関東大震災から100年 災害に強い日本社会を支える多文化共生と「共助」のあり方
[23/08/18]
提供元:共同通信PRワイヤー
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〜フード・ダイバーシティから考える防災と備蓄〜セミナー・パネルディスカッション実施リポート公開
8月18日
尾西食品株式会社
アルファ米等の長期保存食を製造・販売している尾西食品株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長 古澤紳一 ※以下、尾西食品)主催のメディアセミナーならびに専門家・有識者によるパネルディスカッションのイベントを実施しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202308178156-O9-N0JJGg6Z】
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202308178156-O7-Nvp7014W】
〜災害時の支援活動・在宅備蓄の重要性 セミナー〜
第1部は、尾西食品の代表取締役社長、古澤紳一の挨拶の後、登壇者3名によるセミナーを実施しました。
◎予想される大都市災害に備えて・在宅備蓄の重要性
まず、慶應義塾大学情報環境学部准教授、大木聖子先生(※以下、大木先生)より、地震学の立場から、「大都市災害への備えと在宅備蓄の重要性」についてお話しいただきました。
歴史的に見ると、関東での巨大地震は約200年周期で発生しており、特に後半の100年の間に、マグニチュード7前後の大地震が頻発しているといいます。今年は関東大震災から100年となりますが、「これからの100年の防災が大変重要である」ということ、そして、「地震は対策ができる」と大木先生は話します。防災は進化しているものの、さらに在宅避難を安全にするためには、「自宅の耐震補強や家具の転倒防止などの対策が必要。また、食糧備蓄、トイレ、衛生・生活用品を十分に備えておいてほしい」と伝えました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202308178156-O1-zY2Rhc74】
◎災害時の支援活動・ムスリムの非常食は一切なかった
続いて、日本イスラーム文化センター 事務局長、クレイシ・ハールーン 氏(※以下、ハールーン氏)が事務長を務めるマスジド大塚は、東日本大震災発生直後から、被災地に食料を届ける支援を行ってきました。行政やボランティアの人が立ち入れない東北の地域までバスで駆け付け、高齢者らにおにぎりを配布。現地の住民は涙を流して喜んでいたといいます。当時は非常食はポピュラーではなく、ハラール食も一切なかったため、困難を強いられたといいます。現在、慶應義塾大学とフードドライブを立ち上げ、生活困窮者などへの食糧支援を続けているハールーン氏は、「困ったときには皆で助け合う、『共助』の教えがムスリムにはある」と教えてくださいました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202308178156-O2-CWvqDmcE】
◎増加する在日外国人・多文化共生は進んでいるか
最後は、公益財団法人かながわ国際交流財団/ネパール政府公式通訳者、ジギャン・クマル・タパ 氏(※以下、タパ氏)にお話しいただきました。在日ネパール人は現在14万人ほどで急増していますが、生活や言語の面で不安を抱える人も多いといいます。
東日本大震災時に東北で被災したネパール人は、避難所にいても、「食べられるものがない」「何が入っているかわからない」ということで、生活もままならず、タパ氏は、238名の避難民をバスで東京に避難させました。実情を知らない人からは、「ヒンズー教でも、何も食べずに死ぬよりはましでしょう?」と、聞かれることもあったそうです。タパ氏は、ネパール語の防災マニュアルの作成や、地域のネットワークを活用しながら、自分たちの身を守るための防災の取り組みをすすめてきました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202308178156-O3-sS11nD6G】
〜「フードダイバーシティから考える防災と備蓄」パネルディスカッション〜
第2部では、慶應義塾大学総合政策学部 准教授 野中 葉先生(※以下、野中先生)、一般社団法人日本フードアナリスト協会ヴィーガンフードアナリスト 岩田絵弥曄氏(※岩田氏)も加わり、尾西食品広報室室長、栗田雅彦がファシリテーターとなり、5名のパネリストによるパネルディスカッションが行われました。
冒頭では、ムスリムの現状や動向について、野中先生にお話を伺いました。現在、日本に暮らすイスラム教徒は20-23万人と言われています。ここ10年で倍増しており、インドネシア、マレーシアの訪日観光客も含めると年間で約100万人のムスリムの来日が想定されるといいます。
