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アッヴィのベネクレクスタ(R)、慢性リンパ性白血病患者さんに対する無増悪生存期間の維持を引き続き示す

2023年6月29日
アッヴィ合同会社

アッヴィのベネクレクスタ(R)について、慢性リンパ性白血病(CLL)患者さんに対する無増悪生存期間の維持を引き続き示す

・次の2つの試験から得られたデータは、慢性リンパ性白血病(CLL)のさまざまな治療ラインにおけるベネトクラクス固定期間併用療法レジメンの長期的な有効性および安全性を引き続き示す
・第III相CLL14試験の中央値6年後の追跡調査で、併存疾患があり治療歴のないCLL患者さんにおいて、クロラムブシル/オビヌツズマブ併用療法群と比較して、ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法群で無増悪生存期間(PFS)の維持を示す
・第III相MURANO試験の7年後の追跡調査の最終結果において、再発/難治性(R/R)CLL患者さんにおいて、ベンダムスチン/リツキシマブ併用療法群と比較して、ベネトクラクス/リツキシマブ併用療法群でPFSおよび全生存期間(OS)の維持を示す

イリノイ州ノースシカゴ、2023年6月9日(米国時間)−アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、併存疾患があり治療歴のない慢性リンパ性白血病(CLL)および再発/難治性(R/R)CLLにおいて、ベネトクラクス併用療法が長期の安全性および有効性を維持したことを示す新たな結果を発表しました。この結果は、ドイツのフランクフルトで開催される欧州血液学会(EHA)年次総会の口頭演題で発表されます。

アッヴィの血液がん領域のvice presidentであるMariana Cota Stirner, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「CLL14試験およびMURANO試験から得られた結果から、ベネトクラクス固定期間併用療法は、CLL患者さんにとって長期にわたる有用性を示しているともいえます。今回の結果は、現在の血液がん治療のあり方を進化させるという我々のコミットメントを強調するものであり、治療終了後もベネトクラクスの効果が長期間持続しうることを示すものです」

CLL14試験の長期解析
第III相CLL14試験の新たな6年後の追跡調査結果から、併存疾患があり治療歴のないCLL患者さんにおける最新の成果が報告されました。ベネトクラクス/オビヌツズマブ固定期間併用療法を受けた患者さんにおいて、PFSの改善が維持され[95%信頼区間(CI):0.31〜0.52、ハザード比(HR):0.40]、微小残存病変陰性(uMRD)の割合は、ベネトクラクス/オビヌツズマブ固定期間併用療法群においてクロラムブシル/オビヌツズマブ併用療法群よりも高い結果になりました(それぞれ53.1%および21.7%)。

また、本解析データから、次の治療開始までの期間(TTNT)は、ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法群で有意に改善し65.2%(95%CI:0.33〜0.58、HR:0.44)であったのに対し、クロラムブシル/オビヌツズマブ併用療法群では37.1%でした1。ベネトクラクス併用療法と化学免疫療法との間で認められたPFSおよびTTNTに関する効果の差は、CLLの高リスクな分子特性を有する患者さんを含むすべてのリスクグループで認められました。

この6年後の追跡調査に基づく解析では、新たな安全性のシグナルは確認されませんでした。ベネトクラクス併用療法群で特に高頻度にみられたグレード3の有害事象(2%以上)は、好中球減少症、血小板減少症、注入に伴う反応(治療期間中)、貧血、発熱性好中球減少症、肺炎および白血球減少症でした1。

CLL14試験の治験医師であり、ドイツのケルン大学病院の血液学・腫瘍学者(hematologist-oncologist at the University Hospital Cologne in Germany)、かつGerman CLL Study Groupの担当医師(study physician at the German CLL Study Group)であるOthman Al-Sawaf, M.D.は、次のように述べています。「最新の知見では、治療終了から5年後という長期間にわたって患者さんが病勢コントロールを維持できうることが示されました。ベネトクラクス/オビヌツズマブ固定期間併用療法は、併存疾患があり治療歴のないCLL患者さんにとって有用な治療法であることが裏付けられました」

