Arm、自動運転対応プロセッサの最新版「Arm Cortex-A65AE」を発表
[18/12/21]
提供元:PRTIMES
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車載用に特化した最新技術により、大規模な自動運転環境の安全性と信頼性を向上
※本資料は英Armが2018年12月18日に発表したニュースの抄訳です。
英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)は、車載用に独自設計された「Automotive Enhanced」シリーズの最新プロセッサである「Arm Cortex-A65AE」を発表しました。7nmに最適化されたCortex-A65AEは、安全機能を実装しつつ、自動運転車のセンサー・データ処理や、車載インフォテイメント(IVI)/コックピット・システムの高スループット・ニーズに対応した、Arm初のマルチスレッド・プロセッサです。
発表の概要:
次世代の安全な運転体験の実現に向け、「Arm Safety Ready」プログラムの最新要素として、Armの新型「Automotive Enhanced」プロセッサを発表
7nmに最適化されたCortex-A65AEは、安全機能を実装しつつ、自動運転車のセンサー・データ処理や、車載インフォテイメント(IVI)/コックピット・システムの高スループット・ニーズに対応した、Arm初のマルチスレッド・プロセッサ
高スループットのワークロードに最適化された同時マルチスレッド処理機能が、最高のパフォーマンス効率を発揮
米国自動車協会(AAA)の最近のデータによると、米国のドライバーのうち73%は完全自動運転車への搭乗を非常に恐れており、また米国の成人の63%は、歩行時やサイクリング時に自動運転車と道路を共有することは安全ではないと感じています。最新の先進運転者支援システム(ADAS)や自動化の進むテクノロジーが人々に受け入れられるには、ドライバーや同乗者に利用時の安心感を与えることが不可欠といえます。
一般消費者から信頼を獲得することは極めて重要であり、このような信頼に根ざした体験を提供する上で、自動車メーカー各社に必要なのは、イノベーションと安全性の最適なバランスを達成しつつ、実際の路上に導入でき、拡張性にも優れ、大量生産に対応可能なソリューションです。Armは、業界をリードする自動車メーカーやティア1サプライヤーとの対話を定期的に行っており、未来の自動車のニーズに応えるには幅広い演算リソースが必要であること、そして、こうした自動車を支える演算リソースに関して、万能なソリューションなど存在しないことが明白となっています。
Armは、先般発表した「Safety Ready」プログラム(*1)の開始とAutomotive Enhanced(AE)の専用IPファミリを通じて、今年すでに自動車メーカーとティア1サプライヤーに対する、安全な完全自動運転車の導入加速に向けた取り組みを進めています。先日発表した初のAE製品であるCortex-A76AEは、自動運転用途に必要な処理性能を達成しつつ、安全機能を実装することで、これまでの概念をくつがえしています。そして、Automotive Enhanced IPポートフォリオをさらに拡大するものとして、製品ロードマップの中でHelios-AEとして紹介していた「Arm Cortex-A65AE」のリリースをこのたび発表しました。
*1) https://www.arm.com/company/news/2018/09/without-safety-there-is-no-future-for-autonomous-driving
Cortex-A65AE:安全機能を実装した、初のマルチスレッド・プロセッサ
Arm Cortex-A65AE(Automotive Enhanced)は、ArmのAutomotive Enhanced IPポートフォリオの最新製品であり、次世代自動車で生成されるセンサー・データの複数のストリームをより効率的に処理し、これまでにない画期的なドライバー体験を安全に実現するための製品です。こうした機能は、より強力なマルチスレッド機能と、Armの画期的なSplit-Lockテクノロジーによって実装される安全機能の組み合わせによって実現しています。
より高水準の自動運転を実現するため、カメラ、LiDAR、レーダーなど、自動車の周囲を監視するセンサーの数が大幅に増加することで、こうしたデータを安全に処理するためのスループットと演算リソースの要件も大幅に拡大することが見込まれています。複数センサーの入力情報を活用することで、自動車は周囲の環境を把握し、現状を認識しつつ、想定される進路を計画し、決定した進路をアクチュエータに命令することが可能となります。
