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牛乳購入者に聞く、「日本の酪農の実態認知に関する調査(2023)」

この夏の牛乳の値上げの認知は約4割弱に留まるも、酪農家への支援等を理由に認知者の76.3%が値上げを受容

2023年7月31日
一般社団法人中央酪農会議

牛乳購入者に聞く、「日本の酪農の実態認知に関する調査(2023)」
この夏の牛乳の値上げの認知は約4割弱に留まるも、
酪農家への支援等を理由に
認知者の76.3%が値上げを受容

 一般社団法人中央酪農会議(所在地:東京都千代田区)は、日本国内の牛乳の購入者1,030人を対象に「日本の酪農の実態認知に関する調査」を行いました。その結果、この夏の「牛乳の値上げ」を認知している購入者は34.7%で、そのうち76.3%は値上げを受容していました。牛乳購入者の68.2%が「日本の酪農経営の危機」を認知し、そのうち56.7%が「酪農の衰退」を心配しています。また、牛乳購入者の86.7%は「酪農家を応援したいと思う」と答えています。公益財団法人日本農業研究所の矢坂雅充研究員は、「生産者と消費者のみなさん、行政が連携し、日本の酪農を支えていくことが求められています」とコメントしています。

調査結果サマリー
酪農家の経営危機を認知しているのは、牛乳購入者の約7割。認知者は値上げや酪農の衰退が不安
●日本の酪農経営が「危機的状況にある」ことを認知しているのは68.2%。
●酪農家の経営危機を知って感じたのは、「牛乳・乳製品の価格が上がらないか心配」(59.2%)、「日本の酪農の衰退が心配」(56.7%)、「酪農家の生活が心配」(51.7%)、「牛乳・乳製品が今後も手に入るか不安」(46.1%)。

牛乳値上げを34.7%が認知。うち76.3%は「値上げ」もやむなしと受け入れ姿勢
●この夏の「牛乳の値上げ」の認知者は34.7%。値上げの理由として、「飼料価格の値上がりのため」(84.4%)、「エネルギー価格の上昇のため」(64.6%)、「酪農家の経営難のため」(42.8%)が挙げられている。
●乳価の値上げを認知している人のうち、76.3%が「値上げを受け入れられる」と回答。受け入れる理由として「酪農家の経営が苦しいから」(60.7%)、「日本の酪農を支える必要があるから」(53.3%)と経営難や日本の酪農維持のために受容。

酪農家を応援したい牛乳購入者は9割。
応援方法は牛乳・乳製品の「購入を増やす」「レシピを活用」
●日本の酪農家を「応援したい」と思う牛乳購入者は86.7%。
●応援する方法は、牛乳・乳製品の「購入量を増やす」77.2%、「レシピを活用」36.1%、「酪農について調べる」16.0%。

牛乳購入者に聞く、「日本の酪農の実態認知に関する調査(2023)」調査概要 
■実施時期:2023年7月14日(金)〜7月15日(土)
■調査手法:インターネット調査
■調査対象:国内の牛乳購入者20代〜60代男女1,030人
■調査主体:一般社団法人中央酪農会議調べ
★構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
★集計結果は令和2年(2020年)国勢調査の結果に基づき、日本国内の居住者の性・年代の人口構成比に合わせてウェイトバックして集計しています。

日本農業研究所・矢坂雅充研究員 
「生産者と消費者のみなさん、行政が連携し、日本の酪農を支えていくことが求められています」

牛乳購入者に聞く、酪農経営の認知状況 
酪農家の経営危機を認知しているのは牛乳購入者の約7割
認知者は「牛乳・乳製品の値上げ」や「酪農の衰退」が不安
 日常的に牛乳を購入している20代〜60代の男女1,030人を対象に調査を行いました。
まず、日本の酪農家の経営が危機的状況にあることを知っているかと聞くと、20.9%が「よく知っている」、47.3%が「まあ知っている」と答え、全体の68.2%が日本の酪農家の経営が危機的状況にあることを認知しています[図1]。
 知っていると答えた702人に、日本の酪農家の危機的状況を知ってどう感じたかと聞くと、「牛乳・乳製品の価格が上がらないか心配」(59.2%)、「日本の酪農の衰退が心配」(56.7%)、「酪農家の生活が心配」(51.7%)といった声が挙げられました[図2]。生活に直結する牛乳・乳製品の値上げだけでなく、日本の酪農の存続を心配する声が多く挙がっています。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307317627-O1-Wv91K1G1

