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肝がん予防のための患者層別化マーカーを発見

−血中MYCNで肝がん再発予防薬の効果を予測−

2024年2月28日
理化学研究所
岐阜大学
東京慈恵会医科大学

肝がん予防のための患者層別化マーカーを発見 −血中MYCNで肝がん再発予防薬の効果を予測−
概要
 理化学研究所(理研)生命医科学研究センター細胞機能変換技術研究チームの秦咸陽研究員、鈴木治和チームリーダー、岐阜大学大学院医学系研究科消化器内科学の清水雅仁教授、白上洋平講師、東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座の越智小枝教授、古谷裕講師らの国際共同研究グループは、血中MYCN[1]が、世界初の肝がん(肝臓がん)再発予防薬として期待される「非環式レチノイド[2](一般名:ペレチノイン)」の治療応答性を予測する患者層別化バイオマーカーであることを発見しました。
 本研究成果は、肝がん治療後の再発を予防する補助療法の開発において、個別化医療に向けた非環式レチノイドの早期臨床応用に貢献すると期待できます。
 これまで非環式レチノイドは、日本発の肝がん再発予防薬として3回の第?/?相臨床試験[3]が実施されましたが、承認には至っていません。その理由の一つとしてノンレスポンダー(不応答者)の存在が挙げられます。
 今回、国際共同研究グループは血中MYCNの定量に成功し、肝がんの長期予後の予測マーカーとして同定しました。さらに、非環式レチノイドの第?相臨床試験の後ろ向き研究[4]により、血中MYCNは非環式レチノイドのレスポンダー患者の選別バイオマーカーとして有用であることを証明しました。
 本研究は、科学雑誌『International Journal of Cancer』オンライン版(2月21日付:日本時間2月21日)に掲載されました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202402287170-O2-SgnwLAfi】 研究概要
背景                                  
 2020年に世界全体の肝がん死亡者数は83万人を超え、ステージ1であっても5年生存率は70〜80%と予後不良です注1)。肝がん根治術後の再発率は、術後1年目までで30.1%、3年目までで62.3%、5年目までで79.0%と報告されています。根治的治療後1〜2年以内の早期再発は肝内転移再発が中心であり、2〜4年以降の長期再発は多中心性再発(de novo発がん)が中心であることが知られています注2)。領域がん化[5]という概念によると、最初に肝がんが発症した時点で、肝内には高がん化状態の細胞集団(クローン)がすでに存在すると考えられます。これらの細胞はがん幹細胞[6]と呼ばれ、少数でありながら腫瘍を形成する能力を有し、多中心性再発の原因であると考えられます。
 非環式レチノイドは、1981年に岐阜大学の武藤泰敏教授(当時)が発表した環状構造を持たないビタミンA類縁体で、肝がん治療後の患者に投与すると、2年以後の肝がんの再発が抑制されたことから、肝がん再発予防薬として期待されています注3、4)。一方、これまでの臨床試験から、非環式レチノイドによる肝がん再発予防効果が低いノンレスポンダー(不応答者)がいることが分かっており、実用化における課題になっています。
 秦研究員らはこれまでに、肝がん腫瘍組織中ではがん遺伝子MYCNの発現が隣接非がん部組織より有意に高く、MYCNの発現が高いほど肝がん再発率が高いことを明らかにしました。また、非環式レチノイドが、MYCN陽性肝がん幹細胞を選択的に肝臓から除去することを示しました注5)。従って、患者のMYCN発現量から、非環式レチノイドの効果を投与前もしくは投与後の早い段階で予測できる可能性があります。本研究では、臨床検体を用いて、MYCN遺伝子発現量と相関のある血中MYCN量から、肝がん予後および非環式レチノイドの治療効果を予測することを目指しました。
注1) Sung H, Ferlay J, Siegel R, et al. Global Cancer Statistics 2020: GLOBOCAN Estimates of Incidence and Mortality Worldwide for 36 Cancers in 185 Countries. CA Cancer J Clin. 2021; 71(3):209-49. doi: 10.3322/caac.21660
注2)  Imamura H, Matsuyama Y, Tanaka Y, et al. Risk factors contributing to early and late phase intrahepatic recurrence of hepatocellular carcinoma after hepatectomy. J Hepatol. 2003; 38(2):200-7. doi: 10.1016/s0168-8278(02)00360-4
注3) Muto Y, Moriwaki H, Omori M. In vitro binding affinity of novel synthetic polyprenoids (polyprenoic acids) to cellular retinoid-binding proteins Jpn J Cancer Res [Gann]. 1981; 72(6):974-7.
