“おいしい”理由は、“急速冷凍” にあり!?急速冷凍したパンは、ゆっくり冷凍したパンよりも、味覚上“おいしい”と感じることが判明!
[20/01/30]
提供元:PRTIMES
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伸長する”冷凍パン市場”、今なぜ人気?創業100周年の敷島製パンが冷凍パン「ル・オーブン」で科学的に検証!
敷島製パン株式会社(Pasco、本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:盛田 淳夫)は、焼成後冷凍パン ブランド「L’Oven(以下、ル・オーブン)」を対象に、味覚センサー「レオ」を用いた味覚分析とテクスチャーアナライザーを用いた“かたさ”分析を実施し、冷凍パンの“おいしさ”について科学的に検証しました。
<実験結果のポイント>
・急速冷凍したパンとゆっくり冷凍(=緩慢冷凍)したパン、どちらがおいしいと感じるかを味覚分析で検証
→急速冷凍したパンは緩慢冷凍したパンに比べて、「甘味」と「旨味」が強い数値を示した。
・急速冷凍したパンと緩慢冷凍したパンの"かたさ(=老化)”について比較分析を実施
→急速冷凍したパンが緩慢冷凍したパンよりも"老化が抑えられる”という結果を示した。
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[画像2: https://prtimes.jp/i/36645/6/resize/d36645-6-135298-0.jpg ]
飛躍的に進化を遂げる冷凍技術 ~冷凍食品のはじまりは敷島製パンの創業と同じ100年前~
1920年、凍結能力がある冷蔵庫が北海道森町に建設されたことが日本の冷凍食品事業の始まりといわれており※1、それから100年経った今、日本の冷凍技術は飛躍的な進化を遂げています。中でも食品へのダメージを最小限にすることで、おいしさを損なわせない「急速冷凍」技術の誕生が「できたて」を味わえる冷凍食品の開発に貢献しています。昨年の日本冷凍食品協会の調査によると、 冷凍食品を「ほとんど又はまったく使わない」人は年々減少し、冷凍食品の魅力として「おいしい」と答える人が増加しており※2 、ただ便利なものではなく、ご家庭でもできたてをおいしく味わえるものとして冷凍食品が親しまれるようになってきました。日本で冷凍食品事業が始まった1920年、敷島製パン(Pasco)も創業。食糧難に苦しむ人々のために米の代用食としてパンづくりをはじめ、今年で100周年を迎えました。そんなPascoが今力を注いでいるのが、焼成後冷凍パン。今ではPascoだけでなくパン業界全体にとって冷凍技術は、パンの開発・製造には欠かせない技術となっています。
2023年に2,000億円近くになると予想される“冷凍パン市場”
冷凍パン生地、冷凍パン市場の規模は、2019年度は1,806億円(前年度比102.3% )と予測され、2023年度には1,959億円の規模になることが予測されています※3 。 中でも「焼成後冷凍パン」は、自然解凍のみでも食べることができ、またトースターで温めるだけで焼きたてをすぐに提供できるという利便性から、人手不足を抱えるホテルやブライダル、外食業界などで数多く導入されています。一般消費者向けの商品も続々登場し、Pascoも2018年11月にオンラインショップ限定の焼成後冷凍パンブランド「ル・オーブン」をスタート。石窯で丁寧に焼き上げたパンを、おいしさを損なわないように「急速冷凍」してご家庭にお届けし、ご家庭のトースターで温めるだけで本格的な焼きたてを楽しんでいただける欧風パンとして展開しております。今や焼成後冷凍パンは、ご家庭でも気軽に「焼きたて」が味わえる冷凍パンとして注目されており、さらに市場を盛り上げていくことが期待されています。
※1 一般社団法人日本冷凍食品協会 WEBサイト「冷凍食品 100周年特集 〜冷凍食品の歩み〜」より
※2 「“冷凍食品の利用状況”実態調査」(一般社団法人日本冷凍食品協会, 2019年4月)より
※3 出所.(株)矢野経済研究所「2019年版 冷凍パン生地、冷凍パンの市場実態と展望」 注.市場規模は冷凍パン生地(生地玉冷凍、成型冷凍生地、ホイロ後冷凍生地)と冷凍パン(半焼成冷凍、焼成後冷凍[製品冷凍])を対象とし、冷凍パイ生地、冷凍ケーキ類を含まない。予測値は2019年9月現在。
□結果詳細
この度Pascoは、急速冷凍した焼成後冷凍パンが味覚上どれほどおいしく感じるのか、その“おいしさ”の秘密を1人でも多くの方に知っていただきたいと思い、Pascoのオンラインショップ限定の焼成後冷凍パンブランド「ル・オーブン」を対象に、味覚センサー「レオ」とテクスチャーアナライザーを用いて、科学的に検証を行いました。
実験A:急速冷凍したパンと緩慢冷凍したパンのどちらがおいしく感じるか味覚分析で検証
急速冷凍したパンが緩慢冷凍したパンより「甘味」と「旨味」が強い結果に!
