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夏もやっぱり火の用心!

〜アウトドア調理時のNG行動〜

 いよいよ夏本番。本格的なアウトドアシーズンを迎えるにあたり、安全にキャンプやバーベキューを楽しんでいただくため、独立行政法人製品評価技術基盤機構[NITE(ナイト)、理事長:長谷川 史彦、 本所:東京都渋谷区西原]はアウトドア調理時の火の扱いに関しての注意喚起を行います。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O9-i0Kk888G
 カートリッジガスこんろの周りをブロックで囲う様子        過熱されたボンベの接続部から漏れたガスに引火した様子

 近年、青空の下で開放的な時間を楽しめることからアウトドアレジャーがブームとなっています。株式会社矢野経済研究所によると、国内のアウトドア用品・施設・レンタル市場規模は2025年度には約3700億円に達するという予測も出ております。
 そんなアウトドアレジャーの楽しみのひとつが、キャンプ飯やバーベキューなどのアウトドア調理です。しかし、アウトドア調理時にガス製品 (※1) や炭、着火剤などを誤った使い方をしてしまうと、一瞬のうちに発火や破裂などの大きな事故につながるおそれがあり、注意が必要です。
 特に「ガストーチ」や「カートリッジガスこんろ」などのガスを燃料とする製品では、毎年多くの事故が発生しており、NITEに通知された製品事故情報 (※2) では、2017年度から2022年度の間に合計154件ありました。事故事象の多くは『漏れたガスに引火した』ケースと『過熱されたガスカートリッジが破裂した』ケースの2つで、やけど等の被害が発生しています。

 アウトドア調理時の火の扱いで気を付けるポイントを確認し、安全に楽しく夏を楽しみましょう。

(※1)本資料では、アウトドア調理時に使用するガス製品として、「ガスカートリッジ」、「ガストーチ」、「カートリッジガスこんろ」を対象としています。
(※2)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故や  ヒヤリハット情報(被害なし)を含みます。

 
アウトドア調理時の火の扱いで気を付けるポイント
ガス製品の使用前に気を付けること
○製品とガスカートリッジの接続部に劣化や汚れがないか、正しく接続できているか確認する。
○点火前に異音や異臭がしないかをチェックし、ガス漏れしていないことを確認する。

ガス製品の使用中に気を付けること
○こんろ全体を覆うような大きな鍋や鉄板など放射熱の大きな調理器具は使用しない。
○ガスカートリッジが過熱されるような、誤った使い方をしない。

炭の使用時に気を付けること
〇カートリッジガスこんろを使って炭の火おこしをしない。
〇ガストーチを使用する際は、大きく傾けて使用しない。
〇一度火を点けたら、着火剤の継ぎ足しをしない。

 
1. 国内アウトドア市場の規模の推移
 国内アウトドア用品・施設・レンタル市場の規模は2021年度から増加傾向にあり、2025年度には約3700億円に達すると予測されております(※3)

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O7-3Nm5oHVO

(※3)
出典:株式会社矢野経済研究所「アウトドア用品・施設・レンタル市場に関する調査(2022年)」(2022年11月10日発表)
 注:アウトドア用品・施設・レンタル市場は、アウトドア用品(アパレル・用具)市場とアウトドア施設市場、アウトドア用品レンタル市場の合算値。アパレル市場及び用具市場は、メーカー出荷金額ベースで、施設市場は宿泊費を含む施設利用料ベース(施設でのレンタル料や物販売上高は含まない)で、レンタル市場はアウトドアレンタル事業者及び施設運営事業者のレンタルサービス利用料ベースで算出した。2022年度は見込値、2023年度以降は予測値。

 
2.アウトドア調理時に使用するガス製品の火の扱いについて
(1)ガス製品の事故発生件数
 NITE に通知された製品事故情報のうち、2017 年度から 2022年度に発生したガス製品の事故 154件について、年度別の事故発生件数を図2に示します。2020年度以降、増加傾向にありますが、特にガストーチの事故件数が増加しています。バーベキューやキャンプでの火おこしや炙り料理などで使用される機会が増えたことと、海外製の粗雑な作りの製品が市場に多く出回ったことが要因と考えられます。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O8-R346xUni

