システマティック投資家の半数は投資プロセスに AIの組込みを開始
[23/10/30]
提供元:PRTIMES
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当資料は、インベスコ・グループが 2023 年 10月 30 日に発表したプレスリリースの日本語抄訳版であり、当資料の内容および解釈については原文(英語)が優先されます。
インベスコの調査では、人工知能(AI)革命がすでに進行中であることが明らかになりました。システマティック投資家の半数は投資プロセスに AI を組み込んでおり、大多数(75%)は AI が 10 年以内に従来の投資分析と同等かそれを超える可能性を期待しています。
AI は主に市場動向を理解し、ポートフォリオの配分を最適化するために使用されており、 投資家は、投資戦略をテストし、取引ポジションをリアルタイムで監視および調整するためのツールとしての可能性を感じています。
回答者の 41% がセンチメント分析に自然言語処理を使用しており、4 分の 3 が将来的に利用すると予想しています。
ほとんどの投資家は、2022年の厳しい市場環境を乗り切るのにシステマティック戦略が役立ったと考えています。
システマティック投資は進化しています。投資家は、より多様な戦略を使用することでシステマティックな分析手法を強化しています。
「グロース」が確立されたファクターになってきています。
ロンドン、2023年10月30日 - インベスコは本日、第8回目となるインベスコ・グローバル・システマティック・インベスティング・スタディの結果を発表しました。 本スタディは、2016年から毎年発行されているインベスコ・グローバル・ファクター・インベスティング・スタディを進化させたものです。クオンツ投資の世界における変化と単なるファクターを超えた定量的手法の利用状況を反映し、本年変更を加えるに至りました。 この調査は、合わせて22兆5000億ドル(約3,000兆円)の資産を運用する130の機関投資家およびホールセール投資家の意見に基づいており、システマティックなツールを用いた取り組みにより、投資家が不安定な市場や不完全なデータなどの主要な課題を乗り越えるのに役立つというコンセンサスが高まっていることが分かりました。
今回発表された本スタディによれば、システマティック投資家の半数がすでに投資プロセスに人工知能(AI)を組み込んでいることが明らかになりました。また今回の調査により、AIツールが数年のうちにポートフォリオ管理を変革するだろうという期待が広く存在していることも明らかになっています。大多数 (62%) は、10 年以内に AI が従来の投資分析と同じくらい重要になると予想しており、13% はさらに重要になると予想しています。
AI革命はすでに進行中
システマティックな投資家はすでに、さまざまなコアとなる部分にAI を使用しています。回答を見ると、市場環境をより深く理解し、マクロ経済の転換点を特定するために AI を活用しているとしています。46%は市場行動のパターンを特定するために AI を使用しており、38%はポートフォリオの配分とリスク管理に AI を使用しています。 投資家は、人間の偏見を軽減し、予期せぬ事態を予測する AI の能力を高く評価しています(図 1)。
投資家は、AI の使用が今後数年間で大幅に拡大すると予想しています。少数派(29%) はすでに投資戦略の開発とテストに使用していますが、大多数(76%) は今後これを行う予定としています。また、現在、20%が投資ポジションをリアルタイムで監視および調整するために使用している一方、半数以上 (55%) が今後もそのような利用に期待を寄せています。
AI の主な利点として、ホールセール投資家の回答者の 76% がリスク管理の向上を挙げ、次に65%が変化する市場状況に適応する柔軟性を挙げています。 しかし、課題は依然として残っています。多くの回答者は、導入の主な障害として、実装コスト(64%) と AI モデルの複雑さと解釈可能性(モデルが予測を返す仕組みそのものを明らかにできること)(61%)を挙げています(図 2 および 3)。
インベスコのクオンツ運用戦略部門の最高投資責任者(CIO)であるベルンハルト・ランガーは、「ホールセール投資家の間では、AI主導のポートフォリオ戦略が、従来のモデルに影を落とす可能性について懸念を抱いていることがわかった。AI主導のモデルは、今後、投資家、特に若い投資家にとって魅力的なものになっていくと考えられており、企業は迅速に適応する必要がある」と述べています。
一方、機関投資家は、78%が正確でタイムリーな洞察が AI の最も魅力的な利点であると考えており、次いで74%がリスク管理の改善、68%が効率性と自動化の向上を挙げています。また主な関心事として、複雑さ (78%) とデータの品質とその完全性 (51%)を挙げています。
