プルーンと健康な骨の関係を研究が示唆 プルーンの有益な効果が明らかに 「骨粗鬆症の栄養学的側面に関する国際シンポジウム」で2件の発表
[15/06/18]
提供元:PRTIMES
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カナダ・モントリオール―ー2015年6月18日――「骨粗鬆症の栄養学的側面に関する国際シンポジウム(ISNAO: International Symposium of Nutritional Aspects of Osteoporosis)」には、骨の健康研究と栄養学を扱うトップクラスの研究者が集まります。プルーン(乾燥プラム)が健康な骨のサポートに役立ち、さらにピーク骨量の達成も促進する可能性があることを示唆するエビデンスが増えており、2015年の第9回ISNAOで発表された最新の研究はさらに新たなエビデンスを加えました。「プルーンに関する研究や、プルーンが健康な骨のサポートを助ける仕組みについて、さらに多く知ることができてとても喜んでいます。骨量減少予防に有効な戦略を市民とたくさん共有できればできるほど有益です」と、ISNAOシンポジウムディレクターでパデュー大学にて特別教授と栄養科学科長を務めるコニー・ウィーバー博士は語ります。
骨粗鬆症は依然として増大し続ける健康問題であり、国際骨粗鬆症財団(IOF: International Osteoporosis Foundation)は日本に関して、以下の指摘をしています。
・40歳以上の日本人の10パーセントが骨粗鬆症であり、その内訳は、男性300万人、女性980万人であると推定される。
・さらに、40〜79歳の男女の脊椎の骨密度(BMD: Bone Mass Density)に基づくと、骨粗鬆症の年間発生率は男性で、0.6%、女性で2.3%であると推定される。
・日本の現在の人口の45%は50歳以上であるが、高齢化によって2025年までに、50歳以上人口は51%に上昇、さらに25%は70歳以上となることから、日本が骨粗鬆症を含めた高齢者の健康に大いに注目する必要がある。
・日本の骨折データベースによれば、2012年には19万件の大腿骨付近部骨折があり、そのうち95%が外科的治療を受けていることから、日本は1年あたり49億USドル(5880億円)以上を大腿骨付近部の治療に費やしている。
プルーンはアメリカ骨粗鬆症財団(NOF: National Osteoporosis Foundation)の「骨によい食品」リストに載っています。今週のISNAOで発表された2件の研究では、プルーンの摂取が健康な骨のサポートを助け、さらにはピーク骨量の達成も促進する可能性があることが示唆されました。
■ 若年成体および老齢の雄マウスにおいて、プルーンは骨量増加と関連
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の内科教授のバーナード・ハロラン博士は、本日ISNAOにて新しい研究を発表しました。加齢モデルにおいてプルーンによって骨量減少が回復する可能性を発見した自身の過去の研究にもとづいて、ハロラン博士は成長期にプルーンがピーク骨量の達成を助けることができるか調べました。その結果、食餌にプルーンを取り入れると、幼体期と成長期のマウスでも、さらには若年成体と成体のマウスでも、骨量増加を助ける可能性があることが判明しました。「この注目すべき観察により、プルーンが生涯の早い時期から骨の健康をサポートし、もしかしたら我々の加齢に伴う骨関係の問題への有効な対策になる可能性が示唆されます」とハロラン博士は言います。
過去の研究では、骨細胞による骨吸収(骨細胞が破壊されること)の速度を高める炎症の存在を示すマーカーを低下させることによって、プルーンが骨密度の改善に役立つ可能性が示唆されています[※i]。加齢性骨粗鬆症が男女ともに公衆衛生上の重大問題であることから、ハロラン博士の研究は注目に値します。骨粗鬆症治療用の処方箋薬は著しく進歩しているとはいえ、患者のコンプライアンス、有害作用、コスト、長期的有効性をめぐる問題が残っています。プルーンは手軽でコストパフォーマンスの高い軽食および食材として、さらなる研究に値します。
■ 閉経後女性において、1日1サービングのプルーンが骨量減少の進行抑制に関連
過去の研究において、閉経後女性が1年間にわたってプルーン1日100グラム(2サービング相当、約10〜12個)を摂取すると、骨密度(BMD)が増加し骨代謝回転指標が改善されるという関係が見出されました[※ii]。ISNAOのポスターセッションにおいて、サンディエゴ州立大学運動栄養科学科の研究員・助教授のシリン・フーシュマンド博士の発表した新しい研究では、プルーンの摂取量を減らして50グラム(1サービング相当、約5〜6個)にした場合の効果を比較して調べました。その結果から、骨の健康改善と骨量減少の進行抑制に対して1サービングのプルーンでも有効かもしれないことが示されます[※iii]。「信じがたいほどすばらしい発見です」とフーシュマンド博士はコメントしました。「風味豊かなドライフルーツで手軽な軽食でもあるプルーンが、骨量減少の予防に役立つ可能性があるのです」