野中先生は、「宗教や信条を持つのが当たり前の諸外国に比べ、日本では多様な考え方が受け入れられにくい。」と話します。ムスリムへの知識は高まっているものの、「ハラール認証がなければ食べない」「炊き出しの豚汁はおいしいから食べられるだろう」という偏見もあり、食事の考え方が異なることへの理解は、まだ途上だということがわかります。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202308178156-O5-coq9v6mp】
また、野中先生は、「食品の中にどんなものが入っているか開示し、選択の権利を与えることが重要」そして、「英語表記ができない場合は、アレルギー対応で行われているのと同様に、食品表示を※ピクトグラムにするとよい」と意見を述べられました。(※Pictogram一般に「絵文字」「絵単語」などと呼ばれ、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号、サイン)
続いて、岩田氏から、ヴィーガンの世界動向について、お話を伺いました。「そもそもヴィーガンとは何か?」という説明があり、外国では公式の場でのベジタリアンメニュー採用など、世界的にヴィーガン食を推奨する流れがあるということがわかりました。2020年の東京オリンピック開催やコロナ禍での健康志向の増加、環境問題への関心の高まりなどをきっかけに、日本のレストランでもグルテンフリー、ベジタリアンメニューの需要が拡大しています。「日本でも潜在的にヴィーガンメニューがあれば食べたいという願望のある人が増えている」と岩田氏。ますます菜食への注目度が高まっていることを伝えました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202308178156-O4-96Y9d102】
パネルディスカッションのテーマとして、相手を知ることの重要性、また、防災における「自助」「共助」「公助」、そして、フード・ダイバーシティを進めるために、私たちは何から始めればいいのか、などいくつかのトピックについて、意見交換をしました。
〜防災を「手段」として外国人が地域とつながりを持つこと〜
ダイバーシティと一概に言っても、日本人の理解が薄いことから、誤解や偏見を生んでいるケースは少なくありません。各パネリストの経験や活動から感じたことについて、意見をいただきました。
大木先生は、地域の留学生の存在について言及し、「災害が起きてはじめて、地域の中に実は留学生や外国人がたくさん住んでいることを知る。」と話し、また、「外国人が地域の避難訓練やコミュニティに参加し、防災を『手段』として、地域や人と結びついていくことは、サステナブルな活動と言えるのではないか。」と、意見をいただきました。
〜外国人も戦力になる!防災の「自助」「公助」「共助」の考え方〜
自治体は「公助には限界があり、行政に頼り切らずに自分の事は自分で備える「自助」と地域防災の「共助」の必要性」を強く伝えています。フードダイバーシティと「自助」「公助」「共助」の関係について、各パネラーに伺いました。
ハールーン氏は、「以前は、一般の人が行政相談をするのが難しかったが、最近は地域のためにできることはあるかと訪ねられることもあり、役所も変わってきた。」と話します。 タパ氏は、「外国人も支援する側の戦力になることを知ってほしい。行政がキーパーソンを活用し、お互いに顔の見える関係になることが大切。外国人も社会を変える原動力になれば。」と伝えました。
また、過去に保育士経験のある岩田氏は、「震災時、アレルギー対応食が自治体には十分にあったが、必要な人のところに行き渡りにくかった。専門家との連携も必要で、アレルギー対応やヴィーガン食は現状では手に入りにくいため、人が多く集まる空港、駅、ホテルなどにも準備が必要」と話しました。
野中先生は多文化共生の観点から、「ハールーン氏が話したように、ムスリムには『共助』が組み込まれている。必要としている人に寄付をする『喜捨(きしゃ)』は、信徒誰もが行うこと。日本の場合は政府や自治体に公助を委ねることが多かったが、コロナ禍や災害を機に、日本社会でも『共助』を見直すきっかけになれば。」そして、「食べるものを自由に選択し、誰もがアクセスできる言語や情報開示が重要。」「助けたり助けられたりする共助の社会ができれば、災害にも対応できるのではないか。」と話しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202308178156-O10-8a4Af4uA】
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〜災害に強い日本社会であるために必要なこと〜
最後に、フードダイバーシティを理解するために、私たちが目指すべき防災のあり方について、大木先生に伺いました。
日本の耐震技術や地震研究は世界でも先進的に進んでいますが、多様性という点においては、遅れているのが現状だと言います。大学で研究をする中でも、外国人側を日本人が助けるばかりではなく、共助の対象であるという視点を、留学生から学んだと話してくださいました。そして、「防災は大切な人と場所を作ること」「主体的にアクションを起こすことで共助が生まれ、人々が気づきを得た社会はレジリエントの高い社会になるのではないか。」と心強いご意見をいただきました。