注4)  Muto Y, Moriwaki H, Ninomiya M, et al. Prevention of second primary tumors by an acyclic retinoid, polyprenoic acid, in patients with hepatocellular carcinoma. Hepatoma Prevention Study Group N Engl J Med. 1996; 334 (24):1561-7. doi: 10.1056/NEJM199606133342402
注5)  2018年4月24日プレスリリース「非環式レチノイドによるMYCN陽性肝がん幹細胞の排除」https://www.riken.jp/press/2018/20180424_1/index.html
研究手法と成果                             
 本研究では、市販のELISAキット[7]を用いて血中MYCNを定量しました。肝がん患者と健常者、肝がん外科切除を受けた患者の血清検体を用いて、肝がんバイオマーカーとして血中MYCNの有用性を検討しました。その結果、肝がん患者の血中MYCNは健常者より有意に高く、肝がん外科切除後に有意に減少しました(図1)。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202402287170-O3-yPLun65u】 図1 血中MYCN量と肝がんとの関連
(A)健常者(15症例;青)と肝がん患者(18症例;赤)の血清検体中のMYCN量。肝がん患者の血中MYCN量は健常者より有意に高かった。
(B)肝がん患者(20症例)の外科切除手術前と約1カ月後の血清検体中のMYCN量。肝がん外科切除後に血中MYCN量が有意に減少した。
(A)、(B)のグラフの縦軸の質量単位「pg」はピコ(pは1兆分の1)グラム。
 次に、経皮的ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法もしくは切除術などの根治治療を受けた肝がん患者の血清検体を用いて、MYCNと既存の肝がん腫瘍マーカーAFPの比較を行いました。血中MYCNは、肝がんの腫瘍ステージと関連性が認められなかったのに対し、肝予備能[8]マーカーであるALBIスコア[9]や、肝線維化マーカーである血小板数と強い相関が見られました。一方、血中AFPは肝がんの腫瘍ステージに依存的に増加し、ALBIスコアや血小板数とは有意な相関が見られませんでした。さらに根治治療後4年以上の長期予後との関連において、血中AFPとは全く相関が見られないのに対し、血中MYCNが高い肝がん患者の長期予後は有意に悪いことが分かりました(図2)。従って、MYCN発現が腫瘍細胞だけでなく、前がん病変組織の肝機能と線維症を調節する発がん微小環境シグナルにも関連することが示唆され、MYCN陽性細胞はde novo発がん[10]の起源であり、肝がん根治治療後の長期再発リスク因子であると考えられます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202402287170-O4-IbHaYgT6】 図2 血中MYCN量と肝がん予後との関連
(A)血中AFPが高い患者(14症例;赤)と血中AFPが低い患者(14症例;青)の間には、4年以上の長期予後に有意な差がなかった。
(B)血中MYCNが高い患者(14症例;赤)の4年以上の長期予後は、血中MYCNが低い患者(14症例;青)よりも有意に悪いことが分かる。
 さらに、非環式レチノイドの第?相臨床試験に参加した患者の投与前と4週間投与後の血清検体を用いて、血中MYCNと非環式レチノイドの治療応答性との相関を調べました。非環式レチノイドを4週間投与された患者では、投与の前後で血中MYCN量は変化しませんでした。一方、投与後1年目の再発群では、投与前と投与後の血中MYCN量および投与前後の血中MYCN量の倍率変化が非再発群より有意に高いことが分かりました。同様な相関はプラセボ(偽薬)群では見られませんでした。
 全追跡期間(18.5カ月)の肝がん予後を解析したところ、非環式レチノイド群とプラセボ群の2群間の予後において有意な差が見られませんでした。Cox回帰分析[11]では、血中MYCNは、最も有意に相関する肝がん再発リスク因子として同定されました。Kaplan-Meier生存解析[11]では、プラセボ群ではなく、非環式レチノイド群でのみ血中MYCN倍率変化と肝がん再発との有意な相関が確認できました(図3)。すなわち、非環式レチノイドを4週間投与後に血中MYCN量が増加しない患者は、非環式レチノイドのレスポンダー(応答者)であることが示唆されました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202402287170-O5-tt8btS63】 図3 血中MYCN量倍率変化と非環式レチノイドの治療効果との関連
(A)プラセボ投与前と4週間後の血中MYCN量の倍率変化が1.3以上(6症例;赤)と1.3以下(27症例;青)の患者の間に、投与後肝がん再発には有意な差がなかった。
(B)非環式レチノイド投与前と4週間投与後の血中MYCN量の倍率変化が1.3以上(8症例;赤)の患者の再発率は、倍率変化が1.3以下(27症例;青)の患者より有意に高かった。
