当社開発の多点設置型防災IoTセンサ「クリノポール」、実際の斜面崩壊を捉えることに成功
[23/09/30]
提供元:PRTIMES
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応用地質株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:天野 洋文、以下「当社」)は、当社で開発した多点設置型防災IoTソリューション「クリノポール(表層傾斜センサ)」により実際の斜面崩壊の検知に成功しましたのでお知らせします。
【背景となる社会課題と実証試験の概要】
台風や短時間強雨による土砂災害が全国的に頻発化する中で、斜面を監視するための表層傾斜センサが様々な企業により開発が進められています。しかしながら、斜面崩壊の管理基準値が確立された「地表面伸縮計」「孔内傾斜計」のような従来技術とは異なり、表層傾斜センサは、崩壊現場での適用事例や取得データが少ないことから、管理基準値※の設定が難しく、このことが、実際の現場での適用を阻害する要因となっています。
※ここでの管理基準値とは、当該センサ等のデータに基づく斜面崩壊の危険度や要監視・避難などの必要性を示す指標のことを指します。
このため当社では、表層傾斜センサによる斜面崩壊に対する管理基準値の確立を目的として、全国地質調査業協会連合会(以下、「全地連」)「傾斜センサによる斜面監視モニタリングのマーケット開拓コンソーシアム」の活動として、当社が開発した表層傾斜センサ「クリノポール」を西日本地域の急斜面に設置し、斜面監視の実証試験に取り組んでいます。
[画像1: https://prtimes.jp/i/47274/66/resize/d47274-66-427366d78d4642e173fb-0.png ]
【実証試験の結果】
2023年3月23日に観測した降雨により、設置したクリノポールが斜面の変形を示す変位を検知し、その後の現地調査により、設置箇所で斜面崩壊していることを確認しました。また、変位を検知しなかった斜面には異常はみられませんでした。さらに、その後の詳細な検証※※の結果、一定量の変位が継続した後、同日午後5時10分に変位速度が加速度的に大きくなる現象が観測されたことから、クリノポールが実際に斜面の崩壊を事前に捉えたと判断されました。
※※技術的な検証を含む本実証試験の詳細については、2023年9月6日〜7日に開催された「全地連『技術フォーラム2023』横浜」にて論文掲載。
[画像2: https://prtimes.jp/i/47274/66/resize/d47274-66-833c9a26eb7c8302c8f8-1.png ]
なお、今回の斜面崩壊と、公開されている土壌雨量指数(降った雨が土壌中に水分量としてどれだけ溜まっているかを計算して数値化したもの)との間には明確な因果関係は見られませんでした。斜面崩壊は、これまで多年に渡り経験してきた降雨による不安定化の進行が要因であったと推定されます。
【今後の展望】
土壌雨量指数による危険度判定には未だに多くの不確定要素がある中で、センサによる実際の斜面の変位計測は極めて重要です。特に、広域エリアを高密度に監視し、かつ低コストで運用可能なクリノポールは、土砂災害の予兆を確実に捉え、適切な住民避難を促していく上で非常に有効なツールとなります。
当社および全地連では、今回の実証試験を踏まえ、クリノポールによる斜面崩壊データの蓄積を進め、管理基準値の確立をめざすとともに、わが国の防災技術の発展と強靭で持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(参考)ハザードマッピングセンサ ソリューションについて
エッジコンピューティング、LPWA、IoT /クラウドによる多点設置型センサ(クリノポール)と、当社の地質調査および防災・減災事業における知見を組み込んだ地形判読AI (センサ設置箇所抽出機能)で構成され、運用コスト及び人的負担が抑制可能な、多点・面的・広範囲・リアルタイム監視による全く新しい防災・減災対策を実現するソリューションです。センサ設置・保守、データ集約、危険度判定、アラート発信及び情報可視化のオールインワンサービスで、センサは斜面崩壊などを監視する傾斜センサ(クリノポール等)と、河川氾濫を監視する冠水センサによって構成されます。予め設定された閾値を超えてセンサが異常を検知した場合には、自動的にユーザーにメールで通知します。
ハザードマップングセンサソリューションは、モバイルシステム、IoT / AI 技術の導入により「業務効率化」「コスト削減」「売上拡大」「業績向上」や「モバイル、IoT / AI 技術の効果的活用」などの顕著な成果をあげている企業等を顕彰する『MCPC award 2020』 (モバイルコンピューティグ推進コンソーシアム主催 ) において、サービス&ソリューション部門の最優秀賞を受賞しました。
