[現地リポート]今、香港で注目を集める展覧会「須藤玲子の仕事−NUNOのテキスタイルができるまで」
[19/12/13]
提供元:PRTIMES
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紡績工場跡地のアートセンターCHATにて開催中
かつての紡績工場跡地をリノベーションした香港のアートセンターCHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)は、先月24日より日本のテキスタイルデザインの第一人者である須藤玲子の仕事を紹介する展覧会、『須藤玲子の仕事−NUNOのテキスタイルができるまで(Sudo Reiko: Making NUNO Textiles)』(会期は2020年2月23日まで)をスタートした。アーティスティック・ディレクターにライゾマティクス・アーキテクチャーの齋藤精一を迎え、貴重な資料・作品の展示に加え、音や映像を組みあわせたインスタレーションによって、須藤のクリエイションの全貌に迫った本展に、連日、多くの香港の人々が訪れている。
[画像1: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-461210-2.jpg ]
会場は胎動する荃湾エリアのアートセンターCHAT
CHAT (Centre for Heritage, Arts and Textile)は、香港の荃湾(チェンワン)に今年3月にオープンした、紡績工場跡地をリノベーションした文化とビジネスの複合施設The Mills(サ゛・ミルス゛)の中にあるアートセンターである。The mills にはテキスタイル、ファッション関連のスタートアップ向けのオフィスや、ユニークなものづくりの背景を持つショップが軒を連ねる商業施設などがあり、一帯がかつてのニューヨークのブルックリンのような、生まれ変わりつつある街のエネルギーが感じられるエリアとなっている。
本展でまず来場者を迎えるのは、The mills の吹き抜け空間をダイナミックに彩る100匹に及ぶ「Koi Currents(こいのぼり)」の展示である。須藤がデザインディレクターを務めるNUNOのテキスタイルでつくられたこいのぼりが宙を泳ぐ同シリーズは、2018年に国立新美術館でも展示されたが、自然光を浴びながらひとつの方向に上っていく今回のインスタレーションは作品のあらたな表情を引き出している。テキスタイルの質感をより間近に感じられる目線の高さ、あるいはガラス天井越しの真上からの鑑賞体験は今回の展示空間ならではのものだ。展示デザインは前回同様にフランスのデザイナー、アドリアン・ガルデールが手掛けている。
初めて公開されるアイデアの源泉から開発のプロセスまで
2階にある展示室に入ると20メートルにおよぶガラスケースの中に、NUNOの特徴的なテキスタイル8種について、イメージの源泉となるオブジェや素材、手描きのスケッチ、試作段階のサンプルなど、その開発のプロセスが明らかとなるアイテムが展示されている。
[画像2: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-428858-3.jpg ]
テキスタイル誕生のきっかけとなるアイデアソースのなかには、メキシコを旅した際に出会ったアマテと呼ばれる樹皮を叩き交互に重ね合わせたプリミティブな紙があるかと思えば、一方で現代の工業的な素材であるパンチカーペットの製造工程からヒントを得るなど、須藤のその幅広い関心と発想の柔軟さが伝わってくる。また展示室のガラス面を覆うのは、今では使用されることがほとんどなくなったジャガード織りの際に使用するパンチカード。紙に空けられた穴の有無で経糸の動きを制御し、複雑な柄の製作を可能にするこの機構は、後のコンピュータの開発にもつながったものだという。
[画像3: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-755762-4.jpg ]
[画像4: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-422125-5.jpg ]
音と映像のインスタレーションで再現される美しい生産工程
続くギャラリー1では、様々なアイデアが実際の製品として工場で生産されるプロセスを、ライゾマティックアーキテクチャーによる音と光を交えたインスタレーションによって紹介している。生産の現場を集約・再現した展示を通じて、熱や動き、特殊な溶剤などの加工を施すことで、工程を追うごとにその姿を変え完成形に近づいていくテキスタイルの生産工程が明らかにされている。
[画像5: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-650618-6.jpg ]
[画像6: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-741720-7.jpg ]
