Pale Blue、東京大学と共に令和2年度宇宙航空科学技術推進委託費に採択され、月探査に必要な超小型探査機技術の一つとして統合水推進系の更なる開発へ
[20/07/29]
提供元:PRTIMES
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株式会社Pale Blue(本社:千葉県柏市柏の葉5-4-6 東葛テクノプラザ610号室、代表取締役:浅川純、以下「Pale Blue」)は、文部科学省の令和2年度宇宙航空科学技術推進委託費(以下「本委託費」)に共同参画機関として採択されました。主管実施機関である東京大学と共に、将来の超小型探査機に搭載可能な、地球静止軌道から月以遠に航行するための推進系として、大電力化時代に向けた統合「水」推進系の開発を開始します。
超小型探査機による深宇宙探査の拡大への障壁
これまでの超小型探査機による深宇宙探査は、主探査機の相乗り打上げによってのみ実現されており、「機会」や「行先」は主探査機に大きく依存し、小型深宇宙探査の利用拡大への障壁となっています。この障壁を乗り越える方法の一つが、超小型探査機に搭載可能な、静止軌道(GEO)から月以遠に航行するための推進系の実現となります。
大電力・水・統合推進系の実現
このような推進系には、以下の問題点の克服が求められます。
1km/s以上の速度変更能力
地磁気に頼らない姿勢制御能力
あらゆる打上げ機会への高い親和性
あらゆるサイズ・電力の超小型探査機への適応性
Pale Blue及び東京大学では、下記に示す解決策によりこれらの問題点を克服し、大電力・水・統合推進系を実現します。超小型探査機による新たな深宇宙探査を可能にし、持続可能な宇宙開発・利用に貢献します。
水を推進剤とした大電力電気推進によりこれまでの小型推進系能力を上回る速度変更能力を達成します。
超小型深宇宙探査機PROCYON(プロキオン)(注1)で2015年に世界初の実証に成功した、電気推進と姿勢制御推進の統合技術を水推進剤に応用することで、姿勢制御能力を提供します。
安全性・調達性に全く問題が無く極めて環境親和性の高い水を推進剤として用い、さらには2019年に超小型水推進系実証衛星AQT-D(アクトディー)(注2)における世界初の国際宇宙ステーションへの持込み・放出実績を生かし、単独打ち上げ、相乗り打ち上げ、有人関連宇宙船からの放出等、あらゆる打上げ機会に対応します。
大小二つの電気推進の利用、及び共通化設計により、あらゆるサイズ・電力の小型探査機へ搭載すること可能。
東京大学とPale Blueの連携
東京大学は、長年にわたって宇宙推進、とりわけプラズマを取扱う電気推進の研究を行ってきており、推進機内における複雑なプラズマ物理の解明や電気推進の性能評価に関して、世界をリードする研究機関の一つになります。一方、Pale Blueのメンバーは、東京大学在籍時及び2020年4月の創業以降、推進系に必要な部品であるにも拘わらず大学の研究対象となりにくい、高周波電源や高電圧電源の小型化・高効率化に取り組み、成果を上げてきました。更には、実際の宇宙機に搭載する推進系の開発を多数経験してきました。東京大学とPale Blueのお互いの強みを生かし、大電力・水・統合推進系の実現において、基礎研究から社会実装までの一貫したシナジー効果を実現します。
株式会社Pale Blueについて
Pale Blueは、水を推進剤として用いた超小型推進系の技術を軸に、持続可能な宇宙開発・利用を実現するため、2020年4月に設立された東京大学発ベンチャーです。同社は、創業前には(国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の大学発新産業創出プログラム(START)、創業後には東京大学協創プラットフォーム開発株式会社が主催する起業支援プログラム「東大IPC 1st Round」等の支援を受け、事業化に向けた研究開発を進めてきました。
【代表者コメント(株式会社Pale Blue 代表取締役 浅川 純)】
[画像: https://prtimes.jp/i/55668/8/resize/d55668-8-356467-0.jpg ]
「当社は、持続可能な宇宙開発・利用の実現を目指し、宇宙工学に真摯に向き合いつつ、事業を進めています。超小型探査機分野は日本の強みの一つです。しかし近年、米国を始め猛烈な勢いで各国が超小型探査機の開発及び実用を行ってきています。世界各国が月を目指す動きが活発化しているこの状況において、将来を見据えた基盤技術を、当社の強みを生かし開発することで、日本の、人類の、宇宙開発に貢献します。」
【用語解説】
(注1)PROCYON(プロキオン):東京大学及びISAS/JAXAが中心となって開発した超小型深宇宙探査実証機。2014年12月3日に小惑星探査機はやぶさ2との相乗りで打ち上げられた。東京大学が開発した、キセノンを推進剤とした超小型統合推進システムI-COUPS(Ion thruster and Cold gas thruster Unified Propulsion System)を搭載し、宇宙での作動に成功した。
(注2)AQT-D(アクトディー):東京大学が開発した超小型衛星。大きさは約10cm×10cm×34cmである。10cm四方の水を推進剤とした超小型推進系を搭載している。日本が開発した宇宙ステーション補給機「こうのとり8号機」と共に2019年9月25日に打ち上げられ、水推進系搭載衛星として世界で初めて国際宇宙ステーション内に持ち込まれた。2019年11月20日に国際宇宙ステーションから宇宙空間へと放出され、現在も衛星運用が行われている。
【会社概要】
会社名:株式会社Pale Blue
