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ビッグフレーム構法の構造設計を「全自動化」〜5時間のCAD入力作業がAIで10分に短縮〜

住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区)は当社独自のビッグフレーム構法※1の全自動構造設計システム(以下、本システム)を開発し、住友林業アーキテクノ株式会社※2(社長:中丸 晴彦 本社:東京都中央区)で運用開始しました。建物の形状や柱・梁等の位置からAIが最適な構造部材(柱・梁・基礎など)とその断面や接合部の仕様を選定する構造設計業務(CAD入力※3)の全自動化を実現。構造設計者の知識や経験によってバラつきのあった業務プロセスを標準化し構造設計の作業効率が大幅に改善しました(図1)。従来、構造設計者が約5時間※4費やしていたCAD入力業務が10分程度で完了します。住友林業グループはこの取り組みを起点に申し込みから設計、施工、引き渡しまでの住宅生産プロセス全般でAIを活用したDXを加速させ、木造住宅の付加価値やお客様満足度の向上を目指します。





[画像1: https://prtimes.jp/i/52275/56/resize/d52275-56-1aaa2e29a5fce98e2c2b-0.png ]

図1:住友林業アーキテクノにおける構造設計業務と全自動化範囲

■システム概要
本システムは建物形状や柱・梁の位置などの構造計画をもとに居住性、耐震・耐風性、施工性、製造コスト等を考慮し、AIが最適な構造部材を選定。構造設計者のCAD入力時間を大幅に削減したことに加え、業務プロセスを標準化して結果確認に要する時間も短縮。AIが最適な施工手順や材料の歩留まり※5を考慮して設計するため、施工精度の向上や製造コストの削減にも寄与します(図2)。

[画像2: https://prtimes.jp/i/52275/56/resize/d52275-56-ebbeaf5eaf9e6ebeb0f3-1.png ]


■背景
住友林業アーキテクノは住友林業が独自開発した構造設計システムを用いて設計をしています。構造計算や建物の安全性に関する技術基準を満たすために多大な時間を費やし、納期調整や人財確保に苦慮していました。ビッグフレーム構法の構造設計は住友林業独自の技術基準に対する理解や経験を必要とし、作業時間も構造設計者の力量に依存するため、業務プロセスの標準化が課題となっていました。

※1.日本初の木質梁勝ちラーメン構法を用いた住友林業オリジナル構法。大断面の柱と梁を強固に緊結することで高い耐震性を確保しながら、大空間や大開口の計画が可能。また、柱よりも梁が優先した「梁勝ちラーメン構法」を採用することで、間取りの制約も少なく、将来的な間取り変更も容易。
※2.100%子会社で木造建築の総合設計会社
※3.Computer Aided Design。建築の設計を支援するコンピュータシステム
※4.住友林業アーキテクノにおける構造設計システム平均入力時間(2022年度_実績)
※5.木材など、加工前の材料に対して実際に使用した材料の割合

■今後の見通し
現状、構造設計者が柱や梁の適切な配置を考えている構造計画の作業も全自動化していきます。また日々の業務で蓄積した構造設計データやAIを活用して、さらなる作業時間の短縮を目指します。

住友林業グループは森林経営から木材建材の製造・流通、戸建住宅・中大規模木造建築の請負や不動産開発、木質バイオマス発電まで「木」を軸とした事業をグローバルに展開しています。2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」では「地球環境への価値」「人と社会への価値」「市場経済への価値」の視点から9つの重要課題を特定。その1つに「DX・イノベーションによる市場の変革」」を掲げています。今後もDX・イノベーションを通じて木造建築のサプライチェーンを効率化し付加価値向上を目指します。
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