第7回ゼロマラリア賞は 國井修・グローバルファンド戦略・投資・効果局長へ
[20/04/25]
提供元:PRTIMES
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特定非営利活動法人マラリア・ノーモア・ジャパン(東京都千代田区、代表理事:神余隆博)は、4月25日の世界マラリアデーに、第7回ゼロマラリア賞を國井修(くにい おさむ)・グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)戦略・投資・効果局長へ贈ることを発表しました。これまでの感染症対策・事業への長年の貢献が高く評価されました。
受賞に当たり、國井さんからは、「殺虫剤・薬剤耐性、地球温暖化、難民や移民など、以前にも増してマラリアとの闘いは困難を極めています。闘い方はわかっていますし、足りないものもわかっています。大切なことは、途中で気を抜かないこと、状況に応じて介入を賢く組合せること、そのための連携協力を強化することだと思います」とのコメントを受けました。
日本で唯一のマラリアに特化した市民社会組織であるマラリア・ノーモア・ジャパンでは、ゼロマラリア賞を通じて、より多くの方が、マラリアや感染症について関心を持ち、アクションを起こすきっかけになればと考えています。
ゼロマラリア賞とは
「2030年までにゼロマラリアを達成する」という国際社会の目標に寄与する活動に取り組む、あらゆる分野の個人、団体を対象に、表彰しています。2014年の開始以来、公益社団法人日本青年会議所の蚊帳配布キャンペーン(2014年)、マラリア研究を行う個人の研究者(2015年、2016年)、沖縄におけるマラリア制圧の取り組みの記録を残した著者及び出版社へ(2017年)、蚊に関する創作落語の上演(2018年)、アジア・メディカル・イノベーション・コンソーシアム(AMIC)マラリア部会(2019年)へと、支援事業や研究にとどまらず、様々な立場からのゼロマラリアへの貢献を評価し、表彰しています。詳細は以下をご参照ください。
國井修氏のコメント全文
この度は栄えある賞を賜り、ありがとうございます。私は学生時代にマラリアに罹ったせいか、その後もマラリアの熱は冷めやらず、NGO、大学、外務省、ユニセフを通じて、また現在でもマラリア対策に関わっています。
古くて新しいこの感染症は、未だに多くの人々の命と健康を奪っています。さらに、殺虫剤・薬剤耐性、地球温暖化、難民や移民など、以前にも増してマラリアとの闘いは困難を極めています。闘い方はわかっていますし、足りないものもわかっています。大切なことは、途中で気を抜かないこと、状況に応じて介入を賢く組合せること、そのための連携協力を強化することだと思います。この賞を頂き、私もさらにマラリア流行終息に向けて邁進したいと思います。
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ゼロマラリア賞とは
マラリア制圧のために取り組む個人、団体を表彰するもの。具体的な支援事業の実施に留まらず調査研究、情報発信、またマラリアという言葉の認知率向上のためのアイデア作りなどに取り組む個人など、マラリアに関わるあらゆる分野の個人、団体を対象に、2014年に認定NPO法人マラリア・ノーモア・ジャパンによって設立されました。
- 第1回(2014年度)受賞者 公益社団法人日本青年会議所
長年の国際青年会議所による蚊帳をアフリカの子どもに送るキャンペーン「Nothing But Nets」に協力する活動が評価
- 第2回(2015年度)受賞者 川本文彦・大分大学名誉教授
アクリジンオレンジ染色顕微鏡検査法の開発、並びにマラリアとG6PD欠損症の分子疫学的研究で世界的にも有名な研究者の研究に対して
- 第3回(2016年度)受賞者 小林潤・琉球大学教授
長年ラオスでの活動を実施などアジアでの活動に対して
- 第4回(2017年度)受賞者 南山舎による南風原英育著「マラリア撲滅への挑戦者たち」出版活動
日本で最後まで残った所謂「戦争マラリア」およびその後のマラリア制圧の沖縄県での取り組みを丹念に取り上げ、戦争マラリアの実態を紹介した書籍『マラリア撲滅への挑戦者たち』の出版活動に対して
- 第5回(2018年度)受賞者 桂歌助・落語家
狂言「蚊相撲」をヒントに作られた、創作落語「蚊相撲」を通じて、マラリアや蚊が運ぶ病気について、エンターテインメントから情報発信を行ったことに対して。
- 第6回(2019年度)受賞 アジア・メディカル・イノベーション・コンソーシアム(AMIC)マラリア部会
同会でこれまで推進されてきたアジアおよびアフリカ地域におけるマラリア制圧のための産官学民が連携した具体的な取り組みに対して。
國井修(くにい・おさむ)略歴 https://www.osamukunii.com/
[画像2: https://prtimes.jp/i/10063/27/resize/d10063-27-376172-1.jpg ]
1962年栃木県大田原市生。自治医科大学卒業。公衆衛生学修士(ハーバード大学)、医学博士(東京大学)。これまで110か国以上で医療活動。内科医として病院や奥日光の山間僻地で診療する傍ら、NGOを立ち上げ、国際緊急援助や在日外国人医療に従事。1995年青年版国民栄誉賞である「人間力大賞(TOYP)」外務大臣賞とグランプリを受賞。ペルー大使公邸人質事件でも医療班として参加。国立国際医療センター、東京大学、外務省などを経て、2004年長崎大学熱帯医学研究所教授。2006年より国連児童基金(ユニセフ)に入り、ニューヨーク本部、ミャンマー、ソマリアで子どもや女性の死亡低減のため、マラリア対策を含む保健・栄養・水衛生事業を統括。2013年2月より現職。
『国家救援医 私は破綻国家の医師になった』(KADOKAWA、2014年)、『世界最強組織のつくり方 感染症と闘うグローバルファンドの挑戦』(筑摩書房、 2019年)等。第54回吉川英治文化賞(平成2年)受賞。
グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)とは https://www.theglobalfund.org/en/
2002年に設立され、スイスに本部を置くグローバルファンド(英語名称:The Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malaria)は、低・中所得国の三大感染症対策を支える官民連携基金です。G7を初めとする先進国政府や民間財団、企業など、国際社会から大規模な資金を調達し、低・中所得国が行う三大感染症の予防、治療、感染者支援、保健システム強化を様々なパートナーとの連携・協力を強化しながら支援している。2000年のG8九州・沖縄サミットで、議長国日本が感染症対策を主要課題として取り上げ、追加的資金調達と国際的なパートナーシップの必要性についてG8諸国が確認したことが、グローバルファンド設立の発端となった。このことから、日本はグローバルファンドの「生みの親」のひとつと言われている。