長崎大学病院の外傷・救命・看護の3部署に働き方改革コンサルティングを導入 カンファレンス所要時間の約3割減に成功
[20/08/26]
提供元:PRTIMES
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〜業界初、医師の週4日勤務も開始、医療現場の成功モデルに〜
2020年8月26日
2006年創業以来、自治体・官公庁含め企業1,000社以上の働き方改革を支援する株式会社ワーク・ライフバランス(本社:東京都港区、代表取締役:小室淑恵)は、この度、提供する長時間労働削減及び生産性向上のための「働き方改革コンサルティング」が、長崎大学病院(所在地:長崎県長崎市、病院長:中尾一彦)の外傷センター・救命センター・看護部の3部署に導入された結果、医療チームが患者の治療の方向性を話し合う会議「カンファレンス」(病院において主治医や看護師、薬剤師、相談員、理学療法士など様々な職種がチームとなり、治療の方向性を話し合う会議のこと)の所要時間を約3割削減することに成功したほか、業界初となる医師の週4日勤務体制を実現したことをお知らせします。
2006年創業以来、自治体・官公庁含め企業1,000社以上の働き方改革を支援する株式会社ワーク・ライフバランス(本社:東京都港区、代表取締役:小室淑恵)は、この度、提供する長時間労働削減及び生産性向上のための「働き方改革コンサルティング」が、長崎大学病院(所在地:長崎県長崎市、病院長:中尾一彦)の外傷センター・救命センター・看護部の3部署に導入された結果、医療チームが患者の治療の方向性を話し合う会議「カンファレンス」(病院において主治医や看護師、薬剤師、相談員、理学療法士など様々な職種がチームとなり、治療の方向性を話し合う会議のこと)の所要時間を約3割削減することに成功したほか、業界初となる医師の週4日勤務体制を実現したことをお知らせします。
<働き方改革の主な成果>
・シフト勤務や繁忙の差があるなかでも、患者の情報を共有する重要なカンファレンスの効率化
・現場主導で声掛けカードを活用したコミュニケーションの増加
・医師の週4日勤務など勤務日数の調整
■背景
昨今、医師の過重労働や労働環境を原因とした担い手不足に関する課題が注目されるなか、2024年4月以降には、医療業界においても時間外労働の上限規制が適用され、今まで以上に残業時間の削減や、医療の質を落とさずに業務を効率化することが求められています。また、医師の担い手不足により地域の医療機関では、十分な医療サービスを提供できないなどの影響も出ており、早急な改善が必要です。さらに、コロナ禍で勤務環境の過酷さが増し、医療従事者の離職増加が浮き彫りになっています。
そのようななか、長崎大学病院では、2015年より、医療業界においていち早く働き方改革に着手し、当社では2019年9月から、外傷センター・救命センター・看護部の3部署に対して、医師や看護師の働き方改革の支援を行ってきました。
■取組内容、成果
◆外傷センター(約10人の医師が参加)
<課題と取り組み>
・無尽蔵に働いてしまうことや今までの慣習にとらわれてしまう課題に対して、看護師とも連携を強化し、情報共有を仕組化したり、コマンダー(当日の現場責任者として、患者受け入れ態勢など指示を出す役割)を設け上位職に対しても指示を出したりするなど、リーダーシップのローテーションを実施。カンファレンスも教育的観点の部分を別で実施する等会議の役割を明確化。
<成果>
・情報一元化し、伝え漏れがなくなったことにより看護師からの指示依頼の60%削減、情報共有の強化によりカンファレンスの参加人数を50%削減に成功
<取り組んだ医師のコメント>
・「WLBが取れており、一番学べる環境だと思ってこの外傷センターに入ることを希望した」(子育て中医師)
・「研修医にもスクラブ(外傷センター独自の医療用白衣)を配ってもらい、チームのメンバーの一員だと感じることができた。とてもチームワークがよい職場だと思う」
・「休みやすくなった」
<宮本センター長コメント>
「やれないと思っていたけれど、身近なところでもやれることはたくさんある。ほとんどのチームがまだ現状維持バイアスがかかっていると思います。やってみれば変わることはたくさんある、ということをお伝えしたい」
◆救命センター(11人の医師と約6名の研修医が参加)
<課題と取り組み>
