開始から20年。「ブックスタート」全国に広がり約830万人の赤ちゃんが対象に。
[22/10/27]
提供元:PRTIMES
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絵本を介して赤ちゃんとコミュニケーション。1000超の自治体で行政と市民が協働し、子育てを応援。
ブックスタートは、0歳児健診などの機会に、絵本をひらく楽しい「体験」と「絵本」をセットでプレゼントする活動です。赤ちゃんの幸せを願い、行政と市民が協働する自治体の事業として、全国で行われています。
英国で発祥した本事業は2001年に世界で2か国目として日本で開始。20年間で約830万人の赤ちゃんが対象となりました。地域に誕生した「すべて」の赤ちゃんを対象とする本事業は、障害の有無や国籍等に関わらず誰一人取り残さない活動であること、また、官民協働によるパートナーシップが発揮されることから、SDGsの観点でも新たに注目が集まっています。
[画像1: https://prtimes.jp/i/97323/5/resize/d97323-5-a7d779f2208653ae8899-6.jpg ]
「ブックスタート」とは?
赤ちゃんとその保護者に、読みきかせの「体験」とともに「絵本」をプレゼントする自治体の子育て支援事業。2022年9月末現在、全国の63%にあたる1,099自治体で実施(※1)。読みきかせの「体験」を特徴とするブックスタート事業以外にも、絵本の配付のみを行なう自治体もあり、そうした事業も含めると全国の81%にあたる1,424自治体で「赤ちゃんへの絵本贈呈事業」が実施されています(※2)。
※1 ブックスタート・パック注文受付に際し、当NPOが実施状況を確認している自治体。
※2 「赤ちゃんへの絵本贈呈事業に関する全国調査」(2022年3月、NPOブックスタート)をもとに集計。
(参考)全国の実施状況
https://www.bookstart.or.jp/coverage/
[画像2: https://prtimes.jp/i/97323/5/resize/d97323-5-23e164c9ba63208c58db-3.jpg ]
【TOPICS】
1.ブックスタートを受けた赤ちゃんが続々と20歳に
2001年における普及率は1%でしたが、開始後数年で活動が急速に広まり、2005年の普及率は31%となりました。2022年以降に20年の節目を迎える自治体があり、記念イベントを開催する例も見られます。
<事例>
■東京都練馬区:2002年に事業開始。5月8日に事業開始20年を記念した講演イベントを行いました。練馬区は「家庭文庫」の存在も大きく、ブックスタート以前から子どもの読書に関する市民活動が盛んです。ブックスタートにおいては、地区の図書館ごとに分かれたボランティア団体に事業の運営を委託しています。
■鳥取県倉吉市:2002年に事業開始。9月23日にブックスタート事業20周年を記念して、倉吉市立図書館で「わらべうたの会」が行われました。
(参考)ブックスタート実施自治体一覧_2001〜2021年度
https://prtimes.jp/a/?f=d97323-20221019-4a76e601c6d35dff00d6df78fed5f645.pdf
[画像3: https://prtimes.jp/i/97323/5/resize/d97323-5-4e14a4f62777aa6c364b-7.jpg ]
2.コロナ禍や財政難のなかでもブックスタートを継続/開始する自治体も
他者との交流がしにくい今、ブックスタートは、孤立しがちな親子に絵本を介してホッとできるひとときを提供し、子どもの育ちを地域全体で支える仕組みとして機能しています。行政の部門横断で子育てを見守る「こども家庭庁」の理念にもブックスタートは親和性があります。
<事例>
■島根県松江市:コロナ禍で家庭で過ごす時間が増えるなか、絵本を介したふれあいの機会を届けたいと2022年9月から4か月児健診で事業を開始しました。
■広島県尾道市:市民の声がきっかけとなり、社会福祉協議会が財源を提供。コロナ禍でも方法を模索しながら、活動を継続しています。2005年〜2006年に周辺市町と合併し、活動の輪を広めてきた自治体でもあります。
■沖縄県本部町:ふるさと納税や一般からの寄付金をもとにした基金<子ども・子育てゆいまーる基金>を財源にしています。事務局は健康づくり推進課。コロナ禍で多忙を極める保健師さんが中心的に動き、2021年に事業を立ち上げました。
3.ブックスタートが教科書になった!
