FPGAを使ってみたい技術者や学生、一般企業に向けた無償のオンラインFPGA利用環境『ACRiルーム』を開設
[20/07/31]
提供元:PRTIMES
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FPGAの活用方法を模索、研究する団体であるアダプティブコンピューティング研究推進体-ACRi ( 所在地:東京都目黒区大岡山2丁目12-1, 以下ACRi (アクリ) *1 )は、2020年8月1日よりFPGA*2利用環境の無償提供の場として『ACRiルーム』を開設いたします。これはオンラインで無償利用できるFPGAの利用環境で、東京工業大学構内に設置された100枚を超えるFPGAボードと開発用ソフトウェアにリモートからアクセスして利用できるものです。
利用者は日本国内でFPGAに興味のあるすべての人が対象で、ACRiルームのウェブサイト*3から事前に利用予約をすることで『ACRiルーム』を使用できます。初年度(2021年7月末まで)では1,000人の利用を想定しています。
これまでFPGA を使った開発成果やトラブルは個々の環境に依存することが多々あり、ノウハウを共有することが難しいという課題がありました。共通の FPGA環境を利用することで開発成果もトラブルも簡単に共有できる環境の提供を目指していきます。
また、2020年8月6日(木曜日)には ACRiルームの目的や使い方についてデモを交えて紹介する「ACRiルーム紹介ウェビナー」も開催します。
(参加申し込み:https://acri.connpass.com/event/183224/)
*1 : 「ACRi(アクリ)」は「Adaptive Computing Research Initiative」の略称です。
*2 : FPGA(Field Programmable Gate Array)とは、特定の用途に合わせたディジタル回路を実現するために使用する半導体デバイスです。
*3 : ACRIルーム URL: https://gw.acri.c.titech.ac.jp/wp/manual/welcome
【ACRiルーム概要】
■背景・目的
<ACRiとは>
2020年4月に発足した4大学16社からなる、日本で初めて産学連携でのFPGAを活用する高性能なアダプティブコンピューティング・システムの開発およびその設計を効率化するためのFPGA活用基盤の開発を行う研究推進体です。
また、研究成果の実社会への実装を目指して、開発したシステムを含むFPGA関連技術の普及のための情報提供や技術者がお互いに学びあえる仕組みづくりに取り組んでいきます。
・AI等の処理を高速化するFPGAアクセラレータの開発
・IoTのためのFPGAアクセラレータおよびFPGAシステムの開発
・設計を効率化するためのFPGA活用基盤の開発
<ACRiルームとは>
ACRiが推進する開発現場への支援活動の中心的なプログラムとなるものです。現在、FPGAでの開発は一般的には広く浸透しておらず、利用環境も多くの方には知られておりません。ACRiルームによるFPGA利用環境の無償提供によってFPGAの活用を広く共有することで、多くの業界の課題を解決することを目指します。
大学/企業/個人を問わず、FPGA に関わる研究、教育、技術習得、検証評価など、様々な目的で利用することが可能です。ACRiルームは現在、東京工業大学に設置されていますが、オンラインで提供されるためリモート環境での新たな働き方や研究・教育の助力となることを期待します。
■想定事例
ACRiルームはFPGA習得を目指す技術者の学習・研究に必要なハードウェア/ソフトウェア/ツールの入手とその費用負担を軽減し、FPGAに関する技術情報収集の場として以下の状況を想定しています。
・技術者や学生が独学の場として使用できます。さらにACRi が提供するFPGAシステムや活用基盤、研究成果などをまとめたACRiブログ(https://www.acri.c.titech.ac.jp/wordpress/)での記事内容を実際に試すことができます。
・大学・高専等での講義や研究の場として利用できます。教育の場での機材のシェアリングによって個々の教育機関の負担を軽減します。すでに東京工業大学および東海大学の学部生向けの授業で使用する予定です。
・一般企業でのFPGA「リモート活用」の場として使用できます。リモートワーク環境下の技術者にとって、オフィスの実験室に出勤しなくても、時間や場所に制約されずにFPGAでの開発を行うことができます。これにより、より自由な働き方を後押しします。
■提供機材
ACRiルームの機材リストです。100枚を超えるFPGAボードが同時に利用可能です。
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[画像3: https://prtimes.jp/i/61586/3/resize/d61586-3-130290-2.jpg ]
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・ザイリンクス社提供 Alveoアクセラレータカード 4枚
搭載ボード:Alveo U200/U250/U280/U50
URL:https://japan.xilinx.com/products/boards-and-kits/alveo.html
・Digilent社様協賛 Artyボード 100枚
搭載ボード:Arty A7-35T(XC7A35TICSG324-1L)
URL:https://www.avnet.com/shop/japan/products/digilent/410-319-3074457345636060758/
・GDEP社様提供 FPGA StarterBOX 1台
搭載ボード:Alveo U200
URL:https://www.gdep.co.jp/products/list/v/5ee060a91b189
各機材やサーバーの詳細、機材の予約方法はACRiルームのウェブサイトをご覧ください。
URL:https://gw.acri.c.titech.ac.jp/wp/manual/welcome
■ごあいさつ
ACRi代表 吉瀬謙二
4月に発足したACRiは大きく成長しています。そして、8月には活動の基盤となるACRiルームの本格運用を開始します。このACRiルームは、仮想マシンやスケーラブルなファイルサーバーを活用して、100人を超えるユーザが快適に利用できるように設計された画期的なFPGA利用環境です。是非、ACRiルームを通じて、FPGAに関する最先端の研究成果やFPGAの魅力に触れていただきたいと思います。
吉瀬謙二プロフィール
東京工業大学 情報理工学院 情報工学系 准教授。2000年電気通信大学 助手。2006年東京工業大学 講師。2011年 准教授。コンピュータアーキテクチャ、FPGAシステム、並列処理に関する研究に従事。
ACRiルーム室長 三好健文
ACRiルームは道具を揃える面倒な手間をスキップして、手軽にFPGA開発をはじめられるリモート環境を提供します。エントリモデル(Arty)と本格的なFPGAコンピューティングを楽しめるモデル(Alveo)を、開発に必要なソフトウェア環境とセットで用意しました。都合のいい時間をオンラインで予約してログインするだけで利用できます。
はじめてのディジタル回路設計やプロセッサ開発にはArtyを、FPGAの計算パワーを味わうにはAlveoを、といった具合に興味や目的に応じてご利用ください。また、手元にFPGAを持っているという方でも、成果やノウハウを共有する環境としてACRiルームを是非ご活用いただければと思います。
三好健文プロフィール
2007年、東京工業大学大学院修了。博士(工学)。2014年、わさらぼ合同会社を設立。FPGAを活用したソリューションのご提案や開発に従事。Javaをベースにした高位合成処理系Synthesijerやストリーム処理向けマルチプロセッサシステムを開発中。
■今後の展開
FPGAに馴染みのないエンジニアの方でも気軽に利用できる「身近な実験室」のような位置づけで、ACRiルームをできるだけ多くの技術者・研究者に、何度も繰り返しご利用頂くことを目標とし、初年度(2021年7月末まで)では1,000人に利用いただけることを目標とします。
また、各教育機関にACRiルームの構築ノウハウを提供し、同種の環境が日本中に展開することを支援していくことを目指します。
このプレスリリースに関するお問い合わせ
<一般のお問い合わせ先>
アダプティブコンピューティング研究推進体 (ACRi) 事務局
Mail:info@acri.c.titech.ac.jp ウェブサイト:https://www.acri.c.titech.ac.jp/
本発表資料に記載された情報は、発表日現在のものです。活動内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。