今回の結果はEHAの記者会見でも取り上げられる予定です。

MURANO試験の長期解析
第III相MURANO試験の最終データによると、追跡調査期間の中央値が7年となった時点で、2年間のベネトクラクス/リツキシマブ固定期間併用療法を受けたR/R CLL患者さんにおいて、主要評価項目であるPFSの中央値は、ベンダムスチン/リツキシマブ併用療法群では17.0ヵ月(95%CI:15.5、21.7、HR:0.23)に対して、54.7ヵ月(95%CI:52.3、59.9)と有意な延長が認められました2。

7年間の生存率は、ベネトクラクス併用療法群で69.6%(95%CI:62.8、76.5)であったのに対し、ベンダムスチン併用療法群では51%(95%CI:43.3、58.7、HR:0.53)でした2。さらに、2年間のベネトクラクス併用療法を完了した患者さんの大部分が治療終了時にuMRDを達成し(70.3%)、MRDが認められた患者さん(29.7%)と比較し、PFSおよびOSの改善を示しました。

ベネトクラクス/リツキシマブ併用療法の安全性プロファイルは、各剤の単剤投与時に確認されている安全性プロファイルと一致していました。MURANO試験の最新解析では、新たな重大な安全上の問題は認められませんでした。グレードを問わず特に高頻度でみられた副作用(20%以上)は、好中球減少症、下痢、上気道感染、疲労および悪心でした。

治験医師であり、メルボルンのピーター・マッカラムがんセンター/ロイヤルメルボルン病院の血液内科部長(Director of the Integrated Haematology Department of the Peter MacCallum Cancer Center and the Royal Melbourne Hospital)であるJohn Seymour教授は、次のように述べています。「7年経過した時点で、R/R CLL患者さんのuMRDとPFS延長との関連性が見うけられることを、嬉しく思います。全体として、これらの成果はR/R CLL患者さんへのベネトクラクス/リツキシマブ併用療法の使用を引き続き後押しするものです」

ベネトクラクスは、アッヴィとロシュ社が開発を行っています。米国ではアッヴィとロシュグループの一員であるジェネンテック社が共同販売しており、米国以外ではアッヴィが販売しています。

第 III 相 CLL14 試験について1,3
前向き多施設共同非盲検無作為化第III相CLL14試験は、German CLL Study Group(GCLLSG)との綿密な連携の下で実施し、併存疾患があり[累積疾患評価尺度(CIRS)のスコアが6超またはクレアチニンクリアランスが70 mL/min未満]、治療歴のないCLL患者さんを対象に、ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用レジメン(n=216)の有効性および安全性を、クロラムブシル/オビヌツズマブ併用レジメン(n=216)との比較により評価しました。ベネトクラクスは、投与期間を12ヵ月に固定して、6サイクルのオビヌツズマブ投与と併用しました。本試験には432名の患者さんが登録され、いずれの患者さんも、International Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemia(iwCLL)基準に従った、治療歴のない患者さんでした。有効性は、独立評価委員会の評価によるPFSに基づいて評価しました。

主要な副次評価項目として、末梢血中および骨髄中のMRDの割合、奏効率および完全奏効率、完全奏効例での末梢血中および骨髄中のMRD、ならびに全生存率を評価しました。

ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法を受けたCLL患者さんにおいて、特に高頻度にみられたグレード3以上の有害事象(2%以上)は、好中球減少症(51.9%)、血小板減少症(14.2%)、注入に伴う反応(9.0%)、貧血(7.5%)、発熱性好中球減少症(4.2%)、肺炎(3.8%)および白血球減少症(2.4%)でした。特に高頻度に認められた重篤な副作用は、発熱性好中球減少症および肺炎(いずれも5%)でした。グレードを問わず特に高頻度にみられた副作用(20%以上)は、好中球減少症(60%)、下痢(28%)および疲労(21%)でした。患者さんの2%(212名中4名)で、試験治療の最終投与後28日以内に発現した、病勢進行を伴わない致死的な副作用が報告され、そのほとんどが感染症でした。

第 III 相 MURANO 試験について2,4
国際多施設共同非盲検無作為化第III相MURANO試験には、一つ以上の前治療歴があるR/R CLL患者さん計389名が登録されました。この試験は、ベネトクラクス/リツキシマブ併用療法(n=194)の有効性および安全性を、ベンダムスチン/リツキシマブ併用療法(n=195)との比較により評価することを目的としたものです。本試験の患者さんの年齢中央値は65歳(範囲:22〜85歳)でした。