自動車のさまざまなポイントで膨大なデータが収集されることから、ADASや自動運転の用途の実現に必要となるヘテロジニアスな各種処理では、高いデータスループット能力が重要な要素となります。さらに、もう1つの重要な要素として、こうしたシステムの核となるのが安全性です。Cortex-A65AEは、センサー・データ収集時の高スループット要件を管理するのに最適であり、機械学習(ML)やコンピュータ・ビジョンなど、アクセラレータに接続したロックステップ・モードで利用することで、データを効率処理できます。しかし、最も重要なのは、高水準のセキュリティ機能を維持することです。
センサーの入力情報の拡大とともに、自動運転と運転者支援の進化によって、人々の自動車体験は大きく変わると考えられます。こうした進化の一環として、自動車にはこれまで以上に多くの画面が搭載され、より魅力的な体験をもたらすことが期待されます。拡張現実(AR)対応のヘッドアップ・ディスプレイや、アラート、マップ画面の進化により、ドライバーにはさまざまな情報が提供されます。一方の同乗者も、車内全体の多くの画面の提供する表現力豊かなビデオ・エンターテイメントに夢中になるかもしれませんが、こうした新たなキャビン体験が人々に受け入れられるには、信用や信頼性、安全性のいずれもが不可欠となります。センサーは、外部を検知するだけでなく、内部、すなわちドライバーも監視します。まぶたの動きを監視し、疲れや体温、バイタルサイン、行動パターンを検知することで、その人に合わせた車内体験を演出できるようになります。こうした機能には、高スループット、機械学習処理、大量のヘテロジニアスな演算リソースが必要です。
表現力豊かで没入感あふれる車内体験を効率的に提供するには、ヘテロジニアスな演算クラスタが必要となります。Cortex-A65AEは、Split-Lock機能を搭載した、Arm初のスループット特化型のアプリケーションクラスのコアです。同様にSplit-Lock機能対応したCortex-A76AE(*2)と併用することで、これらのコアは、最高の安全完全性レベルと、業界をリードするパフォーマンスや電力効率を発揮します。
*2) https://www.arm.com/products/silicon-ip-cpu/cortex-a/cortex-a76ae
今回、Armの車載プラットフォームにマルチスレッドのCortex-A65AEプロセッサが加わったことで、Armの車載分野におけるリーダーシップはより強固なものとなっています。Arm Safety Readyの開発者向けツールのサポートと、すでに提供されているLinuxパッチを通じ、Armのソフトウェア・エコシステムは、Cortex-A76AEへの準備が整っています。
完全自動運転の安全性向上を牽引
Armプロセッサを搭載した自動車・小型乗用車の年間走行距離は合計で5兆3,000億マイルに上ります。Armの車載分野の今後のロードマップには、7nmに最適化された2019年のHercules-AEや、将来的なCortex-Rソリューションが含まれています。自社のポートフォリオを拡大し、機能的安全性に対応したIP製品を業界で最も幅広く取り揃えることで、Armは従来の可能性を変革していきます。Arm Safety Readyプログラムはプラットフォーム全体をサポートしており、安全性分野でのArmの幅広い体験を活用することで、自動車メーカー、ティア1サプライヤー、シリコン・パートナーは、車載ソリューションをより迅速・安全に提供できるようになります。
自動車の安全性に対するArmのコミットメントについての詳細は、「Safety Ready」(*3)ページをご覧ください。
*3) https://www.arm.com/why-arm/technologies/safety
Armについて
Armのテクノロジーは、コンピューティングとコネクティビティの革命の中心として、人々の暮らしや企業経営のあり方に変革を及ぼしています。そのエネルギー効率に優れた高度なプロセッサ設計は、1,250億個以上のチップを通してインテリジェントなコンピューティングを実現してきました。Armのテクノロジーは各種センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、さまざまな製品をセキュアにサポートしており、世界人口の70%以上に使用されています。さらに、このテクノロジーにIoTソフトウェアやデバイス管理プラットフォームを組み合わせ、顧客がコネクテッドデバイスからビジネス価値を生み出すことを可能にしています。Armは現在1,000社以上のテクノロジーパートナーとともに、チップからクラウドまで、演算が行われるあらゆる分野における設計、セキュリティ、管理を支える技術の最先端を担っています。
全ての情報は現状のまま提供されており、内容について表明および保証を行うものではありません。本資料は、内容を改変せず、出典を明記した上で自由に共有いただけます。ArmはArm Limited(またはその子会社)の登録商標です。その他のブランドあるいは製品名は全て、それぞれのホールダーの所有物です。(C) 1995-2018 Arm Group.