実験Aでは、味覚センサー「レオ」※4を用いて、1.緩慢冷凍※5させたル・オーブンのバゲットと2.急速冷凍※6させたル・オーブンのバゲットを対象に、5つの基本味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)を数値化する味覚分析を実施しました。
その結果、特に味の強さを示した2つの基本味「甘味」と「旨味」について、2.急速冷凍させたル・オーブンのバゲットは、1.緩慢冷凍させたル・オーブンのバゲットに比べて、「甘味」と 「旨味」が高く、優位な差があることがわかりました。
5つの基本味の数値(5.0点満点)は、高ければ高いほどおいしさを示しているというわけではありません。味覚センサーにおける「おいしい」の定義は、 5つの基本味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)のうち、2つか3つの味のみ数値が高く、他の味とのコントラストがあること、またその数値の高さが3.0点に近づけば近づくほど味覚上、おいしく感じるとされています。
今回の結果では、高い数値を示した「甘味」と「旨味」の2つの味において、2.急速冷凍させたバゲットが1.緩慢冷凍させたバゲットより3.0に近い数値を示していることから、2.急速冷凍させたパンが1.緩慢冷凍させたパンに比べて味覚上おいしく感じることが明らかとなり、「急速冷凍」が味覚に影響を与えることがわかりました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/36645/6/resize/d36645-6-759785-6.jpg ]
[画像4: https://prtimes.jp/i/36645/6/resize/d36645-6-311966-5.jpg ]
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*数値の差について
0.2以上差があれば有意な差があります。(95%の人が味の違いを感じられる)0.1以上0.2未満の差であれば、傾向があります(60%の人が味の違いを感じられる)
※4 味覚センサー「レオ」とは?
慶應義塾大学で研究・開発された、AI技術を用いてヒトの味覚を再現した味覚センサーです。このセンサーは、味蕾(みらい)の代わりをするセンサー部分で食品サンプルから電気信号を測定し、独自のニューラルネットワーク(人工的な知能の実現)を通し、5つの基本味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)、コクやまろやかさを定量的な数値データとして出力します。さらにAIに蓄積した味覚データから相性度を測ることができます。
[画像6: https://prtimes.jp/i/36645/6/resize/d36645-6-249969-9.jpg ]
※5 家庭の冷凍庫などで、ゆっくり冷凍されること。食品の組織に負担がかかり、品質(おいしさ)を損なう可能性がある。
※6 工場などで専用の冷凍設備を使用して短時間で冷凍。冷凍によるダメージを防ぎ、品質(おいしさ)を損なわない技術。
実験B:急速冷凍したパンと緩慢冷凍したパンの”かたさ(=老化)”について比較分析を実施
急速冷凍したパンが緩慢冷凍したパンよりも“老化が抑えられる”ことが判明!
続いて、実験Bでは、テクスチャーアナライザー※7を用いて、「緩慢冷凍させたル・オーブンのバゲット」と「急速冷凍させたル・オーブンのバゲット」を対象に、クラム※8の「かたさ」について比較分析を実施しました。その結果、解凍直後の比較では、「急速冷凍させたル・オーブンのバゲット」は、「緩慢冷凍させたル・オーブンのバゲット」よりも優位にやわらかいことが明らかになりました。パンの大部分を構成する「でんぷん」は、焼き上げた瞬間から硬くなりはじめ、おいしさが損なわれていきます。これを「老化」といい、クラムがかたくなればなるほど老化していると言えることから、急速冷凍したパンの方が緩慢冷凍したパンより老化を抑えられるという結果となりました。
※7 「テクスチャーアナライザー」とは?
荷重を検知するセンサーに治具を取り付け、その治具でサンプルを押したり、引っ張ったりしたときにかかる荷重や応力を測定することで、硬さの評価を行うことができる装置です。
※8 「クラム」とは?