さらにギャラリー2では、日本各地の工場に出向いて撮影されたテキスタイルの生産風景が大型のスクリーンに映し出されている。須藤はこの展覧会について「NUNOのテキスタイルがどこで、どんな人々の手によって、どんなふうにつくられているか、それを知ってもらいたい。」と述べているが、ここに登場するのはそうしたNUNOのテキスタイルづくりを支える日本各地の作り手たちの姿だ。完成された美しいテキスタイルの背景にある、長く使い込まれた機械と職人の技が織りなす優れた仕事を知る貴重な展示である。
[画像7: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-772672-8.jpg ]
テクスチャ−を感じる展示の仕掛け
展覧会の最後を飾るのは様々なテクスチャ−を持つ白いテキスタイルのみで構成されたコーナー。色を排することで、それぞれ異なる技法で制作された素材の表情が浮かび上がってくる展示だ。テキスタイルにおけるテクスチャ−の重要性を日頃より強く意識をしている須藤は、今回の展示でもこの点についてこだわりをみせている。会場内に展示された全てのテキスタイルに触れられるコーナーをつくったのだ。来場者は壁一面に並べられたサンプルを自由に手にとってその風合い、感触を確かめることが出来る。
文字通り「見て」「聞いて」「触れる」ことで須藤のクリエイションに迫る本展は体感する展覧会である。なにかと話題の多い香港だが、 機会が許せばぜひ会場まで足をお運びいただきたい。
[画像8: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-758158-9.jpg ]
[画像9: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-352462-10.jpg ]
今、香港で展覧会を開催する意義
最後に緊張状態が続き多くの催しが中止されている香港にあって、展覧会を決行する意義について、CHATの共同ディレクターである張晶晶(テオ・チンチン)が、本展レセプションで発したメッセージをお伝えしたい。
「CHATをオープンしておくことで、前例のない緊張やストレスにさらされている香港のコニュニティに心の避難所を提供したいと考えています。(中略)東アジアの歴史において、鯉は困難を克服し、人生の重大な問題に対し逆境のなかで進まなければならない人々のシンボルとして知られています。今回の「こいのぼり」の展示が、私達の愛する故郷である香港の非常に困難な時代を乗り越えるために、各々の色の違いを越えて、同じ方向に一緒に泳いでいくというインスピレーションをもたらすことを望んでいます。(11月23日のオープニングレセプションでのスピーチより一部を抜粋)」
メッセージにある通り、 本展がひとりでも多くの香港と世界の人々に、前向きなインスピレーションをもたらすことを強く願っている。
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?展覧情報
展覧会名:須藤玲子の仕事―NUNOのテキスタイルができるまで Sudo Reiko: Making NUNO Textiles
会期:2019年11月24日 (日)―2020年2月23日(日)(毎週火曜日閉館)
開館時間:11:00am-7:00pm
会場:CHAT ならびにThe Mills内The Hall(南豐紗廠,香港荃灣白田壩街45號)
入場料:無料
URL:mill6chat.org
[画像13: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-397946-14.jpg ]
須藤玲子(すどうれいこ)
茨城県生まれ。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科デキスタイル研究室助手を経て、株式会社「布」の設立に参加。現在取締役デザインディレクター。英国UCA芸術大学より名誉修士号授与。2019年より東京造形大学名誉教授。
2008年より良品計画のファブリック企画開発、鶴岡織物工業協同組合、株式会社アズのデザインアドバイスを手掛ける。2016年無印良品アドバイザリーボードに就任。毎日デザイン賞、ロスコー賞、JID部門賞等受賞。日本の伝統的な染織技術から先端技術までを駆使し、新しいテキスタイルづくりをおこなう。作品は国内外で高い評価を得ており、ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、ボストン美術館、ヴィクトリア&アルバート美術館、東京国立近代美術館工芸館等に永久保存されている。2018年に国立新美術館にて個展「こいのぼりなう!」を開催。代表作にマンダリンオリエンタル東京、東京アメリカンクラブのテキスタイルデザインがある。
[画像14: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-722381-15.jpg ]