今回は、5名の有識者の方々のご経験にもとづく貴重な意見を伺い、改めて「防災と食の多様性」について、備蓄企業としてできることは何か、考えさせられる機会となりました。「多文化共生」の知識だけでなく、信仰や信条、生活様式、食事の違いなど、多文化共生への正しい理解をすすめ、ともに助け合う社会を目指すことが、災害時の「共助」にも繋がるのではと思います。
尾西食品は引き続き、「誰一人取り残さない、安心安全の非常食」を通じ、社会課題の取り組みもすすめてまいります。
【開催概要】
尾西食品主催メディア向け特別セミナー・パネルディスカッション
『関東大震災から100年 フード・ダイバーシティから考える防災と備蓄』
日 時:2023年 8月 9日(水)13:00−15:20
場 所:日比谷国際ビルコンファレンススクエア8階
主 催:尾西食品株式会社
内 容 :
【第1部】セミナー
開会挨拶 尾西食品株式会社 代表取締役社長 古澤 紳一/広報室室長 栗田 雅彦
慶應義塾大学 環境情報学部 准教授 大木聖子氏『大都市災害への備え・在宅備蓄の重要性』
日本イスラーム文化センター 事務局長 クレイシ・ハールーン 氏 『ムスリムの観点から、被災時の支援活動について』
公益財団法人かながわ国際交流財団/ネパール政府公式通訳者 ジギャン・クマル・タパ 氏
『来日・在日外国人の増加・地域防災の取り組みと課題』
【第2部】パネルディスカッション『関東大震災から100年 フード・ダイバーシティから考える防災と備蓄』
メディア質疑応答 / パネリスト&聴講者&メディアによるハラール非常食の試食会 15:20 終了
<登壇者・パネリスト>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202308178156-O6-d2uDlxtU】
(※左から)
慶應義塾大学 環境情報学部 准教授 大木 聖子(おおき さとこ)氏
日本イスラーム文化センター 事務局長 クレイシ・ハールーン 氏
公益財団法人かながわ国際交流財団/ネパール政府公式通訳者 ジギャン・クマル・タパ 氏
慶應義塾大学総合政策学部 准教授 野中 葉(のなか よう) 氏
一般社団法人日本フードアナリスト協会ヴィーガンフードアナリスト 岩田絵弥曄(いわた えみか)氏
※登壇者詳細はこちら
■尾西食品株式会社
・事業内容:長期保存食の製造と販売 ・代表取締役社長:古澤 紳一
・所 在 地:〒108-0073東京都港区三田3-4-2いちご聖坂ビル3階
・URL:https://www.onisifoods.co.jp/
8月18日
尾西食品株式会社
アルファ米等の長期保存食を製造・販売している尾西食品株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長 古澤紳一 ※以下、尾西食品)主催のメディアセミナーならびに専門家・有識者によるパネルディスカッションのイベントを実施しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202308178156-O9-N0JJGg6Z】
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〜災害時の支援活動・在宅備蓄の重要性 セミナー〜
第1部は、尾西食品の代表取締役社長、古澤紳一の挨拶の後、登壇者3名によるセミナーを実施しました。
◎予想される大都市災害に備えて・在宅備蓄の重要性
まず、慶應義塾大学情報環境学部准教授、大木聖子先生(※以下、大木先生)より、地震学の立場から、「大都市災害への備えと在宅備蓄の重要性」についてお話しいただきました。
歴史的に見ると、関東での巨大地震は約200年周期で発生しており、特に後半の100年の間に、マグニチュード7前後の大地震が頻発しているといいます。今年は関東大震災から100年となりますが、「これからの100年の防災が大変重要である」ということ、そして、「地震は対策ができる」と大木先生は話します。防災は進化しているものの、さらに在宅避難を安全にするためには、「自宅の耐震補強や家具の転倒防止などの対策が必要。また、食糧備蓄、トイレ、衛生・生活用品を十分に備えておいてほしい」と伝えました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202308178156-O1-zY2Rhc74】
◎災害時の支援活動・ムスリムの非常食は一切なかった