「機関投資家にとっての主要な課題はステークホルダーとの関係にあります。 ステークホルダーは『ブラックボックス』ソリューションを警戒しているため、投資家はAIモデルの使い方を説明する際に、正当化できる必要があります。一方で、 AIの利用と意思決定の責任をめぐる規制状況は依然として曖昧なままです。」とランガーは続けました。
自然言語処理ツールとしての台頭
投資家は自然言語処理 (NLP) ツールを採用しており、ホワイトペーパーの要約や営業チーム向けに自分たちが推奨するものに興味関心をもってもらうための言葉への変換、あるいは、さまざまな顧客グループ向けのコミュニケーションの取り方の変更など、多様な業務に活用されています。
NLP モデルは投資プロセスにも導入されています。 回答者の41%はセンチメント分析に NLP を使用しており、約 4 分の 3 (73%)は将来的に利用するようになると考えています。 数名の投資家は、関心のある企業について、オンラインで語られていることをSNSなどを通じて分析することでその企業に関する言及の頻度や語られている内容の背景を測定し、リスクを評価し、短期的な取引の意思決定を行う際の貴重な洞察を得ていると回答しています(図 4)。
アジア太平洋と北米が先導するAI革命
しかし、インベスコの調査では、AIとNLPに対する取り組みには地域差が大きく、EMEAの投資家はアジア太平洋地域や北米の投資家よりも著しく懐疑的であることが判明しました。
EMEA の投資家の大多数(51%)は、10 年後も AI は従来の分析手法よりも重要性が低いと考えていますが、その考えに同意するのは、北米ではわずか10%、アジア太平洋地域では7%にすぎません。逆に、EMEA 投資家のわずか 4%しか
その期間に AI が従来の分析手法に取って代わるとは考えておらず、逆に、北米(19%) とアジア太平洋(20%) の両方でそれよりはるかに高い数字が観察されています(図 5)。
さらに、北米とアジア太平洋地域の投資家は現在、投資プロセスで AI を利用する可能性がはるかに高いと回答しています
。 アジア太平洋地域の投資家は、EMEA の投資家に比べて、市場の行動パターンを特定するために AI を使用する可能性が 2 倍、リアルタイムで投資ポジションを調整するために AI を使用する可能性が 3 倍以上です。 EMEA の投資家は、AI 導入の各側面で北米と アジア太平洋地域 の投資家に後れを取っています(図 6)。
成長を続けるシステマティックなツールは、市場を適切に管理する上で投資家を支援
ファクター投資は歴史的にシステマティック投資を基礎としてきましたが、インベスコの調査では、投資家が近年の主要な課題を対処する上でシステマティック戦略の分析手法を用いることがはるかに大きいことが明らかになりました。
マクロ経済環境を読み解くツールが特に重要になっており、市場リスクの軽減に役立つシステマティック・アプローチの能力が今年の調査の重要なテーマでした。投資家の過半数(63%)は、システマティック戦略が市場のボラティリティの管理に役立つことに同意しました。 昨年。 さらに、回答者のほぼ60%が、新たな高インフレ市場制度がシステマティック・アプローチを支持していると回答し、支持をしないと回答しているのは機関投資家(6%)とホールセール投資家(10%)のみでした。
回答者の4分の3 にとって、動的な資産配分はアプローチの中核要素となっており、市場環境に応じてポートフォリオのリバランスや調整に役立っています。 システマティック・ツールを用いることで、投資家が根底にあるマクロ経済の状態を特定し、特徴付けるのに役立ち、それがさまざまな資産クラス、ファクター、地域、セクターに及ぼす影響を推測できるようになりました。
ランガーは「最近の課題により、投資家は予期せぬ障害をどう乗り越えるかという疑問を抱いている。回答者は、市場をより深く理解し、特定の資産クラスが他の資産クラスを上回る傾向がある時期を特定するために、ファクターを超えた取り組みを行うことについて話していました。」と述べています。
ESGデータのギャップを埋める
ただし、システマティック・アプローチの有用性はマクロ経済の状況に限定されません。 回答者は、ESG を巡る課題に対する解毒剤として、特に「データギャップ」を埋めるシステマティック戦略を賞賛しました。
インベスコの調査によると、回答者の約3分の2がシステマティック戦略を用いてESGをポートフォリオに組み込んでおり、システマティックなツールは投資家がパフォーマンスに大きな影響を与える可能性があるESGの変数や指標を解読するのに役立っていることが判明しました。