この2件の発表に関し、女子栄養大学栄養生理学研究室の上西一弘教授は、以下のようにコメントしています。「近年、プルーンが骨の健康に有用であるというエビデンス(科学的根拠)が集積されてきている。今回1つ目は動物実験であり、より若いマウスでも骨量を増やす効果が示されている。2つ目はヒトを対象としたものであり、対象者は65〜79歳の閉経後女性48名で、摂取期間は6か月である。その結果、1日に50g(5〜6個)のプルーン摂取で、100g摂取と同様に、全身骨密度の増加、骨吸収マーカー(TRAP-5b)の低下が観察された。 ただし、ヒトを対象とした研究では、プルーン100g摂取時と同様にカルシウム500mg、ビタミンD400IUが付加されており、アメリカの更年期女性では一般的とはいえ、カルシウム摂取量の多い状態での検討となる。日本人はカルシウム摂取水準が低く、ビタミンDの栄養状態も必ずしも良いとは言えないことから、50gのプルーンを摂取するだけで、同様の効果が出るかどうかはわからない。日本人を対象とした検討が必要である。しかし、これらの研究は、プルーンがおそらく骨吸収を抑制することにより、骨の健康に寄与している可能性があることを示唆したものであり、摂取可能な1日に50g(5〜6個)のプルーンで効果があるとすれば、私たちの食生活にも取り入れていくことができるものと期待できる。」
■ その他の研究でもプルーンの栄養にまつわる説が裏づけられる
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カリフォルニアプルーンが骨の健康に有望な効果をもたらす栄養豊かなホールフードであることを裏づける研究は増え続けています。さらに管理栄養士は以前から、栄養密度の高い食品としてプルーンを食事に取り入れることや、間食としてパッケージからそのまま食べることを推奨してきました。プルーンをめぐっては、骨の健康にとどまらず幅広い栄養にまつわる説を裏づける確固たる研究(※1)が行われています。実際、プルーンがLDLコレステロールを減らしたり消化器系の健康を増進したりする可能性が研究で示唆されています。
ピッツバーグ大学メディカルセンターのスポーツ栄養学ディレクターであり、ピッツバーグ・パイレーツとピッツバーグ・バレー・シアターのチーム栄養士でもあるレスリー・ボンチ氏は、以下ように語っています。「私はずっと、プロや大学生のアスリートやその他の人々から栄養の相談を受ける際に、プルーンを勧めてきました。ほかの食材をプルーンで簡単に置き換えられるということは知られていますが、人々は料理においてどれほどメリットがあるかについては気づいていません。加えて、私は袋から出してそのまま食べています。プルーンは手ごろで手軽で持ち運びしやすく、いつでも手に入れられます。この自然がくれた一口サイズの滋養の塊にまさるものはありません」
シリン・フーシュマンド博士とレスリー・ボンチ氏(公衆衛生学修士、管理栄養士、認定スポーツ栄養学スペシャリスト)は、カリフォルニア プルーン協会(CPB: California Prune Board)*のスポークスパーソンであり、バーニー・ハロラン博士は同協会の顧問です。CPBはさまざまな研究のために資金の一部やプルーンおよびプルーン製品を提供しています。CPBはISNAOのスポンサーであり、アメリカ骨粗鬆症財団(NOF)と提携しています。研究に関する詳しい情報はhttp://www.californiadriedplums.org、http://www.eatdriedplums.comをご覧ください。プルーンに関する情報(日本語)はカリフォルニア プルーン協会http://www.prune.jpまで。
レスリー・ボンチ先生、「プルーンの健康的役割」を語る
https://www.youtube.com/watch?v=cNbXaeCPX6Y#t=20
[動画: http://www.youtube.com/watch?v=cNbXaeCPX6Y#t=20 ]
*カリフォルニア プルーン協会とは
1952年に設立、カリフォルニア産プルーンの900の生産者及び26の加工業者を代表する機関で、カリフォルニア州農務省の管轄のもとに活動を行っています。現在カリフォルニア州は全米の約99%、世界全体の約42%のプルーンを生産。協会は22名の理事で構成されています。
対日活動は1987年に始まり、その活動内容は、プルーンに関する各種研究調査のほか、カリフォルニア産プルーン全般の需要拡大を目的とする宣伝・販売販促・PRを企画実施しています。
[※i] http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18509698
[※ii] http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21736808
[※iii] http://www.fasebj.org/content/29/1_Supplement/738.12.abstract
(※1)http://www.californiadriedplums.org/nutrition/health-professionals/research