今後の期待                               
 本研究では、血中MYCN量を測定することで、肝がん予後を予測するコンパニオン診断[12]が可能になることが示唆されました。今後は、肝がん再発の抑制を目的とした世界初の薬剤承認を目指すため、MYCNを患者層別化マーカーとして非環式レチノイドの有効性を評価する医師主導治験[3]に向けて準備していきます。
 MYCNの測定・評価方法が確立し体外診断用医薬品として承認されれば、肝がんの再発や予後を予測する新たなバイオマーカーとして臨床現場で使用できるようになり、肝がん患者の予後改善に寄与できるものと期待できます。
謝辞                               
 この論文の出版に当たり、理化学研究所生命医科学研究センター肝がん予防研究ユニットユニットリーダー(研究当時)であり、東京医科歯科大学大学院連携教授、東京慈恵会医科大学客員教授、および南京大学医学院兼任教授を歴任された故小嶋聡一先生(1961〜2019)のご尽力とご指導に感謝申し上げます。
論文情報                                
<タイトル>Serum MYCN as a predictive biomarker of prognosis and therapeutic response in the prevention of hepatocellular carcinoma recurrence
<著者名>Qin XY, Shirakami Y, Honda M, Yeh SH, Numata K, Lai YY, Li CL, Wei F, Xu Y, Imai K, Takai K, Chuma M, Komatsu N, Furutani Y, Gailhouste L, Aikata H, Chayama K, Enomoto M, Tateishi R, Kawaguchi K, Yamashita T, Kaneko S, Nagaoka K, Tanaka M, Sasaki Y, Tanaka Y, Baba H, Miura K, Ochi S, Masaki T, Kojima S, Matsuura T, Shimizu M, Chen PJ, Moriwaki H, Suzuki H
<雑誌>International Journal of Cancer
<DOI>10.1002/ijc.34893
補足説明                                
[1] MYCN:特定のDNA配列に結合して標的遺伝子の発現を制御する転写因子MYCファミリーの一つ。MYCN(ミックエヌ)遺伝子は、神経芽腫の発生に関わるなど、がん遺伝子として知られる。
[2] 非環式レチノイド:世界初の肝がん再発化学予防候補薬(開発コード名はNIK-333)として第?相臨床試験を実施してきたが、承認には至っていない。非環式レチノイドが作用する肝がん幹細胞の特異的分子標的の解明は重要な課題になっている。
[3] 臨床試験、医師主導治験:臨床試験とは、新しい医薬品もしくは医療機器の製造販売の承認申請をするために行われる、人を対象とした治験のこと。動物を使用した非臨床試験(前臨床試験)により薬の候補物質もしくは医療機器の安全性および有効性を検討し、安全で有効な医薬品もしくは医療機器となり得ることが期待される場合に実施される。臨床試験は第?相から第?相までの4段階で行われることが多い。このうち、第?相試験は、自由意思に基づき志願した健常成人を対象とし、被験薬を少量から段階的に増量し、被験薬の薬物動態(吸収、分布、代謝、排泄)や安全性(有害事象、副作用)について検討することを主な目的とした探索的試験で、次相で用いる用法・用量の限界を検討することも重要な目的となる。第?相試験は第?相の結果を受けて、比較的軽度な少数例の患者を対象に、有効性・安全性・薬物動態などの検討を行う試験である。第?相試験は、市場に出た後に実際にその化合物を使用すると想定される患者を対象に、有効性の検証や安全性の検討を主な目的として、より大きな規模で行われる。第?相から第?相までの試験成績をまとめ、医薬品の製造販売承認申請が行われる。医薬品医療機器総合機構による審査を受けて承認されると医薬品としての販売が可能となる。第?相試験は、製造販売後臨床試験と呼ばれ、実際に市販した後に広く使用されることにより、第?相まででは検出できなかった予期せぬ有害事象や副作用を検出するのが主な目的で、市販直後調査および市販後調査によって行われるのが通例である。医師主導治験とは、医師自らが治験を企画・立案し、治験届を提出して実施される治験。
[4] 後ろ向き研究:時間をさかのぼって既存のデータや過去の症例を分析し、疾患の原因やリスク要因、治療法の効果などを評価する研究方法。
[5] 領域がん化:がんがある部位や組織内だけでなく、その周囲の正常な組織や細胞にも前がん病変や変異が見られること。この概念は、がんの形成や進展が単一の細胞や病変にとどまらず、広範囲に及ぶ組織や領域で起こるという仮説に基づいている。
[6] がん幹細胞:幹細胞は、体のさまざまな細胞に分化する能力と、自分と同じ幹細胞を作る能力の両方を持つ細胞を指す。近年、がんの形成においても少数の幹細胞が大量のがん細胞を作り出す例が見つかり、がん幹細胞と呼ばれるようになった。