齋藤精一(さいとうせいいち)
ライゾマティクス・アーキテクチャー主宰
1975年神奈川生まれ。建築デザインをコロンビア大学建築学科(MSAAD)で学び、2000年からNYで活動を開始。その後ArnellGroupにてクリエイティブ職に携わり、2003年の越後妻有アートトリエンナーレでアーティストに選出されたのをきっかけに帰国。その後フリーランスのクリエイターとして活躍後、2006年株式会社ライゾマティクス設立、2016年よりRhizomatiks Architectureを主宰。建築で培ったロジカルな思考を基に、アート・コマーシャルの領域で立体・インタラクティブの作品を多数作り続けている。2015年ミラノエキスポ日本館シアターコンテンツディレクター。現在、2018-19年グッドデザイン賞審査委員副委員長、2020年ドバイ万博クリエイティブ アドバイザー。2025年大阪・関西万博People’s Living Lab促進会議有識者。
[画像15: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-327945-16.jpg ]
アドリアン・ガルデール
ルーブル美術館やケネディセンターといった国際的な文化施設で空間デザインをおこなうスタジオ、アドリアン・ガルデール創始者。フォスター+パートナー、SANAA, デヴィッド・チッパーフィールドや槇文彦といった建築家とも仕事の経験があり、視覚的、教育的、そして来場者が展覧会の内容に引き込まれる展示デザインで定評がある。
[画像16: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-200789-17.jpg ]
CHATについて
CHAT (Centre for Heritage, Arts and Textile) は、戦後から2008年まで操業されていた紡績工場、南豐紗廠(南豐テキスタイル)の近代産業遺産保存プロジェクトの一貫として創立された非営利のアートセンター。元紡績工場という建物の歴史を尊重し、忘れ去られつつある香港のテキスタイル産業の歴史を伝えながら、テキスタイルの素材、アジアにおけるテキスタイル産業の歴史、現在のテキスタイル産業の問題点を主題にした現代アーティストやデザイナーや、テキスタイルを実験的に用いるアーティストの展覧会を発表しているほか、来場者が体験できる布や糸を使ったワークショップ、アーティスト・イン・レジデンスプログラム、国際シンポジウムなども開催している。HP(mill6chat.org)。共同ディレクターは元水戸芸術館主任学芸員の高橋瑞木。
かつての紡績工場跡地をリノベーションした香港のアートセンターCHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)は、先月24日より日本のテキスタイルデザインの第一人者である須藤玲子の仕事を紹介する展覧会、『須藤玲子の仕事−NUNOのテキスタイルができるまで(Sudo Reiko: Making NUNO Textiles)』(会期は2020年2月23日まで)をスタートした。アーティスティック・ディレクターにライゾマティクス・アーキテクチャーの齋藤精一を迎え、貴重な資料・作品の展示に加え、音や映像を組みあわせたインスタレーションによって、須藤のクリエイションの全貌に迫った本展に、連日、多くの香港の人々が訪れている。
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会場は胎動する荃湾エリアのアートセンターCHAT
CHAT (Centre for Heritage, Arts and Textile)は、香港の荃湾(チェンワン)に今年3月にオープンした、紡績工場跡地をリノベーションした文化とビジネスの複合施設The Mills(サ゛・ミルス゛)の中にあるアートセンターである。The mills にはテキスタイル、ファッション関連のスタートアップ向けのオフィスや、ユニークなものづくりの背景を持つショップが軒を連ねる商業施設などがあり、一帯がかつてのニューヨークのブルックリンのような、生まれ変わりつつある街のエネルギーが感じられるエリアとなっている。
本展でまず来場者を迎えるのは、The mills の吹き抜け空間をダイナミックに彩る100匹に及ぶ「Koi Currents(こいのぼり)」の展示である。須藤がデザインディレクターを務めるNUNOのテキスタイルでつくられたこいのぼりが宙を泳ぐ同シリーズは、2018年に国立新美術館でも展示されたが、自然光を浴びながらひとつの方向に上っていく今回のインスタレーションは作品のあらたな表情を引き出している。テキスタイルの質感をより間近に感じられる目線の高さ、あるいはガラス天井越しの真上からの鑑賞体験は今回の展示空間ならではのものだ。展示デザインは前回同様にフランスのデザイナー、アドリアン・ガルデールが手掛けている。