・救急車やドクターヘリなどの対応件数は19年度は救急車の受け入れ数13年比で1.37倍、ドクターヘリは2013年比で4.3倍と年々増加し、業務負荷が増加していた。
・業務を分析し、患者の容体や治療方法等に関する情報を引き継ぐ「申し送り時間」が本質的な治療等の時間を圧迫していることを発見。
・発表の時間と質問の時間を分けることでこれまで発表の合間に質問がはさまれ時間が伸びてしまっていたところを、発表後にまとめて質疑応答し時間削減を実現。
・発表者も質問者も時間を意識するべく、教授自ら、患者当たりの申し送り時間の計測を実施、端的に発表や質問が可能に。
<成果>
・最も所要時間がかかる傾向にある患者受け入れ初日の「申し送り時間」が25%短縮、初日以外の「申し送り時間」は15%減、申し送りにかかわる総時間は約30%減と大きく削減。なお、いずれも申し送り事項の質については維持できていた。
・申し送り時間を計測しただけでも時間短縮につながったという声もあり、他の医療現場でも十分に応用可能であることも確認した。
<取り組んだ医師のコメント>
・「カンファレンスの時間が短くなったと実感している。1時間くらい短いときもある。」
・「必要に迫られてやることになったものの、結果的に変化も出たのでやってよかった。」
<田崎センター長のコメント>
・「心理的安全性、やりがいやプライド等、自発的な取り組みに育てていきたい。」などを新たな取り組みとして実施する予定です。時間というより、やりがい、自分の充実感にも注目し、取り組みを展開していきたいと思います。」
◆看護部(約60人の看護師が参加)
<課題と取り組み>
・生産性を向上するうえで課題となっていることを分析、解決策を議論しながら残業削減を目指す場として「カエル会議」を実施
・課題意識の高まりにより、情報連携や、チームワークを高めることを目的とした「声かけシート」を作成。どのようなときにどのようにしてお互いに声をかけあうかを明確にした。
・「帰ろうDay」を設定し、仕事のメリハリをつけて帰宅する日を決めるなどを実施。
<成果>
・当初、働き方を変えることに対し積極性がさほど高くなかった同部でも、86.9%がポジティブな変化を感じる結果に。
<取り組んだ看護師からのコメント>
・「自宅に仕事を持ち帰ったり、サービス残業をしたりすることをやめた」
・「助け合う意識がより高くなった」
・「勤務中の声かけを積極的に行うように努力するようになった」
・「思っていても声に出さなかったことをなるべく出すようにした」
【総括:長崎大学病院 外傷センター 宮本医師 コメント】
当センターは救命救急医療の中でも外傷に特化し、交通事故などの重傷患者に対応する専門集団です。緊急手術も多く予定が見えにくいという特性があります。そんな中でも、ワークスタイルイノベーションにかかわる前から、専門医師の増加や専用手術室の確保など、よりよい働き方に向けて尽力してきました。今回、2019年9月より、株式会社ワーク・ライフバランスの働き方改革のコンサルティングを受けたい診療科の募集があり、より働き方をよくしていくために応募しました。
当初は、若手医師から意見が出るのか心配な点もあったのですが、自分は最後に発言するよう工夫したり、コンサルタントの皆さんから、若手医師の意見を積極的に採用していくやり方を目の当たりにしたりし、若手医師も活気づいていくとともに、勤務日数を変更するといった大胆な案も出てくるようになりました。また、チーム医療には欠かせない、各種専門職との情報連携にも取り組み、多職種合同カンファにも取り組みました。
その結果、医師と看護師の連携が強化され、最終的には看護師から医師に対して検査の指示などを求める依頼が60%削減するという成果を上げることができました。
医師の働き方は今、新型コロナウィルス対応業務も増えています。そんな中でも、我々のような管理職世代の意識改革を進め、年代問わず多くの医療従事者が意見を出していけば、医療現場でも必ず変化は出せると確信を持っています。
今後は、週4日勤務に変更し、総労働時間削減に挑戦する予定です。
また、長崎大学病院の取り組み内容や成果を解説する場として、2020年8月22日(土)、長崎大学病院主催の「働き方改革シンポジウム」をオンラインにて開催しました。同病院の3チーム(高度救命救急センター、外傷センター、看護部国際医療センター2)による成果発表に加え、当社代表取締役社長の小室淑恵による基調講演や、長崎大学長や長崎大学病院長とのパネルディスカッションが実施され、働き方改革が極めて難しいとされてきた医療分野において、トップ自らが働き方改革の必要性に気づき、着実に有効的な取組を実践してきた先進事例の紹介がありました。