回答者の約半数は、データが不足している場合、システマティック投資がESGの適用に役立つことに同意しており、多くは、格付け会社間の不一致を調整し、生データから独自の企業スコアを作成するためにシステマティックなツールを使用していると指摘しました。
「異なる ESG 格付け会社間の相関関係は低く、もちろん信用格付けよりもはるかに成熟していない市場です。 そこで、投資家が利用可能なデータの質を高めるためにシステマティックなモデルに注目していることがわかりました」とランガーは述べています。
従来の資産クラスとファクターを超えて
インベスコの調査では、システマティック・アプローチはこれまで考えられていたよりも幅広い資産クラスに適用できるというコンセンサスが高まっていることも判明しました。
現在、システマティック・モデルは債券や株式にしっかりと組み込まれていますが、量的緩和からの移行と相まって利回りが上昇したことにより、さまざまな国やセクターにわたるリターンを決定する際に、従来からのマクロ経済的に考慮すべき事項が再び前面に押し出されてきました。 これにより、コモディティと通貨に対するシステマティック戦略の魅力が高まっています。現在この方法でコモディティをターゲットにしているのはわずか 4 分の 1 ですが、(59%)はこれが今後の焦点になると考えています (図 7)。
新たなマクロ経済環境はまた、何がファクターを構成するかについて投資家に従来の考えを再考するよう促しています。
注目すべきことに、回答者の5人中4人が現在「グロース」を独立したファクターとして認識しており、「グロース」を正確に定義するのは難しいと主張した伝統的な学術的見解に異議を唱えています。 投資家は「グロース」を「バリュー」の反対とは考えず、またその逆にも考えていません。 むしろ、「適正な価格でのグロース」のような微妙で複合的な要因の台頭によって証明されるように、別個の、そして場合によっては補完的なファクターとして考えています。
以上
[画像1: https://prtimes.jp/i/5698/58/resize/d5698-58-dc339d381b95abc65603-0.png ]
[画像2: https://prtimes.jp/i/5698/58/resize/d5698-58-118c1bfdf2f12b808bb9-0.png ]
[画像3: https://prtimes.jp/i/5698/58/resize/d5698-58-fb93aad8c467568af1b4-0.png ]
[画像4: https://prtimes.jp/i/5698/58/resize/d5698-58-41cb79cdd2fe383eb0fc-0.png ]
[画像5: https://prtimes.jp/i/5698/58/resize/d5698-58-872413f1ba03c2f864cd-0.png ]
[画像6: https://prtimes.jp/i/5698/58/resize/d5698-58-1751852da1e063ffbb5f-0.png ]
[画像7: https://prtimes.jp/i/5698/58/resize/d5698-58-e0c8f2c32b1e7883a56f-0.png ]
注記:
この調査では、回答者全員が「システマティック投資家」であり、投資決定を下しポートフォリオを構築するために、構造化されたルールベースの定量的モデルとアルゴリズムを採用する投資家として定義されています。 私たちは、複数の市場にわたるさまざまな投資家プロフィールを意図的にターゲットにし、規模の大きい投資家や経験豊富な投資家を優先しました。
2023年に、私たちは世界中の130の異なる年金基金、保険会社、政府投資家、資産コンサルタント、ウェルスマネージャー、プライベートバンクにインタビューを実施しました。 これらの投資家は合わせて 22.5 兆ドル(約3,000兆円)の資産を運用しています(2023 年 3 月 31 日現在、為替レートは133.095円/米ドルで換算、WMロイターのレートに基づく)。 この中心的な調査には、経験豊富なシステマティック投資家との 30 件の詳細なインタビューが追加されました。
機関投資家は、年金基金(確定給付型と確定拠出型の両方)、政府系ファンド、保険会社、基金、財団として定義されます。 ホールセール投資家は、集約されたホールセール投資家の資産プールの裁量マネージャーまたはモデルポートフォリオ構築者として定義されます。これには、民間銀行や金融アドバイスプロバイダーの投資一任チームおよびファンドセレクター、ならびにそれらの仲介業者にサービスを提供する一任ファンドマネージャーが含まれます。
