役割〜グローバルサプライチェーンからの考察〜」のダウンロードはこちら。

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