具体的には、シフト勤務や繁忙の差があるなかでも、患者の情報を共有する重要なカンファレンスの効率化や現場主導での医局のレイアウト変更等によるコミュニケーションの増加、週5日から4日へ勤務日数の変更など、医療分野の特性を生かした取組成果となっています。参加者からは「ライブ配信を活用したことで長崎大学・長崎大学病院の従来の報告会以上に、幹部も参加することができ有意義になったと感じた」「今後の取り組みにも期待したい」といった感想が寄せられ、非常に有意義なシンポジウムとなりました。
【長崎大学病院 病院の働き方改革シンポジウム 概要】
・日時:2020年8月22日(土)13時30分〜16時30分
・場所:オンライン会場
・対象:医療関係者・一般の方
・登壇者:
長崎大学 学長:河野茂様、
長崎大学病院 病院長:中尾一彦様
(株)ワーク・ライフバランス代表取締役社長:小室淑恵
・内容:
-シンポジウム開会・長崎大学学長より挨拶
-(株)ワーク・ライフバランス小室による基調講演
-参加チームによる取組内容・成果の発表
-学長・病院長・(株)ワーク・ライフバランス小室によるパネルディスカッション
-長崎大学病院病院長総括
・成果発表者
高度救命救急センター:田崎教授
外傷センター:宮本准教授
看護部国際医療センター2:別所副看護師長
【長崎大学病院の働き方改革取り組み状況】
・2015年
実施チーム:4チーム保健学科リプロダクティブヘルス分野、大学教育イノベーションセンター、病院/移植・消化器外科、病院/消化器内科
・2016年
実施チーム:4チーム 保健学科リプロダクティブヘルス分野、保険・医療推進センター、病院事務部総務課、病院医療教育開発センター
・2017年
実施チーム:4チーム 薬学部医薬品情報学分野、医師薬学総合研究科地域包括ケア教育センター、生活習慣病予防診療部/栄養管理室、ダイバーシティ推進センター
・2018年
実施チーム:4チーム 医療情報部看護部情報システム、病院/放射線核医学部門、病院/診療放射線治療室、ダイバーシティ推進センター
【当社の働き方改革コンサルティングについて】
「働き方改革コンサルティング」は、約8か月間で働き方改革に必要なノウハウを現場に定着させることができる伴走型のコンサルティングサービスです。各社員の時間の使い方を15分単位で可視化し、チームでの課題整理や働き方の見直しを促すことで、時間当たりの生産性向上や私生活の充実を実現し、イノベーション創出につなげていくことが特徴です。指導型のコンサルティングではなく、コーチング技術を用い、現場が自発的に考え始める仕組みを提供します。2006年の創業当時より提供を開始、それ以来、1,000社の企業の働き方改革に伴走し、残業時間半減や労働生産性3割増、新規事業の創出といった成果につなげてきました。
◆株式会社ワーク・ライフバランスについて
2006年創業、以来14年にわたり企業の働き方改革により業績と従業員のモチベーションの双方を向上させることにこだわり、働き方改革コンサルティング事業を中心に展開。これまでに自治体・官公庁も含め企業1,000社以上を支援。残業30%削減に成功し、営業利益18%増加した企業や、残業81%削減し有給取得率4倍、利益率3倍になった企業など、長時間労働体質の企業への組織改革が強み。
会社名:株式会社ワーク・ライフバランス
代表者:代表取締役社長 小室 淑恵
サイト:https://work-life-b.co.jp/
創立年月:2006年7月
資本金:1,000万円
主な事業内容:
働き方改革コンサルティング事業・講演・研修事業
コンテンツビジネス事業・コンサルタント養成事業
働き方改革支援のためのITサービス開発・提供
「朝メール.com」「ワーク・ライフバランス組織診断」「介護と仕事の両立ナビ」
カードゲーム体験型研修「ライフ・スイッチ」
実績:1,000社以上(国土交通省、鹿島建設中部支店、住友生命保険相互会社、アイシン精機株式会社、内閣府、三重県、埼玉県教育委員会など)
・代表 小室 淑恵プロフィール