※本資料は英Armが2018年12月18日に発表したニュースの抄訳です。
英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)は、車載用に独自設計された「Automotive Enhanced」シリーズの最新プロセッサである「Arm Cortex-A65AE」を発表しました。7nmに最適化されたCortex-A65AEは、安全機能を実装しつつ、自動運転車のセンサー・データ処理や、車載インフォテイメント(IVI)/コックピット・システムの高スループット・ニーズに対応した、Arm初のマルチスレッド・プロセッサです。
発表の概要:
次世代の安全な運転体験の実現に向け、「Arm Safety Ready」プログラムの最新要素として、Armの新型「Automotive Enhanced」プロセッサを発表
7nmに最適化されたCortex-A65AEは、安全機能を実装しつつ、自動運転車のセンサー・データ処理や、車載インフォテイメント(IVI)/コックピット・システムの高スループット・ニーズに対応した、Arm初のマルチスレッド・プロセッサ
高スループットのワークロードに最適化された同時マルチスレッド処理機能が、最高のパフォーマンス効率を発揮
米国自動車協会(AAA)の最近のデータによると、米国のドライバーのうち73%は完全自動運転車への搭乗を非常に恐れており、また米国の成人の63%は、歩行時やサイクリング時に自動運転車と道路を共有することは安全ではないと感じています。最新の先進運転者支援システム(ADAS)や自動化の進むテクノロジーが人々に受け入れられるには、ドライバーや同乗者に利用時の安心感を与えることが不可欠といえます。
一般消費者から信頼を獲得することは極めて重要であり、このような信頼に根ざした体験を提供する上で、自動車メーカー各社に必要なのは、イノベーションと安全性の最適なバランスを達成しつつ、実際の路上に導入でき、拡張性にも優れ、大量生産に対応可能なソリューションです。Armは、業界をリードする自動車メーカーやティア1サプライヤーとの対話を定期的に行っており、未来の自動車のニーズに応えるには幅広い演算リソースが必要であること、そして、こうした自動車を支える演算リソースに関して、万能なソリューションなど存在しないことが明白となっています。
Armは、先般発表した「Safety Ready」プログラム(*1)の開始とAutomotive Enhanced(AE)の専用IPファミリを通じて、今年すでに自動車メーカーとティア1サプライヤーに対する、安全な完全自動運転車の導入加速に向けた取り組みを進めています。先日発表した初のAE製品であるCortex-A76AEは、自動運転用途に必要な処理性能を達成しつつ、安全機能を実装することで、これまでの概念をくつがえしています。そして、Automotive Enhanced IPポートフォリオをさらに拡大するものとして、製品ロードマップの中でHelios-AEとして紹介していた「Arm Cortex-A65AE」のリリースをこのたび発表しました。
*1) https://www.arm.com/company/news/2018/09/without-safety-there-is-no-future-for-autonomous-driving
Cortex-A65AE:安全機能を実装した、初のマルチスレッド・プロセッサ
Arm Cortex-A65AE(Automotive Enhanced)は、ArmのAutomotive Enhanced IPポートフォリオの最新製品であり、次世代自動車で生成されるセンサー・データの複数のストリームをより効率的に処理し、これまでにない画期的なドライバー体験を安全に実現するための製品です。こうした機能は、より強力なマルチスレッド機能と、Armの画期的なSplit-Lockテクノロジーによって実装される安全機能の組み合わせによって実現しています。
より高水準の自動運転を実現するため、カメラ、LiDAR、レーダーなど、自動車の周囲を監視するセンサーの数が大幅に増加することで、こうしたデータを安全に処理するためのスループットと演算リソースの要件も大幅に拡大することが見込まれています。複数センサーの入力情報を活用することで、自動車は周囲の環境を把握し、現状を認識しつつ、想定される進路を計画し、決定した進路をアクチュエータに命令することが可能となります。
自動車のさまざまなポイントで膨大なデータが収集されることから、ADASや自動運転の用途の実現に必要となるヘテロジニアスな各種処理では、高いデータスループット能力が重要な要素となります。さらに、もう1つの重要な要素として、こうしたシステムの核となるのが安全性です。Cortex-A65AEは、センサー・データ収集時の高スループット要件を管理するのに最適であり、機械学習(ML)やコンピュータ・ビジョンなど、アクセラレータに接続したロックステップ・モードで利用することで、データを効率処理できます。しかし、最も重要なのは、高水準のセキュリティ機能を維持することです。