この調査のためのフィールドワークは、2023 年 4 月から 6 月にかけて NMG Consulting によって実施されました。インベスコは NMG Consulting と提携していません。
インベスコについて
インベスコは、「素晴らしい投資体験を通じて、人々の人生をより豊かなものにする」ことを会社の存在意義として掲げ、グローバルな運用力を提供する世界有数の独立系資産運用会社です。インベスコは、グローバル市場で培った特色ある運用力を強みとするブランドを傘下に収め、世界中の個人投資家、機関投資家などの顧客の資産運用ニーズに対し、グループの総合力を結集して包括的な解決策を提供しています。インベスコは、世界20ヵ国以上に拠点を置き、ニューヨーク証券取引所に上場しています(証券コード:IVZ)。インベスコに関する詳しい情報は、以下ウェブサイト(英語)で入手することができます。
https://www.invesco.com/corporate/en/home.html
インベスコ・アセット・マネジメント株式会社について
インベスコ・アセット・マネジメント株式会社は、「素晴らしい投資体験を通じて、人々の人生をより豊かなものにする」ことを会社の存在意義として掲げ、グローバルな運用力を提供する世界有数の独立系資産運用会社インベスコの日本拠点です。インベスコ・アセット・マネジメント株式会社は、内外の公的年金・企業年金、事業法人、銀行や保険会社など機関投資家を対象に、株式や債券などの伝統的な投資戦略からオルタナティブなど非伝統的な投資戦略まで幅広い商品およびサービスを提供しています。また、銀行・証券会社・保険会社などを通じて個人投資家向けの投資信託およびサービスを提供しています。インベスコ・アセット・マネジメント株式会社に関する詳しい情報は、以下ウェブサイトで入手することができます。
https://www.invesco.com/jp/ja/individual-investor.html
その他の留意事項
当資料はインベスコ・アセット・マネジメント株式会社が、インベスコが作成した英文資料を抄訳し、情報提供を目的として作成したプレスリリースであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。抄訳には正確を期していますが、必ずしも完全性を当社が保証するものではありません。また、抄訳の場合には、原資料の趣旨を必ずしもすべて反映した内容になっていない場合があります。当資料は信頼できる情報に基づいて作成されたものですが、その情報の確実性あるいは完結性を表明するものではありません。当資料に記載されている内容は既に変更されている場合があり、また、予告なく変更される場合があります。当資料には将来の市場の見通し等に関する記述が含まれている場合がありますが、それらは資料作成時における作成者の見解であり、将来の動向や成果を保証するものではありません。また、当資料に示す見解は、インベスコの他の運用チームの見解と異なる場合があります。過去のパフォーマンスや動向は将来の収益や成果を保証するものではありません。当社の事前の承認なく、当資料の一部または全部を使用、複製、転用、配布等することを禁じます。
インベスコの調査では、人工知能(AI)革命がすでに進行中であることが明らかになりました。システマティック投資家の半数は投資プロセスに AI を組み込んでおり、大多数(75%)は AI が 10 年以内に従来の投資分析と同等かそれを超える可能性を期待しています。
AI は主に市場動向を理解し、ポートフォリオの配分を最適化するために使用されており、 投資家は、投資戦略をテストし、取引ポジションをリアルタイムで監視および調整するためのツールとしての可能性を感じています。
回答者の 41% がセンチメント分析に自然言語処理を使用しており、4 分の 3 が将来的に利用すると予想しています。
ほとんどの投資家は、2022年の厳しい市場環境を乗り切るのにシステマティック戦略が役立ったと考えています。
システマティック投資は進化しています。投資家は、より多様な戦略を使用することでシステマティックな分析手法を強化しています。
「グロース」が確立されたファクターになってきています。
ロンドン、2023年10月30日 - インベスコは本日、第8回目となるインベスコ・グローバル・システマティック・インベスティング・スタディの結果を発表しました。 本スタディは、2016年から毎年発行されているインベスコ・グローバル・ファクター・インベスティング・スタディを進化させたものです。クオンツ投資の世界における変化と単なるファクターを超えた定量的手法の利用状況を反映し、本年変更を加えるに至りました。 この調査は、合わせて22兆5000億ドル(約3,000兆円)の資産を運用する130の機関投資家およびホールセール投資家の意見に基づいており、システマティックなツールを用いた取り組みにより、投資家が不安定な市場や不完全なデータなどの主要な課題を乗り越えるのに役立つというコンセンサスが高まっていることが分かりました。
