3M、独自の調査を用いたパネルディスカッションイベントを開催
[23/07/01]
提供元:PRTIMES
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〜有識者と女子学生と共にSTEM分野の“進路選択に潜むアンコンシャスバイアス”を紐解く〜
スリーエム ジャパン株式会社(本社:東京都品川区 代表取締役社長:宮崎 裕子)は2023年6月29日(水)にスリーエム ジャパンの本社において、STEMの公平性の促進の一環として、多様性の中でも日本のSTEM・理系分野で特に課題となっている女性比率の低さ(※1)に注目した、パネルディスカッションイベントを開催しました。
※1:日本の大学等入学者女性割合(国際比較)より、自然科学系が27%、工学系が16%で、共にOECD諸国で最下位[内閣府男女共同参画白書 令和4年版]
[画像1: https://prtimes.jp/i/116306/3/resize/d116306-3-2754267bf2075d23c216-0.jpg ]
パネリストとして、特定非営利活動法人 日本科学振興協会 代表理事 東北大学 名誉教授の原山優子氏、東北大学大学院 工学研究科の女子学生1名を迎え、スリーエム ジャパンの社員2名とともに「STEM分野に女性比率向上がなぜ求められるのか」「女性の理系進出を促すには」をテーマに、主に3Mが独自で行った2つの調査結果を用いて議論を行いました。
・調査1.:3Mがグローバルで 2018 年から毎年行っている、人びとの科学に対する意識調査「State of Science Index(ステート・オブ・サイエンス・インデックス)」(以下、SOSI)の 2023年版(※2)
・調査2.:3Mジャパングループ社員の進路選択などに関する社内アンケート(2023年6月実施)(※3)
【STEM分野に女性比率向上がなぜ求められるのか】
SOSIの調査結果において「女性はSTEM分野でのまだ活用されていない労働力としての可能性を秘めている」に84%の日本人が同意していることに加え、昨年比で4%ポイント増加しており、STEM分野での労働力としての女性の活用に対する課題意識が高まっていることが示されました。
原山氏からは、STEM分野の女性比率を向上させることの意義として「STEM分野では新しいことへのチャレンジが求められているなかで、多様なものを取り入れていく必要がある。多様性の一つに女性を増やすという取り組みがあり、各自が自分の力を当たり前に発揮できる状況を作っていかなければいけない」といったコメントがありました。
【理系の進路選択を阻む要因とは?】
STEM分野の女性比率の低さについてさまざまな背景があるなかで、本ディスカッションでは周囲や社会からの影響などに着目し、女性の理系選択を阻む要因について各パネラーの体験談と共に深掘りしました。
他方、スリーエム ジャパンの社内アンケートの結果では、理系進路を選択した社員でそれを身近な方(保護者や親せき)から反対されたことが無いと回答した割合は男性が99%、女性が93%でした。
原山氏からは「子の将来を思う親世代の価値観によるアドバイスなど、幼少期から周囲によって無意識刷り込まれたアンコンシャスバイアスの存在が、理系への進路選択を阻む要因の一つになり得る可能性がある。理系分野の本質的な面白さを子供たちが自分事として捉えられるようにしていくことが重要。また、3Mの社内アンケート結果は、社員の多くが自らを主体とした進路選択ができていることが解る内容で面白い。多様性を重視する社風が、主体的に進路選択を行う人たちを引き付けているのだろう」とのコメントがありました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/116306/3/resize/d116306-3-c865d73e84d5978eefc2-1.png ]
また、同アンケートでは、理系進路を選択した女性社員の54%が「女性なのにすごいね」などのアンコンシャスバイアスのかかった言葉をかけられた経験があることが分かり、登壇者からは「女性で物理学を専攻しているなんて珍しいね、すごいね、という声をかけられたことがある」や「女子なのになぜ博士課程まで進学したのかと親戚や周囲から言われたことがある」などの体験談が語られました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/116306/3/resize/d116306-3-62b405d591f3a2ae413f-2.png ]
【STEM分野の女性進出を促すために私たちにできること】
SOSIの調査における「STEMキャリアを目指す利点」を選ぶ設問では、全ての項目で日本の回答がグローバルの平均を下回っていることが分かりました。特に「STEMでのキャリアを目指す利点はない」と回答した割合がグローバル平均の約2倍となっています。
登壇者からは「自分の視点を活かした製品開発ができるおもしろさ」「研究職だけでなくビジネスに関わる部署やマネジメントに進む道もある」「一つの仕事に拘ることなく、自分のフィールドを広げていくことが重要」など、STEMのキャリアの魅力や広がりについての意見が交わされました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/116306/3/resize/d116306-3-a214f6b6790aae9bffa7-2.png ]
