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実務家から見た経済現況:アベノミクス 3年目の正念場

今年で3回目のマーケティングの実務家によるアンケート調査 マーケティングの実務家たちは安倍政権の経済運営「アベノミクス」をどう評価したか

 マーケティングの実務家による国際組織=MCEI<エムシーイーアイ>*(Marketing Communications Executives International)の東京支部(NPO:特定非営利活動法人、東京都千代田区麹町3-10-6)は、MCEI東京・大阪支部の会員を対象に、「アベノミクスの通信簿 実務家『実感』アンケート」との内容で過去2回の調査を踏まえてアンケート調査を実施。153名の回答を得て、その集計結果を、以下のとおりまとめました。
(※調査期間:2015年3月24日〜5月31日/調査方法:セミナー会場およびウェブからの回答)




[画像: http://prtimes.jp/i/265/9/resize/d265-9-527444-0.jpg ]



 
 世界に国際支部を持つマーケティング実務家のNPO組織であるMCEI東京、大阪はアベノミクスに関する3回目の実感アンケート調査を行い、153名から回答が寄せられた。
一昨年5月の初回調査、昨年5月の第2回調査と比較しつつ、マーケティングの実務家の目線で安倍政権の経済運営:アベノミクスのこの1年間の成績を評価した。

 「アベノミクスをどう評価するか」という質問に対し、「かなり評価できる」、「ある程度評価できる」を合わせると64%、初回の83%からスコアを落とした昨年の65%とほぼ同等の評価となっている。また、「まったく評価出来ない」が6%と昨年の1%より増えている。

 政策別に評価を見ると、最も評価されているのが「金融緩和・リフレ政策」で63%、次いで「民間投資喚起・規制緩和などの成長戦略」が56%、最も低いのが「公共投資などの財政政策」48%となった。

 「今後の景気はどういう方向に動くと思うか」という問いには、「大幅に回復する」1%と「回復する」42%、合わせると43%と前回並みではあるが、初回の60%からは大きく減少。一方「悪化する」と「大幅に悪化する」を合わせたネガティブな評価は初回5%、2回目8%に対して今回は13%と増加傾向にある。

 「日本企業がさらに元気になるために、今後の政治に期待すること」の項目のうち、初回の調査以来一貫して最もスコアが高いのは「日本として成長戦略を明確にすべき」で、今回も97%に上っている。以降「もっと規制緩和を進めるべき」が83%、「もっと官僚支配を打破すべき」が78%と高くなっている。

 一方、初回の調査以来減少傾向にあるのが「もっと公共投資を増やすべき」40%、「もっと金融緩和を進めるべき」59%、「TPPに参加し、経済発展を目指すべき」69%の3項目で、特に「TPP」は初回の80%と比して、10ポイント以上減少している。

 実際の業務面を見ると、「仕事や残業が前年比で増えたか」という問いに対しては、「増えた」「少し増えた」が合わせて36%。「会社のマーケティング予算」は「増えた+少し増えた」で21%、「ボーナス」については「増えた+少し増えた」30%と3項目ともほぼ前回調査並み。

 「収入が増えた回答者の使い道」を見ると、最も多かったのが「レジャーや旅行」で27%、次いで「食事、外食」22%、「趣味」20%となっているが、2割を超えているのはこの3項目のみ。前回、前々回調査では30%以上の項目が複数存在したが、今回は見られず、増加している人でも支出を絞っている様子がうかがえる。

 生活に影響を与える「円安」、「消費税」を見てみると、「円安での会社や仕事に対する影響」を見ると、「好影響があった+少しあった」合わせて21%と前回の19%より微増傾向だが、一方で「悪い影響があった」も前回の14%から19%へ増加している。

 また「消費税8%の家計や暮らしの影響」を見ると、「よい影響があった」とした人は「少しあった」と合わせても4%にとどまり、「悪い影響があった+少し悪影響」は44%に上っている。一方、「消費税の仕事への影響」を見ると「良い影響があった+少しあった」5%だが、「関係ない」が61%と多くなっている。

 3回目の調査は2回目とほぼ同傾向の結果となり、アベノミクスへの期待値は継続して減少してきているものの、否定的な意見はまだ多くない。ただし、今回の調査では高く評価する人と全く評価しない人、アベノミクスの恩恵を受けて好調な企業と逆に悪化している企業など、全体として2極化傾向が見られるようになってきている点が注目される。

 「円安」や「消費税8%」など経済環境の変化による悪影響を感じる人も多く、また今後の景気展望についても「悪化する」という意見が1割を超えてきている。生活実感としての成長や景気回復がなかなか感じられない現状で、如何に説得力のある政治が出来るかが求められているのではないだろうか。
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