パンの中身であり、外皮の内側にある軟らかい部分。
[画像7: https://prtimes.jp/i/36645/6/resize/d36645-6-947369-3.jpg ]
パンの“かたさ”の違いが味覚にも影響を与える!?味博士の鈴木先生が解説
[画像8: https://prtimes.jp/i/36645/6/resize/d36645-6-783431-10.jpg ]
鈴木隆一先生(味博士/AISSY株式会社代表取締役社長/慶應義塾大学共同研究員)は、
かたさの違いが味覚に与える影響について次のようにコメントしております。
「ヒトは、水や唾液に溶けた呈味物質(ていみぶっしつ)が味蕾(みらい)にある味細胞を刺激することで、味を感じています。硬いよりも柔らかい方が唾液中に呈味物質が溶けやすいので、味の感じ方が強まることが考えられます。」
つまり、パンの中身(クラム)がやわらかいことは、中身(クラム)が硬いパンに比べて、パンの老化を抑えているだけでなく、パン本来の味もより強く感じることが明らかとなりました。
なぜ急速冷凍だとおいしく感じる? ~ル・オーブンが急速冷凍にこだわる理由とは~
焼成後冷凍パンとは、焼き上げたパンを冷凍したもので、自然解凍のみでも食べることができ、またトースターで温めるだけで焼きたてをすぐに提供できます。冷凍によって、焼きたてのおいしい状態で静かに眠らせているので、より良い状態でご家庭に届き、あとはトースターで軽く焼くだけで、焼きたてのおいしさを食卓で味わうことができます。
[画像9: https://prtimes.jp/i/36645/6/resize/d36645-6-746938-7.jpg ]
パンの大部分は、「でんぷん」で構成されており、パンのおいしさ=でんぷんのおいしさといっても過言ではありません。「でんぷん」は、焼き上げた瞬間から硬くなりはじめ、おいしさが損なわれていきます。これを「老化」といいます。そのため、おいしさを保つために最も重要なポイントは、焼き上げた後、工場でより早いタイミングで冷凍すること。
「でんぷんが最も老化する温度帯」をゆっくり時間をかけた冷凍(=緩慢冷凍)で通り過ぎると、「でんぷん」の老化が進行していまいます。また、食品を冷凍する過程で、氷結晶が大きくなりやすい温度帯「最大氷結晶生成帯」もゆっくり時間をかけて通り過ぎてしまうと、食品内部の組織が圧迫されて損傷してしまい、食品の組織にダメージを与えることがあります。 そこで、冷凍食品に悪影響を及ぼす、この2つの温度帯をできるだけ早く通過させて冷凍する(=急速冷凍)ことによって、でんぷんの老化を防ぐことができ、焼きたてのパンのようなおいしさを保つことができます。
□分析概要
<実験A>
【分析期間】2019年11月27日〜2019年11月29日
【分析方法】対象サンプルをAI味覚センサー「レオ」にかけて味覚比較分析(各サンプル3回ずつ測定)
【サンプル】
-緩慢冷凍させたル・オーブンのバゲット
-急速冷凍させたル・オーブンのバゲット
<実験B>
【分析期間】2019年12月16日〜2019年12月17日
【分析方法】対象サンプルをテクスチャーアナライザーにかけて「かたさ」の比較分析(各サンプル3回ずつ測定)
【サンプル】
-緩慢冷凍させたル・オーブンのバゲット
-急速冷凍させたル・オーブンのバゲット
□焼成後冷凍パンブランド「ル・オーブン」について
「L’Oven(ル・オーブン)」は、 Pascoのオンラインショップ限定の焼成後冷凍パンブランドです。“最高においしいパンを、最良の状態でお届けしたい”という想いから2018年11月より販売を開始しました。ル・オーブンのパンは、国産小麦の小麦粉と日本国内で本場フランスの味を再現した独自のルヴァン※9を使用。ゆっくりと低温で長時間発酵させ、石窯で丁寧に焼き上げた本格的な欧風パンです。
丁寧に焼き上げたパンは、おいしさを損なわないように急速冷凍してご家庭にお届けします。ご家庭のトースターで温めるだけで、本格的な焼きたて欧風パンをお楽しみいただけます。
[画像10: https://prtimes.jp/i/36645/6/resize/d36645-6-114620-2.jpg ]
[画像11: https://prtimes.jp/i/36645/6/resize/d36645-6-768151-8.jpg ]
※9 ルヴァンはパンの発酵種。発酵時に乳酸菌由来の発酵生成物がパンに香りや風味を付与し、まさにパンのおいしさの種ともなる大切なものです。
【ご注文・商品の詳細お問い合わせ先】
L’Oven(ル・オーブン): https://www.pascoshop.com/loven
お問合せフォーム: https://www.pascoshop.com/inquiryform