続いて、日本イスラーム文化センター 事務局長、クレイシ・ハールーン 氏(※以下、ハールーン氏)が事務長を務めるマスジド大塚は、東日本大震災発生直後から、被災地に食料を届ける支援を行ってきました。行政やボランティアの人が立ち入れない東北の地域までバスで駆け付け、高齢者らにおにぎりを配布。現地の住民は涙を流して喜んでいたといいます。当時は非常食はポピュラーではなく、ハラール食も一切なかったため、困難を強いられたといいます。現在、慶應義塾大学とフードドライブを立ち上げ、生活困窮者などへの食糧支援を続けているハールーン氏は、「困ったときには皆で助け合う、『共助』の教えがムスリムにはある」と教えてくださいました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202308178156-O2-CWvqDmcE】
◎増加する在日外国人・多文化共生は進んでいるか
最後は、公益財団法人かながわ国際交流財団/ネパール政府公式通訳者、ジギャン・クマル・タパ 氏(※以下、タパ氏)にお話しいただきました。在日ネパール人は現在14万人ほどで急増していますが、生活や言語の面で不安を抱える人も多いといいます。
東日本大震災時に東北で被災したネパール人は、避難所にいても、「食べられるものがない」「何が入っているかわからない」ということで、生活もままならず、タパ氏は、238名の避難民をバスで東京に避難させました。実情を知らない人からは、「ヒンズー教でも、何も食べずに死ぬよりはましでしょう?」と、聞かれることもあったそうです。タパ氏は、ネパール語の防災マニュアルの作成や、地域のネットワークを活用しながら、自分たちの身を守るための防災の取り組みをすすめてきました。
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〜「フードダイバーシティから考える防災と備蓄」パネルディスカッション〜
第2部では、慶應義塾大学総合政策学部 准教授 野中 葉先生(※以下、野中先生)、一般社団法人日本フードアナリスト協会ヴィーガンフードアナリスト 岩田絵弥曄氏(※岩田氏)も加わり、尾西食品広報室室長、栗田雅彦がファシリテーターとなり、5名のパネリストによるパネルディスカッションが行われました。
冒頭では、ムスリムの現状や動向について、野中先生にお話を伺いました。現在、日本に暮らすイスラム教徒は20-23万人と言われています。ここ10年で倍増しており、インドネシア、マレーシアの訪日観光客も含めると年間で約100万人のムスリムの来日が想定されるといいます。
野中先生は、「宗教や信条を持つのが当たり前の諸外国に比べ、日本では多様な考え方が受け入れられにくい。」と話します。ムスリムへの知識は高まっているものの、「ハラール認証がなければ食べない」「炊き出しの豚汁はおいしいから食べられるだろう」という偏見もあり、食事の考え方が異なることへの理解は、まだ途上だということがわかります。
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また、野中先生は、「食品の中にどんなものが入っているか開示し、選択の権利を与えることが重要」そして、「英語表記ができない場合は、アレルギー対応で行われているのと同様に、食品表示を※ピクトグラムにするとよい」と意見を述べられました。(※Pictogram一般に「絵文字」「絵単語」などと呼ばれ、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号、サイン)
続いて、岩田氏から、ヴィーガンの世界動向について、お話を伺いました。「そもそもヴィーガンとは何か?」という説明があり、外国では公式の場でのベジタリアンメニュー採用など、世界的にヴィーガン食を推奨する流れがあるということがわかりました。2020年の東京オリンピック開催やコロナ禍での健康志向の増加、環境問題への関心の高まりなどをきっかけに、日本のレストランでもグルテンフリー、ベジタリアンメニューの需要が拡大しています。「日本でも潜在的にヴィーガンメニューがあれば食べたいという願望のある人が増えている」と岩田氏。ますます菜食への注目度が高まっていることを伝えました。
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パネルディスカッションのテーマとして、相手を知ることの重要性、また、防災における「自助」「共助」「公助」、そして、フード・ダイバーシティを進めるために、私たちは何から始めればいいのか、などいくつかのトピックについて、意見交換をしました。
〜防災を「手段」として外国人が地域とつながりを持つこと〜
ダイバーシティと一概に言っても、日本人の理解が薄いことから、誤解や偏見を生んでいるケースは少なくありません。各パネリストの経験や活動から感じたことについて、意見をいただきました。
大木先生は、地域の留学生の存在について言及し、「災害が起きてはじめて、地域の中に実は留学生や外国人がたくさん住んでいることを知る。」と話し、また、「外国人が地域の避難訓練やコミュニティに参加し、防災を『手段』として、地域や人と結びついていくことは、サステナブルな活動と言えるのではないか。」と、意見をいただきました。
〜外国人も戦力になる!防災の「自助」「公助」「共助」の考え方〜
