【SolidWorks】シュレッダーごみをトイレットペーパーへ再生するエコ装置を開発。3次元を駆使して、複雑な機構を自販機2台分の装置に収めることに成功
[10/12/16]
提供元:PRTIMES
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1959年、日本で最初のシュレッダーを開発・製造し、50年以上の歴史を重ねてきた合資会社オリエンタルにおけるSolidWorksの活用事例のご紹介です。
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オリエンタルは地球環境保護の視点から開発のターゲットを拡大し、シュレッダーで細断されて発生する紙屑を燃やさず簡単に資源に再生する装置を、3次元を駆使して開発した。製品名は「White Goat(白ヤギ)」。畳1畳分程度の大きさで、左の投入口からシュレッダーくずを入れると、30分後、右の排出口へトイレットペーパーがコトンと落ちてくる。捨てるのに苦労していたゴミが、人手をかけることなく生活必需品に姿を変えるだけでなく、焼却で発生するCO2を削減し、資源を守る環境に優しい装置が誕生したのだ。
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1959年、日本で最初のシュレッダーを開発・製造。 立ち上げ当時は月数台のシュレッダーを生産するのみだったが、コンピュータの普及に伴って機密情報を記載した紙が増え、60年代には企業へ普及が進んでいった。 「従来は、焼却や産業廃棄物処理が行われていましたが、紙は貴重な地球資源である木から作られています。いつか資源不足になる時代が来るだろうと考え、1995年、シュレッダーくずを再生利用するプロジェクトを立ち上げました」と、開発技術部 部長の能澤公擴氏は語る。
2004年、長年あたためていた企画をついに設計開発できる体制が整って、最初に導入したのがSolidWorksである。
シュレッダーは2次元CADで設計してきた。しかしゼロからの新規開発製品には、3次元が良いと考えたのだ。
White Goatは、シュレッダーよりはるかに大きく、複雑な装置になると予測され、また、割り当てられる設計者は2人だけだ。3次元を活用して、設計生産性を高める必要があった。
「3次元なら、全体をアセンブリして回したり、部品の形状や取りつけ位置をわかりやすく製造者へ指示できます。また、多種多様な機能をオールインワンにしなければならないため、機構・干渉チェックの機能は必須でした。さらに3次元は、1カ所修正すると他も連動して自動修正してくれ、履歴に沿ってやり直しができるなど、インテリジェントな力で設計者を助けてくれます。修正漏れや思い違いなどのケアレスミス、試作段階で発見される不具合をできる限りなくしておいて、新しい開発の部分に集中したいと考えました」と能澤氏は言う。
「SolidWorksは、ハイエンド製品に比べて安価ですが、板金主体のWhite Goatを設計するには必要十分な機能を備えていました。しかも、他のCAD製品より使いやすい。さらに、シェアの拡大が続いていて、加工業者や協力会社でも生データをそのまま受け取って利用してくれるところが多いことが決定打となりました」(能澤氏)。
White Goatを商品化するうえでの大きな壁は、コンパクト化、軽量化だった。
「たたみ2畳分に収めることが開発当初の目標でした。3次元を駆使して空間を効率よく利用することで、目標を超える1畳スペースを達成したのです。」と小池氏は語る。
重さは、自動販売機を目安にした。自販機は中身を入れて300kg前後だ。White Goatは全体重量約600kgを達成。2分割して搬送すれば、オフィスビルの貨物用エレベーターに楽に積載できる。
「600kgにするために、駆使したのが解析です。試作を何回もやり直すうちに、部品1つ1つを軽くしつつ強度を持たせるには解析するしかないと痛感しました。」(小池氏)。
安全性を見て余分に厚くしていた部品が、途中で的確な曲げを入れることで、薄くても強度を保てるようになった。3ミリの板厚を1.6ミリに薄くできた部品もある。機構解析、振動解析、構造解析などを繰り返すたびにWhite Goatはよりコンパクトに、軽くなっていき、材料費の低減も進化していった。
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2009年、オフィスに設置して、シュレッダーくずをトイレットペーパーに生まれ変わらせる装置を発売できた。まず桐生市役所に納入し、金融、病院などにも需要が広がっている。
「2030年までに、ありとあらゆるゴミや紙をリサイクルする」を経営目標に掲げるオリエンタル。3次元データをさまざまな角度から活用しながら、紙はもちろん、他の領域へもエコロジー技術拡大のチャレンジは続いていく。
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