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307317627-O2-C0LrQN0D

この夏の牛乳の値上げを3人に1人が認知
値上げの理由は「飼料値上がり」「エネルギー値上がり」「酪農経営難」と理解
 次に、この夏に予定されている牛乳の値上げについて聞くと、34.7%が「値上げすることを知っている」と答えました[図3]。
 乳価の値上げを知っていると答えた357人に値上げの理由となると思うことを聞くと、「飼料価格の値上がり」(84.4%)が最も多く、次いで「エネルギー価格の上昇」(64.6%)、「酪農家の経営難」(42.8%)の順となりました[図4]。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307317627-O3-D9d39xbt
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307317627-O4-303oINWO

 
牛乳購入者に聞く、牛乳値上げの受容
値上げ認知者の76.3%は乳価の値上げを「受け入れられる」と回答
値上げを受け入れる人の半数以上は「酪農家の支援」が理由に
 乳価の値上げを知っていると答えた357人に今回の値上げを受け入れられるかと聞くと、28.3%が「受け入れられる」、48.0%が「まあ受け入れられる」と答え、あわせて76.3%が値上げを受け入れられると答えました[図5]。(※)小数第2位以下を四捨五入しています。?
 値上げを受け入れられる理由を聞くと、「ほかの商品も値上がりしているから」(74.8%)に次いで、「酪農家の経営が苦しいから」(60.7%)を挙げ、半数以上が「日本の酪農を支える必要があるから」(53.3%)と答えています[図6]。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307317627-O5-KKJGzbwo

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307317627-O6-dym97Z83
酪農家を応援したい牛乳購入は9割
応援方法は「牛乳・乳製品の購入を増やす」「レシピを活用」
 改めて全員に、日本の酪農家を応援したいと思うか聞いたところ、86.7%が「思う」と答えました[図7]。応援したいと答えた893人にどのような行動で応援したいかと聞くと、「牛乳・乳製品の購入量を増やす」(77.2%)が最も多く、次いで「牛乳・乳製品を使うレシピを活用する」(36.1%)、「酪農について調べる」(16.0%)が挙げられました。少数ながらも「酪農について会話する」(6.8%)、ソーシャルの時代らしく「酪農についてSNSで投稿する」(6.0%)といった意見も挙げられました[図8]。牛乳・乳製品を購入したり、家族や友人と会話したりするなど、身近なことから酪農家の応援につなげることが可能です。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307317627-O7-a4I692YM
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牛乳購入者に聞く、日本の酪農家への応援
牛乳購入者の9割が「国産牛乳」を選択、「安全」「おいしい」「新鮮」だから
 日本国内の牛乳はほぼ国産品で占められていますが、もしも国産品と輸入品で選べると仮定した場合に、国産品と輸入品のどちらが良いと思うか質問しました。 78.2%が「国産品が良い」、13.2%が「どちらかというと国産品が良い」と答え、全体の91.3%が国産品を選ぶと答えました(※)[図9]。国産品を選ぶ理由を聞くと、「安全性が高そうだから」(74.5%)、「美味しそうだから」(49.6%)、「新鮮そうだから」(43.8%)が上位に挙げられました[図10]。(※)小数第2位以下を四捨五入しています。?

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307317627-O9-RaRi6A6Y

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生産者と消費者のみなさん、行政が連携し、日本の酪農を支えていくことが求められています。
 多くの牛乳購入者が酪農家の経営危機を知り、理解を深めていることが分かる調査結果となりました。普段購入している牛乳・乳製品を通じて、酪農経営の厳しい状況が自分自身の生活と関連する出来事として理解されていることが伝わってきます。
 高い品質の牛乳を今後も安定的に購入できるようにするためには、適正な価格で牛乳を購入し、酪農経営を支えることが不可欠です。そして、加工向けを含めて全国の生乳生産量が相当程度維持されることが必要です。
 生産者と消費者のみなさん、行政が連携し、日本の酪農を支えていくことが求められています。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307317627-O11-13OqY262

公益財団法人 日本農業研究所
経済学博士 矢坂 雅充(やさかまさみつ) 研究員
主な研究課題は、日本の酪農・乳業政策と食品の安全・信頼性確保政策。WTO体制下での日本の酪農・乳業政策を、多様な観点から分析している。また、農業を核とした循環型社会システム、農業の多面的機能、農産物の価格変動リスク対応策などの研究を進めている。
前職は東京大学大学院経済学研究科准教授。

 

 

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