中・高 家庭科の幼児の発達を学ぶ授業で、ブックスタート事業が活用されています。
2022年4月から使用が始まった高等学校の教科書『Survive!! 高等学校 家庭基礎』(教育図書株式会社/2022年2月5日発行)に、ブックスタートが登場。子どもの発達や遊び、生活、大人の役割などを学ぶ章の中で「サステナビリティ」に関する取り組みとして紹介されています。ブックスタートが教材として注目される背景には、「持続可能な社会の創り手」の育成を理念に掲げる教育課程の改訂と、SDGs参画への世界的な流れがあります。
(参考)家庭科の教科書に「ブックスタート」が掲載されました!
https://www.bookstart.or.jp/2757/
[画像4: https://prtimes.jp/i/97323/5/resize/d97323-5-3303234e1f956b844fda-2.jpg ]
東京学芸大学附属世田谷中学校では授業でブックスタートを取り上げました。(2021年秋)
3年生137名を対象に幼児の発達に関する調べ学習と、それに合わせた絵本の選書体験を実施。近隣保育園から学校に園児を招き、生徒が実際に読みきかせを行いました。最後に授業のまとめとしてブックスタートを紹介し、生徒たちは絵本が親子のコミュニケーションツールになることや、社会全体で子どもを育む重要性を学び取りました。
家庭科教諭の関野かなえさんは「普段、子育ての様子を身近で見る機会がほとんどない生徒たちは、いざ親になった時に戸惑うことも多いでしょう。けれどブックスタートを知る中で、絵本が親子で心を通わせ合う手段になること、そして子どもの成長には愛される体験が必要だということを学べることに大きな意味があります」と、授業の意義について話しています。
さらにこの授業は、他教科と連携した学びに発展しました。国語科では、選書した絵本の紹介文を書き、美術科でそこに添える絵を描いて生徒が手作りのポップを制作。完成したポップは地域の公共図書館や絵本専門店などで展示されました。
(参考)NPOブックスタート ニュースレター76号
https://www.bookstart.or.jp/wp-content/uploads/2022/04/BookstartNewsletter_2022spring.pdf
(参考)授業でブックスタートを知る〜 中学生の声と地域への広がり〜
https://www.bookstart.or.jp/2726/
ブックスタートは、0歳児健診などの機会に、絵本をひらく楽しい「体験」と「絵本」をセットでプレゼントする活動です。赤ちゃんの幸せを願い、行政と市民が協働する自治体の事業として、全国で行われています。
英国で発祥した本事業は2001年に世界で2か国目として日本で開始。20年間で約830万人の赤ちゃんが対象となりました。地域に誕生した「すべて」の赤ちゃんを対象とする本事業は、障害の有無や国籍等に関わらず誰一人取り残さない活動であること、また、官民協働によるパートナーシップが発揮されることから、SDGsの観点でも新たに注目が集まっています。
[画像1: https://prtimes.jp/i/97323/5/resize/d97323-5-a7d779f2208653ae8899-6.jpg ]
「ブックスタート」とは?