所在地:千葉県柏市柏の葉5-4-6東葛テクノプラザ610号室
代表者:浅川 純
設立:2020年4月3日
URL:https://www.pale-blue.co.jp
事業内容:宇宙機及び推進系の研究、設計、試験、製造、及び運用
【本リリースに関する報道お問い合わせ先】
株式会社Pale Blue(担当:浅川)
e-mail:contact@pale-blue.co.jp
超小型探査機による深宇宙探査の拡大への障壁
これまでの超小型探査機による深宇宙探査は、主探査機の相乗り打上げによってのみ実現されており、「機会」や「行先」は主探査機に大きく依存し、小型深宇宙探査の利用拡大への障壁となっています。この障壁を乗り越える方法の一つが、超小型探査機に搭載可能な、静止軌道(GEO)から月以遠に航行するための推進系の実現となります。
大電力・水・統合推進系の実現
このような推進系には、以下の問題点の克服が求められます。
1km/s以上の速度変更能力
地磁気に頼らない姿勢制御能力
あらゆる打上げ機会への高い親和性
あらゆるサイズ・電力の超小型探査機への適応性
Pale Blue及び東京大学では、下記に示す解決策によりこれらの問題点を克服し、大電力・水・統合推進系を実現します。超小型探査機による新たな深宇宙探査を可能にし、持続可能な宇宙開発・利用に貢献します。
水を推進剤とした大電力電気推進によりこれまでの小型推進系能力を上回る速度変更能力を達成します。
超小型深宇宙探査機PROCYON(プロキオン)(注1)で2015年に世界初の実証に成功した、電気推進と姿勢制御推進の統合技術を水推進剤に応用することで、姿勢制御能力を提供します。
安全性・調達性に全く問題が無く極めて環境親和性の高い水を推進剤として用い、さらには2019年に超小型水推進系実証衛星AQT-D(アクトディー)(注2)における世界初の国際宇宙ステーションへの持込み・放出実績を生かし、単独打ち上げ、相乗り打ち上げ、有人関連宇宙船からの放出等、あらゆる打上げ機会に対応します。
大小二つの電気推進の利用、及び共通化設計により、あらゆるサイズ・電力の小型探査機へ搭載すること可能。
東京大学とPale Blueの連携
東京大学は、長年にわたって宇宙推進、とりわけプラズマを取扱う電気推進の研究を行ってきており、推進機内における複雑なプラズマ物理の解明や電気推進の性能評価に関して、世界をリードする研究機関の一つになります。一方、Pale Blueのメンバーは、東京大学在籍時及び2020年4月の創業以降、推進系に必要な部品であるにも拘わらず大学の研究対象となりにくい、高周波電源や高電圧電源の小型化・高効率化に取り組み、成果を上げてきました。更には、実際の宇宙機に搭載する推進系の開発を多数経験してきました。東京大学とPale Blueのお互いの強みを生かし、大電力・水・統合推進系の実現において、基礎研究から社会実装までの一貫したシナジー効果を実現します。
株式会社Pale Blueについて
Pale Blueは、水を推進剤として用いた超小型推進系の技術を軸に、持続可能な宇宙開発・利用を実現するため、2020年4月に設立された東京大学発ベンチャーです。同社は、創業前には(国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の大学発新産業創出プログラム(START)、創業後には東京大学協創プラットフォーム開発株式会社が主催する起業支援プログラム「東大IPC 1st Round」等の支援を受け、事業化に向けた研究開発を進めてきました。
【代表者コメント(株式会社Pale Blue 代表取締役 浅川 純)】
[画像: https://prtimes.jp/i/55668/8/resize/d55668-8-356467-0.jpg ]
「当社は、持続可能な宇宙開発・利用の実現を目指し、宇宙工学に真摯に向き合いつつ、事業を進めています。超小型探査機分野は日本の強みの一つです。しかし近年、米国を始め猛烈な勢いで各国が超小型探査機の開発及び実用を行ってきています。世界各国が月を目指す動きが活発化しているこの状況において、将来を見据えた基盤技術を、当社の強みを生かし開発することで、日本の、人類の、宇宙開発に貢献します。」
【用語解説】
(注1)PROCYON(プロキオン):東京大学及びISAS/JAXAが中心となって開発した超小型深宇宙探査実証機。2014年12月3日に小惑星探査機はやぶさ2との相乗りで打ち上げられた。東京大学が開発した、キセノンを推進剤とした超小型統合推進システムI-COUPS(Ion thruster and Cold gas thruster Unified Propulsion System)を搭載し、宇宙での作動に成功した。
(注2)AQT-D(アクトディー):東京大学が開発した超小型衛星。大きさは約10cm×10cm×34cmである。10cm四方の水を推進剤とした超小型推進系を搭載している。日本が開発した宇宙ステーション補給機「こうのとり8号機」と共に2019年9月25日に打ち上げられ、水推進系搭載衛星として世界で初めて国際宇宙ステーション内に持ち込まれた。2019年11月20日に国際宇宙ステーションから宇宙空間へと放出され、現在も衛星運用が行われている。
【会社概要】
会社名:株式会社Pale Blue
所在地:千葉県柏市柏の葉5-4-6東葛テクノプラザ610号室
代表者:浅川 純
設立:2020年4月3日
URL:https://www.pale-blue.co.jp
事業内容:宇宙機及び推進系の研究、設計、試験、製造、及び運用
【本リリースに関する報道お問い合わせ先】
株式会社Pale Blue(担当:浅川)
e-mail:contact@pale-blue.co.jp