さらに、同調査において「科学を擁護しようとする人々に影響を与える人」として、日本の回答の上位3つは、「科学者」「企業」「メディア」の順となり、「企業」を選んだ人の割合はグローバル平均の約2倍となっています。
[画像5: https://prtimes.jp/i/116306/3/resize/d116306-3-5796d0703bcbfd7c5e06-4.png ]
特に日本では、社会への影響力が大きいとされる科学者や企業自身が、科学やSTEMキャリアの魅力をこれまで以上に広く発信していくこと、加えて進路を選択する学生自身だけでなく保護者も含めて伝えていくことの重要性についての意見が交わされるとともに、原山氏からは「社会制度や企業の取り組み、STEMへの認識や教育方法への対応など、個々でなく多様な取り組みが必要になる」とのコメントがありました。
パネルディスカッションでモデレーターを務めたスリーエム ジャパン株式会社 コーポレートR&Dオペレーション統轄技術部長 宇田川 敦志のコメント
「今回のパネルディスカッションを経て、思ってもみないアンコンシャスバイアスがあるのだと改めて気づかされました。サイエンスカンパニーである3Mでは、イノベーションは複数の価値観や多様なバックグラウンドを持った人びとの交流から生まれてくるものだと考えています。企業に期待することが大きいと調査の結果にありますが、3Mはサイエンスの魅力をさらに伝えるとともに、STEM分野における多様性を進めるため、今後もコミュニケーションを続けていきたいと思っています」
【スリーエム ジャパンの取り組みについて】
スリーエム ジャパンでは、女子学生の理系分野におけるリテラシー向上のために、2018年より内閣府男女共同参画局が進める「リコチャレ」に参画し、国連が定める「科学における女性と女児の国際デー」(International Day of Women and Girls in Science)」の支持を表明しています。これからも女性や女児がSTEM分野への関心を持ち、将来の選択肢の拡大を支援する取り組みなどを継続していきます。
・2022年に実施したリコチャレのプレスリリース
※2:【調査期間】2022年9月〜12月【調査対象】18歳以上の男女 グローバル17,061人 日本1,005人
※3:【調査期間】2023年6月2日〜12日【調査対象】スリーエム ジャパンの社員の任意回答者1,193名
【 3Mについて】
3M(本社:米国ミネソタ州)は、サイエンス(科学)が明るい未来を創造すると信じています。人びと、アイデア、サイエンスの力を解き放つことによりさらなる可能性を模索し、世界中の社員がお客様、地域社会、そして地球の課題を解決するために取り組んでいます。人びとの暮らしを豊かにし、「これから」を創り出すための3Mの活動はwww.3M.comまたはTwitterの@3M、@3MNewsをご覧ください。3Mジャパングループについてはwww.3mcompany.jpをご覧ください。
スリーエム ジャパン株式会社(本社:東京都品川区 代表取締役社長:宮崎 裕子)は2023年6月29日(水)にスリーエム ジャパンの本社において、STEMの公平性の促進の一環として、多様性の中でも日本のSTEM・理系分野で特に課題となっている女性比率の低さ(※1)に注目した、パネルディスカッションイベントを開催しました。
※1:日本の大学等入学者女性割合(国際比較)より、自然科学系が27%、工学系が16%で、共にOECD諸国で最下位[内閣府男女共同参画白書 令和4年版]
[画像1: https://prtimes.jp/i/116306/3/resize/d116306-3-2754267bf2075d23c216-0.jpg ]
パネリストとして、特定非営利活動法人 日本科学振興協会 代表理事 東北大学 名誉教授の原山優子氏、東北大学大学院 工学研究科の女子学生1名を迎え、スリーエム ジャパンの社員2名とともに「STEM分野に女性比率向上がなぜ求められるのか」「女性の理系進出を促すには」をテーマに、主に3Mが独自で行った2つの調査結果を用いて議論を行いました。
・調査1.:3Mがグローバルで 2018 年から毎年行っている、人びとの科学に対する意識調査「State of Science Index(ステート・オブ・サイエンス・インデックス)」(以下、SOSI)の 2023年版(※2)
・調査2.:3Mジャパングループ社員の進路選択などに関する社内アンケート(2023年6月実施)(※3)
【STEM分野に女性比率向上がなぜ求められるのか】
SOSIの調査結果において「女性はSTEM分野でのまだ活用されていない労働力としての可能性を秘めている」に84%の日本人が同意していることに加え、昨年比で4%ポイント増加しており、STEM分野での労働力としての女性の活用に対する課題意識が高まっていることが示されました。
原山氏からは、STEM分野の女性比率を向上させることの意義として「STEM分野では新しいことへのチャレンジが求められているなかで、多様なものを取り入れていく必要がある。多様性の一つに女性を増やすという取り組みがあり、各自が自分の力を当たり前に発揮できる状況を作っていかなければいけない」といったコメントがありました。
【理系の進路選択を阻む要因とは?】
STEM分野の女性比率の低さについてさまざまな背景があるなかで、本ディスカッションでは周囲や社会からの影響などに着目し、女性の理系選択を阻む要因について各パネラーの体験談と共に深掘りしました。