 
(2)事故事象区分
 ガス製品の事故154件のうち、調査が完了して原因が判明している76件の事故を対象に、事象別・被害別の事故発生件数を表1に示します。ガス製品の事故事象は大きく『漏れたガスに引火』、『ガスカートリッジが過熱されて破裂』の2つに分けられます。事故件数が多い事象は『漏れたガスに引火』で、やけど等の被害と被害者数が多い事象は『ガスカートリッジが過熱されて破裂』となっています。

 
表1: 事象別・被害別の事故発生件数(※4)        ()は被害者数
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O1-w4uK3858

(※4)製品本体のみの被害にとどまらず周囲の製品や建物などにも被害を及ぼすことを「拡大被害」としています。

 
(3)事象別の製品区分
 『漏れたガスに引火』した事故55件、『ガスカートリッジが過熱されて破裂』した事故13件について、それぞれの製品別の事故発生件数を図3に示します。製品別で見ると、『漏れたガスに引火』した事象は「ガストーチ」で多く発生し、『ガスカートリッジが過熱されて破裂』した事象は「カートリッジガスこんろ」で多く発生しています。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O6-0119GP35

 
(4)事象別の原因区分
 『漏れたガスに引火』した事故55件、『ガスカートリッジが過熱されて破裂』した事故13件について、それぞれの原因別の事故発生件数を図4と図5に示します。『漏れたガスに引火』した事故の原因は製品の不具合によるもの(=ガス製品の使用前の問題)が多く、『ガスカートリッジが過熱されて破裂』した事故の原因は、ほとんどが誤使用・不注意によるもの(=ガス製品の使用中の問題)が多いです。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O5-0B840X0W
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O20-QMn9Nqw9

     
ガス製品の使用前に気を付けること
購入時は、各事業者(製造・輸入・販売)の連絡先を確認する。
 製品の不具合によってガス漏れを引き起こした事故の中には、事業者が不明なものもあり、特にインターネットでの購入では、事業者に問い合わせようとしても連絡先が不明な場合があります。製品を選ぶ際には、事業者の連絡先が確かなことを一つの基準としてください。

接続部の劣化や汚れがないか確認する。
 ガス製品とガスカートリッジを接続したときに気密性が保たれるために付いているOリングが長期間使用によって劣化すると、気密性を保てずにガスが漏れる原因となってしまうことがあります。使用前にしっかりと目で見て、変形や傷がないかを確認しましょう。 また、接続部周辺に小さな砂利やごみが付着していることでも、接続部を傷つけたり隙間ができたりする原因になるので、使用前に汚れがないかも合わせて確認してください。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O21-CV29aV2x
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O22-47qr9ciC

機器にガスカートリッジが正しく接続できることを確認する。
 ガスカートリッジを接続する際は、取扱説明書の指示に従って正しく接続してください。誤って接続された状態で使用すると、ガスが漏れ、火災に至るおそれがあります。接続後に異音や異臭などがある場合、ガスが漏れているおそれがあります。直ちに使用を中止してください。機器の破損が考えられる場合、購入店や製造事業者に問い合わせてください。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O23-9oV8c5ty

点火の前に、異音や異臭がしないかを確認する。
 Oリングや接続部の異常は目視では確認し難いこともあります。そのため、接続時に、ガスの漏れる音(シューという異音)や臭いがしないかを確認してください。

     
ガス製品を使用中に気を付けること
放射熱の大きな調理器具は使用しない。
 カートリッジガスこんろに対して、こんろ全体を覆うような大きな鍋や鉄板などの放射熱の大きな調理器具は使用しないでください。鉄部からの放射熱(鉄部から発生した熱)によってガスカートリッジが過熱され、内圧上昇によりガスカートリッジが破裂するおそれがあります。また、プラスチック製バルブが溶けると、ガス漏れが発生することで引火につながったり、引火した炎がガスカートリッジをさらに過熱することで破裂につながったりするおそれもあります。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O33-MkiqC6w6

