中等度から重度の活動性関節リウマチ(RA)患者におけるシンポニー(R)の5年間の試験データを報告
[13/06/27]
提供元:PRTIMES
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2013年欧州リウマチ学会(EULAR 2013 Annual Congress)にて3つの第III相主要試験のデータを発表
ヤンセン・バイオテク(以下「ヤンセン」という)は、本日、シンポニー(R)50mg(一般名:ゴリムマブ)を中等度から重度の活動性関節リウマチ(RA)患者に対し4週に1回皮下投与した3つの第III相主要試験における5年間のデータを発表しました。主要試験の長期追跡から新たな知見が得られましたが、患者背景は以下のようになります。メトトレキサート(MTX)未投与の患者群、MTX投与にかかわらず疾患活動性がある患者群、および過去に抗TNF阻害薬による治療を受けた患者群です。シンポニー(R)50mgとMTXもしくは他のDMARDsの併用iによる治療を5年間継続した患者のうち、60〜85%の患者が治療終了時に米国リウマチ学会の基準におけるACR20改善率を達成しています。これらの知見は2013年欧州リウマチ学会 (EULAR 2013 Annual Congress)で発表されました。
13017号
報道関係者各位
2013年6月26日
ご参考資料:
当資料は、ヤンセンが、2013年6月12日(現地時間)に発表した英文プレスリリースを日本語に翻訳再編集し、皆さまのご参考に供するものです。正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。
英文サイト:http://www.jnj.com/news/all/Five-Year-SIMPONI-Data-Reported-In-Treatment-Of-Signs-And-Symptoms-Of-Moderately-To-Severely-Active-Rheumatoid-Arthritis
中等度から重度の活動性関節リウマチ(RA)患者における
シンポニー(R)の5年間の試験データを報告
2013年欧州リウマチ学会(EULAR 2013 Annual Congress)にて
3つの第III相主要試験のデータを発表
[スペイン・マドリッド 2013年6月12日] ヤンセン・バイオテク(以下「ヤンセン」という)は、本日、シンポニー(R)50mg(一般名:ゴリムマブ)を中等度から重度の活動性関節リウマチ(RA)患者に対し4週に1回皮下投与した3つの第III相主要試験における5年間のデータを発表しました。主要試験の長期追跡から新たな知見が得られましたが、患者背景は以下のようになります。メトトレキサート(MTX)未投与の患者群、MTX投与にかかわらず疾患活動性がある患者群、および過去に抗TNF阻害薬による治療を受けた患者群です。シンポニー(R)50mgとMTXもしくは他のDMARDsの併用iによる治療を5年間継続した患者のうち、60〜85%の患者が治療終了時に米国リウマチ学会の基準におけるACR20改善率を達成しています。これらの知見は2013年欧州リウマチ学会 (EULAR 2013 Annual Congress)で発表されました。
本試験の治験担当医師でウィーン医科大学リウマチ学講座のジョセフ・スモーレン教授は、「これらの5年間のデータは重要であり、関節リウマチのような慢性炎症性疾患の患者さんが長期的にどのような反応を示すかについての知見をリウマチ研究者に与えるものです。 ゴリムマブはこれからも中等度から重度の活動性関節リウマチの患者さんにとって重要な治療の選択肢であり続けるでしょう」と述べています。
MTX未投与の関節リウマチ患者におけるゴリムマブの5年間の安全性と有効性:第III相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(GO-BEFORE)結果
MTX未投与の関節リウマチ治療における第一選択としてのゴリムマブの第III相試験(GO-BEFORE試験)では、シンポニー(R)50mgおよびMTXを投与された中等度から重度の活動性RA患者群における5年間の臨床症状の改善と身体的機能改善に関する知見が報告されています。患者はプラセボ+MTX投与群(n=160)、シンポニー(R)100mg投与群(n=159)、シンポニー(R)50mg+MTX投与群(n=159)もしくはシンポニー(R)100mg+MTX投与群(n=159)にランダムに割りつけられました。プラセボおよびMTX投与群の患者は、第28週ないし第52週にシンポニー(R)およびMTX投与に切替えられました。本試験において当初無作為化された637名のMTX未治療の患者のうち、66%が5年経過後も本試験に参加していました。すべての患者が第52週を終了した後で本試験は盲検を解除され、プラセボ+MTX投与群の患者はシンポニー(R)50mg+MTX投与への切り替えが可能となりました。さらに、治験担当医師の判断によりMTXとコルチコステロイドの使用が可能となり、一時的なシンポニー(R)の投与量の増減も可能になりました※。