初めて公開されるアイデアの源泉から開発のプロセスまで
2階にある展示室に入ると20メートルにおよぶガラスケースの中に、NUNOの特徴的なテキスタイル8種について、イメージの源泉となるオブジェや素材、手描きのスケッチ、試作段階のサンプルなど、その開発のプロセスが明らかとなるアイテムが展示されている。
[画像2: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-428858-3.jpg ]
テキスタイル誕生のきっかけとなるアイデアソースのなかには、メキシコを旅した際に出会ったアマテと呼ばれる樹皮を叩き交互に重ね合わせたプリミティブな紙があるかと思えば、一方で現代の工業的な素材であるパンチカーペットの製造工程からヒントを得るなど、須藤のその幅広い関心と発想の柔軟さが伝わってくる。また展示室のガラス面を覆うのは、今では使用されることがほとんどなくなったジャガード織りの際に使用するパンチカード。紙に空けられた穴の有無で経糸の動きを制御し、複雑な柄の製作を可能にするこの機構は、後のコンピュータの開発にもつながったものだという。
[画像3: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-755762-4.jpg ]
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音と映像のインスタレーションで再現される美しい生産工程
続くギャラリー1では、様々なアイデアが実際の製品として工場で生産されるプロセスを、ライゾマティックアーキテクチャーによる音と光を交えたインスタレーションによって紹介している。生産の現場を集約・再現した展示を通じて、熱や動き、特殊な溶剤などの加工を施すことで、工程を追うごとにその姿を変え完成形に近づいていくテキスタイルの生産工程が明らかにされている。
[画像5: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-650618-6.jpg ]
[画像6: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-741720-7.jpg ]
さらにギャラリー2では、日本各地の工場に出向いて撮影されたテキスタイルの生産風景が大型のスクリーンに映し出されている。須藤はこの展覧会について「NUNOのテキスタイルがどこで、どんな人々の手によって、どんなふうにつくられているか、それを知ってもらいたい。」と述べているが、ここに登場するのはそうしたNUNOのテキスタイルづくりを支える日本各地の作り手たちの姿だ。完成された美しいテキスタイルの背景にある、長く使い込まれた機械と職人の技が織りなす優れた仕事を知る貴重な展示である。
[画像7: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-772672-8.jpg ]
テクスチャ−を感じる展示の仕掛け
展覧会の最後を飾るのは様々なテクスチャ−を持つ白いテキスタイルのみで構成されたコーナー。色を排することで、それぞれ異なる技法で制作された素材の表情が浮かび上がってくる展示だ。テキスタイルにおけるテクスチャ−の重要性を日頃より強く意識をしている須藤は、今回の展示でもこの点についてこだわりをみせている。会場内に展示された全てのテキスタイルに触れられるコーナーをつくったのだ。来場者は壁一面に並べられたサンプルを自由に手にとってその風合い、感触を確かめることが出来る。
文字通り「見て」「聞いて」「触れる」ことで須藤のクリエイションに迫る本展は体感する展覧会である。なにかと話題の多い香港だが、 機会が許せばぜひ会場まで足をお運びいただきたい。
[画像8: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-758158-9.jpg ]
[画像9: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-352462-10.jpg ]
今、香港で展覧会を開催する意義
最後に緊張状態が続き多くの催しが中止されている香港にあって、展覧会を決行する意義について、CHATの共同ディレクターである張晶晶(テオ・チンチン)が、本展レセプションで発したメッセージをお伝えしたい。
「CHATをオープンしておくことで、前例のない緊張やストレスにさらされている香港のコニュニティに心の避難所を提供したいと考えています。(中略)東アジアの歴史において、鯉は困難を克服し、人生の重大な問題に対し逆境のなかで進まなければならない人々のシンボルとして知られています。今回の「こいのぼり」の展示が、私達の愛する故郷である香港の非常に困難な時代を乗り越えるために、各々の色の違いを越えて、同じ方向に一緒に泳いでいくというインスピレーションをもたらすことを望んでいます。(11月23日のオープニングレセプションでのスピーチより一部を抜粋)」