[7] ELISAキット:特定のタンパク質や生物分子の検出や定量に用いられる試薬キット。抗体を固相化したマルチウェルプレートとサンプルを反応させた後に、検出用の抗体を用いることで抗原をサンドイッチ上に捕捉し、抗原の濃度を高感度定量できる。臨床診断や研究で広く利用されている。
[8] 肝予備能:肝臓の機能がどのくらい保たれているかを表し、肝がんなどの治療法を決定する上で重要な指標である。
[9] ALBIスコア:肝がんの肝予備能評価の一つ。血液生化学的検査データ(ビリルビン、アルブミン)を用いたスコアリングシステムであり、スコアが低いほど肝予備能は良好とされている。
[10] de novo発がん:de novo(デ・ノヴォ)とはラテン語で「初めから」という意味。前駆病変を経ることなく正常組織からがん腫が直接発生する事象をde novo発がん、発生したがん種をde novoがんという。
[11] Cox回帰分析、Kaplan-Meier生存解析:対象のイベント(例えば死亡や再発)が発生するまでの時間を分析する、複数の説明変数に基づいた生存時間分析の手法。
[12] コンパニオン診断:抗体医薬など特定の分子に作用する薬剤を用いる場合、その分子の発現を投与前に検査し、患者個人の薬剤反応性を治療前に予測して最適な治療計画を立てることができる。このように、特定の治療薬の患者適合性を調べることをコンパニオン診断と呼ぶ。
国際共同研究グループ                               
理化学研究所 生命医科学研究センター
 細胞機能変換技術研究チーム   
  チームリーダー        鈴木治和 (スズキ・ハルカズ)
  研究員            秦 咸陽 (シン・カンヨウ/Qin Xian-Yang)
  国際プログラム・アソシエイト 許 雅麗 (キョ・ガレイ)
 肝がん予防研究ユニット(研究当時)
  ユニットリーダー(研究当時) 小嶋聡一 (コジマ・ソウイチ)
  研究員(研究当時)      ガイユスト・ルック(Gailhouste Luc)
岐阜大学大学院 医学系研究科 消化器内科学
  学長(研究当時)       森脇久隆 (モリワキ・ヒサタカ)
  教授             清水雅仁 (シミズ・マサヒト)
  特任教授           高井光治 (タカイ・コウジ)
  講師             白上洋平 (シラカミ・ヨウヘイ)
  助教             今井健二 (イマイ・ケンジ)
東京慈恵会医科大学 臨床検査医学講座
  教授(研究当時、現客員教授) 松浦知和 (マツウラ・トモカズ)
  教授             越智小枝 (オチ・サエ)
  教授             政木隆博 (マサキ・タカヒロ)
  講師             古谷 裕 (フルタニ・ユタカ)
金沢大学 医薬保健研究域医学系 消化器内科学
  教授(研究当時、現特任教授) 金子周一 (カネコ・シュウイチ)
  教授             本多政夫 (ホンダ・マサオ)
  准教授            山下竜也 (ヤマシタ・タツヤ)
  特任教授(研究当時)     川口和紀 (カワグチ・カズノリ)
横浜市立大学 附属市民総合医療センター 消化器病内科
  教授             沼田和司 (ヌマタ・カズシ)
  准教授            中馬 誠 (チュウマ・マコト)
  データマネージャー      小松なぎさ(コマツ・ナギサ)
神奈川県立がんセンター 臨床研究所がん免疫療法研究開発学部
  研究員            魏 菲菲 (ウエイ・フェイフェイ)
広島大学大学院 医系科学研究科 医療イノベーション共同研究講座
  教授             茶山一彰 (チャヤマ・カズアキ)
  准教授(研究当時)      相方 浩 (アイカタ・ヒロシ)
大阪公立大学大学院 医学研究科 肝胆膵病態内科学
  教授             榎本 大 (エノモト・マサル)
東京大学大学院 医学系研究科 消化器内科
  准教授            建石良介 (タテイシ・リョスケ)
熊本大学大学院 生命科学研究部
  教授(研究当時、現名誉教授) 佐々木裕 (ササキ・ユタカ)
  教授             田中靖人 (タナカ・ヤスヒト)
  教授             馬場秀夫 (ババ・ヒデオ)
  准教授(研究当時)      田中基彦 (タナカ・モトヒコ)
  講師             長岡克弥 (ナガオカ・カツヤ)
自治医科大学 消化器内科
  教授             三浦光一 (ミウラ・コウイチ)
国立台湾大学
  教授             チエン・ペイジェイ(Chen Pei-Jer)
  教授             イェイ・シュウヘウイ(Yeh Shiou-Hwei)
 ※備考 図3について、キャプション中の症例数に誤りがあり、2024年7月26日に以下の通り修正しました。
(A)(8症例;赤)を(6症例;赤)に修正  (B)(6症例;赤)を(8症例;赤)に修正

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