シンポニー(R)50mg+MTX併用群に割りつけられた患者の85%(92/108)がACR20改善率を達成、67%(72/108)がACR50改善率を達成し、第256週において少なくとも50%以上のリウマチの臨床症状の改善があったことが明らかになりました。さらに本試験は、5年経過時における患者の疾患活動性と身体機能をDAS28-CRP、EULAR改善基準および身体評価機能アンケートを用いたHAQ-DIスコアで測定した値についても報告しています。DAS28-CRPは関節リウマチ患者の疾患活動性の基準で、圧痛および腫脹のある関節の数(全身28関節のうち)と炎症(CRP)の評価および患者さんの全体的な健康の評価に基づいて算出されます。CRPは肝臓で生成されるタンパク質の一種で、関節リウマチによる急性の炎症が発症している時に発現します。 EULAR改善基準のgood/moderate反応および0.25以上のHAQ-DI スコアの改善(治験実施計画書の定める臨床的に有意な最低限の差異。8項目の質問に基づくゼロ(障害なし)から3(完全に障害あり)までのスコア)は、第256週におけるシンポニー(R)50mg+MTX投与群に割りつけられた患者のそれぞれ93%(99/106)および74%(78/106)において観察されました。[さらに、シンポニー(R)50mg+MTX併用群に割りつけられた患者の62.5%(75/120)は第256週において画像的進行は認められず、ベースラインからの変化はvan der Heijde-Sharp (vdH-S) スコア< 0で、5年間のすべてのvdH-Sスコアの変化の平均はどの投与量群においても僅少であったことに基づきます。vdH-Sスコアはリウマチ患者の手足で行う画像診断で、それぞれの手の16か所で関節びらんを、15か所で関節腔狭小化を評価し、それぞれの足では6か所で関節びらんを、6か所で関節腔狭小化を評価します。]
本試験の第268週における安全性集積評価で最も多く見られた有害事象(AE)は上気道の感染症(29%)、悪心(20%)、気管支炎(17%)、およびアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の上昇(16%)でした。12%の患者に注射部位反応が見られました。本試験の第268週までに患者の33%(204/616)に重篤な有害事象が発生し、本試験に登録した患者の18%が有害事象によりシンポニー(R)の投与が中止されました。最終的な重篤な感染症、悪性腫瘍の発生率および死亡率は、それぞれ12%、3%、2%でした。
MTXによる治療が奏効しなかった活動性関節リウマチ患者におけるゴリムマブの5年間の安全性と有効性:第III相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(GO-FORWARD)の最終結果
MTX既治療の活動性リウマチ患者を対象とした第III相ゴリムマブ試験(GO-FORWARD試験)の解析では、中等度から重度の活動性関節リウマチの治療のために5年間シンポニー(R)50mg+MTXを投与された患者群における臨床症状の改善と身体的機能の改善に関する知見が報告されています。患者はプラセボ+MTX投与群(n=133)、シンポニー(R)100mg+プラセボ投与群(n=89)、シンポニー(R)50mg+MTX投与群(n=89)ないしシンポニー(R)100mg+MTX投与群(n=89)に無作為に割りつけられました。プラセボ+MTX投与群の患者は、第16週もしくは第24週にシンポニー(R)+MTX投与に切替えられました。本試験において当初ランダムに割りつけられた444名の患者のうち、70%が5年経過後も本試験に参加していました。すべての患者が第52週を終了し、試験が非盲検化された後、治験担当医師の判断によりMTXとコルチコステロイドの使用が可能となり、一時的なシンポニー(R)の投与量の増減も可能になりました※。
シンポニー(R)50mg+MTXの併用群に割りつけられた患者の77%(57/74)がACR20改善率を達成し、54%(40/74)が第256週にACR50改善率を達成しました。本試験ではまた、EULAR反応および少なくとも0.25のHAQ-DIスコアの改善を用いた5年経過時における患者の疾患活動性と身体的機能の評価も行いましたが、シンポニー(R)50mg+MTX投与群に割りつけられた患者のそれぞれ89%(65/73)および74%(55/74)に改善が観察されました。