2014年9月より安倍内閣「産業競争力会議」民間議員を務め、働き方改革関連法案施行に向けて活動し、2019年の国会審議で答弁。2019年4月の施行に貢献。国政とビジネスサイドの両面から働き方改革を推進している。年間200回の講演依頼を受けながら、自身も残業ゼロ、二児の母として両立している。
2020年8月26日
2006年創業以来、自治体・官公庁含め企業1,000社以上の働き方改革を支援する株式会社ワーク・ライフバランス(本社:東京都港区、代表取締役:小室淑恵)は、この度、提供する長時間労働削減及び生産性向上のための「働き方改革コンサルティング」が、長崎大学病院(所在地:長崎県長崎市、病院長:中尾一彦)の外傷センター・救命センター・看護部の3部署に導入された結果、医療チームが患者の治療の方向性を話し合う会議「カンファレンス」(病院において主治医や看護師、薬剤師、相談員、理学療法士など様々な職種がチームとなり、治療の方向性を話し合う会議のこと)の所要時間を約3割削減することに成功したほか、業界初となる医師の週4日勤務体制を実現したことをお知らせします。
2006年創業以来、自治体・官公庁含め企業1,000社以上の働き方改革を支援する株式会社ワーク・ライフバランス(本社:東京都港区、代表取締役:小室淑恵)は、この度、提供する長時間労働削減及び生産性向上のための「働き方改革コンサルティング」が、長崎大学病院(所在地:長崎県長崎市、病院長:中尾一彦)の外傷センター・救命センター・看護部の3部署に導入された結果、医療チームが患者の治療の方向性を話し合う会議「カンファレンス」(病院において主治医や看護師、薬剤師、相談員、理学療法士など様々な職種がチームとなり、治療の方向性を話し合う会議のこと)の所要時間を約3割削減することに成功したほか、業界初となる医師の週4日勤務体制を実現したことをお知らせします。
<働き方改革の主な成果>
・シフト勤務や繁忙の差があるなかでも、患者の情報を共有する重要なカンファレンスの効率化
・現場主導で声掛けカードを活用したコミュニケーションの増加
・医師の週4日勤務など勤務日数の調整
■背景
昨今、医師の過重労働や労働環境を原因とした担い手不足に関する課題が注目されるなか、2024年4月以降には、医療業界においても時間外労働の上限規制が適用され、今まで以上に残業時間の削減や、医療の質を落とさずに業務を効率化することが求められています。また、医師の担い手不足により地域の医療機関では、十分な医療サービスを提供できないなどの影響も出ており、早急な改善が必要です。さらに、コロナ禍で勤務環境の過酷さが増し、医療従事者の離職増加が浮き彫りになっています。
そのようななか、長崎大学病院では、2015年より、医療業界においていち早く働き方改革に着手し、当社では2019年9月から、外傷センター・救命センター・看護部の3部署に対して、医師や看護師の働き方改革の支援を行ってきました。
■取組内容、成果
◆外傷センター(約10人の医師が参加)
<課題と取り組み>
・無尽蔵に働いてしまうことや今までの慣習にとらわれてしまう課題に対して、看護師とも連携を強化し、情報共有を仕組化したり、コマンダー(当日の現場責任者として、患者受け入れ態勢など指示を出す役割)を設け上位職に対しても指示を出したりするなど、リーダーシップのローテーションを実施。カンファレンスも教育的観点の部分を別で実施する等会議の役割を明確化。
<成果>
・情報一元化し、伝え漏れがなくなったことにより看護師からの指示依頼の60%削減、情報共有の強化によりカンファレンスの参加人数を50%削減に成功
<取り組んだ医師のコメント>
・「WLBが取れており、一番学べる環境だと思ってこの外傷センターに入ることを希望した」(子育て中医師)
・「研修医にもスクラブ(外傷センター独自の医療用白衣)を配ってもらい、チームのメンバーの一員だと感じることができた。とてもチームワークがよい職場だと思う」
・「休みやすくなった」
<宮本センター長コメント>
「やれないと思っていたけれど、身近なところでもやれることはたくさんある。ほとんどのチームがまだ現状維持バイアスがかかっていると思います。やってみれば変わることはたくさんある、ということをお伝えしたい」
◆救命センター(11人の医師と約6名の研修医が参加)
<課題と取り組み>
・救急車やドクターヘリなどの対応件数は19年度は救急車の受け入れ数13年比で1.37倍、ドクターヘリは2013年比で4.3倍と年々増加し、業務負荷が増加していた。