公式Instagram: @loven.jp(https://www.instagram.com/loven.jp/)
敷島製パン株式会社(Pasco、本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:盛田 淳夫)は、焼成後冷凍パン ブランド「L’Oven(以下、ル・オーブン)」を対象に、味覚センサー「レオ」を用いた味覚分析とテクスチャーアナライザーを用いた“かたさ”分析を実施し、冷凍パンの“おいしさ”について科学的に検証しました。
<実験結果のポイント>
・急速冷凍したパンとゆっくり冷凍(=緩慢冷凍)したパン、どちらがおいしいと感じるかを味覚分析で検証
→急速冷凍したパンは緩慢冷凍したパンに比べて、「甘味」と「旨味」が強い数値を示した。
・急速冷凍したパンと緩慢冷凍したパンの"かたさ(=老化)”について比較分析を実施
→急速冷凍したパンが緩慢冷凍したパンよりも"老化が抑えられる”という結果を示した。
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[画像2: https://prtimes.jp/i/36645/6/resize/d36645-6-135298-0.jpg ]
飛躍的に進化を遂げる冷凍技術 ~冷凍食品のはじまりは敷島製パンの創業と同じ100年前~
1920年、凍結能力がある冷蔵庫が北海道森町に建設されたことが日本の冷凍食品事業の始まりといわれており※1、それから100年経った今、日本の冷凍技術は飛躍的な進化を遂げています。中でも食品へのダメージを最小限にすることで、おいしさを損なわせない「急速冷凍」技術の誕生が「できたて」を味わえる冷凍食品の開発に貢献しています。昨年の日本冷凍食品協会の調査によると、 冷凍食品を「ほとんど又はまったく使わない」人は年々減少し、冷凍食品の魅力として「おいしい」と答える人が増加しており※2 、ただ便利なものではなく、ご家庭でもできたてをおいしく味わえるものとして冷凍食品が親しまれるようになってきました。日本で冷凍食品事業が始まった1920年、敷島製パン(Pasco)も創業。食糧難に苦しむ人々のために米の代用食としてパンづくりをはじめ、今年で100周年を迎えました。そんなPascoが今力を注いでいるのが、焼成後冷凍パン。今ではPascoだけでなくパン業界全体にとって冷凍技術は、パンの開発・製造には欠かせない技術となっています。
2023年に2,000億円近くになると予想される“冷凍パン市場”
冷凍パン生地、冷凍パン市場の規模は、2019年度は1,806億円(前年度比102.3% )と予測され、2023年度には1,959億円の規模になることが予測されています※3 。 中でも「焼成後冷凍パン」は、自然解凍のみでも食べることができ、またトースターで温めるだけで焼きたてをすぐに提供できるという利便性から、人手不足を抱えるホテルやブライダル、外食業界などで数多く導入されています。一般消費者向けの商品も続々登場し、Pascoも2018年11月にオンラインショップ限定の焼成後冷凍パンブランド「ル・オーブン」をスタート。石窯で丁寧に焼き上げたパンを、おいしさを損なわないように「急速冷凍」してご家庭にお届けし、ご家庭のトースターで温めるだけで本格的な焼きたてを楽しんでいただける欧風パンとして展開しております。今や焼成後冷凍パンは、ご家庭でも気軽に「焼きたて」が味わえる冷凍パンとして注目されており、さらに市場を盛り上げていくことが期待されています。
※1 一般社団法人日本冷凍食品協会 WEBサイト「冷凍食品 100周年特集 〜冷凍食品の歩み〜」より
※2 「“冷凍食品の利用状況”実態調査」(一般社団法人日本冷凍食品協会, 2019年4月)より
※3 出所.(株)矢野経済研究所「2019年版 冷凍パン生地、冷凍パンの市場実態と展望」 注.市場規模は冷凍パン生地(生地玉冷凍、成型冷凍生地、ホイロ後冷凍生地)と冷凍パン(半焼成冷凍、焼成後冷凍[製品冷凍])を対象とし、冷凍パイ生地、冷凍ケーキ類を含まない。予測値は2019年9月現在。
□結果詳細
この度Pascoは、急速冷凍した焼成後冷凍パンが味覚上どれほどおいしく感じるのか、その“おいしさ”の秘密を1人でも多くの方に知っていただきたいと思い、Pascoのオンラインショップ限定の焼成後冷凍パンブランド「ル・オーブン」を対象に、味覚センサー「レオ」とテクスチャーアナライザーを用いて、科学的に検証を行いました。
実験A:急速冷凍したパンと緩慢冷凍したパンのどちらがおいしく感じるか味覚分析で検証
急速冷凍したパンが緩慢冷凍したパンより「甘味」と「旨味」が強い結果に!