今回発表された本スタディによれば、システマティック投資家の半数がすでに投資プロセスに人工知能(AI)を組み込んでいることが明らかになりました。また今回の調査により、AIツールが数年のうちにポートフォリオ管理を変革するだろうという期待が広く存在していることも明らかになっています。大多数 (62%) は、10 年以内に AI が従来の投資分析と同じくらい重要になると予想しており、13% はさらに重要になると予想しています。
AI革命はすでに進行中
システマティックな投資家はすでに、さまざまなコアとなる部分にAI を使用しています。回答を見ると、市場環境をより深く理解し、マクロ経済の転換点を特定するために AI を活用しているとしています。46%は市場行動のパターンを特定するために AI を使用しており、38%はポートフォリオの配分とリスク管理に AI を使用しています。 投資家は、人間の偏見を軽減し、予期せぬ事態を予測する AI の能力を高く評価しています(図 1)。
投資家は、AI の使用が今後数年間で大幅に拡大すると予想しています。少数派(29%) はすでに投資戦略の開発とテストに使用していますが、大多数(76%) は今後これを行う予定としています。また、現在、20%が投資ポジションをリアルタイムで監視および調整するために使用している一方、半数以上 (55%) が今後もそのような利用に期待を寄せています。
AI の主な利点として、ホールセール投資家の回答者の 76% がリスク管理の向上を挙げ、次に65%が変化する市場状況に適応する柔軟性を挙げています。 しかし、課題は依然として残っています。多くの回答者は、導入の主な障害として、実装コスト(64%) と AI モデルの複雑さと解釈可能性(モデルが予測を返す仕組みそのものを明らかにできること)(61%)を挙げています(図 2 および 3)。
インベスコのクオンツ運用戦略部門の最高投資責任者(CIO)であるベルンハルト・ランガーは、「ホールセール投資家の間では、AI主導のポートフォリオ戦略が、従来のモデルに影を落とす可能性について懸念を抱いていることがわかった。AI主導のモデルは、今後、投資家、特に若い投資家にとって魅力的なものになっていくと考えられており、企業は迅速に適応する必要がある」と述べています。
一方、機関投資家は、78%が正確でタイムリーな洞察が AI の最も魅力的な利点であると考えており、次いで74%がリスク管理の改善、68%が効率性と自動化の向上を挙げています。また主な関心事として、複雑さ (78%) とデータの品質とその完全性 (51%)を挙げています。
「機関投資家にとっての主要な課題はステークホルダーとの関係にあります。 ステークホルダーは『ブラックボックス』ソリューションを警戒しているため、投資家はAIモデルの使い方を説明する際に、正当化できる必要があります。一方で、 AIの利用と意思決定の責任をめぐる規制状況は依然として曖昧なままです。」とランガーは続けました。
自然言語処理ツールとしての台頭
投資家は自然言語処理 (NLP) ツールを採用しており、ホワイトペーパーの要約や営業チーム向けに自分たちが推奨するものに興味関心をもってもらうための言葉への変換、あるいは、さまざまな顧客グループ向けのコミュニケーションの取り方の変更など、多様な業務に活用されています。
NLP モデルは投資プロセスにも導入されています。 回答者の41%はセンチメント分析に NLP を使用しており、約 4 分の 3 (73%)は将来的に利用するようになると考えています。 数名の投資家は、関心のある企業について、オンラインで語られていることをSNSなどを通じて分析することでその企業に関する言及の頻度や語られている内容の背景を測定し、リスクを評価し、短期的な取引の意思決定を行う際の貴重な洞察を得ていると回答しています(図 4)。
アジア太平洋と北米が先導するAI革命
しかし、インベスコの調査では、AIとNLPに対する取り組みには地域差が大きく、EMEAの投資家はアジア太平洋地域や北米の投資家よりも著しく懐疑的であることが判明しました。
EMEA の投資家の大多数(51%)は、10 年後も AI は従来の分析手法よりも重要性が低いと考えていますが、その考えに同意するのは、北米ではわずか10%、アジア太平洋地域では7%にすぎません。逆に、EMEA 投資家のわずか 4%しか
その期間に AI が従来の分析手法に取って代わるとは考えておらず、逆に、北米(19%) とアジア太平洋(20%) の両方でそれよりはるかに高い数字が観察されています(図 5)。