シンポニー(R)+MTX投与群に割りつけられた患者の画像的進行は抑制されており、5年間のvdH-Sスコアの変化は少なく、また59%(47/79)は第256週において画像的進行が認められず、ベースラインからのvdH-Sスコアの変化は< 0でした。
本試験の第268週における安全性集積評価で最も多く見られた有害事象は、上気道の感染症(33%)、鼻咽頭炎(17%)、気管支炎(17%)、咳(17%)および注射部位反応(9%)でした。5年経過時に患者の40%(172/434)に重篤な有害事象が発生し、患者の14%が、シンポニー(R)の投与を中止しました。重篤な感染症、悪性腫瘍の発生率および死亡率は、それぞれ12%、6%、そして2%でした。
抗TNF薬による治療が奏効しなかった活動性関節リウマチ患者におけるゴリムマブの5年間の安全性と有効性データ:第III相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(GO-AFTER)結果
抗TNF薬による治療後に行われた関節リウマチ治療におけるゴリムマブの第III相試験(GO-AFTER試験)の解析では、中等度から重度の抗TNF薬既治療の活動性関節リウマチ患者に5年間シンポニー(R)50mgを投与した場合の患者の臨床症状の改善と身体的機能の改善に関する知見が報告されています。患者はプラセボ+/- DMARDs (n=150)、シンポニー(R)50mg +/-DMARDs(n=147)ii、シンポニー(R)100mg+/-DMARDs(n=148)および第16週もしくは第24週にシンポニー(R)50mg投与に切り替えられるプラセボ投与群にそれぞれランダムに割りつけられました。当初ランダムに割りつけられた461人の患者の40%が5年経過後も本試験に参加していました。すべての患者が52週の期間を終了し、試験が非盲検化された後、治験担当医師の判断により、MTXとコルチコステロイドの使用が可能となり、一時的なシンポニー(R)の投与量の増減も可能になりました※。
5年経過後、シンポニー(R)50mg+/-DMARDs群に割りつけられた患者の60%(39/65)が、またプラセボ投与からシンポニー(R)+/-DMARDs投与に切り替えられた群の65%(37/57)がACR20改善率を達成しました。第256週において、シンポニー(R)50mg+/-DMARDs投与群に割りつけられた患者の40%(26/65)がACR50改善率を達成、シンポニー(R)50mg+/-DMARDs群に割りつけられた患者の82%(53/65)がEULAR 改善率のgood/moderate を達成しました。
本試験の第268週における安全性集積評価で最も多く見られた有害事象(AE)は上気道の感染症(27%)、関節リウマチの悪化(20%)、副鼻腔炎(17%)、および鼻咽頭炎(17%)でした。5年経過時に患者の35%(151/431)に重篤な有害事象が発生しました。重篤な感染症、悪性腫瘍の発生率および死亡率は、それぞれ14%、5%、および2%でした。
本試験について
GO-FORWARD試験、 GO-BEFORE試験およびGO-AFTER試験は、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験で、中等度から重度の活動性関節リウマチ患者の治療におけるシンポニー(R)皮下注射の安全性と有効性の評価が行われました。患者群には、MTX未投与の患者(GO-BEFORE)、MTX投与の活動性疾患患者(GO-FORWARD)、そして抗TNF薬治療歴のある患者(GO-AFTER)が含まれていました。試験期間は第24週(GO-AFTER)もしくは第52週(GO-FORWARDおよびGO-BEFORE)から延長され、第252週には最終のシンポニー(R)の投与が行われました。有効性の観察結果と累積安全性のデータは、それぞれ第256週および第268週に報告されました。
関節リウマチについて
関節リウマチは、疼痛や硬直、炎症などの症状が特徴の、時として関節破壊や身体障害に至る慢性で全身性の炎症です。米国では150万人1の人々が、また全世界では2350万人1の人々が治癒されない症状の影響を受けていると推測されています。
シンポニー(R)(ゴリムマブ)について
シンポニー(R)はTNF-αを狙って中和するヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体です。TNF-αはタンパク質の一種で、慢性の炎症性疾患により身体に炎症が発生すると過剰に産生され、骨や軟骨、皮膚などに損傷を与えます。シンポニー(R)は、中等度から重度の成人の関節リウマチ(RA)治療用にMTXとの併用による適応で、乾癬性関節炎では単独ないしMTXとの併用で、また活動性の強直性脊椎炎および中等度から重度の潰瘍性大腸炎の適応について米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けており、米国をはじめとする世界64カ国で承認されている薬剤です。