他方、スリーエム ジャパンの社内アンケートの結果では、理系進路を選択した社員でそれを身近な方(保護者や親せき)から反対されたことが無いと回答した割合は男性が99%、女性が93%でした。
原山氏からは「子の将来を思う親世代の価値観によるアドバイスなど、幼少期から周囲によって無意識刷り込まれたアンコンシャスバイアスの存在が、理系への進路選択を阻む要因の一つになり得る可能性がある。理系分野の本質的な面白さを子供たちが自分事として捉えられるようにしていくことが重要。また、3Mの社内アンケート結果は、社員の多くが自らを主体とした進路選択ができていることが解る内容で面白い。多様性を重視する社風が、主体的に進路選択を行う人たちを引き付けているのだろう」とのコメントがありました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/116306/3/resize/d116306-3-c865d73e84d5978eefc2-1.png ]
また、同アンケートでは、理系進路を選択した女性社員の54%が「女性なのにすごいね」などのアンコンシャスバイアスのかかった言葉をかけられた経験があることが分かり、登壇者からは「女性で物理学を専攻しているなんて珍しいね、すごいね、という声をかけられたことがある」や「女子なのになぜ博士課程まで進学したのかと親戚や周囲から言われたことがある」などの体験談が語られました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/116306/3/resize/d116306-3-62b405d591f3a2ae413f-2.png ]
【STEM分野の女性進出を促すために私たちにできること】
SOSIの調査における「STEMキャリアを目指す利点」を選ぶ設問では、全ての項目で日本の回答がグローバルの平均を下回っていることが分かりました。特に「STEMでのキャリアを目指す利点はない」と回答した割合がグローバル平均の約2倍となっています。
登壇者からは「自分の視点を活かした製品開発ができるおもしろさ」「研究職だけでなくビジネスに関わる部署やマネジメントに進む道もある」「一つの仕事に拘ることなく、自分のフィールドを広げていくことが重要」など、STEMのキャリアの魅力や広がりについての意見が交わされました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/116306/3/resize/d116306-3-a214f6b6790aae9bffa7-2.png ]
さらに、同調査において「科学を擁護しようとする人々に影響を与える人」として、日本の回答の上位3つは、「科学者」「企業」「メディア」の順となり、「企業」を選んだ人の割合はグローバル平均の約2倍となっています。
[画像5: https://prtimes.jp/i/116306/3/resize/d116306-3-5796d0703bcbfd7c5e06-4.png ]
特に日本では、社会への影響力が大きいとされる科学者や企業自身が、科学やSTEMキャリアの魅力をこれまで以上に広く発信していくこと、加えて進路を選択する学生自身だけでなく保護者も含めて伝えていくことの重要性についての意見が交わされるとともに、原山氏からは「社会制度や企業の取り組み、STEMへの認識や教育方法への対応など、個々でなく多様な取り組みが必要になる」とのコメントがありました。
パネルディスカッションでモデレーターを務めたスリーエム ジャパン株式会社 コーポレートR&Dオペレーション統轄技術部長 宇田川 敦志のコメント
「今回のパネルディスカッションを経て、思ってもみないアンコンシャスバイアスがあるのだと改めて気づかされました。サイエンスカンパニーである3Mでは、イノベーションは複数の価値観や多様なバックグラウンドを持った人びとの交流から生まれてくるものだと考えています。企業に期待することが大きいと調査の結果にありますが、3Mはサイエンスの魅力をさらに伝えるとともに、STEM分野における多様性を進めるため、今後もコミュニケーションを続けていきたいと思っています」
【スリーエム ジャパンの取り組みについて】
スリーエム ジャパンでは、女子学生の理系分野におけるリテラシー向上のために、2018年より内閣府男女共同参画局が進める「リコチャレ」に参画し、国連が定める「科学における女性と女児の国際デー」(International Day of Women and Girls in Science)」の支持を表明しています。これからも女性や女児がSTEM分野への関心を持ち、将来の選択肢の拡大を支援する取り組みなどを継続していきます。
・2022年に実施したリコチャレのプレスリリース
※2:【調査期間】2022年9月〜12月【調査対象】18歳以上の男女 グローバル17,061人 日本1,005人
※3:【調査期間】2023年6月2日〜12日【調査対象】スリーエム ジャパンの社員の任意回答者1,193名
【 3Mについて】
3M(本社:米国ミネソタ州)は、サイエンス(科学)が明るい未来を創造すると信じています。人びと、アイデア、サイエンスの力を解き放つことによりさらなる可能性を模索し、世界中の社員がお客様、地域社会、そして地球の課題を解決するために取り組んでいます。人びとの暮らしを豊かにし、「これから」を創り出すための3Mの活動はwww.3M.comまたはTwitterの@3M、@3MNewsをご覧ください。3Mジャパングループについてはwww.3mcompany.jpをご覧ください。