・業務を分析し、患者の容体や治療方法等に関する情報を引き継ぐ「申し送り時間」が本質的な治療等の時間を圧迫していることを発見。
・発表の時間と質問の時間を分けることでこれまで発表の合間に質問がはさまれ時間が伸びてしまっていたところを、発表後にまとめて質疑応答し時間削減を実現。
・発表者も質問者も時間を意識するべく、教授自ら、患者当たりの申し送り時間の計測を実施、端的に発表や質問が可能に。
<成果>
・最も所要時間がかかる傾向にある患者受け入れ初日の「申し送り時間」が25%短縮、初日以外の「申し送り時間」は15%減、申し送りにかかわる総時間は約30%減と大きく削減。なお、いずれも申し送り事項の質については維持できていた。
・申し送り時間を計測しただけでも時間短縮につながったという声もあり、他の医療現場でも十分に応用可能であることも確認した。
<取り組んだ医師のコメント>
・「カンファレンスの時間が短くなったと実感している。1時間くらい短いときもある。」
・「必要に迫られてやることになったものの、結果的に変化も出たのでやってよかった。」
<田崎センター長のコメント>
・「心理的安全性、やりがいやプライド等、自発的な取り組みに育てていきたい。」などを新たな取り組みとして実施する予定です。時間というより、やりがい、自分の充実感にも注目し、取り組みを展開していきたいと思います。」
◆看護部(約60人の看護師が参加)
<課題と取り組み>
・生産性を向上するうえで課題となっていることを分析、解決策を議論しながら残業削減を目指す場として「カエル会議」を実施
・課題意識の高まりにより、情報連携や、チームワークを高めることを目的とした「声かけシート」を作成。どのようなときにどのようにしてお互いに声をかけあうかを明確にした。
・「帰ろうDay」を設定し、仕事のメリハリをつけて帰宅する日を決めるなどを実施。
<成果>
・当初、働き方を変えることに対し積極性がさほど高くなかった同部でも、86.9%がポジティブな変化を感じる結果に。
<取り組んだ看護師からのコメント>
・「自宅に仕事を持ち帰ったり、サービス残業をしたりすることをやめた」
・「助け合う意識がより高くなった」
・「勤務中の声かけを積極的に行うように努力するようになった」
・「思っていても声に出さなかったことをなるべく出すようにした」
【総括:長崎大学病院 外傷センター 宮本医師 コメント】
当センターは救命救急医療の中でも外傷に特化し、交通事故などの重傷患者に対応する専門集団です。緊急手術も多く予定が見えにくいという特性があります。そんな中でも、ワークスタイルイノベーションにかかわる前から、専門医師の増加や専用手術室の確保など、よりよい働き方に向けて尽力してきました。今回、2019年9月より、株式会社ワーク・ライフバランスの働き方改革のコンサルティングを受けたい診療科の募集があり、より働き方をよくしていくために応募しました。
当初は、若手医師から意見が出るのか心配な点もあったのですが、自分は最後に発言するよう工夫したり、コンサルタントの皆さんから、若手医師の意見を積極的に採用していくやり方を目の当たりにしたりし、若手医師も活気づいていくとともに、勤務日数を変更するといった大胆な案も出てくるようになりました。また、チーム医療には欠かせない、各種専門職との情報連携にも取り組み、多職種合同カンファにも取り組みました。
その結果、医師と看護師の連携が強化され、最終的には看護師から医師に対して検査の指示などを求める依頼が60%削減するという成果を上げることができました。
医師の働き方は今、新型コロナウィルス対応業務も増えています。そんな中でも、我々のような管理職世代の意識改革を進め、年代問わず多くの医療従事者が意見を出していけば、医療現場でも必ず変化は出せると確信を持っています。
今後は、週4日勤務に変更し、総労働時間削減に挑戦する予定です。
また、長崎大学病院の取り組み内容や成果を解説する場として、2020年8月22日(土)、長崎大学病院主催の「働き方改革シンポジウム」をオンラインにて開催しました。同病院の3チーム(高度救命救急センター、外傷センター、看護部国際医療センター2)による成果発表に加え、当社代表取締役社長の小室淑恵による基調講演や、長崎大学長や長崎大学病院長とのパネルディスカッションが実施され、働き方改革が極めて難しいとされてきた医療分野において、トップ自らが働き方改革の必要性に気づき、着実に有効的な取組を実践してきた先進事例の紹介がありました。