本邦では、田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市、社長:土屋 裕弘)とヤンセンファーマ株式会社(以下「ヤンセンファーマ」という)との共同開発で臨床試験を実施し、ヤンセンファーマが2011年7月に既存治療で効果不十分な関節リウマチ(RA)(関節の構造的損傷の防止を含む)の適応に対するゴリムマブ(シンポニー(R))の製造販売承認を取得し、同年9月よりヤンセンファーマと田辺三菱製薬株式会社とで共同販売を行っております。
本剤は、4週間に一回の皮下注射投与のプレフィルドシリンジ製剤で、メトトレキサートを併用する場合には通常50mg、患者の状態に応じて100mgを使用することが可能です。また、単剤投与時の通常量は100mgを4週に一回皮下投与します。
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ヤンセンについて
我々ヤンセンは、現代においてもっとも重要な「いまだ満たされない医療ニーズ」への対応と解決に力を注いでいます。これには、がん、免疫疾患、神経疾患(中枢神経・疼痛)、感染症・ワクチン、代謝・循環器疾患が含まれます。患者への貢献という強い意思に基づき、革新的な製品、サービスを開発提供し、健康問題の解決に努め、世界中のひとびとを支援しています。ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンのヤンセンファーマシュ―ティカルグループのひとつです。
参照:
World Health Organization. The global burden of disease: 2004 update. Geneva: WHO Press, 2008. http://www.who.int/healthinfo/global_burden_disease/GBD_report_2004update_full.pdf. Accessed May 6, 2013.
i,ii
本剤とMTXを併用しない場合は、通常成人にはゴリムマブ(遺伝子組換え)として100mgを4週に1回、皮下注射します。
※
この第III相の開発プログラムではシンポニー(R)50mgと100mgの両方が評価されていますが、米国ではシンポニー(R)100mgは承認を受けておりません。
ヤンセン・バイオテク(以下「ヤンセン」という)は、本日、シンポニー(R)50mg(一般名:ゴリムマブ)を中等度から重度の活動性関節リウマチ(RA)患者に対し4週に1回皮下投与した3つの第III相主要試験における5年間のデータを発表しました。主要試験の長期追跡から新たな知見が得られましたが、患者背景は以下のようになります。メトトレキサート(MTX)未投与の患者群、MTX投与にかかわらず疾患活動性がある患者群、および過去に抗TNF阻害薬による治療を受けた患者群です。シンポニー(R)50mgとMTXもしくは他のDMARDsの併用iによる治療を5年間継続した患者のうち、60〜85%の患者が治療終了時に米国リウマチ学会の基準におけるACR20改善率を達成しています。これらの知見は2013年欧州リウマチ学会 (EULAR 2013 Annual Congress)で発表されました。
13017号
報道関係者各位
2013年6月26日
ご参考資料:
当資料は、ヤンセンが、2013年6月12日(現地時間)に発表した英文プレスリリースを日本語に翻訳再編集し、皆さまのご参考に供するものです。正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。
英文サイト:http://www.jnj.com/news/all/Five-Year-SIMPONI-Data-Reported-In-Treatment-Of-Signs-And-Symptoms-Of-Moderately-To-Severely-Active-Rheumatoid-Arthritis
中等度から重度の活動性関節リウマチ(RA)患者における
シンポニー(R)の5年間の試験データを報告
2013年欧州リウマチ学会(EULAR 2013 Annual Congress)にて
3つの第III相主要試験のデータを発表
