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「健康支援型」道の駅利用で主観的健康感が改善!

〜千葉県「健康支援型」道の駅で産学官共同研究〜

2023年6月29日
パシフィックコンサルタンツ株式会社

パシフィックコンサルタンツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大本修)がPFI事業者として運営する「むつざわスマートウェルネスタウン・道の駅・つどいの郷」(千葉県長生郡睦沢町、千葉県道150号大多喜一宮線沿い)は、外出や人と出会う機会が主観的健康感※1の向上に寄与するという既存の研究結果を踏まえ、2019年度に先進予防型のまちづくりの中核拠点となるべく、温浴施設や広場などを備えた「健康支援型」道の駅として整備されました。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202306236575-O1-1G1a24PC

 この度、その効果検証のため、当社と共同研究を行う千葉大学予防医学センターと千葉県睦沢町が連携し、アンケート調査を実施したところ、「健康支援型」道の駅のような商業施設を整備することで、施設利用者の主観的健康感が改善する可能性が示されました。 
 
本研究では、道の駅整備前の2018年度、整備後の2020年度と2021年度の3時点で65歳以上の要介護認定を受けていない睦沢町内の全高齢者約2,500人を対象にアンケートに回答してもらい、3時点の調査に回答した576人の回答を分析したところ、統計学的な方法で2018年度の状態を両群間で調整した上でも、2020年度に道の駅を利用していた方(344人)では、利用していなかった方(165人)と比較して、2021年度の主観的健康感が悪いと回答した方が約33%少ないことがわかりました。この理由の一部として、道の駅を利用している方では道の駅整備前と比較して、外出や人と出会う機会が増えていたことが確認できました。

当社では引き続き、健康支援型道の駅を運営することで利用者の健康増進に寄与していくほか、道の駅直売所の野菜・果物の摂取を通じた健康的な食生活の推奨や、道の駅と周辺の地域資源を旅することで心と身体を癒やすウエルネスツーリズムの展開等、多様な形での健康支援にも取り組んでいきます。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202306236575-O2-k7teEtPa
図※2 道の駅を利用していない方と比べた利用している方の2021年度の主観的健康感

※1 主観的健康感とは、本人が健康と感じているかを問う指標で、本指標が良好な方は生存率が高いことが明らかになっています。
※2 図では、道の駅を利用していない方と利用している方を比べ、移転前(2018年度)の性別、年齢階級、教育歴、経済的困窮感、独居、主観的健康感の基本属性の影響を統計学的に考慮しました。

 
■ 本研究の背景
千葉県睦沢町では、町民の誰もが、健康を意識せずとも「暮らしているだけで健康になる」まちづくりによって主観的健康感の向上を目指す、先進予防型まちづくりに取り組んでいます。主観的健康感とは、本人が健康と感じているかを問う指標で、本指標が良好な方は生存率が高いことが明らかになっています。その取り組みの1つとして、「外出すること」や「人と会うこと」
が健康感の向上に寄与するという既存の研究結果を踏まえ、2019年度に、先進予防型のまちづくりの中核拠点として、従来の農産物直売所に加え、レストランや温浴施設、防災広場などを備えた「健康支援型」道の駅として、「むつざわスマートウェルネスタウン・道の駅・つどいの郷」をオープンしました。
そこで、この「健康支援型」道の駅を利用することによって、利用者の主観的健康感の改善に効果が出ているのか検証することを本研究の目的としました。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202306236575-O4-H20Pcg0G
図 「健康支援型」道の駅

■分析の対象と方法
本研究では、2019年9月の道の駅整備前の2018年度、整備後の2020年度と2021年度の3時点の睦沢町内高齢者を対象としたアンケート調査回答データを用いて、道の駅整備後に道の駅を利用している方と利用していない方を、多変量解析によって比較しました。目的変数は2021年度調査の主観的健康感の悪さ、説明変数は2020年度調査時点の道の駅利用としました。調整変数は2018年度調査の基本属性(性別、年齢階級、教育歴、経済的困窮感、独居、主観的健康感)と2018、2020年度の外出、社会参加、社会的ネットワークとしました。

■分析結果
対象者576人のうち、道の駅を利用している方は344人(59.8%)、利用していない方は165人(28.6%)でした。道の駅を利用していない方に対して利用している方は、主観的健康感が悪いと回答した方が0.67倍で、統計学的に有意※3に減少していました。
※3 今回のような結果が、たまたま観察される確率を計算したところ5%未満でした。

■研究成果と意義
本研究では、道の駅整備前の影響要因を調整した上で、道の駅を利用している方で主観的健康感が悪いと回答した方が減少、つまり主観的健康感が改善していることが明らかになりました。また、整備された道の駅が「自然に健康になれる環境」の1つとなり、外出や人と出会う機会が増え、主観的健康感を改善しうることが示されたことになります。
本研究は、「健康支援型」道の駅の整備と道の駅利用者の主観的健康感との関係性を検証した初の成果となり、今後の健康支援に関わる施設運営においては大変意義があることと考えています。

■本研究に関する発表論文
熊澤大輔,田村元樹,井手一茂,中込敦士,近藤克則.「健康支援型」道の駅の利用と主観的健康感:3 時点パネルデータを用いた縦断研究.日本公衆衛生雑誌(早期公開)
本研究は、産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)《ゼロ次予防戦略によるWell Active Communityのデザイン・評価技術の創出と社会実装》に基づく共同研究契約の中で行われました。

■本研究に関する発表論文
熊澤大輔,田村元樹,井手一茂,中込敦士,近藤克則.「健康支援型」道の駅の利用と主観的健康感:3 時点パネルデータを用いた縦断研究.日本公衆衛生雑誌(早期公開)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jph/advpub/0/advpub_22-128/_article/-char/ja/ (2023年6月28日閲覧)
本研究は、産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)《ゼロ次予防戦略によるWell Active Communityのデザイン・評価技術の創出と社会実装》に基づく共同研究契約の中で行われました。

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