センサーの入力情報の拡大とともに、自動運転と運転者支援の進化によって、人々の自動車体験は大きく変わると考えられます。こうした進化の一環として、自動車にはこれまで以上に多くの画面が搭載され、より魅力的な体験をもたらすことが期待されます。拡張現実(AR)対応のヘッドアップ・ディスプレイや、アラート、マップ画面の進化により、ドライバーにはさまざまな情報が提供されます。一方の同乗者も、車内全体の多くの画面の提供する表現力豊かなビデオ・エンターテイメントに夢中になるかもしれませんが、こうした新たなキャビン体験が人々に受け入れられるには、信用や信頼性、安全性のいずれもが不可欠となります。センサーは、外部を検知するだけでなく、内部、すなわちドライバーも監視します。まぶたの動きを監視し、疲れや体温、バイタルサイン、行動パターンを検知することで、その人に合わせた車内体験を演出できるようになります。こうした機能には、高スループット、機械学習処理、大量のヘテロジニアスな演算リソースが必要です。
表現力豊かで没入感あふれる車内体験を効率的に提供するには、ヘテロジニアスな演算クラスタが必要となります。Cortex-A65AEは、Split-Lock機能を搭載した、Arm初のスループット特化型のアプリケーションクラスのコアです。同様にSplit-Lock機能対応したCortex-A76AE(*2)と併用することで、これらのコアは、最高の安全完全性レベルと、業界をリードするパフォーマンスや電力効率を発揮します。
*2) https://www.arm.com/products/silicon-ip-cpu/cortex-a/cortex-a76ae
今回、Armの車載プラットフォームにマルチスレッドのCortex-A65AEプロセッサが加わったことで、Armの車載分野におけるリーダーシップはより強固なものとなっています。Arm Safety Readyの開発者向けツールのサポートと、すでに提供されているLinuxパッチを通じ、Armのソフトウェア・エコシステムは、Cortex-A76AEへの準備が整っています。
完全自動運転の安全性向上を牽引
Armプロセッサを搭載した自動車・小型乗用車の年間走行距離は合計で5兆3,000億マイルに上ります。Armの車載分野の今後のロードマップには、7nmに最適化された2019年のHercules-AEや、将来的なCortex-Rソリューションが含まれています。自社のポートフォリオを拡大し、機能的安全性に対応したIP製品を業界で最も幅広く取り揃えることで、Armは従来の可能性を変革していきます。Arm Safety Readyプログラムはプラットフォーム全体をサポートしており、安全性分野でのArmの幅広い体験を活用することで、自動車メーカー、ティア1サプライヤー、シリコン・パートナーは、車載ソリューションをより迅速・安全に提供できるようになります。
自動車の安全性に対するArmのコミットメントについての詳細は、「Safety Ready」(*3)ページをご覧ください。
*3) https://www.arm.com/why-arm/technologies/safety
Armについて
Armのテクノロジーは、コンピューティングとコネクティビティの革命の中心として、人々の暮らしや企業経営のあり方に変革を及ぼしています。そのエネルギー効率に優れた高度なプロセッサ設計は、1,250億個以上のチップを通してインテリジェントなコンピューティングを実現してきました。Armのテクノロジーは各種センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、さまざまな製品をセキュアにサポートしており、世界人口の70%以上に使用されています。さらに、このテクノロジーにIoTソフトウェアやデバイス管理プラットフォームを組み合わせ、顧客がコネクテッドデバイスからビジネス価値を生み出すことを可能にしています。Armは現在1,000社以上のテクノロジーパートナーとともに、チップからクラウドまで、演算が行われるあらゆる分野における設計、セキュリティ、管理を支える技術の最先端を担っています。
全ての情報は現状のまま提供されており、内容について表明および保証を行うものではありません。本資料は、内容を改変せず、出典を明記した上で自由に共有いただけます。ArmはArm Limited(またはその子会社)の登録商標です。その他のブランドあるいは製品名は全て、それぞれのホールダーの所有物です。(C) 1995-2018 Arm Group.