実験Aでは、味覚センサー「レオ」※4を用いて、1.緩慢冷凍※5させたル・オーブンのバゲットと2.急速冷凍※6させたル・オーブンのバゲットを対象に、5つの基本味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)を数値化する味覚分析を実施しました。
その結果、特に味の強さを示した2つの基本味「甘味」と「旨味」について、2.急速冷凍させたル・オーブンのバゲットは、1.緩慢冷凍させたル・オーブンのバゲットに比べて、「甘味」と 「旨味」が高く、優位な差があることがわかりました。
5つの基本味の数値(5.0点満点)は、高ければ高いほどおいしさを示しているというわけではありません。味覚センサーにおける「おいしい」の定義は、 5つの基本味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)のうち、2つか3つの味のみ数値が高く、他の味とのコントラストがあること、またその数値の高さが3.0点に近づけば近づくほど味覚上、おいしく感じるとされています。
今回の結果では、高い数値を示した「甘味」と「旨味」の2つの味において、2.急速冷凍させたバゲットが1.緩慢冷凍させたバゲットより3.0に近い数値を示していることから、2.急速冷凍させたパンが1.緩慢冷凍させたパンに比べて味覚上おいしく感じることが明らかとなり、「急速冷凍」が味覚に影響を与えることがわかりました。
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*数値の差について
0.2以上差があれば有意な差があります。(95%の人が味の違いを感じられる)0.1以上0.2未満の差であれば、傾向があります(60%の人が味の違いを感じられる)
※4 味覚センサー「レオ」とは?
慶應義塾大学で研究・開発された、AI技術を用いてヒトの味覚を再現した味覚センサーです。このセンサーは、味蕾(みらい)の代わりをするセンサー部分で食品サンプルから電気信号を測定し、独自のニューラルネットワーク(人工的な知能の実現)を通し、5つの基本味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)、コクやまろやかさを定量的な数値データとして出力します。さらにAIに蓄積した味覚データから相性度を測ることができます。
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※5 家庭の冷凍庫などで、ゆっくり冷凍されること。食品の組織に負担がかかり、品質(おいしさ)を損なう可能性がある。
※6 工場などで専用の冷凍設備を使用して短時間で冷凍。冷凍によるダメージを防ぎ、品質(おいしさ)を損なわない技術。
実験B:急速冷凍したパンと緩慢冷凍したパンの”かたさ(=老化)”について比較分析を実施
急速冷凍したパンが緩慢冷凍したパンよりも“老化が抑えられる”ことが判明!
続いて、実験Bでは、テクスチャーアナライザー※7を用いて、「緩慢冷凍させたル・オーブンのバゲット」と「急速冷凍させたル・オーブンのバゲット」を対象に、クラム※8の「かたさ」について比較分析を実施しました。その結果、解凍直後の比較では、「急速冷凍させたル・オーブンのバゲット」は、「緩慢冷凍させたル・オーブンのバゲット」よりも優位にやわらかいことが明らかになりました。パンの大部分を構成する「でんぷん」は、焼き上げた瞬間から硬くなりはじめ、おいしさが損なわれていきます。これを「老化」といい、クラムがかたくなればなるほど老化していると言えることから、急速冷凍したパンの方が緩慢冷凍したパンより老化を抑えられるという結果となりました。
※7 「テクスチャーアナライザー」とは?
荷重を検知するセンサーに治具を取り付け、その治具でサンプルを押したり、引っ張ったりしたときにかかる荷重や応力を測定することで、硬さの評価を行うことができる装置です。
※8 「クラム」とは?