[スペイン・マドリッド 2013年6月12日] ヤンセン・バイオテク(以下「ヤンセン」という)は、本日、シンポニー(R)50mg(一般名:ゴリムマブ)を中等度から重度の活動性関節リウマチ(RA)患者に対し4週に1回皮下投与した3つの第III相主要試験における5年間のデータを発表しました。主要試験の長期追跡から新たな知見が得られましたが、患者背景は以下のようになります。メトトレキサート(MTX)未投与の患者群、MTX投与にかかわらず疾患活動性がある患者群、および過去に抗TNF阻害薬による治療を受けた患者群です。シンポニー(R)50mgとMTXもしくは他のDMARDsの併用iによる治療を5年間継続した患者のうち、60〜85%の患者が治療終了時に米国リウマチ学会の基準におけるACR20改善率を達成しています。これらの知見は2013年欧州リウマチ学会 (EULAR 2013 Annual Congress)で発表されました。
本試験の治験担当医師でウィーン医科大学リウマチ学講座のジョセフ・スモーレン教授は、「これらの5年間のデータは重要であり、関節リウマチのような慢性炎症性疾患の患者さんが長期的にどのような反応を示すかについての知見をリウマチ研究者に与えるものです。 ゴリムマブはこれからも中等度から重度の活動性関節リウマチの患者さんにとって重要な治療の選択肢であり続けるでしょう」と述べています。
MTX未投与の関節リウマチ患者におけるゴリムマブの5年間の安全性と有効性:第III相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(GO-BEFORE)結果
MTX未投与の関節リウマチ治療における第一選択としてのゴリムマブの第III相試験(GO-BEFORE試験)では、シンポニー(R)50mgおよびMTXを投与された中等度から重度の活動性RA患者群における5年間の臨床症状の改善と身体的機能改善に関する知見が報告されています。患者はプラセボ+MTX投与群(n=160)、シンポニー(R)100mg投与群(n=159)、シンポニー(R)50mg+MTX投与群(n=159)もしくはシンポニー(R)100mg+MTX投与群(n=159)にランダムに割りつけられました。プラセボおよびMTX投与群の患者は、第28週ないし第52週にシンポニー(R)およびMTX投与に切替えられました。本試験において当初無作為化された637名のMTX未治療の患者のうち、66%が5年経過後も本試験に参加していました。すべての患者が第52週を終了した後で本試験は盲検を解除され、プラセボ+MTX投与群の患者はシンポニー(R)50mg+MTX投与への切り替えが可能となりました。さらに、治験担当医師の判断によりMTXとコルチコステロイドの使用が可能となり、一時的なシンポニー(R)の投与量の増減も可能になりました※。
シンポニー(R)50mg+MTX併用群に割りつけられた患者の85%(92/108)がACR20改善率を達成、67%(72/108)がACR50改善率を達成し、第256週において少なくとも50%以上のリウマチの臨床症状の改善があったことが明らかになりました。さらに本試験は、5年経過時における患者の疾患活動性と身体機能をDAS28-CRP、EULAR改善基準および身体評価機能アンケートを用いたHAQ-DIスコアで測定した値についても報告しています。DAS28-CRPは関節リウマチ患者の疾患活動性の基準で、圧痛および腫脹のある関節の数(全身28関節のうち)と炎症(CRP)の評価および患者さんの全体的な健康の評価に基づいて算出されます。CRPは肝臓で生成されるタンパク質の一種で、関節リウマチによる急性の炎症が発症している時に発現します。 EULAR改善基準のgood/moderate反応および0.25以上のHAQ-DI スコアの改善(治験実施計画書の定める臨床的に有意な最低限の差異。8項目の質問に基づくゼロ(障害なし)から3(完全に障害あり)までのスコア)は、第256週におけるシンポニー(R)50mg+MTX投与群に割りつけられた患者のそれぞれ93%(99/106)および74%(78/106)において観察されました。[さらに、シンポニー(R)50mg+MTX併用群に割りつけられた患者の62.5%(75/120)は第256週において画像的進行は認められず、ベースラインからの変化はvan der Heijde-Sharp (vdH-S) スコア< 0で、5年間のすべてのvdH-Sスコアの変化の平均はどの投与量群においても僅少であったことに基づきます。vdH-Sスコアはリウマチ患者の手足で行う画像診断で、それぞれの手の16か所で関節びらんを、15か所で関節腔狭小化を評価し、それぞれの足では6か所で関節びらんを、6か所で関節腔狭小化を評価します。]
本試験の第268週における安全性集積評価で最も多く見られた有害事象(AE)は上気道の感染症(29%)、悪心(20%)、気管支炎(17%)、およびアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の上昇(16%)でした。12%の患者に注射部位反応が見られました。本試験の第268週までに患者の33%(204/616)に重篤な有害事象が発生し、本試験に登録した患者の18%が有害事象によりシンポニー(R)の投与が中止されました。最終的な重篤な感染症、悪性腫瘍の発生率および死亡率は、それぞれ12%、3%、2%でした。