具体的には、シフト勤務や繁忙の差があるなかでも、患者の情報を共有する重要なカンファレンスの効率化や現場主導での医局のレイアウト変更等によるコミュニケーションの増加、週5日から4日へ勤務日数の変更など、医療分野の特性を生かした取組成果となっています。参加者からは「ライブ配信を活用したことで長崎大学・長崎大学病院の従来の報告会以上に、幹部も参加することができ有意義になったと感じた」「今後の取り組みにも期待したい」といった感想が寄せられ、非常に有意義なシンポジウムとなりました。
【長崎大学病院 病院の働き方改革シンポジウム 概要】
・日時:2020年8月22日(土)13時30分〜16時30分
・場所:オンライン会場
・対象:医療関係者・一般の方
・登壇者:
長崎大学 学長:河野茂様、
長崎大学病院 病院長:中尾一彦様
(株)ワーク・ライフバランス代表取締役社長:小室淑恵
・内容:
-シンポジウム開会・長崎大学学長より挨拶
-(株)ワーク・ライフバランス小室による基調講演
-参加チームによる取組内容・成果の発表
-学長・病院長・(株)ワーク・ライフバランス小室によるパネルディスカッション
-長崎大学病院病院長総括
・成果発表者
高度救命救急センター:田崎教授
外傷センター:宮本准教授
看護部国際医療センター2:別所副看護師長
【長崎大学病院の働き方改革取り組み状況】
・2015年
実施チーム:4チーム保健学科リプロダクティブヘルス分野、大学教育イノベーションセンター、病院/移植・消化器外科、病院/消化器内科
・2016年
実施チーム:4チーム 保健学科リプロダクティブヘルス分野、保険・医療推進センター、病院事務部総務課、病院医療教育開発センター
・2017年
実施チーム:4チーム 薬学部医薬品情報学分野、医師薬学総合研究科地域包括ケア教育センター、生活習慣病予防診療部/栄養管理室、ダイバーシティ推進センター
・2018年
実施チーム:4チーム 医療情報部看護部情報システム、病院/放射線核医学部門、病院/診療放射線治療室、ダイバーシティ推進センター
【当社の働き方改革コンサルティングについて】
「働き方改革コンサルティング」は、約8か月間で働き方改革に必要なノウハウを現場に定着させることができる伴走型のコンサルティングサービスです。各社員の時間の使い方を15分単位で可視化し、チームでの課題整理や働き方の見直しを促すことで、時間当たりの生産性向上や私生活の充実を実現し、イノベーション創出につなげていくことが特徴です。指導型のコンサルティングではなく、コーチング技術を用い、現場が自発的に考え始める仕組みを提供します。2006年の創業当時より提供を開始、それ以来、1,000社の企業の働き方改革に伴走し、残業時間半減や労働生産性3割増、新規事業の創出といった成果につなげてきました。
◆株式会社ワーク・ライフバランスについて
2006年創業、以来14年にわたり企業の働き方改革により業績と従業員のモチベーションの双方を向上させることにこだわり、働き方改革コンサルティング事業を中心に展開。これまでに自治体・官公庁も含め企業1,000社以上を支援。残業30%削減に成功し、営業利益18%増加した企業や、残業81%削減し有給取得率4倍、利益率3倍になった企業など、長時間労働体質の企業への組織改革が強み。
会社名:株式会社ワーク・ライフバランス
代表者:代表取締役社長 小室 淑恵
サイト:https://work-life-b.co.jp/
創立年月:2006年7月
資本金:1,000万円
主な事業内容:
働き方改革コンサルティング事業・講演・研修事業
コンテンツビジネス事業・コンサルタント養成事業
働き方改革支援のためのITサービス開発・提供
「朝メール.com」「ワーク・ライフバランス組織診断」「介護と仕事の両立ナビ」
カードゲーム体験型研修「ライフ・スイッチ」
実績:1,000社以上(国土交通省、鹿島建設中部支店、住友生命保険相互会社、アイシン精機株式会社、内閣府、三重県、埼玉県教育委員会など)
・代表 小室 淑恵プロフィール
2014年9月より安倍内閣「産業競争力会議」民間議員を務め、働き方改革関連法案施行に向けて活動し、2019年の国会審議で答弁。2019年4月の施行に貢献。国政とビジネスサイドの両面から働き方改革を推進している。年間200回の講演依頼を受けながら、自身も残業ゼロ、二児の母として両立している。