パンの中身であり、外皮の内側にある軟らかい部分。
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パンの“かたさ”の違いが味覚にも影響を与える!?味博士の鈴木先生が解説
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鈴木隆一先生(味博士/AISSY株式会社代表取締役社長/慶應義塾大学共同研究員)は、
かたさの違いが味覚に与える影響について次のようにコメントしております。
「ヒトは、水や唾液に溶けた呈味物質(ていみぶっしつ)が味蕾(みらい)にある味細胞を刺激することで、味を感じています。硬いよりも柔らかい方が唾液中に呈味物質が溶けやすいので、味の感じ方が強まることが考えられます。」
つまり、パンの中身(クラム)がやわらかいことは、中身(クラム)が硬いパンに比べて、パンの老化を抑えているだけでなく、パン本来の味もより強く感じることが明らかとなりました。
なぜ急速冷凍だとおいしく感じる? ~ル・オーブンが急速冷凍にこだわる理由とは~
焼成後冷凍パンとは、焼き上げたパンを冷凍したもので、自然解凍のみでも食べることができ、またトースターで温めるだけで焼きたてをすぐに提供できます。冷凍によって、焼きたてのおいしい状態で静かに眠らせているので、より良い状態でご家庭に届き、あとはトースターで軽く焼くだけで、焼きたてのおいしさを食卓で味わうことができます。
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パンの大部分は、「でんぷん」で構成されており、パンのおいしさ=でんぷんのおいしさといっても過言ではありません。「でんぷん」は、焼き上げた瞬間から硬くなりはじめ、おいしさが損なわれていきます。これを「老化」といいます。そのため、おいしさを保つために最も重要なポイントは、焼き上げた後、工場でより早いタイミングで冷凍すること。
「でんぷんが最も老化する温度帯」をゆっくり時間をかけた冷凍(=緩慢冷凍)で通り過ぎると、「でんぷん」の老化が進行していまいます。また、食品を冷凍する過程で、氷結晶が大きくなりやすい温度帯「最大氷結晶生成帯」もゆっくり時間をかけて通り過ぎてしまうと、食品内部の組織が圧迫されて損傷してしまい、食品の組織にダメージを与えることがあります。 そこで、冷凍食品に悪影響を及ぼす、この2つの温度帯をできるだけ早く通過させて冷凍する(=急速冷凍)ことによって、でんぷんの老化を防ぐことができ、焼きたてのパンのようなおいしさを保つことができます。
□分析概要
<実験A>
【分析期間】2019年11月27日〜2019年11月29日
【分析方法】対象サンプルをAI味覚センサー「レオ」にかけて味覚比較分析(各サンプル3回ずつ測定)
【サンプル】
-緩慢冷凍させたル・オーブンのバゲット
-急速冷凍させたル・オーブンのバゲット
<実験B>
【分析期間】2019年12月16日〜2019年12月17日
【分析方法】対象サンプルをテクスチャーアナライザーにかけて「かたさ」の比較分析(各サンプル3回ずつ測定)
【サンプル】
-緩慢冷凍させたル・オーブンのバゲット
-急速冷凍させたル・オーブンのバゲット
□焼成後冷凍パンブランド「ル・オーブン」について
「L’Oven(ル・オーブン)」は、 Pascoのオンラインショップ限定の焼成後冷凍パンブランドです。“最高においしいパンを、最良の状態でお届けしたい”という想いから2018年11月より販売を開始しました。ル・オーブンのパンは、国産小麦の小麦粉と日本国内で本場フランスの味を再現した独自のルヴァン※9を使用。ゆっくりと低温で長時間発酵させ、石窯で丁寧に焼き上げた本格的な欧風パンです。
丁寧に焼き上げたパンは、おいしさを損なわないように急速冷凍してご家庭にお届けします。ご家庭のトースターで温めるだけで、本格的な焼きたて欧風パンをお楽しみいただけます。
[画像10: https://prtimes.jp/i/36645/6/resize/d36645-6-114620-2.jpg ]
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※9 ルヴァンはパンの発酵種。発酵時に乳酸菌由来の発酵生成物がパンに香りや風味を付与し、まさにパンのおいしさの種ともなる大切なものです。
【ご注文・商品の詳細お問い合わせ先】
L’Oven(ル・オーブン): https://www.pascoshop.com/loven
お問合せフォーム: https://www.pascoshop.com/inquiryform
公式Instagram: @loven.jp(https://www.instagram.com/loven.jp/)