MTXによる治療が奏効しなかった活動性関節リウマチ患者におけるゴリムマブの5年間の安全性と有効性:第III相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(GO-FORWARD)の最終結果
MTX既治療の活動性リウマチ患者を対象とした第III相ゴリムマブ試験(GO-FORWARD試験)の解析では、中等度から重度の活動性関節リウマチの治療のために5年間シンポニー(R)50mg+MTXを投与された患者群における臨床症状の改善と身体的機能の改善に関する知見が報告されています。患者はプラセボ+MTX投与群(n=133)、シンポニー(R)100mg+プラセボ投与群(n=89)、シンポニー(R)50mg+MTX投与群(n=89)ないしシンポニー(R)100mg+MTX投与群(n=89)に無作為に割りつけられました。プラセボ+MTX投与群の患者は、第16週もしくは第24週にシンポニー(R)+MTX投与に切替えられました。本試験において当初ランダムに割りつけられた444名の患者のうち、70%が5年経過後も本試験に参加していました。すべての患者が第52週を終了し、試験が非盲検化された後、治験担当医師の判断によりMTXとコルチコステロイドの使用が可能となり、一時的なシンポニー(R)の投与量の増減も可能になりました※。
シンポニー(R)50mg+MTXの併用群に割りつけられた患者の77%(57/74)がACR20改善率を達成し、54%(40/74)が第256週にACR50改善率を達成しました。本試験ではまた、EULAR反応および少なくとも0.25のHAQ-DIスコアの改善を用いた5年経過時における患者の疾患活動性と身体的機能の評価も行いましたが、シンポニー(R)50mg+MTX投与群に割りつけられた患者のそれぞれ89%(65/73)および74%(55/74)に改善が観察されました。
シンポニー(R)+MTX投与群に割りつけられた患者の画像的進行は抑制されており、5年間のvdH-Sスコアの変化は少なく、また59%(47/79)は第256週において画像的進行が認められず、ベースラインからのvdH-Sスコアの変化は< 0でした。
本試験の第268週における安全性集積評価で最も多く見られた有害事象は、上気道の感染症(33%)、鼻咽頭炎(17%)、気管支炎(17%)、咳(17%)および注射部位反応(9%)でした。5年経過時に患者の40%(172/434)に重篤な有害事象が発生し、患者の14%が、シンポニー(R)の投与を中止しました。重篤な感染症、悪性腫瘍の発生率および死亡率は、それぞれ12%、6%、そして2%でした。
抗TNF薬による治療が奏効しなかった活動性関節リウマチ患者におけるゴリムマブの5年間の安全性と有効性データ:第III相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(GO-AFTER)結果
抗TNF薬による治療後に行われた関節リウマチ治療におけるゴリムマブの第III相試験(GO-AFTER試験)の解析では、中等度から重度の抗TNF薬既治療の活動性関節リウマチ患者に5年間シンポニー(R)50mgを投与した場合の患者の臨床症状の改善と身体的機能の改善に関する知見が報告されています。患者はプラセボ+/- DMARDs (n=150)、シンポニー(R)50mg +/-DMARDs(n=147)ii、シンポニー(R)100mg+/-DMARDs(n=148)および第16週もしくは第24週にシンポニー(R)50mg投与に切り替えられるプラセボ投与群にそれぞれランダムに割りつけられました。当初ランダムに割りつけられた461人の患者の40%が5年経過後も本試験に参加していました。すべての患者が52週の期間を終了し、試験が非盲検化された後、治験担当医師の判断により、MTXとコルチコステロイドの使用が可能となり、一時的なシンポニー(R)の投与量の増減も可能になりました※。
5年経過後、シンポニー(R)50mg+/-DMARDs群に割りつけられた患者の60%(39/65)が、またプラセボ投与からシンポニー(R)+/-DMARDs投与に切り替えられた群の65%(37/57)がACR20改善率を達成しました。第256週において、シンポニー(R)50mg+/-DMARDs投与群に割りつけられた患者の40%(26/65)がACR50改善率を達成、シンポニー(R)50mg+/-DMARDs群に割りつけられた患者の82%(53/65)がEULAR 改善率のgood/moderate を達成しました。