https://www.oyo.co.jp/services/solution/hazard-mapping-sensor-solutions/
【背景となる社会課題と実証試験の概要】
台風や短時間強雨による土砂災害が全国的に頻発化する中で、斜面を監視するための表層傾斜センサが様々な企業により開発が進められています。しかしながら、斜面崩壊の管理基準値が確立された「地表面伸縮計」「孔内傾斜計」のような従来技術とは異なり、表層傾斜センサは、崩壊現場での適用事例や取得データが少ないことから、管理基準値※の設定が難しく、このことが、実際の現場での適用を阻害する要因となっています。
※ここでの管理基準値とは、当該センサ等のデータに基づく斜面崩壊の危険度や要監視・避難などの必要性を示す指標のことを指します。
このため当社では、表層傾斜センサによる斜面崩壊に対する管理基準値の確立を目的として、全国地質調査業協会連合会(以下、「全地連」)「傾斜センサによる斜面監視モニタリングのマーケット開拓コンソーシアム」の活動として、当社が開発した表層傾斜センサ「クリノポール」を西日本地域の急斜面に設置し、斜面監視の実証試験に取り組んでいます。
[画像1: https://prtimes.jp/i/47274/66/resize/d47274-66-427366d78d4642e173fb-0.png ]
【実証試験の結果】
2023年3月23日に観測した降雨により、設置したクリノポールが斜面の変形を示す変位を検知し、その後の現地調査により、設置箇所で斜面崩壊していることを確認しました。また、変位を検知しなかった斜面には異常はみられませんでした。さらに、その後の詳細な検証※※の結果、一定量の変位が継続した後、同日午後5時10分に変位速度が加速度的に大きくなる現象が観測されたことから、クリノポールが実際に斜面の崩壊を事前に捉えたと判断されました。
※※技術的な検証を含む本実証試験の詳細については、2023年9月6日〜7日に開催された「全地連『技術フォーラム2023』横浜」にて論文掲載。
[画像2: https://prtimes.jp/i/47274/66/resize/d47274-66-833c9a26eb7c8302c8f8-1.png ]
なお、今回の斜面崩壊と、公開されている土壌雨量指数(降った雨が土壌中に水分量としてどれだけ溜まっているかを計算して数値化したもの)との間には明確な因果関係は見られませんでした。斜面崩壊は、これまで多年に渡り経験してきた降雨による不安定化の進行が要因であったと推定されます。
【今後の展望】
土壌雨量指数による危険度判定には未だに多くの不確定要素がある中で、センサによる実際の斜面の変位計測は極めて重要です。特に、広域エリアを高密度に監視し、かつ低コストで運用可能なクリノポールは、土砂災害の予兆を確実に捉え、適切な住民避難を促していく上で非常に有効なツールとなります。
当社および全地連では、今回の実証試験を踏まえ、クリノポールによる斜面崩壊データの蓄積を進め、管理基準値の確立をめざすとともに、わが国の防災技術の発展と強靭で持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(参考)ハザードマッピングセンサ ソリューションについて
エッジコンピューティング、LPWA、IoT /クラウドによる多点設置型センサ(クリノポール)と、当社の地質調査および防災・減災事業における知見を組み込んだ地形判読AI (センサ設置箇所抽出機能)で構成され、運用コスト及び人的負担が抑制可能な、多点・面的・広範囲・リアルタイム監視による全く新しい防災・減災対策を実現するソリューションです。センサ設置・保守、データ集約、危険度判定、アラート発信及び情報可視化のオールインワンサービスで、センサは斜面崩壊などを監視する傾斜センサ(クリノポール等)と、河川氾濫を監視する冠水センサによって構成されます。予め設定された閾値を超えてセンサが異常を検知した場合には、自動的にユーザーにメールで通知します。
ハザードマップングセンサソリューションは、モバイルシステム、IoT / AI 技術の導入により「業務効率化」「コスト削減」「売上拡大」「業績向上」や「モバイル、IoT / AI 技術の効果的活用」などの顕著な成果をあげている企業等を顕彰する『MCPC award 2020』 (モバイルコンピューティグ推進コンソーシアム主催 ) において、サービス&ソリューション部門の最優秀賞を受賞しました。
https://www.oyo.co.jp/services/solution/hazard-mapping-sensor-solutions/