赤ちゃんとその保護者に、読みきかせの「体験」とともに「絵本」をプレゼントする自治体の子育て支援事業。2022年9月末現在、全国の63%にあたる1,099自治体で実施(※1)。読みきかせの「体験」を特徴とするブックスタート事業以外にも、絵本の配付のみを行なう自治体もあり、そうした事業も含めると全国の81%にあたる1,424自治体で「赤ちゃんへの絵本贈呈事業」が実施されています(※2)。
※1 ブックスタート・パック注文受付に際し、当NPOが実施状況を確認している自治体。
※2 「赤ちゃんへの絵本贈呈事業に関する全国調査」(2022年3月、NPOブックスタート)をもとに集計。
(参考)全国の実施状況
https://www.bookstart.or.jp/coverage/
[画像2: https://prtimes.jp/i/97323/5/resize/d97323-5-23e164c9ba63208c58db-3.jpg ]
【TOPICS】
1.ブックスタートを受けた赤ちゃんが続々と20歳に
2001年における普及率は1%でしたが、開始後数年で活動が急速に広まり、2005年の普及率は31%となりました。2022年以降に20年の節目を迎える自治体があり、記念イベントを開催する例も見られます。
<事例>
■東京都練馬区:2002年に事業開始。5月8日に事業開始20年を記念した講演イベントを行いました。練馬区は「家庭文庫」の存在も大きく、ブックスタート以前から子どもの読書に関する市民活動が盛んです。ブックスタートにおいては、地区の図書館ごとに分かれたボランティア団体に事業の運営を委託しています。
■鳥取県倉吉市:2002年に事業開始。9月23日にブックスタート事業20周年を記念して、倉吉市立図書館で「わらべうたの会」が行われました。
(参考)ブックスタート実施自治体一覧_2001〜2021年度
https://prtimes.jp/a/?f=d97323-20221019-4a76e601c6d35dff00d6df78fed5f645.pdf
[画像3: https://prtimes.jp/i/97323/5/resize/d97323-5-4e14a4f62777aa6c364b-7.jpg ]
2.コロナ禍や財政難のなかでもブックスタートを継続/開始する自治体も
他者との交流がしにくい今、ブックスタートは、孤立しがちな親子に絵本を介してホッとできるひとときを提供し、子どもの育ちを地域全体で支える仕組みとして機能しています。行政の部門横断で子育てを見守る「こども家庭庁」の理念にもブックスタートは親和性があります。
<事例>
■島根県松江市:コロナ禍で家庭で過ごす時間が増えるなか、絵本を介したふれあいの機会を届けたいと2022年9月から4か月児健診で事業を開始しました。
■広島県尾道市:市民の声がきっかけとなり、社会福祉協議会が財源を提供。コロナ禍でも方法を模索しながら、活動を継続しています。2005年〜2006年に周辺市町と合併し、活動の輪を広めてきた自治体でもあります。
■沖縄県本部町:ふるさと納税や一般からの寄付金をもとにした基金<子ども・子育てゆいまーる基金>を財源にしています。事務局は健康づくり推進課。コロナ禍で多忙を極める保健師さんが中心的に動き、2021年に事業を立ち上げました。
3.ブックスタートが教科書になった!
中・高 家庭科の幼児の発達を学ぶ授業で、ブックスタート事業が活用されています。
2022年4月から使用が始まった高等学校の教科書『Survive!! 高等学校 家庭基礎』(教育図書株式会社/2022年2月5日発行)に、ブックスタートが登場。子どもの発達や遊び、生活、大人の役割などを学ぶ章の中で「サステナビリティ」に関する取り組みとして紹介されています。ブックスタートが教材として注目される背景には、「持続可能な社会の創り手」の育成を理念に掲げる教育課程の改訂と、SDGs参画への世界的な流れがあります。
(参考)家庭科の教科書に「ブックスタート」が掲載されました!
https://www.bookstart.or.jp/2757/
[画像4: https://prtimes.jp/i/97323/5/resize/d97323-5-3303234e1f956b844fda-2.jpg ]
東京学芸大学附属世田谷中学校では授業でブックスタートを取り上げました。(2021年秋)
3年生137名を対象に幼児の発達に関する調べ学習と、それに合わせた絵本の選書体験を実施。近隣保育園から学校に園児を招き、生徒が実際に読みきかせを行いました。最後に授業のまとめとしてブックスタートを紹介し、生徒たちは絵本が親子のコミュニケーションツールになることや、社会全体で子どもを育む重要性を学び取りました。
家庭科教諭の関野かなえさんは「普段、子育ての様子を身近で見る機会がほとんどない生徒たちは、いざ親になった時に戸惑うことも多いでしょう。けれどブックスタートを知る中で、絵本が親子で心を通わせ合う手段になること、そして子どもの成長には愛される体験が必要だということを学べることに大きな意味があります」と、授業の意義について話しています。
さらにこの授業は、他教科と連携した学びに発展しました。国語科では、選書した絵本の紹介文を書き、美術科でそこに添える絵を描いて生徒が手作りのポップを制作。完成したポップは地域の公共図書館や絵本専門店などで展示されました。
(参考)NPOブックスタート ニュースレター76号
https://www.bookstart.or.jp/wp-content/uploads/2022/04/BookstartNewsletter_2022spring.pdf
(参考)授業でブックスタートを知る〜 中学生の声と地域への広がり〜
https://www.bookstart.or.jp/2726/