メッセージにある通り、 本展がひとりでも多くの香港と世界の人々に、前向きなインスピレーションをもたらすことを強く願っている。
[画像10: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-512338-11.jpg ]
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展覧会名:須藤玲子の仕事―NUNOのテキスタイルができるまで Sudo Reiko: Making NUNO Textiles
会期:2019年11月24日 (日)―2020年2月23日(日)(毎週火曜日閉館)
開館時間:11:00am-7:00pm
会場:CHAT ならびにThe Mills内The Hall(南豐紗廠,香港荃灣白田壩街45號)
入場料:無料
URL:mill6chat.org
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須藤玲子(すどうれいこ)
茨城県生まれ。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科デキスタイル研究室助手を経て、株式会社「布」の設立に参加。現在取締役デザインディレクター。英国UCA芸術大学より名誉修士号授与。2019年より東京造形大学名誉教授。
2008年より良品計画のファブリック企画開発、鶴岡織物工業協同組合、株式会社アズのデザインアドバイスを手掛ける。2016年無印良品アドバイザリーボードに就任。毎日デザイン賞、ロスコー賞、JID部門賞等受賞。日本の伝統的な染織技術から先端技術までを駆使し、新しいテキスタイルづくりをおこなう。作品は国内外で高い評価を得ており、ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、ボストン美術館、ヴィクトリア&アルバート美術館、東京国立近代美術館工芸館等に永久保存されている。2018年に国立新美術館にて個展「こいのぼりなう!」を開催。代表作にマンダリンオリエンタル東京、東京アメリカンクラブのテキスタイルデザインがある。
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齋藤精一(さいとうせいいち)
ライゾマティクス・アーキテクチャー主宰
1975年神奈川生まれ。建築デザインをコロンビア大学建築学科(MSAAD)で学び、2000年からNYで活動を開始。その後ArnellGroupにてクリエイティブ職に携わり、2003年の越後妻有アートトリエンナーレでアーティストに選出されたのをきっかけに帰国。その後フリーランスのクリエイターとして活躍後、2006年株式会社ライゾマティクス設立、2016年よりRhizomatiks Architectureを主宰。建築で培ったロジカルな思考を基に、アート・コマーシャルの領域で立体・インタラクティブの作品を多数作り続けている。2015年ミラノエキスポ日本館シアターコンテンツディレクター。現在、2018-19年グッドデザイン賞審査委員副委員長、2020年ドバイ万博クリエイティブ アドバイザー。2025年大阪・関西万博People’s Living Lab促進会議有識者。
[画像15: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-327945-16.jpg ]
アドリアン・ガルデール
ルーブル美術館やケネディセンターといった国際的な文化施設で空間デザインをおこなうスタジオ、アドリアン・ガルデール創始者。フォスター+パートナー、SANAA, デヴィッド・チッパーフィールドや槇文彦といった建築家とも仕事の経験があり、視覚的、教育的、そして来場者が展覧会の内容に引き込まれる展示デザインで定評がある。
[画像16: https://prtimes.jp/i/49871/2/resize/d49871-2-200789-17.jpg ]
CHATについて
CHAT (Centre for Heritage, Arts and Textile) は、戦後から2008年まで操業されていた紡績工場、南豐紗廠(南豐テキスタイル)の近代産業遺産保存プロジェクトの一貫として創立された非営利のアートセンター。元紡績工場という建物の歴史を尊重し、忘れ去られつつある香港のテキスタイル産業の歴史を伝えながら、テキスタイルの素材、アジアにおけるテキスタイル産業の歴史、現在のテキスタイル産業の問題点を主題にした現代アーティストやデザイナーや、テキスタイルを実験的に用いるアーティストの展覧会を発表しているほか、来場者が体験できる布や糸を使ったワークショップ、アーティスト・イン・レジデンスプログラム、国際シンポジウムなども開催している。HP(mill6chat.org)。共同ディレクターは元水戸芸術館主任学芸員の高橋瑞木。