自治体は「公助には限界があり、行政に頼り切らずに自分の事は自分で備える「自助」と地域防災の「共助」の必要性」を強く伝えています。フードダイバーシティと「自助」「公助」「共助」の関係について、各パネラーに伺いました。
ハールーン氏は、「以前は、一般の人が行政相談をするのが難しかったが、最近は地域のためにできることはあるかと訪ねられることもあり、役所も変わってきた。」と話します。 タパ氏は、「外国人も支援する側の戦力になることを知ってほしい。行政がキーパーソンを活用し、お互いに顔の見える関係になることが大切。外国人も社会を変える原動力になれば。」と伝えました。
また、過去に保育士経験のある岩田氏は、「震災時、アレルギー対応食が自治体には十分にあったが、必要な人のところに行き渡りにくかった。専門家との連携も必要で、アレルギー対応やヴィーガン食は現状では手に入りにくいため、人が多く集まる空港、駅、ホテルなどにも準備が必要」と話しました。
野中先生は多文化共生の観点から、「ハールーン氏が話したように、ムスリムには『共助』が組み込まれている。必要としている人に寄付をする『喜捨(きしゃ)』は、信徒誰もが行うこと。日本の場合は政府や自治体に公助を委ねることが多かったが、コロナ禍や災害を機に、日本社会でも『共助』を見直すきっかけになれば。」そして、「食べるものを自由に選択し、誰もがアクセスできる言語や情報開示が重要。」「助けたり助けられたりする共助の社会ができれば、災害にも対応できるのではないか。」と話しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202308178156-O10-8a4Af4uA】
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〜災害に強い日本社会であるために必要なこと〜
最後に、フードダイバーシティを理解するために、私たちが目指すべき防災のあり方について、大木先生に伺いました。
日本の耐震技術や地震研究は世界でも先進的に進んでいますが、多様性という点においては、遅れているのが現状だと言います。大学で研究をする中でも、外国人側を日本人が助けるばかりではなく、共助の対象であるという視点を、留学生から学んだと話してくださいました。そして、「防災は大切な人と場所を作ること」「主体的にアクションを起こすことで共助が生まれ、人々が気づきを得た社会はレジリエントの高い社会になるのではないか。」と心強いご意見をいただきました。
今回は、5名の有識者の方々のご経験にもとづく貴重な意見を伺い、改めて「防災と食の多様性」について、備蓄企業としてできることは何か、考えさせられる機会となりました。「多文化共生」の知識だけでなく、信仰や信条、生活様式、食事の違いなど、多文化共生への正しい理解をすすめ、ともに助け合う社会を目指すことが、災害時の「共助」にも繋がるのではと思います。
尾西食品は引き続き、「誰一人取り残さない、安心安全の非常食」を通じ、社会課題の取り組みもすすめてまいります。
【開催概要】
尾西食品主催メディア向け特別セミナー・パネルディスカッション
『関東大震災から100年 フード・ダイバーシティから考える防災と備蓄』
日 時:2023年 8月 9日(水)13:00−15:20
場 所:日比谷国際ビルコンファレンススクエア8階
主 催:尾西食品株式会社
内 容 :
【第1部】セミナー
開会挨拶 尾西食品株式会社 代表取締役社長 古澤 紳一/広報室室長 栗田 雅彦
慶應義塾大学 環境情報学部 准教授 大木聖子氏『大都市災害への備え・在宅備蓄の重要性』
日本イスラーム文化センター 事務局長 クレイシ・ハールーン 氏 『ムスリムの観点から、被災時の支援活動について』
公益財団法人かながわ国際交流財団/ネパール政府公式通訳者 ジギャン・クマル・タパ 氏
『来日・在日外国人の増加・地域防災の取り組みと課題』
【第2部】パネルディスカッション『関東大震災から100年 フード・ダイバーシティから考える防災と備蓄』
メディア質疑応答 / パネリスト&聴講者&メディアによるハラール非常食の試食会 15:20 終了
<登壇者・パネリスト>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202308178156-O6-d2uDlxtU】
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慶應義塾大学 環境情報学部 准教授 大木 聖子(おおき さとこ)氏
日本イスラーム文化センター 事務局長 クレイシ・ハールーン 氏
公益財団法人かながわ国際交流財団/ネパール政府公式通訳者 ジギャン・クマル・タパ 氏
慶應義塾大学総合政策学部 准教授 野中 葉(のなか よう) 氏
一般社団法人日本フードアナリスト協会ヴィーガンフードアナリスト 岩田絵弥曄(いわた えみか)氏
※登壇者詳細はこちら
■尾西食品株式会社
・事業内容:長期保存食の製造と販売 ・代表取締役社長:古澤 紳一
・所 在 地:〒108-0073東京都港区三田3-4-2いちご聖坂ビル3階
・URL:https://www.onisifoods.co.jp/