さらに、北米とアジア太平洋地域の投資家は現在、投資プロセスで AI を利用する可能性がはるかに高いと回答しています
。 アジア太平洋地域の投資家は、EMEA の投資家に比べて、市場の行動パターンを特定するために AI を使用する可能性が 2 倍、リアルタイムで投資ポジションを調整するために AI を使用する可能性が 3 倍以上です。 EMEA の投資家は、AI 導入の各側面で北米と アジア太平洋地域 の投資家に後れを取っています(図 6)。
成長を続けるシステマティックなツールは、市場を適切に管理する上で投資家を支援
ファクター投資は歴史的にシステマティック投資を基礎としてきましたが、インベスコの調査では、投資家が近年の主要な課題を対処する上でシステマティック戦略の分析手法を用いることがはるかに大きいことが明らかになりました。
マクロ経済環境を読み解くツールが特に重要になっており、市場リスクの軽減に役立つシステマティック・アプローチの能力が今年の調査の重要なテーマでした。投資家の過半数(63%)は、システマティック戦略が市場のボラティリティの管理に役立つことに同意しました。 昨年。 さらに、回答者のほぼ60%が、新たな高インフレ市場制度がシステマティック・アプローチを支持していると回答し、支持をしないと回答しているのは機関投資家(6%)とホールセール投資家(10%)のみでした。
回答者の4分の3 にとって、動的な資産配分はアプローチの中核要素となっており、市場環境に応じてポートフォリオのリバランスや調整に役立っています。 システマティック・ツールを用いることで、投資家が根底にあるマクロ経済の状態を特定し、特徴付けるのに役立ち、それがさまざまな資産クラス、ファクター、地域、セクターに及ぼす影響を推測できるようになりました。
ランガーは「最近の課題により、投資家は予期せぬ障害をどう乗り越えるかという疑問を抱いている。回答者は、市場をより深く理解し、特定の資産クラスが他の資産クラスを上回る傾向がある時期を特定するために、ファクターを超えた取り組みを行うことについて話していました。」と述べています。
ESGデータのギャップを埋める
ただし、システマティック・アプローチの有用性はマクロ経済の状況に限定されません。 回答者は、ESG を巡る課題に対する解毒剤として、特に「データギャップ」を埋めるシステマティック戦略を賞賛しました。
インベスコの調査によると、回答者の約3分の2がシステマティック戦略を用いてESGをポートフォリオに組み込んでおり、システマティックなツールは投資家がパフォーマンスに大きな影響を与える可能性があるESGの変数や指標を解読するのに役立っていることが判明しました。
回答者の約半数は、データが不足している場合、システマティック投資がESGの適用に役立つことに同意しており、多くは、格付け会社間の不一致を調整し、生データから独自の企業スコアを作成するためにシステマティックなツールを使用していると指摘しました。
「異なる ESG 格付け会社間の相関関係は低く、もちろん信用格付けよりもはるかに成熟していない市場です。 そこで、投資家が利用可能なデータの質を高めるためにシステマティックなモデルに注目していることがわかりました」とランガーは述べています。
従来の資産クラスとファクターを超えて
インベスコの調査では、システマティック・アプローチはこれまで考えられていたよりも幅広い資産クラスに適用できるというコンセンサスが高まっていることも判明しました。
現在、システマティック・モデルは債券や株式にしっかりと組み込まれていますが、量的緩和からの移行と相まって利回りが上昇したことにより、さまざまな国やセクターにわたるリターンを決定する際に、従来からのマクロ経済的に考慮すべき事項が再び前面に押し出されてきました。 これにより、コモディティと通貨に対するシステマティック戦略の魅力が高まっています。現在この方法でコモディティをターゲットにしているのはわずか 4 分の 1 ですが、(59%)はこれが今後の焦点になると考えています (図 7)。
新たなマクロ経済環境はまた、何がファクターを構成するかについて投資家に従来の考えを再考するよう促しています。
注目すべきことに、回答者の5人中4人が現在「グロース」を独立したファクターとして認識しており、「グロース」を正確に定義するのは難しいと主張した伝統的な学術的見解に異議を唱えています。 投資家は「グロース」を「バリュー」の反対とは考えず、またその逆にも考えていません。 むしろ、「適正な価格でのグロース」のような微妙で複合的な要因の台頭によって証明されるように、別個の、そして場合によっては補完的なファクターとして考えています。
以上
[画像1: https://prtimes.jp/i/5698/58/resize/d5698-58-dc339d381b95abc65603-0.png ]