ガスカートリッジが過熱されるような誤った使い方をしない。 
 ガス製品を使う際に、風で火が消えないようにする目的でボンベの周囲をレンガやコンクリートブロックなどを風防代わりに囲ってしまうと、熱がこもり、ガスカートリッジが過熱されることで破裂するおそれがあります。調理器具の大きさや種類だけでなく、取扱説明書で禁止されている誤った使い方をしないように気を付けてください。また、ごとくを裏返しにして保管していたカセットこんろをそのまま使用するなどして、ごとくの位置が上下逆さ状態のまま火を点けてしまうと、火が内側に回り込んでガスカートリッジを過熱する原因になるので、大変危険です。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O31-aNS756Xx

ガスカートリッジは、熱源のそばに置かない。
 ガスカートリッジには燃料として可燃性ガスが使用されています。ガストーチやガスカートリッジをこんろや焚き火などの熱源のそばに放置してしまうと、破裂のおそれがあり、大変危険です。自動車内や砂浜、アスファルトの上など直射日光の当たる場所にも注意しましょう。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O26-dlRv851E

炭の使用時に気を付けること
炭の火おこしをする際は、カートリッジガスこんろを使用しない。
 カートリッジガスこんろを用いて炭の火おこしをしてしまうと、炭の熱によってガスカートリッジが過熱され、内圧上昇によりガスカートリッジが破裂するおそれがあります。
 火おこしは、着火剤や火おこし器、ガストーチなどを用いてそれぞれの取扱説明書に従って正しく行ってください。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O29-LQn5934L

 
ガストーチで炭の火おこしをする際は、大きく傾けない。
 ガストーチには、カセットボンベを大きく傾けたり、逆さにしたりしても使用できるタイプの製品と、使用できないタイプの製品があります。傾けて点火し異常燃焼どちらのタイプであっても、点火時に傾けると異常燃焼のおそれがあるため、点火はカセットボンベを立てた状態で行ない、点火後はそれぞれのタイプに応じた取扱説明書で定めている使い方をしてください。異常燃焼が生じた場合はすぐにカセットボンベを立てた状態に戻してください。大きく傾けて使用できないタイプの製品を傾けすぎると、異常燃焼が生じて大きく燃え上がり、やけどを負うおそれがあります。使用中の傾ける角度は、取扱説明書に指示がある場合を除き、45度以内を目安としてください。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O30-jTHMzRjY

 
一度火を点けたら、着火剤の継ぎ足しをしない。
 すでに火が点いている炭に着火剤を継ぎ足した場合、大きな炎が上がり、やけどや火災に至るおそれがあります。絶対に着火剤の継ぎ足しはしないでください。特に、ゼリー状の着火剤の主原料は揮発性が高く、青白い炎で見えにくいため、注意が必要です。
 また、消毒用のアルコール除菌スプレー等も揮発性が高く引火しやすいため、バーベキューこんろや焚き火などの熱源の近くでは使用しないでください。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O28-3Ff6e5nD

 
今回の注意喚起動画はこちら
>>NITE公式 YouTube
カートリッジガスこんろ「3.風防で囲むことの危険」
【動画:https://www.youtube.com/watch?v=EdK1BWWMTNE

 
【せいあんちゃんねる】「まちがい探し〜BBQ編」
【動画:https://www.youtube.com/watch?v=pmoqf9TxOvM

     

一般消費者用検索ツール「SAFE-Lite」のご紹介  
 NITEはホームページで製品事故に特化したウェブ検索ツール「SAFE-Lite(セーフ・ライト)」のサービスを行っております。製品の利用者が慣れ親しんだ名称で製品名を入力すると、その名称(製品)に関連する事故の情報が表示されます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307247403-O32-52O734hv
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-lite.html

 
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE) 製品安全センターの概要
 NITE 製品安全センターには、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に毎年1千件以上の事故情報が寄せられます。製品安全センターでは、こうして収集した事故情報を公平かつ中立な立場で調査・分析して原因究明やリスク評価を行っています。原因究明調査の結果を公表することで、製品事故の再発・未然防止に役立てています。

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