新しいタンパク質構造を発見
[24/07/19]
提供元:共同通信PRワイヤー
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今は失われたタンパク質構造が解き明かすRNAポリメラーゼとリボソームタンパク質の進化的繋がり
今は失われたタンパク質構造が解き明かす RNAポリメラーゼとリボソームタンパク質の進化的繋がり
詳細は 早稲田大学Webサイト をご覧ください。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102172/202407193841/_prw_PT1fl_97Ut9hEb.png】
早稲田大学人間科学学術院の八木 創太(やぎ そうた)講師(理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター客員研究員)と理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター 田上 俊輔(たがみ しゅんすけ)チームリーダーの共同研究グループは、進化のミッシングリンクとなる新しいタンパク質構造を発見し、これを用いることで遺伝子発現系に重要なタンパク質構造の進化を実験的に再現することに成功しました。
本研究成果はSpringer Nature社が出版する『Nature communications』(論文名:An ancestral fold reveals the evolutionary link between RNA polymerase and ribosomal proteins)にて、2024年7月18日(木)にオンラインで掲載されました。
■研究の波及効果や社会的影響
本研究では現存する4種類のタンパク質構造(DPBB、RIFT、OB、SH3)の進化プロセスを解明することができました。この結果は今後、リボソームやRNAポリメラーゼなどの巨大な分子がどのように誕生してきたのか、遺伝子発現機構がどのように誕生してきたのかといった謎を探る上で重要な道標になると期待できます。また、古代のβバレルタンパク質の進化は非常に短い期間に完了していた可能性を示しました。これはタンパク質の初期進化を探求する上で重要な視点を与えるものと言えます。
現在、タンパク質の構造を計算科学的に予測する技術が急速に発達していますが、発見したDZBB構造は最先端の技術を持ってしてもその構造を予測することは困難でした。つまり、本研究成果は生命進化分野だけでなく、タンパク質科学の分野の発展にも貢献できる可能性を秘めています。
■今後の課題
タンパク質は特異的な構造を形成し機能を果たすことで生命活動を支えています。そのため、古代生命の進化の謎を解くためには、構造だけでなくそのタンパク質の機能についても検討していく必要があります。本研究で再構成したβバレルタンパク質の一部もDNAやRNAと結合することが分かりました。今後、これらのβバレルタンパク質がDNAやRNAとどのように結合し、どのように機能するかを明らかにしていくことで、タンパク質と核酸による共進化の歴史も解明できるかもしれません。
■研究者のコメント
近年、計算科学を利用した生命進化の研究が活発になってきています。ただし、コンピュータ上で予測される生命現象が本当かどうかは、実験をしてみないと分かりません。本研究でも実験をして初めてDZBB構造を発見でき、さらには多様なタンパク質構造への進化の道筋を再現することができました。「生命の起源」という究極の問いを解明するためには、地道な実験的検証が極めて重要であると感じます。
■論文情報
雑誌名:Nature Communications
論文名:An ancestral fold reveals the evolutionary link between RNA polymerase and ribosomal proteins
執筆者名(所属機関名):八木 創太(早稲田大学人間科学学術院、理化学研究所生命機能科学研究センター)、田上 俊輔(理化学研究所生命機能科学研究センター)
掲載日時(現地時間):2024年7月18日(木)10:00
掲載日時(日本時間):2024年7月18日(木)18:00
掲載URL:https://www.nature.com/articles/s41467-024-50013-9
DOI:10.1038/s41467-024-50013-9
今は失われたタンパク質構造が解き明かす RNAポリメラーゼとリボソームタンパク質の進化的繋がり
詳細は 早稲田大学Webサイト をご覧ください。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102172/202407193841/_prw_PT1fl_97Ut9hEb.png】
早稲田大学人間科学学術院の八木 創太(やぎ そうた)講師(理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター客員研究員)と理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター 田上 俊輔(たがみ しゅんすけ)チームリーダーの共同研究グループは、進化のミッシングリンクとなる新しいタンパク質構造を発見し、これを用いることで遺伝子発現系に重要なタンパク質構造の進化を実験的に再現することに成功しました。
本研究成果はSpringer Nature社が出版する『Nature communications』(論文名:An ancestral fold reveals the evolutionary link between RNA polymerase and ribosomal proteins)にて、2024年7月18日(木)にオンラインで掲載されました。
■研究の波及効果や社会的影響
本研究では現存する4種類のタンパク質構造(DPBB、RIFT、OB、SH3)の進化プロセスを解明することができました。この結果は今後、リボソームやRNAポリメラーゼなどの巨大な分子がどのように誕生してきたのか、遺伝子発現機構がどのように誕生してきたのかといった謎を探る上で重要な道標になると期待できます。また、古代のβバレルタンパク質の進化は非常に短い期間に完了していた可能性を示しました。これはタンパク質の初期進化を探求する上で重要な視点を与えるものと言えます。
現在、タンパク質の構造を計算科学的に予測する技術が急速に発達していますが、発見したDZBB構造は最先端の技術を持ってしてもその構造を予測することは困難でした。つまり、本研究成果は生命進化分野だけでなく、タンパク質科学の分野の発展にも貢献できる可能性を秘めています。
■今後の課題
タンパク質は特異的な構造を形成し機能を果たすことで生命活動を支えています。そのため、古代生命の進化の謎を解くためには、構造だけでなくそのタンパク質の機能についても検討していく必要があります。本研究で再構成したβバレルタンパク質の一部もDNAやRNAと結合することが分かりました。今後、これらのβバレルタンパク質がDNAやRNAとどのように結合し、どのように機能するかを明らかにしていくことで、タンパク質と核酸による共進化の歴史も解明できるかもしれません。
■研究者のコメント
近年、計算科学を利用した生命進化の研究が活発になってきています。ただし、コンピュータ上で予測される生命現象が本当かどうかは、実験をしてみないと分かりません。本研究でも実験をして初めてDZBB構造を発見でき、さらには多様なタンパク質構造への進化の道筋を再現することができました。「生命の起源」という究極の問いを解明するためには、地道な実験的検証が極めて重要であると感じます。
■論文情報
雑誌名:Nature Communications
論文名:An ancestral fold reveals the evolutionary link between RNA polymerase and ribosomal proteins
執筆者名(所属機関名):八木 創太(早稲田大学人間科学学術院、理化学研究所生命機能科学研究センター)、田上 俊輔(理化学研究所生命機能科学研究センター)
掲載日時(現地時間):2024年7月18日(木)10:00
掲載日時(日本時間):2024年7月18日(木)18:00
掲載URL:https://www.nature.com/articles/s41467-024-50013-9
DOI:10.1038/s41467-024-50013-9