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注記:
この調査では、回答者全員が「システマティック投資家」であり、投資決定を下しポートフォリオを構築するために、構造化されたルールベースの定量的モデルとアルゴリズムを採用する投資家として定義されています。 私たちは、複数の市場にわたるさまざまな投資家プロフィールを意図的にターゲットにし、規模の大きい投資家や経験豊富な投資家を優先しました。
2023年に、私たちは世界中の130の異なる年金基金、保険会社、政府投資家、資産コンサルタント、ウェルスマネージャー、プライベートバンクにインタビューを実施しました。 これらの投資家は合わせて 22.5 兆ドル(約3,000兆円)の資産を運用しています(2023 年 3 月 31 日現在、為替レートは133.095円/米ドルで換算、WMロイターのレートに基づく)。 この中心的な調査には、経験豊富なシステマティック投資家との 30 件の詳細なインタビューが追加されました。
機関投資家は、年金基金(確定給付型と確定拠出型の両方)、政府系ファンド、保険会社、基金、財団として定義されます。 ホールセール投資家は、集約されたホールセール投資家の資産プールの裁量マネージャーまたはモデルポートフォリオ構築者として定義されます。これには、民間銀行や金融アドバイスプロバイダーの投資一任チームおよびファンドセレクター、ならびにそれらの仲介業者にサービスを提供する一任ファンドマネージャーが含まれます。
この調査のためのフィールドワークは、2023 年 4 月から 6 月にかけて NMG Consulting によって実施されました。インベスコは NMG Consulting と提携していません。
インベスコについて
インベスコは、「素晴らしい投資体験を通じて、人々の人生をより豊かなものにする」ことを会社の存在意義として掲げ、グローバルな運用力を提供する世界有数の独立系資産運用会社です。インベスコは、グローバル市場で培った特色ある運用力を強みとするブランドを傘下に収め、世界中の個人投資家、機関投資家などの顧客の資産運用ニーズに対し、グループの総合力を結集して包括的な解決策を提供しています。インベスコは、世界20ヵ国以上に拠点を置き、ニューヨーク証券取引所に上場しています(証券コード:IVZ)。インベスコに関する詳しい情報は、以下ウェブサイト(英語)で入手することができます。
https://www.invesco.com/corporate/en/home.html
インベスコ・アセット・マネジメント株式会社について
インベスコ・アセット・マネジメント株式会社は、「素晴らしい投資体験を通じて、人々の人生をより豊かなものにする」ことを会社の存在意義として掲げ、グローバルな運用力を提供する世界有数の独立系資産運用会社インベスコの日本拠点です。インベスコ・アセット・マネジメント株式会社は、内外の公的年金・企業年金、事業法人、銀行や保険会社など機関投資家を対象に、株式や債券などの伝統的な投資戦略からオルタナティブなど非伝統的な投資戦略まで幅広い商品およびサービスを提供しています。また、銀行・証券会社・保険会社などを通じて個人投資家向けの投資信託およびサービスを提供しています。インベスコ・アセット・マネジメント株式会社に関する詳しい情報は、以下ウェブサイトで入手することができます。
https://www.invesco.com/jp/ja/individual-investor.html
その他の留意事項
当資料はインベスコ・アセット・マネジメント株式会社が、インベスコが作成した英文資料を抄訳し、情報提供を目的として作成したプレスリリースであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。抄訳には正確を期していますが、必ずしも完全性を当社が保証するものではありません。また、抄訳の場合には、原資料の趣旨を必ずしもすべて反映した内容になっていない場合があります。当資料は信頼できる情報に基づいて作成されたものですが、その情報の確実性あるいは完結性を表明するものではありません。当資料に記載されている内容は既に変更されている場合があり、また、予告なく変更される場合があります。当資料には将来の市場の見通し等に関する記述が含まれている場合がありますが、それらは資料作成時における作成者の見解であり、将来の動向や成果を保証するものではありません。また、当資料に示す見解は、インベスコの他の運用チームの見解と異なる場合があります。過去のパフォーマンスや動向は将来の収益や成果を保証するものではありません。当社の事前の承認なく、当資料の一部または全部を使用、複製、転用、配布等することを禁じます。