本試験では、主要有効性評価項目である治験医師の評価によるPFSが達成されました。初回解析の時点で、PFSの中央値はベネトクラクス/リツキシマブ併用療法群で未到達であったのに対し、ベンダムスチン/リツキシマブ併用療法群では17.0ヵ月(HR:0.17、95% CI:0.11〜0.25、p<0.0001)でした。初回有効性解析では、PFSに関する追跡調査期間の中央値は23.8ヵ月でした(範囲:0〜37.4ヵ月)。これ以外の有効性評価項目として、独立評価委員会(IRC)の評価によるPFS、治験医師およびIRCの評価による奏効率(完全奏効+骨髄回復が不完全な完全奏効+部分奏効+結節性部分奏効)、生存率、MRD陰性達成率を設定しました。

ベネトクラクス/リツキシマブ併用療法を受けたCLL患者さんで特に高頻度にみられた重篤な副作用(5%以上)は肺炎(9%)でした。グレードを問わず特に高頻度にみられた副作用(20%以上)は、好中球減少症(65%)、下痢(40%)、上気道感染(39%)、疲労(22%)および悪心(21%)でした。患者さんの2%(194名中4名)で、ベネトクラクスの最終投与後30日以内および/またはリツキシマブの最終投与後90日以内に、病勢進行を伴わない致死的な副作用が報告されました。

ベネトクラクスについて
ベネトクラクスは、B細胞リンパ腫2(BCL-2)タンパク質に対し、選択的に結合および阻害するファーストインクラスの薬剤です。一部の血液がんでは、BCL-2がアポトーシスと呼ばれるがん細胞の自然死または自己破壊の過程を阻止します。ベネトクラクスは、BCL-2タンパク質を標的とし、アポトーシスの過程を回復させる作用があります。

ベネトクラクスは、アッヴィとロシュ社が開発を行っています。米国ではアッヴィとロシュグループの一員であるジェネンテック社が共同販売しており、米国以外ではアッヴィが販売しています。これらの企業が共同でBCL-2研究に取り組んでおり、種々の血液がんおよび他のがんを対象に、複数の臨床試験でベネトクラクスを評価しています。ベネトクラクスは、米国を含め80を超える国で承認されています。

がん分野におけるアッヴィについて
アッヴィでは、複数の血液がんの標準治療の変革に取り組むとともに、多様ながん種に対する治験薬の開発を積極的に推進しています。献身的で経験豊富な当社のチームは、革新的なパートナーと協力し、画期的新薬となり得る製品の開発促進に努めています。当社は、世界で最も罹患者が多く、また最も消耗性が高いがん種に対し、20種類を超える治験薬を300件超の臨床試験で評価しています。当社の事業の目的は、人々の人生を豊かにすることです。そのため、患者さんが当社のがん治療薬にアクセスすることができるよう、ソリューションの探求にも取り組んでいます。詳細については、http://www.abbvie.com/oncologyをご覧ください。

アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、ウイルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.comをご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、Instagram、YouTubeやLinkedInでも情報を公開しています。

References:
1.Al-Sawaf O, et al. Venetoclax-Obinutuzumab for previously untreated chronic lymphocytic leukemia: 6-year results of the randomized CLL14 study. Abstract No. S145. Presented orally at European Hematology Association 2023 Hybrid Congress, Frankfurt, Germany, June 8-11.
2.Arnon P Kater, et al. Final seven-year follow-up and retreatment substudy analysis of MURANO: Venetoclax-rituximab (VenR)-treated patients with relapsed with relapsed/refractory chronic lymphocytic leukemia (R/R CLL). Abstract No. S201. Presented orally at European Hematology Association 2023 Hybrid Congress, Frankfurt, Germany, June 8-11.
3.Fischer K, et al. Venetoclax and obinutuzumab in patients with CLL and coexisting conditions. N Engl J Med. 2019;380:2225-2236.
4.Seymour JF, et al. Venetoclax-rituximab in relapsed or refractory chronic lymphocytic leukemia. N Engl J Med. 2018;378(12):1107-1120

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