本試験の第268週における安全性集積評価で最も多く見られた有害事象(AE)は上気道の感染症(27%)、関節リウマチの悪化(20%)、副鼻腔炎(17%)、および鼻咽頭炎(17%)でした。5年経過時に患者の35%(151/431)に重篤な有害事象が発生しました。重篤な感染症、悪性腫瘍の発生率および死亡率は、それぞれ14%、5%、および2%でした。
本試験について
GO-FORWARD試験、 GO-BEFORE試験およびGO-AFTER試験は、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験で、中等度から重度の活動性関節リウマチ患者の治療におけるシンポニー(R)皮下注射の安全性と有効性の評価が行われました。患者群には、MTX未投与の患者(GO-BEFORE)、MTX投与の活動性疾患患者(GO-FORWARD)、そして抗TNF薬治療歴のある患者(GO-AFTER)が含まれていました。試験期間は第24週(GO-AFTER)もしくは第52週(GO-FORWARDおよびGO-BEFORE)から延長され、第252週には最終のシンポニー(R)の投与が行われました。有効性の観察結果と累積安全性のデータは、それぞれ第256週および第268週に報告されました。
関節リウマチについて
関節リウマチは、疼痛や硬直、炎症などの症状が特徴の、時として関節破壊や身体障害に至る慢性で全身性の炎症です。米国では150万人1の人々が、また全世界では2350万人1の人々が治癒されない症状の影響を受けていると推測されています。
シンポニー(R)(ゴリムマブ)について
シンポニー(R)はTNF-αを狙って中和するヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体です。TNF-αはタンパク質の一種で、慢性の炎症性疾患により身体に炎症が発生すると過剰に産生され、骨や軟骨、皮膚などに損傷を与えます。シンポニー(R)は、中等度から重度の成人の関節リウマチ(RA)治療用にMTXとの併用による適応で、乾癬性関節炎では単独ないしMTXとの併用で、また活動性の強直性脊椎炎および中等度から重度の潰瘍性大腸炎の適応について米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けており、米国をはじめとする世界64カ国で承認されている薬剤です。
本邦では、田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市、社長:土屋 裕弘)とヤンセンファーマ株式会社(以下「ヤンセンファーマ」という)との共同開発で臨床試験を実施し、ヤンセンファーマが2011年7月に既存治療で効果不十分な関節リウマチ(RA)(関節の構造的損傷の防止を含む)の適応に対するゴリムマブ(シンポニー(R))の製造販売承認を取得し、同年9月よりヤンセンファーマと田辺三菱製薬株式会社とで共同販売を行っております。
本剤は、4週間に一回の皮下注射投与のプレフィルドシリンジ製剤で、メトトレキサートを併用する場合には通常50mg、患者の状態に応じて100mgを使用することが可能です。また、単剤投与時の通常量は100mgを4週に一回皮下投与します。
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ヤンセンについて
我々ヤンセンは、現代においてもっとも重要な「いまだ満たされない医療ニーズ」への対応と解決に力を注いでいます。これには、がん、免疫疾患、神経疾患(中枢神経・疼痛)、感染症・ワクチン、代謝・循環器疾患が含まれます。患者への貢献という強い意思に基づき、革新的な製品、サービスを開発提供し、健康問題の解決に努め、世界中のひとびとを支援しています。ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンのヤンセンファーマシュ―ティカルグループのひとつです。
参照:
World Health Organization. The global burden of disease: 2004 update. Geneva: WHO Press, 2008. http://www.who.int/healthinfo/global_burden_disease/GBD_report_2004update_full.pdf. Accessed May 6, 2013.
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本剤とMTXを併用しない場合は、通常成人にはゴリムマブ(遺伝子組換え)として100mgを4週に1回、皮下注射します。
※
この第III相の開発プログラムではシンポニー(R)50mgと100mgの両方が評価されていますが、米国ではシンポニー(R)100mgは承認を受けておりません。